時を綴りて少女は、黒鋼を穿つ   作:隼型一等水雷艇 隼

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抗えなかった、ガルパンの誘惑に....


1. 駆ける砲身

~拝啓お母様へ~

 

私が実家を出てから3日が経ちましたがお元気ですか?

私は船酔いでとてもキャッキャッなどできる心理状況ではありません。

幸い、あと数時間で着くみたいなので......

.....なので、頑張ろうと思います。

それでは一人前になって帰るその日を首を長くして待っていて下さい。

 

                         ~舞姫より~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

母にメールを送り.....速攻でトイレに駆け込み、出て来た時には

元々青白かった顔が、より白くなるのであった。

 

 

 

 

船から降り、指定の寮で一泊した次の日......

 

舞姫「ここが硫黄特務特科高校か。校門の旗棒が十二糎砲って変わっているなー」

 

2日半、船上に居た解放感から来る気持ちを抑え込み、学校の講堂へと向かうのだった。

 

そこで始まったのはお決まりの校長先生と生徒会長の話と、

選択科目の紹介動画だった。

発動機. 金属加工. 航空学. 車両学などたくさんあるが、

 

舞姫「科目は...戦車道一択だな。」

 

ほかの科目は生徒が手作りだと思うが、唯一戦車道だけ

戦車道協会の学園ムービーで、更に科目を選択した者は、

学食永年無料だという。(経費が浮いて助かるが、)

何か裏がある気がするがとりあえず今日は入学式だけだったから家に帰って、

明日、車両倉庫に向かうとしよう。

 

 

 

授業が終わり放課後車庫に向かう途中。

 

真口「こんにちわ。東河 舞姫さん」

 

舞姫「え?どうして私の名前を?」

 

真口「戦車道科で一応隊長をしている真口 友美です。」

 

桐片「顧問をしています。桐片 幸一です。」

 

真口「他の4人とはもう話をしたから車庫に行こうか。」

 

そこから先輩に付いていき車庫についたが、衝撃だった。

そこにあるのは、チハ改の砲を太くしたようなやつ”短十二糎自走砲”だけだった。

 

舞姫「先生、先輩。戦車はこの一輛だけでしょうか?」

 

「「ん?そうだよ。他は知波単に売っちゃったから。」」

 

まじで?

 

桐片「前までならチリ車やチト車もあったんだけど維持費が高すぎてね。」

 

真口「本来なら試製長十二糎砲を積んでいるんだけど、そのまま車検出すと倍くらいかかってね〜」

 

舞姫「その肝心の砲は....」

 

真口「施設科に貸してから帰ってこない。」

 

桐片「担当の竹橋先生に聞いても知らないの一点張りだからな~」

 

真口「施設科のやつもあと少しだけってこっちも暇じゃないんだよな~」

 

「「はぁ~」」

 

それを聞いた舞姫に電流走る!

 

舞姫「多分その砲、校門にあった旗棒ですよね?」

 

「「それホント?」」

 

「はい、たぶんですけど.....」

 

「「マジか、施設科の奴ら〆なきゃ(憤怒から来る使命感)」」

 

その後、施設科の生徒は先生二人に板挟みにあい、後日新品同様に磨かれた試製長十二糎砲が届いたと言う。


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