2倍と変身と防御特化   作:鬼獣八紅

14 / 17
2倍と変身と第二回イベント 2

 

「ふわぁ~良く寝た。おいヒミコ起きろ、朝だぞ」

「ん…もう朝ですか…」

 

 コボルトのダンジョンをクリアした二人は脱出用の魔方陣には乗らず、ボス部屋の扉から地上に戻り、しばらく森を探索したところでイベント一日目が終わった。

 夜はダンジョンのボス部屋の扉の前に一層の城下町の城壁を複製して塞ぐことで部屋をそのまま寝床にした。

 複製したら耐久性が半減するとはいえもともと破壊不可のオブジェクトなのでとても固いので塞ぐにはちょうどよかった。

 

「今日はどうする?」

「ん~とりあえず魔方陣乗りましょう」

「確かにな」

 

 二人は魔方陣に乗り光に包まれる。

 光が消えるとそこはダンジョンに入る前の森だった。

 

「…元の場所に転移するタイプだったか…」

「扉から出たの無駄でしたね」

 

 そのまま二人は森を出るために移動し始めた。

 しばらく進んでいくと森を抜けて二人は砂漠地帯に出た。

 

「お~砂漠か」

「しばらくはここの探索ですね」

 

 二人はそのまま砂漠地帯の探索を開始した。

 

「ん?なんだあれ?」

「なんかありました」

 

 砂漠地帯の探索を開始して約三時間、二人は砂漠地帯に不自然にあるすり鉢状の地形を見つけた。

 

「全体ダンジョンだな」

「ですね…行きますか!」

「そうだな」

 

 そうして二人はすり鉢状の中心に飛び込んだ。

 

 

◇◇◇

 

 

 中に入るとそこはとても深い洞窟だった。

 横幅は人が十人横に並べるくらい広く、奥も暗く先が見えない。

 

「でかくないかこのダンジョン!」

「探索しがいがあるのです」

 

 そうして二人は洞窟の奥へ進んで行った。

 

 しばらく進むと蟻型のモンスターと遭遇した。

 大きさは小学生くらいあり、顎が刃物になっている。

 

「【ダブルスラッシュ】!」

 

 ヒミコが攻撃を仕掛けるがHPは半分くらいしか削れない。

 

「な…!」

「【鎧砕き】!」

 

 ヒミコが驚いている間に、トゥワイスが貫通攻撃で蟻を撃破する。

 

「ありがとうです」

「あぁ…にしても固すぎんだろ!メイプルよりはVITは低いと思うがここまで固いと誤算だぞ!」

 

 蟻のVITは200くらいあり、STRの低い二人からしてみればメイプルを相手にするようなものだ。

 するとさらに奥からカサカサと音が聞こえてくる。

 

「おい…」

「分かってます…」

 

「「全力で逃げろー!!」

 

 二人が逃げ出した瞬間、後ろからさっきの蟻が大量に押し寄せてきた。

 

「どうするんですかトゥワイスくん!?」

「ちょっと待て!【2倍】、城壁!」

 

 トゥワイスがスキルを使い城壁を複製することで洞窟を塞ぎ、蟻の大群から逃れることが出来た。

 

「はぁ…はぁ…助かった…もう動けないです…」

「はぁ…はぁ…今日はもう休もう…」

「ですね…」

 

 反対側にも城壁を複製することで塞ぎ、二人は砂漠探索の疲れもあって溶けるように寝付いた。

 

 ピロン…

 

 

◇◇◇

 

 

「ん~良く寝た…」

「良く寝ましたね」

 

 三日目、二人は良く寝たおかげで全快した。

 

「で…どうするよ…」

「蟻ですよね…とりあえずスキルで使えそうなのさがしますか」

 

 二人は蟻をどうにかすべく、スキルを調べ始めた。

 するとトゥワイスのスキル覧の中に見慣れないスキルがあった。

 

「なんだこれ?取得した記憶ねぇぞ?」

 

 しかし、そのスキルはこの状況を突破できるものだった。

 

 

  ◇◇◇

 

 

 蟻達はその日もダンジョンの内部を動き回っていた。

 すると、どこからかドドドドという轟音がダンジョン内に響き渡る。

 そして数秒後、大量の水がダンジョンをうめつくした。

 当然蟻達は水中を動き回れるスキルを持っていない。

 

