開始早々、観客たちは度肝を抜かれた。だって・・・、
(なんなんだ、あの圧倒的なパフォーマンスは!!)
そう、鶴見たち女子高生3人は観客たちが驚くくらいの圧倒的なパフォーマンスを見せつけていたのである。いや、それどころか・・・、
(それに、前回以上にパワーアップしている!!これってあのLiella!すらしのぐんじゃないか!?)
とさらに驚いてしまう。今の鶴見たち女子高生3人は前の「対決」よりもパワーアップしていたのだ。というのも、ここにいる観客たち、いや、勝どき学園の生徒たちは鶴見たち女子高生3人の全開のパフォーマンスを見ていたのである。というのも、「対決」という試合はあとで1つの動画として勝どき学園の生徒たちに向けて公開することになっていた。なので、前回の「対決」を直接見ていない生徒たちですらも鶴見たち女子高生3人の前回のパフォーマンスをその動画を通じて見ていたのである。そんな鶴見たち女子高生3人の前回のパフォーマンスを見ている観客たちは前回の3人のパフォーマンスが前回よりさらにパワーアップしていることに驚いていてもおかしくなかった。いや、それ以上に、観客たちは、今、鶴見たち女子高生3人のパフォーマンスはあのLiella!を越えている、と思っていた。Liella!はラブライブ!が年1回の開催になって以降初めて連覇を達成したグループであった。そのLiella!の一番の持ち味はほかのグループを圧倒させるほどのパフォーマンスであった。そのことはここにいる観客たち、勝どき学園の生徒たちは誰でも知っていることであった。そのLiella!以上のパフォーマンスを鶴見たち女子高生3人はしている、そう観客たちにはみえたのである。それくらい鶴見たち女子高生3人のパフォーマンスはすごかったのである。
だが、悪鬼の見方は違っていた。鶴見たち女子高生3人のパフォーマンスを見てこう思ってしまう。
(たしかに前回よりパフォーマンスはよくなった。まぁ、鶴見、かほ、美月の性格からしたらそれも当たり前なのだがな)
これが当たり前・・・、悪鬼からすればそれが当たり前だというだ。というのも、悪鬼には悪鬼なりの見方がある。それとは・・・。
と言っているあいだに悪鬼はかほの方を見ては自分なりの見方をする。
(かほは私以上に勝利に固執している。「勝利こそすべて」、それを信条にしているからこそ強い。いや、もっと勝とう、絶対に勝とう、その思いがとても強すぎる。。だからこそ、かほは成長し続けるのだ!!)
そう、かほは悪鬼以上に勝利に固執していた。いや、「勝利こそすべて」、それを地でいく少女だった。かほは鶴見たち3人のなかで一番人気がある。だが、こうみえてかほはかなり強情であり、負けず嫌い、そのためか、悪鬼以上に勝つことに固執していた。悪鬼からみればそれこそがかほの成長の秘訣だと考えていた。
さらに悪鬼は美月の方をみると自分の見方をする。
(美月はより完璧さを追及する。いや、完全主義者である。それゆえにいつも完璧さを追及する。みんなから美月は冷たい人間と言われるがそれは美月が完全主義者であることの裏返しだ。完璧なものを追及する、だからこそ美月のパフォーマンスはより完璧になる。それこそが美月の成長の秘訣である)
そう、美月は完全主義者であった。まわりからは冷たい人間だと言われていた美月、だが、それは美月が完全主義者であるからこそだった。より完全なものを、より完璧なものを追い求めようとする、それこそが美月のパフォーマンスの秘訣だと悪鬼は思っていた。
最後に、悪鬼、鶴見の方を見ると自分の見方をする。
(そして、鶴見はそんな2人をまとめるリーダーとして、そして、俺の言うことをちゃんと聞く、いや、俺の考えを、「勝利こそすべて」、その考えを忠実に守っている、それくらい、俺の信奉者である。個性的なかほと美月をまとめあげる存在、俺の言うことを忠実に守っている、だからこそ鶴見は成長し続けるのだ!!)
