ラブライブ!STAR PEACE   作:la55

11 / 79
函館編 第3話 後編

 そんなこんなで花樹に男として認められた智は今なお泣いていた。そんな智に対し、花樹、

(あっ、そうだ!!智をもっと男として磨くためにもあれに誘おう!!)

と思ったのか、智に対しこんなことを言ってしまう。

「そうだ!!智、もっと男を磨くためにもスクールアイドル部に入部してはどうかな?」

突然のスクールアイドル部への勧誘、これには、智、

(スクールアイドル部?それは・・・)

と思いつつも花樹に対しこう告げた。

「花樹先生、申し訳ないのだけどスクールアイドル部には興味なんかないんだ。ほかをあたってくれ」

智としてはあんまりスクールアイドル部には興味がなかったらしく御断りをいれてしまう。

 ただ、そこは、花樹、

(今のスクールアイドル部には智が必要なんだ!!ダンスの要として、そして、乃亜と紅奈をつなぐ役目として・・・)

と智の重要性を感じていた。智はダンスのスペシャリストである。その智がスクールアイドル部のダンスの要として機能すればスクールアイドル部としてはより安泰になる。また、智のコミュニケーション能力は高い、その智が乃亜と紅奈の橋渡し役になってくれたら御の字といえるのである。そのため、花樹、智を必至に口説こうとする。

「智、スクールアイドル部に入部すれば智を男として認めてくれる人が増える・・・はず・・・。少しは4人は・・・」 

 ただ、そんなことを言っても智はなびかなかった。それどころか、

(花樹先生はそう言っているけど、もともと僕のことを男として認めてくれる人は多い。それに・・・)

そう、智を男として認めてくれる人はわりと多かった。智の両親や先生たちは智のことを女としかみていないものの智の聖女のクラスメイトなどの多くの生徒たちからは智のことを男として認めてくれていたのである。なので、智、花樹がそう言ってもなびかなかったのである。それに・・・、

(それに・・・、スクールアイドルは女がするものだろうが!!)

そう、智のなかにはスクールアイドルというのは女性がするもの、という考えがあったのだ。たしかに、μ's、A-RISE、それにAqoursやLiella!は女性のみで構成されていた。なので、スクールアイドルは女性のみがなれる、と認識されてもおかしくなかった。

 そのため、智は花樹に対してこう反論した。

「言っておくけど、僕を男として認めてくれる人が数多くいるし、スクールアイドルは女性のみがなれるものだから男の僕がスクールアイドル部に入部することなんてできないはず!!」

 だが、花樹、智に対してさらに反論した。

「智、そう言ってはいるけど、智にとってみても男として認めてくれる人が増える、いや、認めてくれる先生が増えたら嬉しいはず!!」

そう、たしかに智を男として認めてくれる人は多い。だが、それは智のクラスメイトなどだけに言えることであって先生たちには智のことを男として認めていない先生が大半だったのである。そう考えると智を男として認めてくれる先生が増える・・・、少なくともスクールアイドル部の顧問をしている理亜とそのコーチの桜花が認めてくれるのならそれは智としても悪くのない話である。

 それに加えて花樹はこうも考えていた。

(スクールアイドルは女性だけがなれるもの・・・、果たしてそうだろうか?そんな決まりなんてない!!)

