ついに智が聖女のスクールアイドル部に入部した。これにより聖女のスクールアイドル部は3人となった。これでスクールアイドルの大会に出場できる・・・なのだが、スクールアイドル部の先生である花樹はこんなことを考えていた。
(たしかに部員は3人になった。だけど、乃亜、智、紅奈のレベルが違いすぎる・・・。このままいけばバラバラなパフォーマンスになる。それだけはさけないと・・・)
そう、乃亜、智、紅奈、ともにスクールアイドルとしてのレベルがばらばらだったのだ。というのも、紅奈はこれまでスクールアイドル部の部員としてやってきたのでスクールアイドルとしては経験者といえる、対して、乃亜と智はスクールアイドルとしての経験がない。ということは、乃亜と智は(スクールアイドルとしては)未経験者といえたのである。ただし、智に関してはダンスという強い武器があるためにそこまで問題ではない。あとはスクールアイドルとして順応していけばいいだけである。あとは乃亜であるがいろんな大会に出場していたとはいえスクールアイドルとしての経験は皆無であった。さらに乃亜は車椅子生活であることも問題であった。これまで車椅子のスクールアイドルなんていなかった。いや、車椅子のアイドル自体そんなにいなかったのである。なので、これまでいろんなスクールアイドルを育ててきた花樹と桜花にしても乃亜のケースは初めてといえた。
そんなわけで花樹は、乃亜、智、紅奈の3人対しこんなことを言ったのである。
「部員が3人になった。だけど、3人ともレベルが違いすぎる。だから、この1か月間は3人のレベルに合わせた練習を故人でやってもらいます」
そう、乃亜、智、紅奈の3人にそれぞれのレベルに合わせた練習を個々で行おうとしたのである。
こうして、乃亜、智、紅奈の3人にそれぞれのレベルに合わせた練習を個々で行うことにしたのである。まずは、紅奈。紅奈は3人のなかでも唯一のスクールアイドル経験者である。そのため、紅奈の練習は・・・、
「紅奈、このダンスの場合、どうすればよくなる?」(花樹)
「そこはこうしたほうがいいのでは?」(紅奈)
「たしかにその通り。でも、もっとこうすれば・・・」(花樹)
「えっ、これだけでパフォーマンスの見栄えがよくなるわけ!!へぇ~」(紅奈)
と、これまでのスクールアイドルとしての経験を活かしてその応用をメインにしていたのである。というのも、紅奈の場合、3人のなかで年長者かつ唯一のスクールアイドル経験者ということもあり、これから先、聖女スクールアイドル部と部長兼リーダーとしてやっていく必要があった。なので、これまでの経験を基礎にし、紅奈自身、乃亜と智というスクールアイドル未経験者の2人を引っ張っていくだけの応用を身につける必要があったのである。そんなわけで、紅奈、そのための練習を受けていたのである。
次に智であるがスクールアイドルは未経験とはいえダンスの能力は3人のなかで1番、ということもあり、
「智、次はこのグループのダンスをしてみようか」(桜花)
「はい、わかりました、桜花先生!!」(智)
とほかのスクールアイドルのダンスを次々とこなしていったのである。というのも、智のダンスはピカ一であるもののそれはスクールアイドルのダンスに合したものではなかった。なので、智のダンスをスクールアイドルのダンスに順応させる必要があった。そこでいろんなスクールアイドルグループのダンスをどんどんこなしていくことで智のダンスをスクールアイドルのダンスに順応させようとしていたのである。むろん、これには、智、
(たしかに僕のダンスとスクールアイドルのダンスは少し違っていた。だけど、いろんなスクールアイドルグループのダンスをこなしていくうちに、僕、スクールアイドルのダンスに順応していっているって実感している。むろん、僕は男だ!!だからこそ、いろんなスクールアイドルのダンスにこなしていくことでゆくゆくは自分なりのダンスを作り上げていくつもりだ!!)
