「う、うそ・・・」
その女子高生の悲痛な叫びとともに鶴見はその女子高生に対してこう言い放った、高圧的に・・・。
「どうだ、私たちの実力は!!お前たちなんて、下の下、なんだよ!!」
この鶴見の高圧的な姿に、いや、あまりにも実力差がありすぎたのか、その女子高生の心のなかでは・・・、
バリバリバリン・・・
というなにかが壊れる音が聞こえてきた。その瞬間、その女子高生は小声で・・・、
「(もう・・・、スクールアイドル・・・、できない・・・)」
とつぶやいてしまった・・・。
そんな対称的な2人を見てか、その2人の近くにいた悪鬼はこんなことを思っていた。
(いいぞ、鶴見、かほ、美月、どんどん相手を潰していけ!!そうすれば3人はどんどん強くなれる、どんどん非情になれる、そうなれば勝ち続けることができる!!)
ときはGW、鶴見たち3人ことPW(PerfectWinner)と悪鬼は全国を飛び回っていた、とある理由で・・・。それはGW前のときまでさかのぼる。GW突入の2日前、鶴見たち3人がそれぞれ練習しているとき、悪鬼は、突然、
「3人ともこちらに集まれ!!」
と鶴見たち3人を呼んでは部室に集めた。
そして、部室に集まった鶴見たち3人に対しこんなことを言った。
「鶴見にかほに美月、GWは全国を駆け巡って実力勝負しにいく!!」
これには、鶴見、
「悪鬼様、それっていったい・・・」
と悪鬼に尋ねると、悪鬼、鶴見に向かってこう言い放った。
「たしかにお前たちは実力者が集まるこの学園(国立勝どき学園)にて全戦全勝を重ねてきた。だが、全国にはまだまだ実力者が多い。だからこそ、今のうちにその実力者と勝負を行いお前たちの実力を伸ばしていくのだ!!」
これには、かほ、
「それはいいアイデアですね。その実力者に勝つことができれば私たちの名前も全国十二知れ渡りますしね」
と喜んでいた。たしかに鶴見たちPWはかなりの実力あるスクールアイドルグループである。だが、その実力も鶴見たちがいる国立勝どき学園のなかでは、というものであった。また、鶴見たちPWの名も自分たちの母校である国立勝どき学園のなかでは有名であっても全国的にみたらそうでもなかったりする。そのため、悪鬼のアイデアは鶴見たちPWを全国区にするためには、全国にPWの名を轟かせるにはいいアイデアであった。
で、大変喜んでいたかほを見てか、美月、こう騒ぎ出す。
「完璧にパフォーマンスをする、そうすれば勝てる!!私、そう思う!!」
どうやら、美月、これまでの戦いに全勝しているせいか、かなり自信を持っているのだろう、やる気に満ち溢れていた、いや、全国を巡っての実力勝負に勝てる、そう美月は思っていたのである。
さらに、そんな美月を見てか鶴見もこう叫んでしまう。。
「あぁ、私たちの実力さえあれば全国が相手でも全戦全勝だ!!」
そんなあまりにも自薦満々な鶴見たち3人を見てか、悪鬼、このとき、こう考えていた。
(まぁ、たしかに、鶴見たち3人の実力を伸ばすのもこの実力勝負、この旅の目的でもある。まぁ、鶴見たちなら実力伯仲でなければ全戦全勝できるはずだからな・・・)
だが、このとき、この悪鬼でさえ思わぬ副産物が生まれるとは思っていなかった。
そして、GWに突入。すると・・・、そ
「そ、そんな・・・」(PWの相手チームのスクールアイドル)
「今回も私たちの勝ちです!!」(鶴見)
と今回もまた鶴見たちPWの全戦全勝であった。というも、もともと国立勝どき学園には全国からいろんな分野からかなりの実力者が集められていたのだ。それはスクールアイドルにもいえることであった。また、国立勝どき学園では「勝利こそすべて」という考えのもとで教育されていたこともあり、この学園に通う者はすべて勝利に飢えている、それくらいのハングリーさを持っていた(だって、一度でも負けるとすべてを失ってしまうのだから・・・)。それくらい国立勝どき学園での戦いは命を懸けるべきものだったのである。そんな戦いに勝ち続けることができた鶴見たちPWからすれば今回の全国を巡っての実力勝負、いや、戦いは勝ってもおかしくないものだったのだ。
むろん、悪鬼からすればそれは当たり前のようなものだった。
(俺はわかっていた、今の鶴見たちPWからすれば戦いに勝ち続けることは朝飯前のことだ。だって、あの勝どき学園のなかであいつらは揉まれたんだ。そんなあいつらからすれば全国にいるひよっ子どもなんて簡単にひねりつぶせる存在なんだからな!!)