そのことを胸に花樹は智にそう諭す。

「それに、スクールアイドル部は女性のみだというのは単なる考え違いだ!!ここ近年、男子のスクールアイドルも多くなっている!!そのことをこの動画を見て勉強しろ!!」

 そして、花樹は智に一つの動画を見せた。で、この動画を見て智ははっとする。

「えっ、こ、これが男子のスクールアイドルなのか!!」

そう、花樹が智に見せた動画、それは男子のスクールアイドルが踊っている動画だったのである。その動画について花樹はこう説明した。

「この動画は男子版ラブライブ!の大会の動画です。この大会が行われるくらい、ここ近年、男子のスクールアイドルは増えているのです」

そう、ここ近年のスクールアイドル人気は女性だけでなく男子にも広がっていたのである。もともとはスクールアイドルは女性ののいだったのだがAqoursの世代から男子もスクールアイドルに憧れるようになり、男子のみのスクールアイドルグループが結成されるようになったのである。そして、徐々にでもあるが、男子のスクールアイドルを対象とした大会も全国各地で行われるようになり、その盛り上がりもあってか、男子版ラブライブ!も開催されるようになったのである。とはいっても、決勝会場などの大会規模自体は女子版ラブライブ!(決勝を秋葉ドームで開催するなど)とは程遠いものであり、また、男子のスクールアイドルもようやく全国規模になってきた程度、ということもあり、智が男子のスクールアイドルを知らないのも無理でなかったのである。

 ところが、智、そんな花樹の説明なんて聞いていたのかはさておいて、動画を食い入るように見ていた。これには、花樹、

(なんか魅了されるものがあったのかな?)

と智の顔を覗く。すると、智、とてもキラキラしたような表情をしていた。

 そして、動画が終わると、智、花樹に対してこんなことを言い出してきた。

「花樹先生、このダンスをしている男子って僕と同じ高校生だよな!!この男子たちもスクールアイドルっていうのか?」

で、このときの智はこう考えていた。

(なんだ、この男子たちのダンスは!?僕のダンスの数倍うまい!!僕もこのダンスを踊ってみたい!!)

そう、動画のなかに映っていた男子のスクールアイドルのダンスに智は魅了されていたのだ。というのも、智、こうみえても趣味はダンスであるのでダンスの技術をできる限り伸ばそうと必至になって練習していたりしたのだ。また、日々、ダンス技術を磨くためにダンスの動画を智はよく見ていたしていたのだ。そんな智だったがゆえに男子のスクールアイドルのみせるダンスは智にとって魅了されるくらいのものだったのである。

 そんな智の食いっぷりを見て花樹はこう話した。

「あぁ、たしかにこのスクールアイドルは智と同じ高校生だ!!それも男子のな!!」

この花樹の言葉に智はすぐに反応。

「これが僕と同じ高校生なんだ・・・。すごいなぁ、すごい!!」

智にとって新たなる感動であった。いや、これがトリガーとなった。智は男子のスクールアイドルを見てこう思うようになったのである。

(僕もこんな高校生になりたい!!ダンスが得意になればさらにダンスの幅も広がる!!もっともっと上を目指したい!!もっともっとうまくなりたい!!)

そう、智は動画に映っていた男子高校生のようにダンスがうまくなりたいと思うようになったのである。で、智はこう考えるようになった。

(そういえば、この高校生はたしか男子のスクールアイドルだったはず!!なら、僕もスクールアイドルになればもっとダンスがうまくなるのでは!!)

そう、智はスクールアイドルになればこの男子高校生と同じようにダンスがうまくなるのではと考えたのである。

 そして、智は花樹に対してあることを尋ねた。

「花樹先生、僕もスクールアイドルになればこの動画に映っている男子高校生と同じようにダンスがうまくなりますかね)

これには、花樹、元気よくこう答えた。

「あぁ、スクールアイドルになればダンスは今以上にうまくなるはず!!ただし、それは智の頑張り次第だけどな!!」

この花樹の言葉に、智、ついにあることを決めた。

(スクールアイドルになればダンスが今以上にうまくなる!!僕がもっと頑張ればダンスはうまくなる!!なら、やることは一つだけだ!!)