「…えぐいですね…」

「自分でもそう思う」

 

 この事態を引き起こしたのはトゥワイスが昨日取得したスキルだ。

 

【ワープゲート】

自分から一メートル以内にワープゲートを作り出す。作り出したワープゲートに対応するワープゲートは自分の行ったことのある場所、又は見える範囲に作り出せる。

一度に作り出せる数は二対まで。

使用可能回数十回

使用可能回数は二時間毎に回復する。

イベント専用エリアと通常エリアの行き来は出来ない。

 

取得条件

分身が100メートル以上離れたところで100匹以上、モンスターを倒す。

 

 トゥワイスがやったことは、昨日砂漠で見つけたオアシスの底に【ワープゲート】を作り、洞窟に大量の水を流し込むことで蟻を溺れさせて倒すというやり方だ。

 

 二時間くらいたったら、水をダンジョンの外に出す。

 ダンジョンにはもう蟻は居らず、大量のアイテムが散乱していた。

 

「いや~分身様々だな」

「そうです!それにアイテム有ります!」

 

 二人はアイテムを回収しながら奥え進んでいく。

 道中にはスキルの巻物もあった。

 

【耐刃I】

刃物からのダメージを1%カット

 

 おそらくレアドロップだが、無差別攻撃だったので楽に手に入った。

 奥に進むこと三時間、二人はやっとボス部屋の前に到着した。

 

「「やっと着いた!」」

 

 道中は落ちてるアイテムを拾いながら来たが、モンスターが先ほどの水のせいで全滅しており非常に暇だったのだ。

 ちなみに途中て銀のメダルを二枚拾った。

 

「よし、じゃあ入ったすぐに無限増殖するからな」

「分かりました!」

 

 

  ◇◇◇

 

 

 ボス部屋の中はいたって普通のダンジョンのボス部屋という感じの部屋だ。

 部屋の中央には道中にいた蟻を2tトラックぐらいに巨大化させ、顎の刃物を更に鋭くしたような蟻がたたずんでいる。

 

「あれがボスですか…」

「それじゃ早速、無限増殖…」

 

 ザシュ

 

「「…え?…」」

 

 何かが切れた音がした方を見ると、産み出したばかりの複製トゥワイスが、巨大蟻の顎から伸びた刃物に貫かれていた。

 

「っ…無限増殖!」

 

 トゥワイスが更に2倍しようとするが、刃物の数が更に増えて複製するそばから倒される。

 

「ヒミコ!後ろに回り込んで攻撃してくれ!」

「分かりました!」

 

 ヒミコは部屋の外周を走り、ボスの後ろからこうげきを仕掛ける。

 

「【ディフェンスブレイク】!」

 

 道中の蟻かVITが高かったのでヒミコは迷いなく貫通攻撃を使用する。

 その攻撃で、巨大蟻のHPが一割ほど削れる。

 

「HPはあまり高くなさそうです!」

「わかった!トゥワイス数名、ヒミコに加勢しろ!」

「「「了解したぜ俺!!!」」」

 

 刃物の届かない後ろの方に複製したトゥワイス数名がヒミコの加勢に向かう。

 

「「「【鎧砕き】!!!」」」

「【ディフェンスブレイク】!」

 

 VITが高いことは分かっているので、貫通攻撃を主体として攻撃しHPが五割を切った時、巨大蟻の行動パターンが変形し、穴を掘って地面の中に潜った。

 

「俺は飛び出して来たところを【ワープゲート】で上空に飛ばす!ヒミコは最大火力をボスに叩き込んでくれ!」

「分かりました!【変身】!」

 

 ヒミコが巨大蟻に変身して、巨大蟻が飛び出して来るのをまつ。

 

「っ…!【ワープゲート】!」

 

 そして、巨大蟻か飛び出して来た瞬間、トゥワイスが【ワープゲート】でヒミコの上空に巨大蟻をワープさせる。

 途中、巨大蟻か【ワープゲート】を通過中にゲートを閉じることで巨大蟻のHPを残り三割まで削る。

 

「「「やってやれ!!!ヒミコ!!!」」」

「【ディフェンスブレイク】!」

 

 ヒミコが巨大蟻に向かって顎を振り下ろす。

 瞬間、巨大蟻のHPはゼロになった。

 

「「つ、疲れた~」」

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。