ラブライブ!STAR PEACE   作:la55

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函館編 第4話 その14

 そして、ついい対バンの結果発表のときを迎えた。今回は審査員による採点によって勝敗が決することになっていた。その結果であるが、

「ぎこちないダンスの聖女スクールアイドル部に対して国立勝どき学園のPWは完璧なパフォーマンスに徹していた」

などといった理由で・・・

 

「今回の勝者は・・・、国立勝どき学園PW!!」

 

とこの対バン対決の勝者は鶴見たちPWとなった。ただ、これはプロの目線で損得なしで公平にジャッジした結果であった。だが、この結果に納得していない者が・・・、

「ブーブー」「そんなのおかしいだろうが!!」

それは観客たちだった。たしかにPWは完璧に最後までパフォーマンスをしていた。プロの審査員はそれを評価したに過ぎなかった。だが、観客たちから見れば会場を盛り上がらせたのは最後まで完璧にパフォーマンスをした鶴見たちPWではなくつたないパフォーマンスをだけど今回初めて最後まで合わせることができ、終始笑顔でパフォーマンスをみせた乃亜たちであった。なのに勝者が鶴見たちPWだったのだ。そのことを観客たちは怒っていたのだ。

 そして、これが鶴見たちPWにとってとても苦しいものになってしまった。この結果とそのときの会場の観客たちの状況を見て鶴見はこう言ってしまった、困惑しながら・・・。

「私たちは勝ったんだ!!勝った・・・はずなのに、なんだ、この状況は!!」

鶴見たちPWはこれまで学校外を含めて全勝してきた。そのときはいつも圧倒的な力の差により絶望する相手グループの姿があった。だが、今回はいつもとは違った。たしかに圧倒的な差で勝った。だが、今回みえてきたのは絶望どころか初めて最後まで合わせることができたことに喜ぶ乃亜たちとそれに歓喜する観客たちの姿だった。この状況に鶴見たちPWにとって初めての経験だった。そのため、鶴見は困惑してしまったのである。

 だが、困惑しているのは鶴見だけではなかった。

「勝ったはずだ!!私たちは勝ったんだ!!そのどこが悪いんだ!!」(かほ)

「今回も完璧・・・。でも、なんで・・・、誰も・・・、そのことを・・・、口にしない・・・」(美月)

鶴見以外のPWメンバーであるかほも美月も困惑していた。それくらい今回の対バンにより鶴見たちPWのメンバー全員はかなりのショックを受けてしまったようだ

 そんな鶴見たちPWの姿を見て、悪鬼、

「このままじゃ鶴見たちが危ないですね・・・。ここは早く引き上げることにしましょう・・・」

と言っては鶴見たちPWを回収、急いでバスに乗り込むと会場を後にした・・・。

 

 こうして波乱に満ちた祭りは幕を下ろした。そんななか、乃亜たち3人は楽屋代わりのテントでは、

「PWに勝つことはできなかったけどなんかすがすがしい気分だよ!!」

と智がにこやかな表情で言うと乃亜も、

「智と紅奈と3人で最後までやりきったんだもん!!私も嬉しいよ!!」

と喜んでいた。

 その2人に対して、紅奈、突然、謝罪をしてしまう。

「智に乃亜、本当にごめん!!これまで私はずっと自分のことを「ただの道具」として思い込んでいた!!そのためにこれまでいいパフォーマンスをすることができなかった!!」

ただ、それには、智、

「でも、その呪縛・洗脳から解放されたんだろ!!」

と笑いながら言うと紅奈も笑いながら、

「うん!!私、智と乃亜のおかげで「ただの道具」という名の呪縛・洗脳から抜け出すことができた!!」

と言うと続けて、

「乃亜に智、本当にありがとう!!」

と照れくさそうにお礼を言った。むろん、これには、智、

「別にいいじゃねえか。これからは素の自分でいけばいいんだからな!!」

とこちらも照れくさそうに言うと紅奈も、

「うん、わかった!!」

とはみかみながら言った。

 そんな智であったが逆に紅奈と乃亜の方を見てこう言った。

「でも、僕も最初のころは勝つことを意識していたけど今回の対決でわかった気がする、勝つことよりも楽しむことが大切である、と!!」

智は、このとき、こう思っていた。

(僕は、最初のころ、勝つことのみを考えていた。でも、今は違う、それよりも楽しむことの方が大事であることにようやく気づいたんだ!!)

