ヤンデレな女の子に愛されるだけの話   作:ストレア=リネレイト

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約1ヶ月半もお待たせしてホントすみません!コロナとテスト食らってたら内容吹っ飛んで
全然書けませんでした。
お気に入り100超ありがとうございます!これからも頑張っていきます!

今回ちょっと長いです。約5000文字あります。話分けるとこ若干ミスったかも。


ツンデレ幼馴染はあなたが大好き4 裏

 街中をあるいていく。こんな時間に平日の外を出歩くなんていつぶりだろうか。

 何というか新鮮な気持ちになる。いつも見ている街なのに人は全然居なくて聞こえるのは

 鳥のさえずりと車の音が少しだけだ。ちょっとだけわくわくする。

 

 少し軽い足取りで公園に着いた。……?

 不思議なことに誰かの話し声がする。声的には若い男女だ。この時間なら大学生かな?

 もしかして公園デートでもしてるのかな。私だって女の子だ。

 そう言う事はよく考えるし、好きな方だ。

 気になったので顔を少しだけ出して覗いてみた。

 

 

「……え?いやっ嘘っ…」

 

 私は目を疑った。体温が下がって行くのを感じる。

 そこには見知らぬ女とすごく近い距離で話している男…正君の姿があった。

嫌だ嫌だいやだいやうそうそいやだやめてわたしのせいでわたしがわたしの離れろ近づくな

 心の中が黒く染まっていく。目の前のそれを理解したくなかった。

 正君の心が傷ついてる所にあの女がつけ込んだんだ。

 だめだよ正君その女はきっと良くないことを考えてる。

 正君をまた私から奪おうとするんだ。そんなの許されない。二度と起こさせない。

 私はアレを取りに家へ走りだした。

 

◆◆◆

  

「はぁ…はぁっ、これで……」

 

 家に着いた私は早速お目当ての物を手にしていた。

 山田の時もお世話になった金槌だ。

 私の作戦はこれで気絶させて正君を私の家に連れて帰る。

 もうなりふり構っていられない。痛いかもしれないけど我慢してね。

 ちょっとだけお仕置きも兼ねてるんだから。

 

「待ってて今行くからね」

 

 そんな言葉と共に私は元来た道へと走り出していった。

 

 公園に着くと正君はまだ見知らぬ女と話していた。

 私は木陰に隠れてこっそり覗き見る。

 金槌は山田の時と同じく袖の中だ。

 

「それで現場みたいなのを見ちゃって……」

 

 『現場』

 

 その言葉に胸が締め付けられる。私が犯してしまった失態。

 でも大丈夫その失態を取り返せるようにちゃんと監禁して愛し合うから。

 今まで正直になれなかった分いっぱい一緒にいてあげるから。

 家に着いたら何をしようか。愛情たっぷりの手料理を作ってあげたいな。

 それであーんって互いにやって、食べ終わったら一緒にお風呂入って、

 裸を見せるのはちょっと恥ずかしいけど正君になら見て欲しいかも。

 それで寝る前にベッドでいい雰囲気になったら…キスとかしちゃったりして。

 他にも他にも…………

 

「ありがとうございます。元気出ました!」

 

 ん?どうやらイロイロ考えてる間になんか話が進んでたみたい。

 

「おう。その意気だ少年。もし学校でなにかあっても

 私がいるから。今日はもう帰りな」

 

 クソ女が正君に媚び振んないで。

 

「はい!ではまた。さようなら!」

 

 また、とかあるわけないでしょ。正君はこれから私と一緒なんだから。

 あの女について正君に今すぐ問い出したい。

 答えによってはお仕置きしてちゃんと誰の物なのか分からせなきゃ

 

「じゃあな。成戸少年」

 

 正君はやっと女から離れて歩き出す。

 私は後ろから正君に話しかける。

 

「ねぇ。」

 

 彼の足が止まる。

 

「ねぇ。あの女、なに?」

 

 何度も見た後ろ姿。

 大好きで大好きで私の大切な人。

 もう絶対離したりなんてしない。

 

「こっちみてよ。」 

 

 彼はゆっくりとその首をこちらへ向ける。

 ひどく怯えたような顔も愛しく思える。

 

「ねぇ。答えてよ。」

 

「寧音?ここで何しているんだ?」

 

 頑張って話題を逸らそうとしているのは可愛いけど

 誤魔化そうなんて許さないよ?

 

「いいから答えて。」

 

「あの人は青葉さんっていう人で

 ちょっと相談していたんだ」

 

 青葉さんね……名前まで聞いてるんだ。

 よくこの短期間でそこまで仲良くなったね?

 正君の相談に乗っていいお姉さん感出して誘惑してるんだ。

 

「ふ~ん。相談って?」

 

「寧音の事だよ。」

 

 わ、私の事かぁ。へぇ。ちゃんと私のこと考えてくれてたんだ。

 でもね正君尚更他の女に相談するべきじゃないよね?せめて青葉ちゃんとかさ。

 

「へぇ。でもね正君、もうあの女と会うのはだめだよ。」

 

「な、なんで」

 

 そこで動揺するって事はもしかしてあの女の事気にしてるのかな??

