(私はただの道具・・・。だから、私があの場にいること自体いけなかったんだ・・・)
紅奈は祭りの観客席から走り去ったあと、自分たちの楽屋代わりであるテントへと逃げ帰っていた、自分なりの絶望を味わいながら・・・。
そんな紅奈に対しある人が声をかけてきた。
「紅奈、どうして逃げたんだ?逃げる必要なんてないのに・・・」
この声に気づいたのか、紅奈、その声がする方に振り向く。すると・・・、
「智・・・」(紅奈)
そう、絶望を味わっている紅奈に声をかけてきたのは智だった。どうやら、智、紅奈のあとを追って自分たちの楽屋代わりであるこのテントまで来たようである。
そんな智は紅奈に対しこう叫んだ。
「紅奈、どうしてあの場から逃げ出したわけ?どうして?どうして?」
だが、紅奈、この智の問いかけ関係なく、ただ、
(私はただの道具、美月に言われた通り、いるだけで邪魔な存在・・・)
と深く思い込んでいるせいか、ついには、
(邪魔な存在だからこそ私なんていないほうがよかったんだ・・・)
と自分のことを卑下するようになったのかとても暗い表情をしてしまう。
そんな紅奈に対し智は再びこうたずねてみた、大声で!!
「紅奈、なぜ逃げ出したわけ?どんな思いで逃げ出したわけ?」
智はこのときこう思っていた、紅奈に対し・・・。
(紅奈はなにかを隠している!!それがもとで逃げ出したんじゃないだろうか・・・)
そう、智は紅奈がなにかを隠していると考えたわけである。というのも、智自身、完璧で圧倒的な鶴見たちPWのパフォーマンスを見て絶望を感じていたものの逃げ出すことなんてしなかった、いや、できなかった、それに対して紅奈は自分と同じく絶望を感じては途中で逃げ出したのである、それには絶対になにか理由があるのでは、そう智は感じていたのである。ところが、紅奈、そんな強い智の問いかけにも関わらず、、
(私はただの道具・・・。だからこそ、私はここにいてはいけないんだ・・・)
と心のなかでただそう唱えてはいまだに自分のことを卑下していた。
そんな紅奈に対し、智、
(もう埒が明かない!!もう我慢できない!!)
と思ってかついにキレる!!
「紅奈、正直に話して!!なにかあるだろうが!!」
そして、智は紅奈に迫ってきた!!それは鬼神に襲われるがごとく・・・。そんな智を見てか、紅奈、
(ひぃ、ひぃ・・・)
と智に恐れてしまったのかついに紅奈の口からある言葉が小さい声であるがこぼれたのである。
「・・・だから・・・」
ただ、これでは、智、納得していなかったのか、紅奈に対しこの言葉でもってさらに攻めてきた。
「紅奈、はっきり言って!!もっとはっきりと!!」
これには、紅奈、
(もうダメ!!)
と智からの猛攻についに白旗をあげたのか、ついに智に対して自分の今の思いをはっきりと口にした。
「私はただの道具・・・。道具だからこそ私はここにいてはいけない存在なの!!」
ただ、これには、智、紅奈が言った意味がわからなかったのか、紅奈に対し、
「紅奈が道具!?それってどういうこと?」
と聞き返すと、紅奈、さらに自分が、今、思っていることをさらに発した。
「私はただの道具!!私は道具だからこそ生きてはいけないの!!」
そんな紅奈の思いの言葉に智はついにこんなことを考えてしまう。
(紅奈が道具?紅奈って人間だろ!!それなのになんで紅奈は自分のことをただの道具としかみていないわけ?それに、「ただの道具だからここにいてはいけない」、「生きていてはいけない」、わけ?それっておかしくない?)
そのためか、智、紅奈に対しこう叫ぶ。
「紅奈がただの道具?いったいどうして?それに「ただの道具」といった理由でなんで紅奈がここにいてはいけないわけ?なんで生きてはいけないわけ?どうして、どうして、どうして?」
この智の言葉に紅奈はこう思ってしまう。
(私はただの道具なんだ!!智、それをわかって!!)
その思いのためか、紅奈、智に対してこんなことを言ってしまった。
「智、わかって、私はただの道具なんだよ!!それに、私、ただの道具だから生きてはいけない存在なの!!」
だが、この紅奈の言葉に智はこう思ってしまう。
(なぜ、紅奈はただの道具なわけ?その意味がわからない!!)
そう、智からすればなぜ紅奈がただの道具だと思っているのかわからなかったのだ。まぁ、智じゃなくても紅奈の言葉を聞いただけでなぜ紅奈がそう思っているのかわからないといっても仕方がないことなのだが・・・。
そんなわけで、智、
(もうこうなってしまうと紅奈がなぜ自分のことをただの道具としかみていないのか気になってしまう。その点については紅奈から聞き出さないと・・・)
と自分も鶴見たちPWの完璧で圧倒的なパフォーマンスを見て絶望していたことすら忘れて紅奈の言葉の真意のことがとても気になってしまった。そのためか、智、紅奈に対しこんなことを聞いてしまった、鬼気迫る勢いで!!。
「紅奈、もう一回聞く、なんで紅奈はただの道具なわけ?僕から見たら紅奈は人間だしただの道具なんて見えないのだけど!?」
そんな智の言葉は紅奈にとってとても脅迫めいたものに思えた、こんな思いをするほどに・・・。
(ひぃ、智、いったいどうしたの?まるで私のことを脅迫しているわけ?とても怖い・・・、怖い・・・。怖くてなにかいわないと、智、許してくれなさそう。もうこんな思い、いや!!)
その思いのせいか、紅奈、智に対しこんな言葉を発した。
「わ、わかった。智、私がただの道具である理由、それをこれから伝えるね・・・」
その紅奈の言葉はとても細々強いものだった。それくらい智の言葉は紅奈にとって怖かったのである。そのせいか、ついに紅奈は自分がただの道具だと思っている理由を話すことにしたのである。そんな紅奈に対し、智、
「それじゃ、紅奈、ちゃんと話してくれ!!」
と言うと紅奈はある話を始めた、紅奈がただの道具だと思っている理由を・・・。
「それはね、私の家に関するものなの・・・。私は・・・」