スマホの中にいつのまにかインストールされていた怪しげなアプリケーション『催眠アプリ』!
その力を使って巻き起こる大騒動!果たして生き残る者は誰なのか!(本編とはあんまり関係はありません)



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催眠アプリで盛大に何も始まらない!

『催眠アプリ』

 都市伝説、あるいは童貞の妄言である。画面を見せるだけでターゲットの行動全てを操ることができ、酒池肉林を築き上げることができるのだとか。

 

 そんなアプリが、自身のスマホの中にあった。

 

「……恐ろしいな、コレは」

 

 アプリがスマホの中にあることに気づいてから、いくつかのテストを行った。

 

 まずはコレが本物がどうか。それについては自分自身に使う事で確かめられた。

 

 行った記憶はないのに、手元のノートには般若心経が書かれている。自身に催眠を行ってやらせた事だ。

 

 パソコンのを使ってその行動を録画したが、明らかに目が逝っていた。これが催眠状態ということなのだろう。

 

 薄い本などにあるえっちっちな展開でこんな狂った目をしていたのなら間違いなく萎える。女子に試してトラウマになる前に知れて良かったかもしれない。

 

 さて、こんな劇物を持ってしまってどうしようか? 

 

 まず、考えなしに使ってしまってはならない。催眠アプリを使ってなんやかんやしたとしても現実に起きたことは変わらない。口座には送金履歴が残るし、催眠で目が逝っていた時間経過はなくならない。

 

 数秒間の催眠効果で効果的なリターンを得て、かつ記録に残らない。そんな良い事はなにかないだろうか? と犯罪を行う方向にばかり思考が向かっていく。昨日ライアーゲームとかを見たせいだろうか? 

 

 まぁ、ひとまずは良いだろう。アプリは手元にあるのだし、アプリが突然消えたとしても何も困る事はない。

 

 そんな思いから、のんびりと眠りについた。

 


 

 翌日、学校に向かうためにコツコツと歩いていく。その時周囲をついつい見すぎてしまっていた。催眠アプリを受けた人間は目が逝っている。ないとは思うが、ついつい警戒してしまっているようだ。

 

「こんにちは、西川くん」

「おう、おはよう……そのネクタイどうした?」

「ネクタイ? いつも通りだけど」

「裏表逆になっているぞ。確かにいつも通りではあるがな」

「……あ」

 

 同じ駅から学校に向かう残念美少女の『浜川ねむり』が声をかけてきた。美少女である事は他人からの評価でも自分の感覚でも頷けるのだが、やることなす事全てにダメさがある。美少女である事の妬みを買わない為の策であると思った事はあるが、まぁ素だろう。

 

「それで、今日はどうしたの? 随分と不機嫌そうだけど」

「スマホにいつのまにかジョークアプリが入っていてな。入ってきたルートを調べていたが結局分からなかった」

「……ジョークアプリ? え、うそ。もしかして消してしまったの?」

「当たり前だろう。アプリを起動してスマホのデータだとかが盗まれてしまっては大事だ」

「……大丈夫かしら?」

 

 唐突に自分のスマホをいじって何やらを調べ始める浜川。もしかして、と思いスマホ画面を見てみる。

 そこには自身の知る『催眠アプリ』のアイコンがタップされてメインメニューへと進んでいく場面がバッチリ見えていた。

 

 ひとまず浜川が己に催眠アプリを仕込んだと仮定する。

 その目的はおそらく罠の類だろう。自身のような欲望に流されやすい一般男性がこんな万能の力を持てば多くの過ちを起こすだろう。そしてそれを記録してしまえば己にとって明確なウィークポイントになる。

 

 そして、催眠アプリの影響を受けない『プロテクト』のようなものを自身にかけていたとしたら己は浜川ねむりの手足として催眠アプリを使って犯罪を行う奴隷となるだろう。

 

 驚くべき知謀だ。警戒は怠ってはならない。

 

「……ねぇ、スマホからデータを抜いているみたいな事の確認ってどうしたらできたっけ?」

「アプリに『どのデータのアクセスを許可したか』のような設定があるはずだ。それに連絡先やカード情報などがあるかを調べる程度だろうか?」

「……うん、大丈夫だ。多分」

「他にも利用規約をしっかりと読み込んでみれば何か分かるかもしれないな。まぁ、危ない経路で入手したアプリならそう言うところはきちんとしてないだろうが」

「規約、規約、……あ、あった」

 

 あるのか⁉︎と声を出しそうになった。こんな怪しげで超常的な現象を起こすオーパーツがそういう所をちゃんとしているとかどうなんだそれは⁉︎

 

「えっと、なになに? 『他人の財産、生命などを侵害する為にこのアプリを使用した場合サービスを強制的に停止し、公的機関に通報して十万円程度の罰金刑が課せられる……?」

 

『悪いことをするな』と規約で縛っているらしい。だったらこんな悪いことしかできないようなアプリケーションを何故に流出させたのだ⁉︎

 

「……読むの面倒くさい」

「面倒になったのなら消して使わないようにすれば良いと思うぞ」

 

 念の為自分自身でも利用規約を確認してから、スマホの中から催眠アプリを消去した。

 

 自分に与えられた奇妙な出来事は、コレにて終了した。以降数日にわたって多くの人がセクハラやらで居場所を失ったらしいが、まぁそれは語るべき事ではないだろう。

 

「しかしながら、浜川の策謀は凄まじかったな。おそらく規約について驚いたこともブラフだろう。兵隊である己が『ソレ』に気づいてしまっては間接催眠犯罪が成功する事は無くなった。それを悟らせない為にアプリを捨てさせる方向に方針を転換したのだな。侮れない知謀だ」

 


 

「あぁぁぁぁああああ! どーして私に『えっち奴隷になれ!』とか言ってくれないのさ西川くんはぁ! 見た目美少女で良い身体してるじゃん! 私好感度高いじゃん! 言ってくれればなんでもするのにぃ!」

 

 浜川ねむり、彼女はヘタレだった。

 ヘタレすぎて拗らせた彼女は、『催眠で好き勝手にされる加害者と被害者』という関係からズブズブの依存関係になりたいと妄想し、催眠アプリを西川のスマホに仕込んだのだった! 

 

 彼女は、自身のやった事で『見た目だけが良い女』から『警戒すべきやべー女』にランクダウンしたことを、まだ知らないでいた! 

 

 おわり

 




アプリとかの利用規約はきちんと読もうね!という話。
マ○ナポータルの規約についてTwitterに流れてたことからのネタです。

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