 

「なんで?決まっているでしょ。あの女は正君を騙して

 自分のものにしようとしているんだよ。」 

 

「違う!青葉さんには本当に相談にのってもらってただけだ!

 それに「いや」」

 

 正君はいきなり大声を出して私に何かを言ってくる。

 嫌。私の前であの女の事を庇うな。

 嫌。私以外の事なんてどうでもいいでしょ。

 嫌。なんで私の言うことを信じてくれないの。

 

「嫌。私の前で他の女の名を呼ばないで!

 なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで……」

 

 分からないよ。なんで私をそんな目で見るの?

 そこで私は気付いた。

 

「あ、そっかぁ。正君はおかしくなっちゃったんだよね

 大丈夫だよ。私が助けて、元の君に戻してあげるから」

 

 そうだよそれ以外あり得ない。正君は手遅れなんだ。

 あの女に洗脳されておかしくなっているんだ。

 早く助けてあげなきゃ。あ、でも洗脳されてるんだったら抵抗されちゃうかな?

 やっぱり使うしかないんだね。

 

「何をいってガッ

 

 私は何か言いかけてる正君に対して金槌を振るう。

 重たい音と共に正君は少しふらつき、倒れてしまった。

 

「おやすみ。正君」

 

 正君を背負うと私は久しぶりに彼の温もりを感じて、私達の家へゆっくりと帰っていった。

 

◆◆◆

 

 バタン

 

 ようやく家に着いた。人一人背負うのは結構疲れる。

 実を言うと何度か通りすがりの人に正君を背中に抱えているのを見られ

 ちゃったけど、微笑ましい目で見られるだけで終わった。

 私は正君を私のベッドまで運んだら保冷剤とタオルで殴ちゃった所を冷やして応急処置をする。

 

「ふう。一旦これでいいかな」

 

 一応正君が起きても良いように紐でベッドにくくりつけといた。

 でも手錠が届いたらちゃんと交換はする。

 

 時間あるしお昼でも作っておこっと。

 

 

「~♪」

 

ピーンポーン「宅配便でーす。」

 

「はーい」

 

 来た!!私は火を止め、急いで玄関の扉を開ける。

 

「すみません。此方に判子お願いします」

 

「はい。ご苦労様です」

 

「有り難うございましたー」

 

 私はその場で段ボールを開封する。そして私達のこれからを作る大切な物を取り出した。

 媚薬と痺れ薬はキッチンに置き、鎖付きの手錠を持って部屋へ向かう。

 

 ゆっくり扉を開けて正君の様子を確認する。

 

「すぅ……すぅ」

 

 良かった。まだ寝てるみたいだ。気持ちよく眠っている顔に安心しつつ、

 私は素早く拘束具を紐から手錠に変更した。

 やっと完璧に正君を外の世界から守る事ができると感じて笑みが溢れる。

 

「ふふっ、寝顔可愛い」

 

 私は彼の頭からタオルとぬるくなった保冷剤を外して、台所へと向かった。

 一応痺れ薬と媚薬の説明を読んどこうかな。

 痺れ薬は…どうやら5分から10分くらいで効いてくるみたい。

 一方媚薬は…

 『超即効!超強力!愛しのあの人も一瞬で獣に♡』

 ……本当かな、これ。一応少しだけ飲んでみよ。

 私は疑問に感じつつ一口だけ飲んでみた。なんか変な味がする。

 ・・・まぁそんな数秒じゃ効かないか。料理の続きしよ。

 今の私でも簡単に作れるからという理由でチャーハンを作っている。

 でも将来はいろんな料理を振る舞ってあげたい。

 

「ハアッ、ハァっ」

 

 そろそろ完成するのだけど心なしか身体が熱いし息が荒くなっている。

 媚薬が効いてきたっぽい。時間でいうと5分くらいで効いたようだ

 これだったらチャーハンに混ぜておけば食べ終わる頃には効いてくるだろう。

 と言うことでチャーハンに媚薬と痺れ薬をかけて混ぜ合わせた。

 

「よし!皿に盛り付けて、正君のとこへ持って行こう」

 

 皿を持って階段を上がり、ドアを開く。

 するとそこには窓に手を伸ばそうとしている正君がいた。

 起きていた事を嬉しく思いつつ、まだ逃げようとする姿に苛立ってしまう。

 

パシッ「正君、何してるのかな?」

 

 電気を付けて正君に問いかける

 

「っ!!」

 

 私は再度咎めるように聞いた。

 

「それで、何をしているのかな?私の目には

 その窓から助けを求めようとしているように見えるけど?」

 

 正君は一瞬目をそらした。どうやら当たっていたみたいだ。

 そして直ぐさま声を荒げて話を逸らした

 

