「対決」も終盤に入ってきた。かほ、美月という個性的な2人を引っ張るPWのリーダー、鶴見は、このとき、こう考えていた。
(今の私がいるのはすべて悪鬼先生のおかげ!!だから、私は悪鬼先生のためになんでもやってやる!!悪鬼先生の考え、「勝利こそすべて」、それを体現してやる、私の大切な仲間、かほと美月と一緒に!!)
鶴見は個性的な2人、かほと美月と一緒にPWというスクールアイドルグループを組んでいる。鶴見はそのグループのリーダーである。では、なぜ鶴見がリーダーなのか。鶴見は3人のなかで1番年上(鶴見高3、かほ高2、美月高1)、というのもあるが、かほと美月を結びつけたのは鶴見だったからである。
まず、鶴見は最初にかほを仲間にした。小さいとき、かほは、
「もっと本を読みたい!!もっと、もっと・・・」
と偉人たちの立志伝などを手当たり次第読んでいた。。そのため、施設にいる子どもたちからはかほのことを、
「本ばかり読んでいる根暗ちゃん!!」
と言っては仲間外れにしていたのである。むろん、これには、かほ、
「別に1人でもいいもん!!」
と最初の頃はいじけていたが、次第に、
(なんで、私、たった1人なの・・・。そんなのいやだよ・・・)
と嘆くようになっていった。幼い子どもにとってぼっちになること、それはとても悲しいものだった。たった1人ではなにもできない、そんな小さい子どもにとってぼっちは死に等しいものかもしれない、いや、そう感じるかもしれない。それほど幼い子どもにとってぼっちというのはとても悲しい現実といえた。
そのためか、かほ、大広間のすみにいっては、
「いいもん、いいもん、ぼっちでもいいもん!!」
と強情になってはすぐに、
(でも、寂しいよ・・・)
と悲しい現実に泣いていた。
そんななか、今回もそんな対応をとっていたかほであったが今回はちょっと違っていた。今回も同様に、かほ、
(でも、悲しいよ・・・)
とエ~ンと泣いていたときだった。突然、そんなかほに対し、
「ねぇ~、なんで泣いているの?」
という声が聞こえてきたのだ。これには、かほ、
(えっ、だれ?)
と後ろを振り向くとそこにはかほおり少し年上の少女がいたのだ。その少女はかほに対して、
「とても悲しかったら私がその理由を聞くよ」
と言ってきたのだ。これには、かほ、
「えっ!!」
と驚くもすぐに、
(私の知らない子・・・。でも、私の話を聞いてくれるかも・・・)
と思ってか、その少女に対し、
「実は、私、ぼっちなの・・・」
と今自分に起きている悲しい現実について話したのである。これには、その少女、
「なんか本当に悲しいね!!」
とかほに同情するとともにかほにとって意外な言葉がその少女の口から飛び出してきた。
「それだったら私が友達になってあげる!!」
これには、かほ、
「えっ!!」
とまたまた驚く。まさか、ぼっちのかほの友達になるとは思ってもいなかったのである。
そのためか、かほ、
「あなたはそれでいいの?」
ともう一度その少女に尋ねるとすぐにその少女は、
「うん、いいよ!!」
と元気よくうなずいてくれたのである。これには、かほ、
(えっ、それって嬉しい!!)
と喜びに満ちた思いになるとともに、
「あ、ありがとう!!」
とその少女にお礼を言うと、
「私、田町花帆(かほ)、よろしく!!」
と自己紹介した。すると、その少女も自己紹介した。
「私、神田鶴見!!よろしく!!」
これが鶴見とかほの出会いであった。
そして、鶴見は美月も仲間にした。美月は小さいときから冷たい子としてまわりからみられていた。というのも、美月は施設の子から、
「ねぇ、一緒に遊ぼ!!」
と言われてもことあるごとに、
(絶対に、裏、ある、はず・・・。裏があるからいや・・・)
と相手の言葉の裏を読んでは理詰めで考えてしまい、結局、
「あっ、そう」
と言ってはいつも断っていたのである。また、そのためか、美月、
(う~ん、誰も、信用、できない・・・)
と人のことをあまり信用しないたちであった。そのため、美月もいつもぼっちであった。
だが、そんなとき、美月のまえに現れたのが鶴見であった。美月はいつもの通り、
(今回も1人、1人で遊ぶ・・・)
とたった1人で遊んでいた、そのときだった。突然、
「美月、一緒に遊ぼうよ!!」
と美月の前に乱入してくる少女がいた。これには、美月、
(うわ~、邪魔!!どっかに行け!!)
