リィエル・レプリカと転生日誌 作:氷月ユキナ
《正義》
「…………ん?」
ここは何処だ? 確か俺は、頭がクラクラすると思ったらいきなり倒れて……。
「……知らない天井」
一度は言ってみたかった
「やぁ、やっと目が覚めたかい?」
「……貴方は?」
よく分からない場所にいた俺に話しかけてきた男は、灰色の髪で色白の肌だ。
山高帽を被り、リボンタイに手袋を着けて、フロックコートを着ているその青年。
だが、そんな普通な格好とは違って、その瞳にあるのは
見覚えなんかない。
だが、"識っている"。
この世界、ロクアカのトリックスターとも言える存在。
元帝国宮廷魔導士団特務分室所属、執行官ナンバー11《正義》の――
「始めましてだね。
ジャティスッッ!
……けど、どうしてこいつがここにいる。
助けたのか? 俺を?
なんで? この狂った正義厨が俺なんかを……。
……分からん。こういう時は本人に聞こう。
「ねぇ、貴方。どうしておれを助けてくれたの?」
「思っていたよりも
……こいつウザい。だがまだ怒るな俺。
聞くべきことがたくさんあるから。
「いくつか聞きたいことがある」
「何だい? 何でも聞いてくれ」
「おれはどうして倒れた?」
「君は『エーテル乖離症』という病気になっていてね。簡単に言うと「知ってる」……そうか。君は博識なんだね。だから僕は君が持っていた
「……ありがとう」
「礼には及ばないよ」
……まさかこんな狂人に俺が助けられるなんてな。
世の中何があるかわからない。
「で、だ。君は『Project:Revive Life』によって生まれたのかい?」
「……どうして知ってる?」
「僕には君とそっくりな知り合いがいるからね。それに、心霊手術の時に使った
まさか俺、ジャティスに解剖とかされるのか?
それなら全力で抵抗するが?
俺はまだこんな所で死にたくないし。
「僕は君に興味を持ったんだ。どうだい? 僕と一緒に来ないか?」
「…………ふぇ?」
ジャティスの口から出た意外すぎる言葉に、俺の口からは間抜けな声しか出なかった。
何言ってんだこの正義厨。
……一旦落ち着いて考えてみよう。
このままジャティスと別れて外に出たとする。
お金にはまだ余裕があるし、宿に泊まったりはできる。
だが、身分証明書とかない俺が仕事なんて出来るのか?
今ある所持金がなくなったら、俺はもうそれだけで詰む。
正直、俺からするとジャティスについていくほうが断然いい。
……そもそも、これは拒否していいのか?
「それで? どうするんだい?」
「……断ってもいいの?」
「ああ、別にそれでいいというのなら構わないさ。だが、君は必ず僕に付いていくことを選択する。"読んでいる"よ」
「………」
「さて、答えを聞こうか」
……拒否権ないのと同じだろ。
それに、ジャティスに付いていく方が"面白そう"だ。
「……ん、分かった。俺は貴方に付いていく」
「了解だ。安心しなよ、悪いようにはしないさ……くくくく……」
……判断、間違えたかなぁ。