リコリコ×拓銀令嬢 ~実弾は日本を変える~ 作:フェデラルジオグラフィック
感想欄でヨシさんの下りに触れられたので、突貫工事で作成。時系列的にはジオフロント完成式典の直前当たりを想定。
一応アラン機関の人間の設定です。千束との絡みはどうしようかな。一応接点は作れるんですが。人工心臓はさすがにオーパーツですしね…。
Side 吉松シンジ
テレビ番組の録画の映像だが、目の前に映る一人の少女。私はこの少女に大いに注目している。
神は時として人に才能を与える。スポーツ、文学、芸能、医療、科学…果ては殺し。才能を与えられたものはその才能を世界に届ける使命を生まれながらに持つ。しかし「神は二物を与えぬ」という言葉が示すように、才能にはえてして代償が伴う。目が見えない、手が使えない、足が無い…または心臓が弱い。そういった代償を補うことで、神から与えられた才能を世界に送り届けさせる。それが我々アラン機関の使命である。ただごく稀にだが、自らとその周りの力のみでその才能を世界に送り届ける幸運なものもいる。そういった者の幸運が尽きたときもまた、アラン機関は救いの手を差し伸べる。それもまた使命だからである。
しかしこのテレビに映る少女は、我々からしてもかなりイレギュラーな存在である。なぜなら彼女の使命が何かを我々が見極め切れていないからである。彼女が無能だからではない。有能に過ぎる…いや、彼女の場合は「何でもできてしまう」からである。金を持たせれば一年で莫大な富を築き上げ、政治に絡めば繋ぎの一代とはいえこの国の政権を作り上げ、歌わせればコロラトゥーラ・ソプラノを歌いきり、映画を撮らせればオスカーを取り…代償どころか苦手なことを探すことさえ難しい、と我々の情報部門に言わしめた万能の傑物、いや怪物。
――彼女は『万能』という名の才能を得たのであろうか?
それが事実ならば我々は彼女が『なんでもできる』ようににするための援助を惜しみなく与えなければならない。神からの才能をこの世界で輝かせることこそ『アラン機関』の使命なのだから。そのためならば、国の一つや二つをひっくり返すことを躊躇してはならない。才能の価値の前では、それは些末なことなのだから。
だだし現状でのアラン機関としての結論は「実際に支援のための行動を起こすべきではない」ということである。彼女は今幸運の中にいる存在であり、我々が手を貸す、または下す必要はないという理由からだ。アラン機関は支援した後の人物に再び接触すること、そして二度支援を行うことを禁じているからでもある。そして私はこの決定にはあまり満足していなかった。
――彼女の才能を満開にさせるために、彼女が今一番欲しているものは何か。
「大人に抗する力」を最も欲しているに決まっているじゃないか。
彼女の才能を最も束縛しているものは、彼女自身の周りにいる大人たちであることは明白である。ただ悩ましいことに、今彼女自身がその才能の片鱗を発揮できているのは彼ら自身であることもまた事実。どうすれば彼女の才能の助けになるだろうか?「大人たちに抗する」ことができるためには何が必要だろうか?
――「力」だ。「力」を与えればいい。
だからといって私自身が「力」を与えてしまってはならない。それはアラン機関の決定に完全に逆らうことであるからだ。才能を世界に届けるために私が組織から文字通り身を切られるのならば、それはそれで本望ではある。だが一度そうなれば彼女は永遠にアラン機関から見放される。私が危惧するのはそこだ。
ただアラン機関は「支援すること」そのものについては否定しているが「接触すること」ならばその限りではない。また幸運なことに彼女には「力」を手に入れるだけの財がある。そして私は個人的にだが「力」になりうる存在を知っている。彼女と同年代で、彼女の矛と盾になりうる存在を。彼女達が「力」になれば、「上回る」とまではいかなくとも「釣り合う」ところまでは持っていけるだろう。私個人が今できることは彼女とその存在を繋げるだけだ。あくまで彼女自身の財で「力」を手に入れるのならば「アランが支援した」ことにはならない。かなりグレーな解釈であることは承知の上だ。
彼女は急速に『大人』になりつつある。可能な限り速やかに彼女に「力」を持たせなければならない。日本の『とある組織』は彼女に「力」を与えてくれるかもしれない。またその組織は最近羽振りがいいらしく大きなプロジェクトを始めようとしていると聞く。試しに彼女にそのプロジェクトの情報を流してみることにしよう。彼女が本当に『万能』であるのならば、そのプロジェクトの
そのような物思いにふける中、目の前の映像に映る彼女は、早朝の地方の主要駅に到着した乗合高速バスから降りていた。全てを悟ったような眼で。
シナリオ上アラン機関と吉松さんの出番を入れられる見込みがないので、挿入話的なところでの登場でお茶を濁してみる。
デザイナーズメモ:少女達のスタイルの良さ
千束 ≒ 瑠奈 > サクラ > たきな > フキ
17歳に張り合う14歳。伊達にこの歳でグラビアを売っていない。