「この手錠はなんだ!どうしてこんな事をした!」

 

「なんでって、好きだから以外に何があるというの?」

 

 何でって言われても好きだから、一緒に居たいからしかあり得ない。

 

「いいから外せよ。大体これは犯罪だぞ!」

 

 犯罪?そんなの関係ない。君に同意の上だったって言わせれば良いんだから。

 

「愛があるから大丈夫だよ。それに正君が逃げないように、外から守るためにつけているんだよ?」

 

 正君は素直だから他の人にすぐ騙されちゃう。他の奴らはいつも私達の邪魔をする。

 だからそんな事が起きないように対策しなくちゃ。

 

「なぁ山田についてはどういうことだ

 俺のこと財布だとかいった事は、どう説明するんだ?」

 

 !!そうだ正君は何も知らないんだ。説明しなきゃ。

 分かって貰わないと全部全部あいつが悪いんだって。

 

「ごめんなさい!君が帰ったあとあのゴミをごうも……聞き出したんだけどね

 あいつは私達を騙して引き裂こうとしていたの!」

 

 私は一生懸命に説明した。私はホントはあなたが大好きって解ってもらえるように。

 

「あとね、アクセサリーの事なんだけど…ちゃんと、大切にしてるから」

 

 私は部屋の半分を埋めているショーケース達を指さした。

 

「…なぁ、あの写真どうしたんだ?」

 

 あ、やっぱり気になっちゃうか。正君には言ってなかったもんね。

 

「ああ、アレは私がいつも持っている小型カメラで撮った物よ

 横のUSBは隠しマイクで正君との会話を録音していたの。

 アレのおかげで寝る時には正君の声に包まれて幸せに寝られるのよ」

 

 えへへ。言っちゃった。本人の前で言うと恥ずかしいな。

 でも、もう録音はしなくて良いのか今度からは直接聞けるから。

 

「じゃあ。全部誤解だってわかったから手錠外してくれない?」

 

 和んできたところに正君が水を差す。

 何言ってるのダメに決まってるじゃない。

 

「だめだよ。さっきも言ったけど外は危ないの。それとさぁ、さっきから外してとか

 ここから出してとか言ってるけどそれっておかしいよね。

 だって正君は騙されて私のことを嫌いになりかけたけど、それは誤解だってわかったんだから両思いだよね?

 でもまだそんなこというならお仕置きだよ?」

 

「わ、わかった。外さなくてもいいから。でもたまには外の空気吸いたいな~なんて」

 

「まだそんなこと言うの?はぁ、でも今はいいや。

 せっかくチャーハン作ってきたのにちょっと冷めてきちゃったから先にこれ食べて」

 

 まあ正君が絶対に他の人に騙されないって分かるくらいになったら外出も考えようかな。

 私も出来ることなら外でデートとかしたいし。

 そう考えつつ正君に皿を渡そうとして思いつく。

 これって『あーん』チャンスかも!?

 

「ふふっ、食べさせてあげるね。はいあーん」

 

「あーん!?」

 

 恥ずかしがっちゃって可愛い。私は顔が赤くなるのを誤魔化すように

 正君の口へ、スプーンを動かした。

 

 

 最初は恥ずかしそうにしてたのに段々恥ずかしさが消えていって

 普通に味わって食べてくれていた。

 

「おいしかった?口にあったらいいんだけど」

 

 私の初めての手料理だから美味しくないって言われたらどうしよう。

 

「美味しかったよ」

 

 良かった!美味しいって言ってくれた。嬉しい!!

 

「なら、良かった!隠し味の痺れ薬と媚薬ちゃんと隠せていたんだね!」

 

「なん、の冗談だ?」

 

 ……あ、嬉しくて流れで言っちゃった。

 まぁそのつもりで入れたんだしいいか。

 

「冗談じゃないよ。既成事実作るんだから」

 

 半分勢いで正君の方へ近づいていく。

 

「だんだん体が動かなくなってきたでしょ?それに呼吸も荒いよ」

 

 時間的にはもう効いてきているはずだし。

 正君は気付いてないっぽいけど少し呼吸が荒い。

 

「ぁぁ、正君温かいよ。」

 

 私は正君の体を抱きしめた。温かさが伝わってくる

 

「大好きだよ。あ・な・た」

 

 私はこの後の明るい未来を思い浮かべて微笑んだ。

 

 

 




主人公 成戸 正(なりと ただし)
この後、桜崎母のおかげで監禁は免れた。
けどほぼ同棲関係になってしまった。

ヤンデレ娘 桜崎 寧音(さくらざき ねね)
母にばれて普通に怒られた。けどほぼ同棲まで持ち込んだ。強い(確信)

桜崎(母)
娘と正は結ばれるだろうな、と思っていたけど監禁まで行くとは思わなかった。
外堀は成戸母と一緒に秒で埋めた。

次回はヤンデレお嬢様の裏をやっていきます。

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生まれ変わるなら?

  • 人間
  • 魔族

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