やる夫達は並行世界と繋がった聖杯戦争に参加するようです。 作:しきん
皆様、お久しぶりです。
聖暦2110年 11月27日 早朝 観光地区『スプラッシュ』
ちょっと疲れてきた―――。
言峰教会を発ってから歩き続けていたアーミヤは、疲れを感じた。
休憩する為、パシフィック海岸の見える公園のベンチに座り、背もたれに身を預ける。
ふと、周囲を見渡す。
早朝だからか、街を歩く人はそれ程多くない。それでも、街は活気に溢れていて、皆平和に暮らしている。1ヶ月後に始まる戦いの事なんて、忘れてしまいそうになる。
私のいた世界では、夢のような光景。
『聖杯戦争』、『マスター』、『サーヴァント』、『聖杯』。教会で神父が語った言葉の一つ一つが、脳内に残っている。
勝ち残った最後の一組だけが世界を望み通りに改編する事が出来る、と言えば聞こえは良いけど、結局のところは最後の一組になるまで続く殺し合いだ。
無論、私は乗るつもりなんて無かった。
『ロドス』は無意味な殺戮を行わない。仲間を見捨てない。私達『ロドス』は、人を救う為に存在しているのだから。
―――でも。
「もし、世界を自らの意志で変えられるのだとしたら」
もし、本当に願いが叶うのだとしたら。
私一人が血に塗れるだけで、願いが叶うのだとしたら。
世界を壊す天災、そして、完全な治療法の無い不治の感染症『鉱石病』・・・その全てを一瞬で消す事が出来るかもしれない。
こうしている間にも差別を受け、命の危機に晒されている鉱石病の感染者や失われていく命を救う事だって―――
「―――ッ!駄目、駄目、駄目です・・・!!」
顔を横に振り、浮かんだ邪な思考を振り解く。今だって、元の私の世界では、ドクターやロドスの皆さんが戦っている。救うべきものを見て、動いているというのに。
私がこんな所で折れては、皆さんに合わせる顔が無い。
「マスター、大丈夫・・・?」
声のした方向に振り向くと、隣に座って(?)いた1匹の青いスライムが私にそう問いかけた。
「ランサーさん・・・心配してくれてありがとう」
目の前にいるスライム。この子がランサー・・・私のサーヴァント。
「聖杯戦争―――」
「・・・?」
私はランサーを見つめる。
「最後の一組になるまで続く殺し合い。勝者だけが願いを叶える事が出来る。きっと、私が殺し合いを否定しても、戦場は変わらない。譲れない願いの為に誰かが誰かを傷つけて、命を奪って、その抵抗と報復の為にまた争いが起きる」
いつも側にいてくれた───例え、記憶を無くそうとも側にいて、背中を押してくれたドクターはいない。
心細くない、と言えば嘘になる。不安で仕方ない。今、ロドスはどうなっているのか。レユニオンは、仲間たちは、そして・・・私はどうなってしまうのか。
ドクターが側にいてくれるだけで、どんなに遠い平和への道も走り抜けられるような気がした。どんなに不安が走る私に追いついて、この背中を掴もうとも、『彼』がいてくれるだけで幸せだった。
今は、恐ろしくてたまらない。両肩を抱いても、胸を押さえ深呼吸をしても、震えが止まらない。何も変わらない。
逃げてしまえ―――そう、誰かが囁く。見知った人間など、この場には仲間など1人たりともいないのだと。ならば、逃げても誰も文句は言わない。争いが終結するまで隠れ、防戦に徹すればいい。終結を招く者が、争いを望む誰かなのか、争いを止める誰かなのかを知る事は出来ないけれど、この争いがそう長く続く事もないだろう。
無用な争いに参加する義理も無く。固執する必要性も無い。この身が最優先すべき事項は、ロドスの存在する『自分の世界』なのだから。
ならば。
自分の身だけを、守っていればいいのではないのだろうか。
「―――それでも」
そうだったとしても。
「私は、誰にも傷付いてほしくありません。戦争である以上命を落とす人は存在します。そして、命を奪う人も存在します。私が命を奪わなければならない状況に陥る事もあるでしょう」
殺戮、暴力、差別、悲観、絶望、狂気、憎悪、諦め―――それら全てが混ざった、混沌とした世界。戦争は悲劇を産み、人を容易に『正しい道』から突き落とす。その恐怖を、私は知っている。
だからこそ。
「私は争いを止めたい。私のように望まない戦争に駆り出された人も、戦うしかなかった人も。最後には殺し合う道しか残されなかったとしても───私は、助ける道を諦めたくありません」
ランサーの瞳を見据えて、そう告げる。
恐らく、ランサーは私よりも強い。私の使えるアーツを総動員しても、少しの間、持ちこたえられるかどうか。不興を買えば、ここで消される可能性すら有り得る。