とばかりにその少女に対し、
「邪魔!!どっかに・・・」
と言おうとしか瞬間、その少女、
「一緒に遊ぼ!!」
とぐいぐい美月に迫ってきたのである。これには、美月、
(う~、仕方、ない。今回だけ・・・、今回だけ・・・)
と諦めたのか、その少女に対し、
「うん、わかった。今回だけ、遊ぶ」
と了承してしまったのである。
だが、これだけではすまなかった。その少女はことあるごとに、
「美月、一緒に遊ぼ!!」
と言っては美月と遊ぶのであった。そのためか、美月、次第に、
(なんか、この子と遊ぶ、楽しい・・・)
とその少女と一緒に遊ぶことに慣れてしまったのである。
こうして、その少女と美月はいつも遊ぶようになった。ちなみに、その少女こそ鶴見であった。鶴見はその後、美月にかほを紹介すると、それ以降、3人で遊ぶようになった。そして、あのときの、Liella!のステージを見たことで鶴見たち3人はスクールアイドルを目指すようになったのである。
だが、そんな3人にも別れのときが来ようとしていた。そう、施設が閉鎖されたときだった。このときの鶴見はこの施設の閉鎖を聞いてこう考えてしまった。
(うそ・・・、私にとって一番大切な2人と別れるなんていやだよ!!かほに美月、私とで出会う前は寂しそうにしていたんだよ!!私はそれを見て絶対に私の仲間にして楽しく遊ぼうと思って2人を誘ったんだもん!!そんな2人と別れるなんていやだよ!!)
そう、鶴見がかほと美月を仲間として誘った理由、それは自分に出会う前の2人はとても寂しそうだったからである。こうみえても、鶴見、他人のためなら苦労を背負いこむことをいとわない、そんな男気があったりする。そんな鶴見が寂しそうにしているかほと美月をみてほっとくはずがなかった。いや、自分の仲間にして一緒になって楽しもうとしていた。そのため、鶴見はかほと美月を誘うことにしたのだ。結果、2人は鶴見の誘いにのり、仲間として一緒に遊んでいたり、一緒にスクールアイドルを目指すことになったのである。
だが、鶴見1人の影響力はそんなに強くなかった。そのため、施設の閉鎖が決まり施設にいる子たちはみなバラバラになる、それを防ぐことはできなかった。これには、鶴見、
(どうすることもできなかった・・・。ここで別れるなんていやだよ・・・)
と泣きそうになっていた、そのときだった。突然、施設に勝どき学園の使者なるものが現れては、
「(鶴見、かほ、美月の)3人はアイドルとしての、スクールアイドルとしての素質がある」
「勝どき学園の生徒としてスカウトに来た」
と言ってきたのだ。これには、鶴見、
「えっ!!」
と驚いてしまう。だって、その使者は鶴見たち3人をスカウトにきたのだ。それは誰だって驚いてしまうものである。
そんな勝どき学園の使者はすぐに鶴見たち3人のところに来ては、
「鶴見、かほ、美月、一緒に来てくれないか」
と言ってきたのである。これには、鶴見、
(こ、これってスクールアイドルに、私たちが目指しているものに近づくチャンスじゃない!!それに、このスカウトによって私たち3人はバラバラにならなくてすむ!!)
と思ってしまう。そう、この使者のスカウトによって鶴見たち3人はスクールアイドルになるという夢を叶えることができるし、3人ともバラバラにならなくてすむのだ。そんなチャンスを逃す手はない、ということで、鶴見、かほと美月の方を見ると2人とも勝どき学園に行く気満々だったので鶴見はその使者にこう伝えた。
「わかりました。私たち3人、勝どき学園に行きます!!」
こうして、鶴見たち3人はその使者のスカウトを受けて勝どき学園に進学することになった・・・。
その後、その使者こと悪鬼によって、日夜、スクールアイドルになるための練習・・・というか特訓を受けることで鶴見たち3人の力はますます伸びていった。
そんななか、鶴見はふとあることを考えてしまう。それは・・・、
(たしかに私たち3人は悪鬼先生にスカウトされた。でも、どうしてこの私も選ばれたわけ?かほは歌の、美月はダンスに秀でていてる。でも、私はかほと美月と比べて歌もダンスもうまくない。なのに選ばれた。いったいどうして・・・)
そう、鶴見はかほや美月みたいに歌やダンスに秀でているわけではなかった。鶴見曰く、歌もダンスも平々凡々であった。それなのに自分も選ばれた、それが不思議でならなかったのだ。
そんなわけで、鶴見、意を決して悪鬼に聞いてみた。
「悪鬼先生、どうして私もスカウトしたのですか?かほや美月みたいに歌もダンスも得意ではないのですが・・・」
