ヤンデレな女の子に愛されるだけの話 作:ストレア=リネレイト
誤字脱字あったら報告ください。
UA 20000ありがとう!これからも頑張ります
8/12 蟷螂好きの影蜘蛛さん 誤字報告ありがとうございます。
「……ん、」
朝日が部屋を照らす中、私は体をゆっくりと起こしました。
そしてベッドから足を下ろし、近くに置いてあるベルを鳴らします。
美しい音色が部屋に木霊し、メイドがやって来ました。
「お嬢様、失礼致します」
「それではお願いします」
「かしこまりました」
メイドがラジオの様な物を取り出し、電源をつけます。
…ふむ。音がしませんね。
「映像もつけますか?」
「そうですね、では先に用意を済ませてから見ましょうか」
スキンケアなども一通り済ませ、髪も整えます。
メイドの手によって服も制服へ着替えました。
「お嬢様、朝食は本日もですか?」
「ええ、彼と同じ物を食べます」
「では、こちらをどうぞ」
メイドに感謝を伝え、画面に目を向けます。画面の中には電気の付いていない暗い部屋。
ベッドの上には秋風さんが映っています。
はい。隠しカメラを仕掛けさせて頂きました。もちろん家中に仕掛けてあります。
どうやったかは秘密です。
「ふふっ。可愛らしいですね」
これが最近のマイブームです。朝起きて秋風さんの生活を覗き見する。
そして彼の普段の生活についてもっと詳しくなれます。
おそらく彼自身が知らない癖まで私は知っています。
そう思うととても嬉しいです。世界で一番私が彼の事を知っています。
しばらくして彼が起きました。寝ぼけた足取りが愛らしいです。
リビングへ向かう様なので画面を切り替えましょう。
『ほら、柊早く食べな』
『ふぁい』
どうやらお母様が朝食の準備をされていた様ですね。
パンに卵焼き、ココアですか、早速作らせましょう。
「これと同じ物をお願いします」
「かしこまりました。…お嬢様の朝食が決まりました。……はい。まずは…」
後ろに控えていたメイドに頼むと早速連絡してくれました。
数分で出来上がるでしょう。
それまでは彼の食事を眺めるとしましょう。
それにしても彼はこんな物しか食べれないのですか。
辺りのスーパーの材料で作られた安価な料理。
彼が我が家に来たらもっと贅沢をさせてあげましょう。
「お嬢様、食事の用意が整いました」
「分かりました、頂きましょう」
メイドが手早く食器を目の前に並べて行きます。
パンの香ばしい匂いと湯気と共に鼻孔をくすぐるココアの甘い香り。どれも美味しそうですね。
流石我が家が誇る一流の食材と料理人です。
それにしても同じ時間に同じ物を食べる。これは将来のシュミレーションとしては
完璧ではないでしょうか。
そろそろ出発しなくてはなりませんね。
「ではそろそろ行きますので支度を」
「そちらの方は既に済ませてあります。車を準備済みですので、そちらへ」
「ご苦労様です」
◆◆◆
「それではお嬢様、いってらっしゃませ」
「ええ、いって来ます」
学校から少し離れた所で車を降ります。本音を言うなら門の手前がいいのですが、
庶民の皆様の邪魔になってしまうので私なりの配慮です。
教室の扉を開け、私の席へ向かいます。
「あら、ご機嫌よう。秋風さん」
既に秋風さんがいたので挨拶をしました。
未だに心臓がドキドキしますが、表には出さない様に耐性はつけました。
「ア、ハイ。こ、こんにちは」
返事をしてくれました!やはり何度聞いても嬉しいですね。
最初の頃は自分に話しかけられていると思っていなかった様で、中々返事も
してくれなかったのですが、根気よく接していけば段々と心を開いてくれました。
ですが、少し前に他の誰かから私が財閥令嬢である事を聞いてしまったようで
とても畏縮されてしまっています。吹き込んだ輩は許せません。
「ふふっ、そんなに堅くならなくてもいいですよ。同じ学び舎で共に過ごす仲間なのですから」
今の私にはこの様に様々な理由をつけて心を開いてもらう他ありません。困った物です。
「どうかされました?」
「い、いえ!なんでもナイデス」
反応がないのでびっくりしました。一瞬秋風さんに何かあったのかと。
「ホームルーム始めますよ~」
おっと、もう始業ですか。この方といると時間の流れが早いですね。
授業が始まると彼は私がプレゼントした多機能シャーペンを使ってくれています。
此方のシャーペンは私のオーダーメイドでボールペンなどの機能も勿論あります。
ですが勿論それだけではありません。ちゃんと発信機付きです。
発信機の信号は私のスマホに送られリアルタイムで彼がこのペンを持っている限り
どこにいるか分かります。
最初は作らせたは良いものの、どうやって渡すかは考えていませんでした。
すると偶然にも彼がシャーペンの芯を貸してくれと言ってきたのです。
一瞬でこれは好機だと判断し、このペンを差し上げました。
おかげで放課後の尾行などもとても楽になりました。本当に“多機能”ですね。
「秋風〜ちょっと手伝ってもらっていいか?」
「あ、はい」
またですか。彼は優しいのでこういった物を断れません。
それで教師の評価が上がり、また頼まれる。そして他の教師にも広まってまた頼まれる。
そして更に評価が上がる。その繰り返しです。
以前にはそのせいで1人では到底運べない様な量の段ボールを運ばされそうになっていました。
流石に可哀想だと思い手伝って差し上げました。
実は私は武術も護身用として嗜んでいますので、あの程度簡単でした。
キーンコーンカーンコーン
いつの間にか放課後でした。急いで秋風さんを尾行しないといけません。
スマホで彼が何処にいるか調べます。…?
「あら?あちらは校舎裏のはずですが何をされるのでしょうか」
おかしいですね、こんなとこに普段ならば行く必要などあるとは思えません。
嫌な予感がします。私は教室を飛び出しました。
全く、私の監視の目は欺けないというのに
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