リィエル・レプリカと転生日誌 作:氷月ユキナ
「お前……ティア、か?」
「………………………ん」
どうしようかと考える暇もない質問に俺は、心の中で絶叫しながらも肯定した。
うああぁぁああ──ッ! なんで、なんでピンポイントで俺の居る車両に飛び乗って来るんだよ!?
もっと他にもたくさん車両あるでしょ!? ここに来んな!!
「あー……? お、お前、リィエルじゃねぇかッ!?」
「良かった……! 無事だったのですね、リィエル!」
完全に人違いですッ!!
「皆っ、離れてッ! そいつはリィエルじゃない!!」
お、システィーナは流石に俺だってわかってくれたか!
まぁ、レオス(ジャティス)のメイド時代に何回も会ったことあるからねー。
「多分、そいつが今回の黒幕よ!」
……いや、俺をこの事件全ての原因にしないでくれない? 今回は本当に関係ないのに酷くない?
俺じゃなくてマリアンヌとかいうおばさんが黒幕なんだけど……?
「ねぇ、どうしてこんな事をしてるの!? それに、あのジャティス=ロウファンもここに来てるの!?」
「……違う。今回の犯人はおれじゃない」
「それを私達が信じられると思う?」
システィーナにすごい勢いで睨まれた。
ですよねー。……たすけて、グレンせんせい……。
「……グレン、たすけて」
「ティア。今自首すれば、お前の罪は軽くなるぞ? 大丈夫だ。このグレン=レーダス大先生様が、自首を一緒に行ってやるからな。安心しろ」
「……酷い。おれはやってないのに」
「犯人は皆そう言うのよ」
じゃあ俺は何て言えば無実だって分かって貰えるんだよ、システィーナ=サン……。
……もう、これ詰んでない?
「おれを信じなくていい。けど、おれに構っても時間が無駄に無くなるだけ」
「くっ……リィエル達を人質にってことかしら?」
「だから違う」
どんだけシスティーナは俺を犯人にしたいんだよ。
……いや、俺が怪しいのは分かるけどさぁ。それでもこう、こんなに疑うのは失礼だろ。
「……グレンは?」
グレン先生なら、分かってくれるよね? ね??
「……分かった分かった。ちゃんと信じてやるよ、ティア」
「! ……ありがと」
流石グレン先生! システィーナとは全然違う!!
俺も、ここでその人数相手(しかもそれなりに強い)と戦いたくないしね。
「じゃあ、グレン。状況を聞かせて」
「……いや、お前の方が知ってると思ってたんだが?」
原作知識で知ってるけど、それを除いたら何も知らないんだよこっちは。
俺さっきまでおにぎり食べてただけなんだよ?
「……なにも知らない」
「……結論から言うと、リィエルとエルザっていう生徒が攫われたんだ」
……よし。
もうグレン達に見つかっちゃったんだし、こうなったら少しでも"面白く"してやる!