・マジでEver17面白いのでお勧めです(布教)
・相変わらず稚拙な二次創作ですがお許しください
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倉成さんは【 波動関数の収束 】という言葉を御存じですか?
……うふふ、そんな難しい顔をなさらないでください。では【シュレディンガーの猫】という言葉は?
はい、量子力学における【コペンハーゲン解釈】への逆説・反証です。簡単に申し上げますと、箱の中に1匹の猫と1つの放射性原子が入っております。放射性原子の半減期は1時間であり、箱にはセンサーが付いていて、放射線を感知すると毒ガスを発生させて猫を殺してしまう。
そのセンサーが発動する確率は50%。さぁ1時間後に猫は生きているか、それとも死んでいるのか……。
ええ、残酷な実験です。今の時代なら〝えすえぬえす〟で〝ばず〟って〝えんじょー〟してしまうでしょう。……話を戻します。当然猫が生きている確率と死んでいる確率は50%:50%です。
しかし、そう考えない物理学者がいます。
箱の中には〝生きている猫〟と〝死んでいる猫〟が両方存在しており、【 観測 】という行為をした時点で片方の猫が消失する。……なんていう理論ですね。
鳴き声が聞こえたら生きている? 面白い考えですね、しかしそれも【 観測 】という行為のひとつです。X線をかける、箱を叩く、サーモグラフィーをとる、どれも同じです。
畢竟するに、【 観測 】されるまで、箱の中には決定されていない〝生きている猫〟と〝死んでいる猫〟が両方存在し、箱を開いた瞬間に片方の猫は実在化し、もう片方の非実在の猫が消失するという考えです。
そうですね、確かに科学というよりも哲学かもしれません。量子力学ではこの【 観測 】という行為を【 波動関数の収束 】とよんでいます。LeMUの噴水公園でわたしが初めて倉成さんに話した内容は……あは♪嬉しいです、覚えてくれていたのですね。
わたくしはあくまでもLeMUにおけるAI、誰にも観測されないわたくしは存在を許されませんでした。しかしアフロディーテの奇跡により人の身を得ることの叶ったわたくしは、もっとわがままになってしまったようです。
観測をされなくてもわたしはわたしである。でもわたしをもっと見て欲しい、もっと声を聴いて欲しい、もっと香りを知ってほしい、もっと触れて欲しい。……そんな羨望ともつかない隠微な気持ちが、どうしても宿ってしまうのです。
ねぇ、倉成先生。予習をしたのですが、こんな気持ちを、〝セツナイ〟と呼ぶのでしょうか?世界一の贅沢な……一生に一度っきりの……。【 波動関数の収束 】をさせてください。
箱の中には【自分の想いを押し殺す茜ヶ崎空】と【自分の想いに従順な茜ヶ崎空】が同時に存在します。ご安心ください、1時間もかかりません。倉成さん、目を閉じて頂けませんか?
さぁ、箱の中の茜ヶ崎空はどっちでしょう?