ラブライブ!STAR PEACE   作:la55

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東京編 第1話 前編

ピー キー キュー

「えっ、来ないで、来ないで!!」

バタン(車と人がぶつかった音)

「おい、誰かが車にひかれたぞ!!」

「女子中学生が・・・、女子中学生が・・・、血を流している!!」

「誰か救急車を、救急車を呼んでくれ!!」

 

「ふ~、約束通りに大将の女子中学生を交通事故に見せかけてひってやったが、これでよかったのか?」(ひき逃げ犯)

「あぁ、それでいいんだ。これでいいんだ」

「でも、なんで、あんな女子中学生をひかなきゃいけないんだ?やつはただの女子中学生にしか見えなかったが・・・」(ひき逃げ犯)

「それは知らんでもいい」

「あぁそうかよ・・・」(ひき逃げ犯)

「まぁ、一言で言ったら、国のため、なんだけどな・・・」

「へいへい、そうですか・・・」(ひき逃げ犯)

 

(ふん、これで未来への勝利に一歩近づくことができた。あの女子中学生は将来スクールアイドルとして大成するだろう。そうすれば俺の計画に、いや、国の計画に邪魔な存在になってしまう。そうなってしまうとあとあとやりにくくなってしまう。だからこそ、今回、消すことにしたのだ。まぁ、あおの女子中学生からしたら自分の夢を壊すことになってしまうのだが。これも運命だと思いえばいい。いや、自分の夢に恨むんだな。これも俺のため、いや、国のためなんだからさ・・・)

 

「・・・悪鬼先生、悪鬼先生、起きてください。あともう少しで練習が始まりますよ」(鶴見)

その鶴見の声に初老の男性は、

「うぅ、俺は寝ていたのか?」

と眠い目をこすりながら起きた。

 すると、鶴見はその男性に対してこう告げたのである。

「悪鬼先生、私、鶴見、そして、花帆(かほ)、美月(みつき)、ともに準備はできています。命令を出してください」

これには、男性、

「あぁ、わかった。鶴見、かほ、美月、今から準備体操をしろ」

とそこにいる女子高生3人に対して命令した。

 そして、その女子高生3人は縦鼻体操を始めた。そんな3人を見ながらその男性はこう考えていた。

(鶴見にかほに美月、こいつらこそがこの国のスクールアイドルの代表となる3人だ。こいつらがもっと成長すれば、この俺が、いや、この国が世界中の王になれるのだ!!)

その男性がこう考えてしまうのはちゃんとした理由があった。それは・・・、

(まぁ、この学校自体、そのために作られた学校だからな。国立勝どき学園、この学校は世界中のあらゆる分野において国として勝つために作られた学校だ・・・)(初老の男性)

 

 そう、鐘楼の男性と、鶴見、かほ、美月と呼ばれる女子高生3人が今いる学校、それは国が世界中のあらゆる分野で勝利するために作られた学校、国立勝どき学園であった。

 国立勝どき学園、21世紀もすでに四半世紀以上を過ぎていたころ、世界中での日本の地位は低下の一途をたどっていた。いや、中国やインドといった新興国の台頭、そして、いろんな理由により日本の世界における地位は低下は避けられずにいたのだ。そんな日本の政府はそれを憂いていた。そのため、政府はついにある学校を、これ以上世界における日本の地位向上を、いや、世界を席巻するための学校を創立した。それが国立勝どき学園であった。国はこの学校を通じて世界のあらゆる分野で勝利と名誉を保とうとしていた・・・。

 そんな勝どき学園だが、この学校にある理念があった。それは・・・、

 

「勝利こそすべて」

 

であった。この勝どき学園は世界を席巻するために作られた国の学校、常に勝利を求められていた学校だったのである。また、勝利を得ることにより日本という国は今の地位向上を、いや、日本の力を世界中に見せつけるために作られた学校でもあった。そのため、この学校に在籍する生徒全員は常勝を義務付けられていた。

