リィエル・レプリカと転生日誌 作:氷月ユキナ
まず、俺はジャティスに特殊魔術技能の数々のやり方を教えてもらった。
正直に言うと俺自身の魔術の才能はジャティスによると絶望的らしいのだが、エレンの場合は
そんなわけで、ジャティスにお願いして
こういう強制記憶魔術は精神に負荷がかかってしまうから気をつけろと言い残して、理由を何も聞かずに知りたいことを教えてくれたジャティスには本当に感謝しか無い。
そして教え始めたのだが……やはり、
原作では何千回のループによるゴリ押しでなんとかしていたが、4周目の現在のエレンはまだ低い。
《
《
参考対象として、一流レベルの水準の魔術師の
エレンと同じぐらいの年代の生徒平均は、
ちなみに俺は《
そして、最終的にエレンが辿り着かないといけないシスティーナは、《
……エレンをシスティーナ並みの強さにするということが、どれだけの無理難題なのか、分かってくれただろうか。
確かに
技術が上がっても、ガス欠で戦えなくなってしまっては意味がない。
当たり前だが
キッツいなぁ……と、俺は街から少し離れたあまり人に知られていない平原で
「らっ、《雷精よ・紫電の衝撃もって・打ち倒せ》!」
「遅いよ。一節詠唱で発動できるようにしようか。それと相手の動きを読んで。闇雲に撃ってもシスティーナさんには絶対に当たらないよ」
「くっ」
ちょくちょくエレンにアドバイスしながら、本気を出さずに戦闘を続ける。
「《我は射手・原初の力よ・我が指先に集え》ッ!」
エレンの指から撃たれる魔力の弾の軌道を見切って、その全てを軽々と躱しきる。
「相手ばかり見ないで。もっと自分がどう動くかも考えて。自分がどこにいるのかを理解して、場の構造すらも利用して」
「この平原に利用できるものなんて……!?」
「えーっと……ごめん、ここには無いね。だけど、自分の居場所を把握したほうがいいのは事実だよ。それと──《大いなる風よ》」
「え──きゃあ!?」
黒魔【ゲイル・ブロウ】でエレンを吹っ飛ばすと、エレンは転がって、止まった場に痛みで蹲った。
「痛いのはわかるけど、システィーナさんの前でそんなことする余裕あると思う?」
「……無い、よッ!」
俺の発破に乗って立ち上がってみせたエレンに、俺は追撃を仕掛ける。
「白魔【フィジカル・ブースト】が解けかかってる、維持して。それと隙が多いよ。周りに目を向けるのはいいけど、余所見をしてたら一瞬で終わる。……《大いなる風よ》」
「ッ! 《極光の隔壁よ》ッ!」
俺の黒魔【ゲイル・ブロウ】に反応したエレンは、白魔【インパクト・ブロック】で相殺した。
「防ぐのはいいけど、それだけじゃ駄目だよ。戦闘の流れを掴んで、それに合わせて全ての行動を一つの流れとして繋げられるようにして。そうじゃないと一々行動する度に大きい隙ができる」
丁寧に指示しながらエレンに近づくと。
「──《光あれ》ッ!」
「えっ……」
黒魔【フラッシュ・ライト】による光が俺の目を包み込み、エレンはそこを畳みこもうと詠唱しようとして。
「はい、《大いなる風よ》」
直前に目を瞑っていた俺は直感でエレンに黒魔【ゲイル・ブロウ】を撃つ。
「え……ぐふっ!?」
風魔術をモロに喰らったエレンは派手に吹っ飛んだ。
「んー、最後のは良かったね。黒魔【フラッシュ・ライト】は消費魔力もほとんど無いし、格上にも通用する手札……教えた通りにできてるね。……模擬戦はひとまず終了にしよっか」
「は……っ、は……っ、はい……」
その場に座り込み、肩で息をしているエレンを座らせて、空を見上げる。
今、俺達はエレンの用事がない夜に特訓しているので、星がとても綺麗なのだ。
それも、地球から見たものとは比べ物にならないくらいに。
俺もエレンの隣に座って、これからのことを話し始めた。
「まずは黒魔【ショック・ボルト】とかを一節詠唱できるようにしよう。詠唱速度の差っていうのは大きいしね」
「はい……」
「身体を鍛えようかと思ったこともあったけど、時間が戻っちゃうなら肉体面は無理だし……やっぱり魔術の方を極めていこう」
「はい……」
「……エレン、疲れてるなら、無理に返事しなくていいよ」
「はい……」
「…………」
こうして、俺のエレンに対する特訓は始まった。
……今は伸び代があるから力は上がってるけど、エレンはいつか超えられない壁にぶつかる。
その時に、どうやって乗り越えさせるのか考えておかないと。
それと……このループも、利用できるだけしておきたい。
なら、俺がやるべきことは。
「……エレン、私に協力してくれない?」
「え……? うん、もちろん。私はなにをすればいい?」
「それは────」
そうして俺が言ったことに、エレンは真剣に頷いた。
中間テストがあるので次に更新されるまで長い間が開いてしまうと思いますが、続きを書く気は十分にあるので気長に待っていてください!