すると、悪鬼、鶴見にこう答えてくれた。
「鶴見、お前は自分のことを卑下しているがそんなことはない。お前は2人ほどじゃないが歌もダンスもほかの者と比べてみてもかなり優秀だ。それにどんなことに対してもコツコツと努力する、そういうところがあるから私はお前をスカウトしたんだ」
そう、鶴見は自分のことを平凡だとみているのだが、悪鬼からすれば歌もダンスもどちらもかなり優秀なほうだったのだ。というのも、鶴見は、歌の得意なかほ、ダンスの得意な美月と自分を比べてしまう癖があった。だが、2人とも特定の分野においてでは右に出るものはいなかった。そう考えると鶴見が比べている存在自体がかなり特殊だといえる。そんな人たちと自分を比べては自分のことを平凡だと思ってもおかしくはなかった、鶴見からすれば・・・。あと、鶴見は意外と器用貧乏なところがあるのも自分が平凡にみえた理由の一つだといえた。それに、鶴見、かなりの努力家でもあった。鶴見はコツコツと努力するところもあった。それは悪鬼もかなり評価していた。
そして、悪鬼は鶴見に対しある重大なことを明かした。
「それに、かほと美月というあまりに個性的な2人を引っ張っていくには鶴見という存在は欠かせない。それくらい、お前、鶴見にはリーダーとしての素質があるのだ。そこは俺もかなり評価している」
そう、鶴見がここにいる理由、それはかほと美月というあまりに個性的な2人を引っ張っていくリーダーとしての素質だった。2人は本当に個性的すぎた。そんな2人をまとめあげるには並大抵の力ではできなかった。だが、鶴見は違った。鶴見には人の心を掴むのが上手であった。だから、かほと美月は鶴見の仲間になったのである。また、鶴見には男気があるため、2人は今でも鶴見についてきているのである。悪鬼はそんな鶴見のリーダーとしての素質を見抜いていたのである。
そんな先生である悪鬼の言葉に、鶴見、
(そうなんだ。悪鬼先生は私のことを頼りにしているんだ)
と感動を覚えると悪鬼に対してこう告げたのである。
「わかりました、悪鬼先生。私、鶴見、これからも頑張っていきます、リーダーとして!!」
こうして、悪鬼の言葉により自信を取り戻した鶴見はかほと美月とともにPWとして勝どき学園のなかで大活躍していくのだが、それと同時に自信をつけさせてくれた悪鬼に対しては、
(今の私が、いや、今の私たちがあるのは悪鬼先生のおかげなんだ。なら、その悪鬼先生のために頑張ろう!!)
と悪鬼のためにと頑張ろうとしていた。ただ、それによって悪鬼の信条である、いや、この世の中に悪鬼が広げようとしている、「勝利こそすべて」、その考えに鶴見は次第に染まるようになり、しまいには、鶴見、
(悪鬼先生のために頑張ろう、悪鬼先生の願い、「勝利こそすべて」、その考えを広めるためにもな!!)
と思い込むほどになってしまった・・・。
そして、今に戻る。ついに「対決」という名の試合は終わった。その瞬間、鶴見はこう考えていた。
(今回も絶好調だ!!これで悪鬼先生の力になることができた。いや、これはまだ道の途中だ。これからもやってやる!!かほと美月と一緒に、Liella!以上のスクールアイドルになってやる!!そして、悪鬼先生のために、「勝利こそすべて」、悪鬼先生の信条、それを体現してみせる、ひろめてみせる!!)
この思いとともに鶴見たちPWは圧倒的な差で相手チームに圧勝するのであった。
こうして、鶴見、かほ、美月の3人は三者三葉の思いでスクールアイドルの道を進んでいた。そして、ついに悪鬼はあることを決意した。
(今こそ好機!!今、動くべし!!)
そう、ついに悪鬼は動くことを決意したのである。というのも、美月がついに高校生になったことで鶴見たちPWのスクールアイドル活動を本格化させることができるようになったのである。それと同時に鶴見たち3人の力も高めることができた、ならば、動くなら今しかない、そう悪鬼が考えたからであった。
こうして、ついに鶴見たちPWは、悪鬼、勝どき学園、国、そのの目標である全国制覇に向けて動き出したのである、悪鬼、そして、勝どき学園、国の思いとともに。そんな悪鬼であったが、このとき、あることを考えていた。それは・・・、
(まず、PWの全国制覇に向けて最初の遠征地、いや、最初の被害を受けてもらうのは、私にとって憎き地・・・)
そう、最初の犠牲の地、そう悪鬼が考えたのが・・・、
(そう、私にとって憎き地、函館だ・・・)
そう、函館だった・・・。
続く・・・