そう、鶴見は、花帆、美月という個性的な2人をまとめることができる、そんなリーダーであった。勝利絶対主義者であるかほ、完全主義者の美月、そんな個性的な2人をまとめあげることは容易ではない。いや、まとめあげること自体無理であった。だが、鶴見はそれを鶴見はきちんとまとめることができていたのである、いや、鶴見は個性的な2人をつなぐための、1つのグループとしてより完璧なパフォーマンスをするための必要なパーツであったのである。
そして、鶴見は悪鬼にとっていい駒であった。だって、鶴見は悪鬼の信奉者だったから。鶴見は悪鬼の考え、「勝利こそすべて」、その考えに十分染まっていた。そのため、鶴見は悪鬼の言うことをちゃんと聞いていあ。その悪鬼の考えに染まっているからこそ鶴見は成長し続けることができると悪鬼は考えていたのである。
そうこうしていくうちに、
「それでは、私たち、PW(Perfect Winner)のライブを終わります」
という鶴見の声とともに鶴見たち女子高生3人の・・・、いや、PWのライブは終わった。PW・・・、Perfect Winner、この言葉を聞いた悪鬼はこう考えていた。
(PW・・・、Perfect Winner、それこそ、鶴見達3人の・・・、勝ち続ける者だけに許された名前だ・・・)
PW・・・、Perfect Winner、それこどが鶴見たち3人のグループ名であった。この名をつけたのは悪鬼であった。悪鬼は常に勝ち続ける、そんなグループにするためにこの名をつけた。そのグループ名のごとく鶴見たちは学内において全戦全勝を重ねていった。そして、今回も・・・、
「観客全員の一致により、今回の対決の勝者は・・・、PW!!」
今回も鶴見たちPWが勝った。これで鶴見たちPWの連勝は中学のときを含めて37連勝負けなしとなった。これには、悪鬼、
(まぁ、いつものことだな・・・)
とこれこそ当たり前すぎてあまり喜びにふけることはなかった、いや、鶴見たちPWですらこそ当たり前という表情をしていた。
だが、「対決」の試合はこれだけでは終わらなかった。鶴見たちPWに負けた女の子3人にある人物が近づくとその3人にむけてこう言い放った。
「さて、負けた3人だが、もうわかっているだろうな。敗者はおとなしくこの学園から去れ!!負けた者がここにいる理由なんてないんだ!!いいか、今すぐこの学園から去れ!!」
そんな言葉を言い放つ人物、それは(悪鬼とは別の)この学園の教師であった。その教師の言葉に女の子3人はがくしと肩を落としていた、いや、もう自分の人生はもう終わった、生きるすべをすべてなくした、そんな絶望に満ちた表情をしていた。なぜなら、この教師の言う通り、鶴見たちPWに負けた以上、この学園から去らないといけない、退学しないといけないのだから・・・。この学園は国立勝どき学園であり、常に勝利を求められる、「勝利こそすべて」、その理念をもつ学園である。そのため、一度でも敗者になればこの学園から去らないと、退学しないといけなかったのである。それくらいこの学園というのは「勝利こそすべて」であった。
だが、この女の子3人が絶望するにはこれ以上の理由があった。鶴見たちPWに負けた女の子3人は教師からの退学勧告を聞いてこう考えてしまった。
(もうこれでこれからの生きるすべをすべてなくしてしまった・・・。もう誰も助けてくれない・・・。いや、もう死んだほうがましだ・・・。だって、これからなんの助けもなしで路頭に迷うのだから・・・)
そう、敗者としてこの学園を退学した者は、それすなわち、路頭に迷うことが決定したようなものだったから。というのも、敗者としてこの学園から退学した者に対して国は恥さらし者としてすべての人権をはく奪してしまうのだ。それすなわち、敗者には人権なんてない、であった。敗者である以上恥さらし者である、だからこそ、そんな者に人権なんてない、そんなスタンスを国はとっていた。そのため、その敗者は国のあらゆる公共サービスなんて受けることができなかった、いや、国が認めた恥さらし者として言われるようになるため、誰からも支援を受けることができなくなってしまうのだ。こうなってしまうと「退学=路頭に迷う」といった構図が生まれてしまう、いや、もう死んだほうがまし、と敗者は考えるようなってしまう。だからこそ、鶴見たちPWに負けた女の子3人が絶望してしまったのである。まぁ、こういった国の施策に対して反対意見も多かったのだが国はそれを一喝してしまった。というのも、この国立勝どき学園こそ国際的な地位が低下している日本を救う唯一の希望、常に勝つこと、それこそが国としての唯一の救いの方法、だと国がそう考えていたのだから・・・。
とはいえ、悪鬼は勝利したもののそれが当たり前だといった表情をしている鶴見たちPWに対してこう思った。
(鶴見、かほ、美月、この3人はもっと強くなる、もっと勝ち続ける。そうなれば3人は世界の芸能界を征服することだってできる!!いや、「勝利こそすべて」、その考えを世界中に広げることができる!!そのためのPWなんだ!!俺は絶対に俺の考えが間違っていないことを証明してみせる、PWの力をもってな!!)
猪波悪鬼、それはまさに勝利という名の亡者であった。だが、それ以上に、自分の考え、「勝利こそすべて」、その考えを、今、まさに、鶴見たちPWでもって証明してみせようとしていた。と、それと同時に、国としても悪鬼と同じく勝利のみを追求しようとしていた。それは果たして正解なのだろうか、それとも間違いなのだろうか。それについては、今のところ、なにも言うことができなかった、この勝どき学園の存在によって・・・。
ただ、こうして、悪鬼とその教え子である鶴見たちPWは次の日からも勝利のみを追い求めて、いや、常に勝ち続けるための生活をし続けるのであった。果たしてそれは、これから先、どんな結果を迎えることになるのだろうか。それについては次回以降に話すことにしよう。 続く・・・
次回 1.5話 3人の思い・・・