とかなり乗り気であった。
最後に乃亜であるがスクールアイドルとしては未経験かつ車椅子ということもあり最初から問題が・・・。
「乃亜、これは私たちからのプレゼントだ!!」(花樹)
「えっ、これって競技用の車椅子!!」(乃亜)
「そう、乃亜のためだけに作られた競技用の車椅子です」(桜花)
いや、最初から乃亜のために花樹と桜花は動いていた。なんと、花樹と桜花、乃亜のために競技用の車椅子を乃亜にプレゼントしたのである。というのも、今、乃亜が乗っている車椅子は一般的な車椅子でありスクールアイドルのパフォーマンスのために作られたものではなかった。そのため、動きの激しいスクールアイドルのパフォーマンスには乃亜が使っている一般的な車椅子では不向きで会った。そのため、花樹と桜花はそんな乃亜のために競技用の車椅子を乃亜にプレゼントしたのである。むろん、それは乃亜に合うように調整している、いわば、乃亜専用の車椅子、といえたものであった。
ただ、これには、乃亜、
「でも、これってかなり高かったのでは・・・」
と花樹と桜花の懐事情を気にしてしまう。だって、競技用の車椅子である、それも乃亜のためにカスタマイズされたものある、なので、かなりの高額になってしまう。これでは普通の先生である花樹と桜花の懐はかなりの大打撃になることは予想されてしまう。
だが、これには、桜花、こんなことを言ってしまう。
「乃亜、それは気にしなくてもいいのです。というのも、これは乃亜のためにととある有名な障害者スポーツ選手から寄贈されたものなのですから!!」
そう、これは車椅子の乃亜のためにととある有名な障害者スポーツ選手から寄贈されたものだったのである。なので、乃亜が心配する必要はなかったのである。これには、乃亜、
「その選手、本当にありがとうございます」
と心の底からお礼を言ったのである。
こうして安心して競技用の車椅子を使って乃亜は練習を始める。まずは・・・、
「もっと腕の筋肉をつけて!!」(花樹)
「はい、花樹先生!!」(乃亜)
と上半身の体力づくりを始めた。競技用の車椅子とはいえそれを動かして激しいパフォーマンスをしないといけない。そのために上半身の筋肉のパワーアップは不可欠であった。そんなわけでまずは上半身の体力をつけるところから始めたのである。
ただ、それだけでは終わらなかった。筋トレを終えてからの・・・、
「乃亜、もう少し早く動ける?」(桜花)
「はい、やってみます!!」(乃亜)
と、乃亜、桜花とマンツーマンで車椅子を動かしてパフォーマンスができるように特訓していたのである。車椅子を動かさずずっとそこにいるだけでパフォーマンスをしていてはほかのメンバーのパフォーマンスに力負けしてしまう、それを防ぐために車椅子を動かしてパフォーマンスしないといけない、と花樹と桜花は考えていた。なので、乃亜に対して激しいパフォーマンスができるように乃亜に指導していたのである。むろん、乃亜もこの2人の考えに同意しておりきつい練習をもろともにせずにできる限りやりきろうとしていた。
こうして、この1か月間、乃亜、智、紅奈の3人は個々の練習をこなしていくことで着実に力をつけていったのである。これは花樹と桜花の予想の範疇といえた。だが、このときの2人は知らなかった、まさか、乃亜たち3人として初めての合同練習の際にとある問題が起きてしまうことが・・・。
第4話 合わさる力・・・
そして1か月がたった。GW中に、乃亜、智、紅奈の3人は個々で自主練を行ったことで着実にパワーアップを果たしていた。そんなGW明けの最初の休日、乃亜たち3人は聖女の校庭に集まり指導教員である花樹と桜花の前でそれぞれの背かを披露していた。特に乃亜は・・・、
「どうですか、この車椅子さばきは!!」(乃亜)
「すごい!!」(智)
「まさかたった1か月でここまで成長するとは思っていなかたです・・・」(紅奈)
