(本当に「勝利こそすべて」なのかな?)(乃亜)
(このままだとPWに負けてしまう。なんとかしないと・・・)(智)
(私はただの道具・・・、ただの道具なのだから・・・)(紅奈)
と乃亜たち3人とも別々のことを考えては自分たちの控室であるテントに戻っていた。そんな3人を見てか、花樹、
(なんか3人の心がバラバラだ。このままじゃ3人ともダメになってしまう・・・)
と心配になってしまった。というのも、ただでさえ合わせることができなかった乃亜たち3人なのにここにきて3人の思いはバラバラになってしまえばこのステージを成功させる確率もぐっと下がってしまう、なので、花樹はその点について心配になったのである。
とはいえ、残された時間は少ない、そんなわけで、
「よし、乃亜、智、紅奈、最後の練習をするから。ここで合わせないと本番でも失敗すると思ってくれ!!」
と、花樹、乃亜たち3人に檄を入れる。花樹自身、
(なんとかしてでもここで合わせないと本番では絶対に失敗する!!それだけは・・・)
と焦りを感じていた。これには、桜花、
「花樹、そんなことを言わなくてもいいじゃないかな。逆に乃亜たちにプレッシャーを与えるだけだよ・・・」
と花樹に忠告するも、花樹、そんな桜花に対してある本心を打ち明ける。
「桜花、このままだと乃亜たち3人は再起不能になってしまう。だって、相手のPWの完璧なパフォーマンスを見て絶対に乃亜たち3人は幻滅してしまうから・・・」
そんな花樹の本心に、桜花、
「えっ!!」
と驚くと花樹は自分の言葉の真意を言った。
「PWは、全国各地でスクールアイドル討ちを行っているんだ、それも完璧なパフォーマンスをみせて他校のスクールアイドルを再起不能に陥りさせ続けているくらいにね・・・」
そう、実は、鶴見たちPW、この1か月、全国各地の高校に行ってはその高校のスクールアイドルに対して対バンを仕掛け続けていたのである、それも完璧なパフォーマンスをみせつけてはその高校のスクールアイドルたちを再起不能に陥れさせ続けているくらいに・・・。花樹はそのことを知っていたのである。
そんな花樹の言葉に、桜花、
「そ、それって・・・、あまりに惨い・・・。ということは、乃亜たちも・・・」
とこれから起きるであろう絶望的な未来に対して絶句していた。もし、花樹が言ったことが乃亜たちに襲い掛かったら乃亜たちはきっと再起不能になってしまう、そんな絶望的な未来が桜花もみえてしまったのである。
そんな桜花に対して花樹は次のことを話した。
「俺が俺の父・・・、悪鬼だったら、ほかの高校のスクールアイドルみたいに乃亜たちを徹底的に潰すはず。だって、今回も悪鬼の・・・PWの目的は乃亜たちを完全に潰すことだから・・・。悪鬼たちにとって俺たち聖女のスクールアイドル部は昔からの因縁の相手、だからこそ、悪鬼たちは・・・、PWは・・・、乃亜たちを・・・、徹底的に潰すはず・・・」
そう、昔、というか、桜花、花樹が高1のとき、悪鬼は花樹たち聖女スクールアイドル部によって絶望的な敗北を受けていたのである。詳しくは前作「SNOW CRYSTAL」を読んでほしいのだが、そんとあめ、今回、その恨みを晴らすため、聖女スクールアイドル部、乃亜たちを完全に潰すためにこのような戦いを仕掛けてきたのである。これには、桜花、
「あまりにも惨い・・・」
とさらに絶句していた。
だが、花樹はそんな桜花に対しある希望を伝える。
「でも、悪鬼にとってイレギュラーなことが起きている。それは乃亜という存在。悪鬼は乃亜を見たとき、一瞬たじろいてしまった。ということは、悪鬼にとって乃亜はイレギュラーな存在、それこそ悪鬼を打ち倒すきキーパーソンだといえる・・・」
そう、悪鬼は乃亜を見つけては一瞬たじろいてしまったのである。ということは、悪鬼にとって乃亜はイレギュラーな存在といえるのである。だからこそ、花樹は乃亜こそ、悪鬼、PWを打ち破る存在だと考えたのである。
それを踏まえた上で花樹は桜花に次のことを話す。
「だからこそ、今回のステージは絶対に成功してほしいと俺は思っている。このステージで乃亜たち3人が合わせることができればきっと悪鬼やPWは自分たちの目的を果たすことができなくなる。だからこそ、乃亜たちには絶対に合わせてほしいんだ」
そう、悪鬼、PWの目的は乃亜たちに絶望を与え再起不能にすること、それを阻止できれば、悪鬼、PWは目的を果たすことができなくなるのである。だからこそ、花樹は乃亜たちにこのステージの成功を、最後まで合わせてほしい、と考えていたのである。これには、桜花、
「た、たしかにそうかも・・・」
と納得していた。
ただ、桜花は乃亜たち3人を見てこう思ってしまう。
(でも、本当に乃亜たちは本番のステージで最後まで合わせることができるのだろうか・・・)
そう、乃亜たち3人はこれまで最後まで合わせることができなかった、それを本番のステージで最後まで合わせることができるのか、それを花樹は心配していたのである。
そんな、花樹、桜花を尻目に乃亜たち3人は最後の練習を始めようとしていた。だが、そんな花樹からの檄とは裏腹に、乃亜たち3人は・・・、
(「勝利こそすべて」?それって大事なの?)(乃亜)
(負けたくない!!負けたくない!!負けたくない!!)(智)
(私はただの道具・・・、ただの道具・・・)(紅奈)
とここでも3人の思いはバラバラのまま。そういうわけでして・・・、
「痛っ!!」(智)
「智、ごめん・・・」(乃亜)
「って、紅奈、こっちに来るな!!」(智)
「えっ!!」(紅奈)
ドギャッ!!