 その決意とともに智は花樹に対してこう叫んだのである。

「花樹先生、僕、スクールアイドルになる!!なって、あの男子高校生と同じくらいダンスをうまくなりたい!!だから、花樹先生、僕をスクールアイドルにしてください!!」

そう、ついに智はスクールアイドルになることを決意したのである。智はスクールアイドルになればもっとうまくなれる、その一心でスクールアイドルになることを決めたのである。これには、花樹、

「智、わかった!!sその智の気持ち、確かに受け取った!!」

と智の意思を受け入れるとともに、

「それでは、智、一緒に行こうか!!」

と言っては智をあの場所へ、スクールアイドル部へと導くのであった。

 

 それから数分後、

「桜花先生、このようなダンスでいいのですか?」

と乃亜は車椅子を動かしながら桜花に尋ねていた。乃亜と紅奈は自分なりにダンスをどうすればいいのかいまだに考えていたのである。

 そんななか、

「桜花、2人を任せていてごめん!!」

と花樹が乃亜と紅奈の練習場所に到着すると桜花に謝ってしまう。これには、桜花、

「ごめんじゃない!!私、とても大変だったんだよ!!」

と怒るようなしぐさをすると花樹は、

「ごめんたらごめん!!」

と謝ってしまう。まぁ、桜花も桜花でかなり大変だったのかもしれない。2人のダンスを考えるのは至難の業かもしれないのだから・・・。

 そんな桜花であったが花樹に対しあることを尋ねる。

「ところで、これだけ待たせたのだからなんか収穫があったのではない?」

 すると、花樹は笑いながら、

「あぁ、大収穫だったぞ!!」

と言うと、桜花と乃亜、そして、紅奈に対してこう告げた。

「俺たちにとって新たなる仲間を連れてきたぞ!!」

 そして、花樹はついに新たなる仲間を紹介した。

「彼女、いや、彼、それもダンスの名手を連れてきた!!その名も、千歳智君、こうみえてもダンスは得意中の得意だ!!」

この花樹の言葉のあと、花樹の後ろから智が、

「やぁ、こんにちは。僕の名は千歳智、今度、新しくスクールアイドル部に入部した男です!!」

と元気よく挨拶をした。

 ところが、ここで桜花があることに気づく。

「えっ、男!!女の子じゃなくて・・・」

そう、桜花、智とは初対面だったのである。そのため、見た目は女の子である智のことを男であるとは見えなかったのである。で、そんな桜花の反応を見ては、智、怒ってしまう。

「桜花先生、僕は男です!!たしかに背格好は女の子ですが僕はできっとした男だと思っています!!」

この智の言葉に、桜花、

(この智って子、もしかして・・・)

とはっとすると智に対し、

「智、本当にすまない。たしかに智は男だね」

と謝罪した。これには、智、

「僕の方こそ怒ってしまい申し訳ない・・・」

と謝ってしまう。

 そんな2人を見てか、乃亜、紅奈、ともに、

「男の智さん、一緒に頑張りましょうね!!」(乃亜)

「スクールアイドルとして一緒に頑張っていきましょう、智さん!!」(紅奈)

と智を一緒に受け入れたのである、男として。これには、智、

「乃亜さん、紅奈さん、本当にありがとうございます」

と自分のことを男として受け入れたことに感謝していた。

 そして、乃亜は智に対してあるお願いをした。

「ところで、智さん、なにかダンスをしてくれませんか?」

すると、智は、

「それじゃ、1つ、ダンスをやってみましょう!!」

と乃亜の前でダンスを踊ってみせた。すると、桜花、智のダンスを見て、

「聖女のなかにこんな逸材が眠っていたなんて・・・」

とキレキレの智のダンスに度肝を抜かれていた。いや、桜花だけじゃない。乃亜、紅奈、ともに、

(これが智さんのダンス・・・。とても素晴らしい・・・。私も智さんみたいな人になりたい・・・)(乃亜)

(このダンス・・・、聖女のなかでもトップの実力だとみた・・・。花樹先生、すごい人を見つけてきた・・・)(紅奈)

と驚いていた。そのためか、智がダンスを終えるとともに3人から、

パチパチパチパチ

と大きな拍手が起きていた。

 そんな智であるが、

「3人ともありがとう」

とお礼を言うと乃亜と紅奈に対しあることをお願いした。

「ところで、2人とも、ちょっと踊ってくれないか。ちょっとどれくらいのレベルなのか知りたくてね」

智はこのとき、こう考えていた。

(僕はもっとダンスをうまくなりたい!!そのためにも、乃亜さんと紅奈さん、2人のダンスのレベルを知りたい。知って2人にアドバイスを送ることでどんどんうまくなってほしい!!)