と、この1か月、上半身強化と車椅子を動かす特訓をしてきたせいか、自分の意思通りに車椅子を動かせるようになっていたのである。むろん、ほかの2人も、
「どうだ、僕のダンスさばきは!!」(智)
「うわっ、まるでトップクラスのスクールアイドルと同じダンスだよ!!」(乃亜)
と智も確実にパワーアップ!!特にダンスに切れがました。一方、紅奈も、
「こうしてこうして・・・」(紅奈)
「紅奈も智と同じくらいうまくなっている!!」(乃亜)
「・・・」(智)
とこちらも確実にパワーアップ・・・、
(なんか紅奈のダンスを見ているとやらされているような感じがしてしまう・・・)
と、智、紅奈のダンスを見てなにかを感じていた。たしかに紅奈のダンスは1か月前と比べて確実にパワーアップしていた。これまでの基礎に加えて応用をこなしたことで確かにパワーアップを果たしていた。だが、智から見れば紅奈のダンスは誰かにやらされているものだと感じてしまうものだった。ただ、それについては、智、この時点では一言もしゃべることはなかった・・・。
とはいえ、乃亜たち3人は確実にパワーアップを果たしていた。だが、乃亜たち3人っはソロではない、グループである。なので、乃亜たち3人は一緒にあわせる必要があった。そんなわけで・・・、
「それじゃ、これからは3人で練習していくからな!!」(花樹)
「「「はいっ!!!」」」(乃亜・智・紅奈)
と今回初めて3人で一緒に練習することになった。
まずは優しめの曲で3人一緒にダンスをすることに・・・。
「え~と、このポジションに私が来て・・・」(乃亜)
「このとき、僕は後ろに移動するんだな!!」(智)
「うんうん・・・」(紅奈)
と3人一緒にフォーメーションの確認をすると一通り動いてみることに。すると・・・、
「痛い!!」(智)
「智、ごめんなさい!!」(乃亜)
「乃亜、大丈夫、大丈夫」(智)
と智と乃亜がぶつかるなどちょっとしたアクシデントが多発していた。それも何度も何度も同じ曲をやってもである。これには、花樹、
(たしかに3人一緒に合わせるのが初めて、ということもあるけど、車椅子の乃亜がいるというちょっと特殊な事情があるから3人合わせることができないなのかもしれない・・・)
と考えてしまう。たしかに、乃亜たち3人が一緒になってダンスをするのが初めてという事情もある。だた、それでも何度やっても合わないというのは少し考えものだった。だが、それは一般の話、乃亜たち3人には特殊な事情があった。そう、車椅子の乃亜の存在だった。これまで智と紅奈は、ソロ、もしくは普通の人とのダンスをしてきたのである。だけど、今は車椅子の乃亜がいる。そのため、智と紅奈はそんな特殊な事情のなかでダンスをしていけなかったのである。そう考えるといろんなアクシデントが多発してもおかしくはなかったのである。
ただ、このときの智は紅奈の方を見てこう考えていた。
(やっぱり、紅奈のダンスは誰かにやらされているようにしかみえない・・・、それはまるで操り人形かのように・・・)
そう、紅奈のダンスはやっぱり誰かにやらされている、そうみえても仕方がなかったのである。たしかに紅奈も確実にパワーアップしていた。優しめの曲とはいえ、動作1つ1つに対して紅奈は確実にこなしていた。そのため、普通の人からみれば紅奈のダンスはとてもうまいと評価されてもおかしくはなかった。だが、ダンス経験者であり、この1か月間、スクールアイドルのダンスをずっとこなしていた智からすれば紅奈のダンスは誰かにやらされている、そう感じたのかもしれない。1つ1つの動作が確実にこないしている紅奈のダンス、それが智からすればそうみえたのかもしれない。事実、このときの紅奈はこう考えていた・・・、
(1つ1つの動作を確実にこなしていく、そうしないといけない・・・。だって、私は、私は、ただの道具なのだから・・・)
と・・・。