 とはいえ、ただの生徒ではそんな常勝を続けることなんてできなかった。そこで国は考えた、それだったら能力の高い子どもたちを集めればいいと。そのため、この学校は日本中から優秀な子どもたちを国のスカウトというかたちで集めることにしたのだ。だからこそ、この学校には全国から選抜された子どもたちが集められることとなった。いや、ここにいる生徒全員がかなり優秀、なにか一芸に秀でている者ばかりであった。その子どもたちは自分の能力を信じ、日夜、苦しみながら、学校の代表、いや、日本の代表として日本という国の勝利と名誉のために頑張っていたのである。いや、頑張っているというのは言い間違いで会った。ほかの者を蹴落としながら頑張っていたのである。だって、常に勝利を求められるのがこの学校の摂理だからだ。もし1度でも負けると・・・、それはあとで話すことにしよう。

 

 とはいえ、初老の男性は準備体操をしている女子高生3人に対して次の支持を出した。

「鶴見、かほ、美月、今度はランニングだ!!学校の周りを10周してこい!!」

これには、女子高生3人、

「「「はい、わかりました、悪鬼先生!!」」」

と言ってはランニングを始めた。

 そんな初老の男性はランニングのために走り去っていく女子高生3人を見てはふとあることを考えていた。

(でも、まさか、この俺がそこまで関心のなかったスクールアイドルのそれも先生としてこの学校に赴任してくるになろうとはな・・・)

そして、初老の男性は、昔のことを、ここまでの経緯を思い出そうとしていた。

 

(初老の男性)

 私・・・、いや、今は俺で通しているが、俺の名は猪波悪鬼、しがない初老の教師だ。だが、本業は、投資家、経営者・・・だった。まぁ、今となってはそれは廃業したのだがな・・・。小さいときは沼津に棲んでいた。沼津では猪波家は名家として通っていた。俺はその一人息子として育った。小さいときから俺は「勝つことこそすべて」だと思ってなにがなんでも勝つことを意識していた。だが、俺の母親、おばあさまの力が強く、俺はおばあさまの命令には従わないといかなかった。そのため、俺はおばあさまには勝つことができなかった。だから、俺は勝つために大学のときは経営と投資の勉強をし、卒業後、家を飛び出してはアメリカで投資の修行をしていた。

 感そして、そのときに出会ったのが木松悪斗だった。木松悪斗はこの私の能力を高く評価していた。さらに、木松悪斗も俺と同じく「勝利こそすべて」という考えの持ち主だった。そんなこともあり、俺は木松悪斗のもとで頑張り、ついには木松悪斗の左腕として活躍することができた。俺にはもとより経営の能力があったためか、木松悪斗から任された会社を順調に経営することができた。それは木松悪斗とともに日本に帰ってきてからも続いた。俺からすれば会社を経営することなんて簡単なものだったが、それでも木松悪斗のためになると思い頑張っていた。

 だが、経営とは逆に投資についてダメダメだった。いや、それもこれもすべて悪鬼のおばあさまのせいだった。俺が行おうとしていた投資をすべておばあさまが潰してしまっていた。俺は俺の力で投資をしたかったのだ。だが、そのすべてをおばあさまは潰してしまった。俺としたらとても憎き相手であった。だから、いつの日かあのおばあさまを殺そうと考えていた。俺としてはとても憎き人だから・・・。勝つためにやるのにやつは邪魔だったから・・・。

 ただ、そうしていくうちに木松悪斗は静真という沼津の女子高の経営にのめりこんでしまった。結果、木松悪斗率いる投資グループはどんどん経営悪化していった。極めつけはあのスクールアイドルのAqours、そして、世界的大財閥の小原家と世界的大企業の沼他グループを敵に回しての静真を巡る騒乱だった。最初のうちは木松悪斗の力が優勢だった。静真のなかを俺や木松悪斗と同じ考え、「勝つことこそすべて」、それに染めることができた。だが、次第に小原家や沼他グループを味方につけたAqoursの勢いが勝るようになり、結果、木松悪斗は負けてしまった。これにより木松悪斗は静真はおろか、静岡、そして、日本における投資の圧倒的地位を失うことになった・・・。

