リコリコ×拓銀令嬢 ~実弾は日本を変える~   作:フェデラルジオグラフィック

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あけましておめでとうございます。(2023/1/2)

はい、リコリス側の話も始めていきますよー。
なおリコリスはほとんど出ない模様。



本作ではリコリスもリリベルもDAの管轄、という設定です。
組織分けても話が無駄に伸びるだけですので…。





What should we do?

 

「おい千束、珍しいな。お前がライセンス更新期間の早い時期にこっちに来るなんて」

 

 更衣室にてフキが千束に対して問いかける。

 

「あー、先生がちょっと楠木司令に用事があってね、ついでに私も来ちゃった」

 

「え?先生がこっちに来てるのか?」

 

 フキの表情が珍しいものを見るそれから敬慕に一瞬で変わり、自分が着替えの途中であることも忘れて千束に詰め寄る。

 

「おぅおぅおぅ食い気味ですねぇフキさん。わかったわかった。先生の方が時間かかるだろうし、用事が終わったら噴水前に行くように促しておくから落ち着け落ち着け」

 

 

 

 

 

 

 

 完全に人払いをした司令室にて相対する大人たち。彼らを囲むテーブルの真ん中に置かれた録音テープを聞いているのは、女性部隊であるリコリスを率いる楠木、男性部隊であるリリベルを率いる虎杖、およびその二人の腹心が一人ずつ、最後に本件を持ち込んできた当事者のミカである。

 

 ミカが録音テープを止めると楠木と虎杖が話を始める。

 

「…まさか情報収集システムの構築案件に関わる取引から糸を引かれるのは予想外でした」

 

「あのお嬢様に気付かれないように桂華院家関係者への情報統制は厳重に行っていたのだが、企業内の情報共有までは流石に我々も完全には制御しきれないからな」

 

「桂華院瑠奈嬢にはせめて成人するまでは気づかれたくなかったのですが」

 

「さらに厄介なのは桂華院瑠奈嬢が我々の存在を知っていることがすでに警察側にも把握されていることです。今のところ岩沢都知事を経由した佐々木氏の伝手により後田氏が個人的に接触しているという建前ですが、すでに警察庁と警視庁には知られているとみて間違いないかと思われます」

 

「アメリカも把握しつつあることもな。大方佐々木氏は我々にそのことを伝えるためにリコリコで会合を開くように仕向けたのだろう」

 

 虎杖はそう言うとグラスの水を呷る。

 

「お嬢様に知られたことを今更言っても仕方ない。大事なのはこれからどう対応するかだ。と言っても我々が取れる選択肢は二つしかない。『取込』か『排除』だ」

 

「冗談でしょう?そんなことをすれば日本は大混乱です。治安組織が原因で治安が乱れれば組織そのものが『排除』です」

 

 楠木の指摘に虎杖は乾いた笑いで応える。

 

「はっはっは。そもそもアメリカとロシアが強固に守っているお嬢様をリコリスやリリベルで殺せるわけがない。いや、可能な者が一人だけいるな」

 

「それを命令すれば千束は銃を我々に向けるでしょう」

 

 楠木の指摘にミカは黙って頷く。

 

「まあそうだろうな。今の我々に選択肢はない。ゆえに今回の議題はこうだ、『お嬢様をいかにしてこちらに取り込むか』」

 

「お嬢様はDAの存在を把握しておりますが、DAは本質的に実働部隊でしかありません。話をするならもっと上が動くべき案件なのでは?我々だけでは取引できる材料は限られます。」

 

「その上からのお達しだ。我々はあくまでも『警察と協調している独立組織』という体裁でいるようにとのことだ」

 

「桂華院家と米国の支援だけで成り立っている組織として振舞えということですか?」

 

「そういうことになるな」

 

「そんな無茶な…」

 

 その場の全員が頭を抱える。

 

「楠木君、その時が来た場合は桂華院嬢への応対は君とリコリスで行ってもらおうかと思っている」

 

「それは構いません。錦木千束の件を処理した際の条件のひとつでしたから。ただ上と折衝を行って『どこまで開示してよいか』の範囲の確定だけはお願いします」

 

「その件についてはこちらにてすでに上と話をつけてあるので今から話そうと思う。その前にミカ君、桂華院嬢についてこれまで以上に協力してもらうことになるだろうが、リコリコの店長として異存はないな?」

 

「問題ありません。あの喫茶店はそのために作ったようなものですので」

 

 ミカはかしこまった口調で答える。虎杖はそれを聞いて話を続ける。

 

「さて、方針は決まっているので実務的な話をしよう。まず桂華院嬢の身辺監視についてだが…」

 

 適時挟まれる休憩の時間を除いて、司令室は虎杖、楠木とミカの会話とその内容をメモする二人の腹心のペンと紙の音で満たされ続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミカが打ち合わせをすべて終えたころには日も沈み施設内も夕食時になっていた。すでに夜が遅く東京への最終電車に間に合わなくなっていたため、ミカは同行していた千束とたきな共々施設にて一泊することになった。最終的にフキがミカと会えたのは、太陽も沈み彼女が入浴を済ませた後のことである。フキが「先生と会うなら入浴後にしたい」と千束に伝えたからであるが、千束とサクラは笑顔でそれを聞いていたので、フキが顔を真っ赤にして二人に殴りかかるという珍事があった。

 

 





デザイナーズメモ:少女達の年齢

17歳:千束、フキ

16歳:たきな

15歳:サクラ

14歳:瑠奈

実はお嬢様が一番若い。
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