山の上の艦娘達(四万十鎮守府 提督補佐編)   作:五月雨提督

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初めまして、五月雨提督と申します
エブリスタにて投稿しておりましたが、この度ハーメルン様でも投稿させていただく運びとなりました
この作品は投稿頻度が他の作品よりも低いですが、頑張って書いて参りますのでどうぞよろしくお願いします


提督補佐就任へ

【全ての始まり】

「…あのっ、!?これ、落としましたよ?」

前を歩く少女に声をかける

「…あ、ありがとうございます」

おどおどとした感じで彼女がハンカチを受け取る

 

「私の子に何か?」

後ろから強い威圧を感じる、いや声からも圧を感じる

体が震える、背後に立たれたことに気付かないほど気配がしなかった

 

「私のハンカチを拾ってくれたんだ」

少女が後ろの男に言う

「怖がらせてしまったようだね、わざわざありがとう」

男が少し頭を下げる、その声にはさっきのような強い威圧感はなかった

「いいえ大丈夫ですよ」

精一杯の笑顔を作りその場を去った、引き攣っていないといいのだが…

 

「ねえ、提督。あの子、すごく寂しそう…昔の提督みたいに」

「そうか…妖精さん、さっきの男の子について調べて欲しいんだ、妖精用おやつでどうかい?」

男の近くから2人の妖精さんが現れる

「わかりました!」

そう言い妖精さん達は男の子の後を飛んで行った

 

これがこの男の子が激動の世界を歩く第一歩となる

しかしそれを知ることになるのはまだまだ先の話

 

 

【天王山高校 入学】

時は過ぎ男の子が少女と出会って1ヵ月

男の子の家の周りは突然軍用地として徴用された

深海棲艦の恐怖を知っているのだろう。

反対は一切なく、住人は用意された新しい土地に移り住んだ

 

そしてさらに時は過ぎ、男は高校生となる

 

 

4月7日   天王山高校1年2組教室

「皆さん、入学おめでとうございます。高校は中学校とは全く違います……」

 

(あぁ長い……)

周りと喋れる様な友達はおらず、1人静かに本を読む

寝癖が付いたまま、太い額縁の銀眼鏡、いかにも陰キャの代名詞

それが僕

9年間、小・中と見た目から、性格から、と虐められていた僕は逃げる様にこの高校に来た。

運良く小中学校時代を知る人は入学しておらずほっとしていたところである

 

「…高校生はほぼ大人のようなもの……」

担任の話の途中でドアがノックされる

「……はい?」

担任は聞いてないぞというような顔で返事をし、扉が開くのを待つ。

 

「失礼する」

とても低い声で男が挨拶をした

(聞いたことある気がする声だな…まあいいや)

おろおろする担任を無視し、男は口を開く

「樋口はここにいるか?」

(何で僕?)

本を読むのを止め、少しだけ顔を上げる

(何だあの服装は、軍服か?それなら自衛官?いや自衛官じゃない、あれは…)

「海軍さんが私に何の用でしょうか?」

あぁ、こんなに声を張って人と話したのはいつ以来だろうか

「おぉ!!久々だな!元気にしてたか!?」

まるで僕のことを知っているかの様に馴れ馴れしい。

でも入ってきた時に感じた威圧感はその言葉からは感じられなかった。

「まあ挨拶は後だ、帰るよ。荷物をまとめて外に来なさい」

「……?は、はい」

カバンにさっきまで読んでいた本を入れて教室の外から出る

周りの視線が本当に痛い

 

「失礼した」

僕が教室から出たのを見計らい男が教室内に声をかける

たった四文字でも感じるこの威圧感

思い出した。街で僕の背中から突然声をかけた男だ。

でも何のために連れ出したのだろう、それが不思議でしかない

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