「自分の夢を実現しようとする事は決して間違いじゃないよ。夢を持っているなら、それだけでも戦える。僕だって、冒険したいって強く思ってそうしたから、仲間達に出会えたし」
意外な事に、ランサーが示した意思は肯定だった。
ランサーは自信満々の表情で、私の言葉を受け止め、その上で肯定したのだ。
それが茨の道だと、想像しなくても分かるだろうに。
「協力、してくれるんですか・・・?」
「勿論だよ。僕はマスターが召喚したサーヴァントだから!」
サーヴァントは、既に死した英雄だという。余りにも突飛な存在であり、『聖杯戦争』というシステムを情報で理解はしていても、サーヴァントという存在の全てを理解している訳ではない。
例え、既に死している英雄だろうと、負ければ消える事に変わりはないのだろう。それが戦争というものだ。
一度死んでいるからと言って、死への恐怖が薄れる筈は無い。寧ろ、己の命が消えていく瞬間を『知っているからこそ』、恐ろしい筈。
それでも・・・ランサーは、私の為に、協力してくれるというのだ。
その優しさに、涙が溢れそうになった。私は1人じゃない―――その事実が私の心を締め付けていた何かを溶かす。
今日まで戦い生き残る。私の命を救う為に、何人もの命が犠牲になった。
その全てに、自分は立派に戦っているのだと叫ぶ為に。皆さんが繋いだ命は、無駄ではないと叫ぶ為に。私は涙を堪えて、口を開く。
「ランサーさんは、叶えたい願いはないんですか?」
「無いよ。強いて言うなら、まだ見ぬ世界を冒険したいって事くらいかな」
英雄と呼ばれる程の器じゃない―――そうアーミヤは思う。
ただ、やるべき事を成してきただけ。
事実、年端も行かない少女の肩に乗るには、重すぎる問題。命と命の天秤など、少女が背負うべきものではない。
しかし、この場にいる兎の少女は、歩みを止めることだけはしないのだ。
「私のやる事は変わりません。人を助け手を取り、問題を解決し、ドクターやロドスの皆さんの元へと帰ります」
戦場を駆け抜けた過去を持ち、若くしてロドスを率いてきた。
そんな私にとって、道など既に決まっている。
ドクターがいない隣は少し寂しいけれど、私は、胸を張ってドクターの隣に立つ事が出来るアーミヤだと信じ、歩みを止めない。
しかし―――私1人が犠牲になれば、ロドスだけでなく世界が救われる。それは、私が思い描いた『理想』の世界への、一番の近道なのではないだろうか。
心の隅に沸いたその気持ちの、その感情の名を、私はまだ知らない。
なお、ランサーことスラリンがこの時に何を思っていたかというと―――
アーミヤって、全盛期の頃の僕よりも年下か同い年くらいの筈じゃなかったっけ・・・?
・・・スライムの平均寿命はどれくらいなのだろうか?ぶっちゃけ、うp主も疑問に思っているところなのである。
夜間 アーンヴァル街 アーンヴァル・グランドハイツ
アーミヤが眠りに就いたのを確認し、スラリンはアーンヴァル・グランドハイツの屋上を訪れた。
風は吹き、辺りには夜空と光の灯った建物からなる夜景が広がっている。
だが、生前にスラリンと行動を共にした仲間の姿は何処にも無い。
きっと、この世界には存在しないのだろう。そう、スラリンは結論付けた。
スラリンは懐から包帯のようなテープが巻かれた笛を取り出し、笛を吹く。
すると、スラリンの背後に彼に似た形の巨大な戦車が浮かび上がる。だが、それは実体を持ってはいない。
スラリンがライダーとして召喚されたのなら、その性能全てを発揮する事が出来ただろう。だが、スラリンはランサーとして召喚された。それ故に、戦車―――否、この宝具の力の一端を借り受ける事しか出来ないのだ。
鉱石病に感染者・・・アーミヤの世界は、この世界と違ってとんでもない事になっているみたいだ。それも、聖杯でも使わないと如何にもならない程のものらしい。
そうとなれば―――スラリンの方針がただ一点に定まるのは早かった。
「よ~し!僕はアーミヤの為に聖杯戦争で勝ち残る!どんなサーヴァントにも勝ってやるんだ!」
斯くして、小さなランサーは夜空の下で1匹、宣言する。
小さな兎と小さなスライム。
この主従を待ち受ける運命に、希望はあるか―――。
[マスター アーミヤ]
能力:アーツ(源石により引き起こされる、物理・精神への干渉現象。源石を組み込んだ道具を使う事により誰でも行使出来るが、鉱石病の感染者であるアーミヤは何も持たずともこれを扱える。また、完璧な読心や念話までは至らないものの、他者の感情や記憶を読み取る事も可能)
