あー、まずはどっからはにゃせばいいのかにゃ?
……考えるのもめんどくせぇから、最初っからはにゃすぜ。
オレという存在が生まれたのは、ご主人が4歳の頃に個性が目覚めた時ニャ。
どういうわけか、個性が発現したときオレはオレという存在のまま産声を上げた。
つまり、4歳のガキの体にこの性格、能力がそのまま宿るんだニャ、周りの奴らはたいそう気味悪がったそうだぜ。もとより、幼児とは思えにゃいほどの洞察力や周りと一線を画すその能力に神童と思う奴も居れば、不気味だと感じるやつもいたようにゃんだが、オレの誕生から一気にご主人を異物扱いするようにニャった。
分かるかニャ? まだ4歳のガキが大人の顔色伺って生きることの難しさが。周りのガキどもは自分勝手で迷惑をかけることにゃんてにゃんとも思ってにゃいのによぉ。
けど、ご主人はそれが可能だった。たとえ4歳でも自分の心なんて簡単に殺せちまうのがご主人にゃ。それはお前も知ってるだろ。
まだ子供にゃんだ、失敗したり間違えても不思議じゃにゃいのにご主人は理想の子供に為ろうと必死だった。それが普通だと思っていたから。テストじゃ満点とって委員長も毎回やって、誰かの期待に応えれば自分を見てくれると思ったんだろうにゃ。
でも、それは上手くはいかにゃかった。そもそも普通にゃことすらままにゃらにゃいのが人間だぜ? それをさらに上のレベルをこにゃすご主人を周りの連中は嫌った。
クラスメイトも、保護者も、学校の教師でさえ、ご主人を気味悪く思って関わろうとしにゃかった。
クラスメイトはにゃんでも完璧にこにゃすご主人を嫉妬し、保護者や教師は大人である自分達よりもはるかに優れたその人格と地頭に恐れた。
個性に過ぎにゃいオレでも、哀れに思ったにゃ。
自分を一度もさらけ出せず、周りに馴染むことすら出来にゃくてずっと一人ぼっちだったご主人に同情したにゃ。こんにゃガキ一人に誰も愛情を注いでくれない世界に、たった一匹の猫でも味方でいにゃいと救われねぇよ。
もちろんオレはご主人の味方ではあるが、弁えてもいる。ご主人が望まにゃいことはしねぇし、人も襲わねぇ。
だから、暴れまわってもあの保護者に危害を加えたりはしにゃかった。
どれだけあいつらがやってきたことに業腹でも、それだけは出来にゃかった。ご主人が今まで積み上げてきたものを壊せにゃかった。それに、ご主人は滅多にオレを使おうとはしねえから、ろくに手紙も会話も残せにゃかったしにゃ。
だから、お前には結構感謝してるにゃ。
もしご主人があのまま中学、高校を過ごすとにゃると、ストレスの限界を迎えちまうかもしにゃい。そうにゃっちゃ、オレも抑えようなんて思わねえからにゃ。地球レベルに膨れ上がったストレスを発散するために大事件を起こしちまうところだった。
ご主人はお前と会ってからはストレスがグンと減ったにゃ。そりゃ家庭環境はにゃんにも変わっちゃいねぇし、虐待もあった。
それでも、猫にはできにゃいことをお前はできたニャ。
ご主人にとって、誰でもいいからはにゃし相手がいるだけで十分だったんだニャ。
それに、ご主人がもう何もかもをあきらめようとしたとき助けてくれたニャ。生きる意味をくれたニャ。一緒に笑ってくれたニャ。
だから、頼むからご主人の傍に居続けてほしいにゃ。
お前が消えたら、もうご主人は戻れにゃくにゃっちまう。だから頼んだぞ。
ご主人の身はオレに任せろ。これでもご主人の頭は入ってくるんだ、そこらのプロヒーローにも勝てる。だから、心はお前に任せる。
今日のはリンク切ってるからにゃ、ご主人に知られたりしねぇよ。
わかったか、お前には結構期待してるんだにゃ、ご主人の心を乱すような真似はあんますんにゃよ。ま、色恋にゃらかまわねぇけどにゃ!
◆◆◆
ブラック羽川のとの対話は終わった。
爆弾発言しやがった後、すぐに切り替わり羽川へと戻った。あいつが言った通り今回の変化は記憶に残らなかったようで、何とも不思議がっていた。
別に言ってもよかったが、あいつ自身が秘密にしたいようだったから言わないことにした。でも、これだけは伝えた。
アイツはお前のことを思ってる家族だってことは。
PS.自分の猫耳姿を見られたと恥ずかしがり気にする羽川はこの世に存在する全ての存在を超越していた。
短めです。