と、3人とも一緒のポジションに来てはぶつかってしまい智と紅奈は転んでしまった。これには、花樹、
「う・・・」
とがっかりするしかなかった。
そんなときだった。突然、乃亜たち3人の目の前に、
「あれ~、どうしたのかな?本番まであともう少しなのにこの状態じゃダメダメだね」
という声が聞こえてきた。これには、花樹、その声がするほうに向いてこう言った。
「あなたたちは・・・、PW!!」
そう、乃亜たち3人の目の前に現れたのは鶴見たちPWであった。
その鶴見からこんな言葉がでてしまう。
「車椅子のメンバーがいるとはいえ、まだ合わせることができないなんて。これなら私たちの楽勝ですね!!」
これには、智、
「う、うるさい!!」
と怒りをぶつけるも、かほ、そんな智に対し、
「でも、それは事実じゃない!!」
と的確なことを言うとさすがの智も、
「・・・」
と黙るしかなかった。だが、このときの智の表情は苦虫を嚙み潰したようなものだった。
そんな智を見てか美月がこんなことを言い出す。
「お前たち3人は完璧じゃないからこそ美しくない。そんなもの、撮る価値なんてない・・・」
この美月の言葉に花樹は、
(も、もしかして・・・)
とはっとするとすぐに鶴見の手元を見た。すると・・・、
「ま、まさか、今さっきの乃亜たちの練習の様子を動画に撮っているわけ!?」
と、花樹、言ってしまう。その鶴見の手元には・・・、
ジー
というビデオカメラの音が聞こえてきた。そう、鶴見たちは今さっきの乃亜たちの練習の様子をビデオカメラで撮っていたのである。これには、智、
「それ、はやく止めろ!!」
と言うもすぐに、鶴見、
「そんなもの関係ないね!!」
と言い返した。むろん、これには、花樹、桜花、ともに、
「鶴見、早く止めるんだ!!」(花樹)
「人の許可なく撮るなんて失礼だよ!!」(桜花)
と叱るも、かほ、美月、ともに、
「敗者にはそんな人権なんてない!!」(かほ)
「完璧じゃない者に言う資格ない!!」(美月)
と反論してはすぐに、鶴見、
「さぁて、もうすぐ私たちのステージだぜ!!」
と乃亜たちに言ってしまう。そう、乃亜たちと鶴見たちのやりとりに時間が割かれてしまったせいか、鶴見たちPWのステージの時間がすぐそばまできていたのである。ということは・・・、
「ってことは・・・、乃亜たちのステージってもうすぐってこと!!」(花樹)
そう、乃亜たちは鶴見たちPWとの対バン勝負ということもあり、鶴見たちPWのステージのあとに乃亜たちのステージが始まるのであった。
そういうことなので、鶴井、乃亜たちに向かってこうさけんだ。
「まずは私たちPWのステージを見て実力の差を思い知りなさい!!そして、幻滅しなさい!!」
この言葉とともに鶴見たちは自分たちの楽屋である別のテントへと走り去ってしまった。これには、桜花、
「う~」
とうなるしかなかった。
ただ、これを見て、乃亜、
「なんかすごい人たちでしたね・・・」
と唖然となっていた。
一方、智は、
「う~、悔しい!!」
といらだっていたのだが、逆に、紅奈、このとき、こう考えていた。
(私はなみもできなかった。だって、私はただの道具、ただの道具なのだから・・・)
このためか、紅奈、ただ呆然と立っていたにすぎなかった。
そんな紅奈を見てか、智、その紅奈に対して、
(紅奈のやつ、なんかおかしくないか?悔しいと思っていないのか・・・)
と冷たいような視線を向けていた・・・。
こうして、1回も最後まで合わせることができずについに本番のステージが始まってしまった。まず最初に鶴見たちPWのステージであった。ただ、鶴見たちPWのステージは見ないといけない、という制限はなかったため、花樹、
(今は少しでも乃亜たちのパフォーマンスの完成度を高めるために練習するしかない!!)
と考えてか、乃亜たちに向かって、
「乃亜、智、紅奈、今から最後の練習を・・・」
と最後の練習にのぞむように言う。
ところが、ここで予想外なことが起きてしまった。花樹が乃亜たちに言っている最中に、
「聖女スクールアイドル部のみなさん、まもなく(鶴見たち)PWのステージが始まります。ステージ前に来てください」
と黒服の男数人が乃亜たち3人を祭りのステージ前に強制的に連れていこうと乃亜たち3人の手を引っ張ろうとしていた。これには、乃亜たち3人、
「ちょっと痛い・・・」(乃亜)
「僕の手に触るな!!」(智)
「うぅ、痛い・・・」(紅奈)
ととても痛そうにしていた。むろん、これには、花樹、桜花、ともに、
「ちょっとやめなさい!!」(花樹)
「みんな嫌がっているじゃない!!」(桜花)
と黒服の男たちに向かっていろいろと言うもそこには、
「お二人とも、対バン相手のステージを見ないなんてちょっと礼儀知らずじゃありませんか!?」
と悪鬼が花樹と桜花の邪魔に入る。これには、花樹、
「早くそこをどきなさい!!」
と悪鬼に強く言うも逆に悪鬼は、
「あなたたちこそマナー違反と言えるのでは・・・」
と反論、いや、悪鬼が反論を言っているすきに乃亜たち3人は、
「乃亜、智、紅奈・・・」(花樹)
と黒服の男たちによって祭りのステージ前まで強制的に連れていかれたのである。