そう、智は、最初、PWに勝つことを意識していた。だが、それにより智たち3人は一度も最後まで合わせることができなかった。だが、それよりも楽しむことを重要視した結果、智たち3人は心を通わせることができるようになったばかりか初めて最後まで合わせることができたのである。そして、それが今回の結果につながったのである。智はそのことを、今、実感していたのである。

 ただ、それは、乃亜、紅奈、ともに同じであった。だって、智の言葉に続けて、2人とも、

「うん、私も、このステージ、とても楽しかった!!こんなステージ、またやりたい!!」(乃亜)

「たしかにその通りですね。私も今回と同じようなステージをしてみたいものです」(紅奈)と言っていたのだから・・・。

 そう楽しく話す乃亜たち3人に対してある人が声をかけてきた。

「ステージが楽しい、それってスクールアイドルとしてとても大切なものなんだ!!」

この声に乃亜はその声がする方に振り向くと、乃亜、すぐに声を出した。

「あっ、花樹先生!!」

そう、そこにいたのは花樹と・・・、

「理亜先生に桜花先生!!」(乃亜)

理亜と桜花だった。

 そして、花樹は乃亜たち3人に対してこう言った。

「前にも言ったけど、スクールアイドルは「楽しむことがすべて」なんだ!!スクールアイドルをめいいっぱい楽しむ、それにより観客を含めた会場すべてが一体になる、すべての人が楽しくなる、それこそが「楽しむことがすべて」の素晴らしいところなんだ」

これには、乃亜、

「それってとてもすごいことですね!!」

と花樹の言葉に感動していた。

 そんな乃亜に対して智は下を向いてはこう言ってしまう。

「でも、僕はこの思いを知る前はずっとスクールアイドルは「勝利こそすべて」だとずっと思っていた。本当に情けない・・・」

スクールアイドルは「勝利こそすべて」、そうだとこの祭りのステージが始まるまで思っていた智にとってそれは今考えればとても恥ずかしいことだったかもしれない。

 だが、そんな智に対して桜花はあることを話してくれた。

「智、そんなに恥ずかしいものではないよ。実は私も花樹も理亜も智と同じ道を歩いたことがあるんだ。私たち3人ともスクールアイドルを始めた最初のころは「スクールアイドルは「勝利することがすべて」」という信条のもとで活動していたんだ。だけど、いろんなことがきっかけとなって、私たち3人、「スクールアイドルは「楽しむことがすべて」」、それがスクールアイドルにとってとても大切であるに気づいたんだ」

そう、花樹、桜花、理亜がスクールアイドルとして活動していたとき、最初のころは3人とも「スクールアイドルは「勝利こそすべて」」という信条のもとで活動していた。だが、

3人とも大きなターニングポイントにて、それよりも「スクールアイドルは「楽しむことがすべて」」という思いがとても大切であることに気づいたのである。それにより3人はスクールアイドルとして、いや、レジェンドスクールアイドルとして大活躍できたわけである。で、そのことを聞いた智は、

「桜花先生、わかりました!!僕、悩んで損しました」

と言うと智を除いた5人から、

ハハハ

という笑い声が起きてしまう。これには、智、

「えへへ」

と笑い返したのであった。

 そして、乃亜は智と紅奈に向かって大声でこう叫んだ。

「智に紅奈、これからもスクールアイドルをめいいっぱい楽しもう!!」

この乃亜の言葉に、智、紅奈、ともに、

「「うんっ!!」」

と大きくうなずいたのであった。

 

 そんな乃亜たち3人の姿に花樹は、

「青春だね~」

と感慨そうにふけっていた。

 一方、桜花と理亜はあるいことを話していた。

「理亜、今回のステージで、乃亜、智、紅奈はなんとか最後まで合わせることができました。ですが、このままだとラブライブ!出場も危ういでしょう。ならば、あの計画を進めましょう」(桜花)

「うん、わかった・・・。私もその方向で話を進める。あと、ある高校にも、連絡、入れた。その高校、新人ばかり、だけど、実力はある。それに、あのレジェンドが、その新人、教えている、その高校で・・・」(理亜)

その言葉を聞いたのか、花樹、突然、理亜と桜花の話に割り込んではこんなことを言い出してきた。

「えっ、それってあのレジェンド中のレジェンド、スクールアイドルとして、そして、その先生としてラブライブ!で優勝したことがあるあの先生ですか?」

この花樹の言葉に、理亜、

「そう、あの先生・・・、雪穂先生のね・・・」

と不気味そうに答えてくれた・・・。

 

 こうして、波乱に満ちた乃亜たち3人の初めてのステージは終わった。だが、このままいけば乃亜たち3人のラブライブ!出場も危うくなってしまう、そう考えた、理亜、花樹、桜花、そうならないために次の一手を考えていた。果たしてそれはなんだろうか。そして、雪穂とはいったい・・・。それについては次回にて語ることにしよう・・・。

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