 だが、そんな木松悪斗もある布石を打っていた。俺を函館のディスカウントショップの社長にし、もし、木松悪斗になにかがあったときのために、という布石だった。ただ、俺にとってそれはチャンスだと思った。この機に乗じておばあさまを亡き者にしようとしていたのだ。こうして、俺はあのおばあさまを、憎き相手を殺すことにした。これにより俺は自由の身になった。

 その後、俺は函館へと移住した。俺はここで木松悪斗のためにこの函館の経済を牛耳ろうとしていた。圧倒的勝者という地位を得るために函館にあるいろんな会社を潰していった。それもこれもすべての者に勝つために、いや、木松悪斗のため、「勝つことこそすべて」の名のもとにやろうとしていたのだ。

 そして、ついに函館の代表といえる地元資本のデパートを潰すことに成功した。これで俺は函館経済の勝者になった・・・と思った。だが、それを今度は自分の娘によって潰されてしまった。なんでここで俺は負けることになったんだ!!なぜなんだ!!俺は「勝利こそすべて」という考えのもとでやってきたんだ!!でも、なんで負けてしまったんだ!!このとき、俺はとても悔しかった。

 だが、それ以上に悲しかったのがこの負けにより俺の人生は真っ暗になったことだった。まずはこれがきっかけで俺は逮捕された。罪状はおばあさまを殺したことだった。俺は勝つために、おばあさまに勝つために、いや、おばあさまから解放されるためにやったんだ。だが、自分の娘のせいですべてがおじゃんになった。すべてに勝利することができたというのに針の一刺しによってすべてがダメになった。なぜなんだ!!なぜ、俺は逮捕されないといけなかったんだ!!

 それに加えてこれまで慕っていた木松悪斗が俺のことを裏切った。これまでは木松悪斗の勝利のために俺のすべてを捧げてきたんだ。それなのに木松悪斗は俺を裏切ったんだ!!それはなぜだって?そんなの簡単な話さ。俺と木松悪斗は「勝利こそすべて」の名のもとに一緒にやってきたんだ。だが、それなのに、木松悪斗、俺が逮捕されてから人が変わってしまったんだ!!俺が留置所に入れられていたときに木松悪斗は俺の面会に来た。そのときに木松悪斗はこう言ったんだ、「「勝つことこそすべて」という考えはやめた」とな。これには、俺、怒ったんだ、なんでその考えをやめてしまったんだ、とな。「勝利こそすべて」がこの世の摂理だろうが!!それを木松悪斗は翻意したんだ!!それこそ許せないことだ!!

 だから決めた、私は・・・、いや、俺は、「勝利こそすべて」、それをずっと貫いてやる!!絶対に、絶対にだ!!

 

 初老の男性こと猪波悪鬼はまさに、「勝利こそすべて」、その権化とも呼べる存在だった。小さいときから「勝利こそすべて」という考えのもと行動してきた。だが、自分の母親はそんな悪鬼を封じ込めるがごとくいろいろと悪鬼の邪魔をしてきた。子どものころから悪鬼を締め付けてきた。そんなことに嫌気をさした悪鬼はアメリカに行き、木松悪斗と出会った。こうして悪鬼は木松悪斗のもとで投資と経営という能力でもって「勝利」をしてきた。だが、日本に戻ってきてから自分の母親の邪魔により悪鬼の投資はことごとく失敗、ついにはその母親を殺すことまでしてしまった。そして、函館の地で自分の「勝利」のために、いや、木松悪斗のためにいろんな戦いに勝利しようとしてきた。だが、自分の娘によって大逆転され悪鬼は負けてしまった。そして、自分の母親殺しの罪で逮捕された。いや、それ以上に、自分が慕っていた木松悪斗の裏切りにより悪鬼はすべてを失ったのかもしれない・・・。だが、そのなかで悪鬼は、自分の考え、「勝利こそすべて」、その考えのもと、これからを進んでいくことを決めたのである。

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