そう、智は、このとき、これからのことを考えていたのだ。智はたしかにダンスはうまい。だが、2人のレベルを知らなければ智を含めたグループ全体のダンスはうまくいかない、のである。だって、いくら智がうまくても2人のダンスが下手ならグループ全体のダンスは智だけが悪目立ちするだけのダンスになるのだから。そのため、智は2人のダンスのレベルを知ったうえで2人に対しどんどんアドバイスを送ることでどんどんうまくなっていこうと考えたのである。

 この智の言葉とともに乃亜がまず最初に踊ることに。すると、

「う~んと、こうと、それと・・・」

と車椅子を動かしながらダンスを行う。これには、智、

(乃亜さんは必死に頑張ろうとしている。だからこそ、その必至さはよく伝わってくる。だけど、車椅子である以上、あまりうまく踊れていない。僕自身、車椅子のアイドルというのは初めてだから今のところはなんともいえないけど、乃亜さんがどんどんうまくなるように一緒に考えていったほうがいいかな)

と評していた。そのためか、智、乃亜に対して、

「乃亜さん、もっとそこは大きく動いて!!」

とアドバイスを送ることが多かった。

 一方、紅奈は乃亜とは違ってスクールアイドルとしての経験が長いためか、乃亜、紅奈のダンスに対して、

「うわ~、やっぱり、紅奈さん、うまいね!!」

と喜ぶほど紅奈のダンスはとてもうまかった。

 だが、智の見方は違っていた。紅奈のダンスを見て、智、こう思ってしまう。

(やっぱり紅奈さんのダンスはたしかにうまい。でも、そのダンスに心がこもっていない。まるで自分のことをただの道具としか思っていない、そんな感じがする)

智は見抜いていた、紅奈のダンスには心がこもっていないことを。実は、このとき、紅奈は踊りながらこう考えていた。

(私はただの道具。ただの道具だから仕方がない。仕方がないんだ、私は道具なのだから・・・)

そう、紅奈は心を込めてダンスをしていなかった。それは自分がただの道具だから。たしかに紅奈のダンスはうまかった。だが、それは紅奈のスクールアイドルとしての経験値が高いためだった。なので、ただの素人である乃亜からみればたしかにうまかった。ところが、ダンスのプロである智からみれば紅奈のダンスはただのダンス、まるで心ここにあらずのダンスだったのである。

 そのためか、智、こんなことを考えるようになってしまう。

(もしかすると、紅奈さん、なにか隠し事をしているのではないだろうか。なにかを隠しているなから心を込めてダンスをしていないのではないだろうか・・・)

そう、智は紅奈はなにかを隠していると考えるようになったのである。ただ、このとき、智はそのことを誰にも話さなかった。だって・・・、

(もしかすると、紅奈さん、その隠し事、誰にもいえない秘密なのかもしれない。それをここで言うとまずいかもしれない。まずは僕の心のなかにしまっておこう)

紅奈のことを思ってのことだった。きっとその隠し事は誰にもいえない秘密なのかもしれない、そう智は紅奈のことを思っては黙ることにしたのである。

 だが、このあと、それが智と紅奈、2人にとって重荷になるようなことが起きることになるとはこのときの2人には知る由もなかった・・・。

 

 こうしてスクールアイドル部は3人になった。このあと、どのような展開をみせてくれるのだろうか。いや、それ以上に、3人はちゃんとダンスを一緒に踊れるのだろうか。それについてはあとのお楽しみとして待つことにしよう・・・。

 

               続く・・・

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。