出典:アークナイツ
性別:女
武器:無し
役割:ロドスCEO
願い:鉱石病感染者と非感染者の両方を救済したい
方針:これから決めないと・・・
感染者と非感染者双方の救済という困難な理想を目指すロドス・アイランド製薬のCEO。企業のトップではあるが、仲間内からは気さくに話しかけられており、アーミヤ本人も特に咎める事無く応対している。また、ロドスのリーダーとして、組織の精神的支柱となっている。窮地において仲間を諦める判断等に迷う事こそあれど、目的の為に敵を殺す事も厭わない覚悟を秘める。嘗てドクターを師と仰ぎ、彼の下で学んでいた過去を持ち、ドクターが記憶を失って以降も、その指揮能力の高さに信頼を寄せている。ただし、ドクターが記憶喪失故の軽率な行動をした際には、苦言を呈する事もある。
[サーヴァント スラリン]
クラス:ランサー
出典:スライムもりもりドラゴンクエスト
性別:男
ステータス:筋力D+、耐久E、敏捷A、魔力D+、幸運A+、宝具A++
属性:中立・善
スキル:対魔力C(魔術への耐性。第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない)
心眼(偽)B(数々の冒険で磨かれた直感・第六感による危機回避能力。視覚妨害による補正への耐性も併せ持つ)
勇猛A+(威圧、混乱、幻惑といった精神干渉を無効化する。また、敵に与える格闘ダメージを向上させる)
カリスマD(軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。カリスマは稀有な才能で、一軍のリーダーとしては破格の人望である)
怪力C+(筋力を1ランクアップさせる事が可能。更に、このスキルが発動している間は重い物を最大三つまで担ぐ事も可能)
宝具:『伸縮して突撃する身体(スラ・ストライク)』(スラリンが仲間の知恵を借りて編み出した必殺技。伸縮自在の自らの身体を進行方向に伸ばし、縮む際に生じる反応を利用する事により、自らの身体を高速で飛ばして敵に体当たりする。また、限界まで身体を伸ばした状態を一定時間維持してから発動すると、上位版の『真・伸縮して突撃する身体(スーパー・スラ・ストライク)』となる。
『笛に誘われし蒼き勇車(スラリンガル)』(スラリンが勇者の笛を吹く事により発動する超重戦車。魔力で生成した砲弾を大砲に装填し、発射して戦う。また、大砲から発射出来るものであれば、どんな物でも砲弾にする事が出来る。その一方、内部は広々としているにも関わらず、何故か定員は4名であるとされている。なお、スラリンがランサーとして召喚されている場合は支援砲撃のみでの発動となる)
『大海原を征く僕らの船(スラリン船)』(スラリンが仲間達と共に世界を巡る冒険に出た際に乗り込んだ船。『笛に誘われし蒼き勇車』同様、魔力で生成した砲弾を大砲に装填し、発射して戦う。また、この宝具は船である為、海での戦闘においては軍艦に匹敵する強さを発揮する。例により、定員は4名であるとされている。なお、スラリンがランサーとして召喚されている場合は支援砲撃のみでの発動となる)
武器:勇者の笛(『笛に誘われし蒼き勇車』の発動に必要な笛。修復歴があり、包帯を模したテープが巻かれている)
願い:まだ見ぬ世界を冒険したい
方針:マスターに従いつつ、自由気ままに行動する
モンスターのみが暮らす世界でその名を轟かせた小さな英雄。特徴の無い、何処にでもいるようなスライムの子供だが、幼馴染や妹を始めとする仲間達と共に様々な冒険を繰り広げた。また、生身での戦闘のみならず、大戦車を主体とした陸戦や海賊を相手とした海戦といった、数多の戦いを制してきたオールラウンダーでもある。スライムだからと言って、舐めて掛かってはいけない。
スラリンガルとスラリン船が支援砲撃扱いなのは、スラリンがライダーとしてではなくランサーとして召喚されたからです。
言峰綺礼と組むサーヴァントは・・・
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このままブロリーで
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やっぱ英雄王で
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ランサーが死んだ!(先行入力)
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