どうやら、悪鬼、なんで鶴見たちPWがこの全国行脚での戦いに勝ち続けることができるのか前からわかっていたようである。これでも、悪鬼、昔は全国有数の投資グループのリーダーの左腕として働いていた。さらに数多くの会社を経営していたこともあり今回の事態も前もって予測していた、いや、知っていた、といってもおかしくなかったのだ。
ただ、悪鬼、これ以外にもこうも考えていた。
(とはいえ、俺が今回選んだ対決相手はすべて(今度のラブライブ!で)優勝候補だと言われているところばかりだ。それを次々と打ち破るとは、鶴見たちPW、とても恐ろしいものだ・・・)
そう、悪鬼が今回鶴見たちPWの対戦相手として選んだのはすべて次のラブライブ!の優勝候補ばかりだったのである。なので、あの悪鬼ですら旅を始まる前までは今回の旅で鶴見たちPWが苦しむ姿が1回か2回はみられるのでは、と思っていたほどだった。だが、ふたを開けてみればそんなことは杞憂だった。鶴見たちPWは全国有数のスクールアイドルグループに対して圧倒的な実力差で勝ち続けていたのである。それくらい鶴見たちPWの実力はこの時点においてでもかなりの実力だったのである。それはあの悪鬼ですら驚くほどであった。
だが、この旅の戦いにおいて思わぬ副産物も起きてしまった。それは・・・、
「もう、スクールアイドル、辞める!!」
「私も!!」
これは鶴見たちPWとの戦いのあとに対戦相手であるスクールアイドルグループのメンバーが言った言葉であった。ただ、それは1グループのや2グループだけではなかった。鶴見たちPWと戦ったグループすべてにおいてそれが起きていたのである。普通なら、負けた場合、その負けをバネに次を頑張ろうとするものである。だが、あまりにも実力差がありすぎて相手グループのスクールアイドルの多くがこれ以上スクールアイドルを続けるやる気を完全に失ってしまう状態に陥ってしまったのだ。
でも、それでも、鶴見たちPWの対戦相手は次のラブライブ!の優勝候補ばかりである。それなのになんでこれほどの実力差が生まれたのか。それには理由があった。実はどのスクールアイドルグループも新体制になって間もなかったからだった。たしかに鶴見たちPWもかなりの実力の持ち主である。でも、本当であればどのグループもそこまで実力差が生まれることはなかった、これがラブライブ!決勝がある2~3月であれば。そう、実は一部を除いてほとんどのグループはラブライブ!優勝を目指してそのラブライブ!決勝がある2~3月に最大限の力を発揮できるように新メンバーを長期間にかけて育成したり長めに調整をしていたりしていたのだ。昔はラブライブ!が夏と秋冬の2回あったために新体制になってすぐにラブライブ!の予選が始まるものだった。そのため、そんなに悠長なことはできなかった。なので、もとから実力者が多いグループや夏はダメでも冬での優勝を目指して実力をつけてきたグループなどがラブライブ!優勝を決めていたのである。だが、今はラブライブ!は秋冬の年1回になったため、ほとんどのグループがラブライブ!決勝がある2~3月に実力を最大限活かせるように4~6か月もの長期にわたる新メンバー育成をしたりそれにむけての長めの調整をするようになったのである。そのため、4~6月のこの時期、つまり、新メンバーである新入部員が入部するこの時期は主に(新入部員などに対して)基礎的な実力をつけさせたり新しい体制の基礎的な部分を固めることが多かった。そういうこともあり、鶴見たちPWが全国行脚を始めたGWのこの時期、ほとんどのグループは新体制になってそこまで経っていなかったのである。むろん、これではさすがのラブライブ!優勝候補のグループであっても100%もの実力を発揮することはおろかグループ全体のパフォーマンスですらおぼつかないといっても仕方がなかった。それに対して鶴見たちPWは負けたら即退学、いや、負けた時点ですべてを失ってしまう、なので、すべての戦いにおいていつも全力で戦っていた。なので、いつも全力で戦っている鶴見たちPWと新体制になってまもないためにパフォーマンスがおぼつかないグループが戦ったら勝つのは一目瞭然、いつも全力でパフォーマンスをしている鶴見たちPWの方が勝っても仕方がなかった。
だが、それ以上に、この戦いにおいてかなりの実力差を対戦相手のグループに見せつけてしまったことが問題であった。圧倒的な実力差をみせつけたことにより対戦相手のグループのメンバーの多くがとても辛い現実をみせつけられたことで自信喪失、これによりスクールアイドルを続けるやる気を失ってしまった。まぁ、そのメンバーからすれば、これから先、たとえ頑張ったとしてもとても大きな実力差を埋めることなんてできない、それくらい衝撃的なものだったのだから・・・。こうして、鶴見たちPWと戦ったほとんどのスクールアイドルグループのメンバーの多くがスクールアイドルを辞めてしまい、結果、そのグループのほとんどが消滅するといったことが起きてしまった。
そんな状況に対して悪鬼は、当初、
(ふん、これも盛者必衰である・・・)
といたって冷静であった。昔、生存競争が激しいビジネスの世界を生きていた悪鬼にとって、たとえ、昔、業界トップをとっていた会社であろうとも時間が経てば没落していく、そのことを生で実感した身として今回の戦いはそれがスクールアイドルの世界でも起きている、そう冷静に感じていたのである。
だが、戦いに継ぐ戦い、そして、いつも起きているこの状況に慣れてしまったせいか、悪鬼、次第にこう考えるようになってしまったのである。
(あぁ、こんな感覚、気持ちいいなぁ。どんどん潰れていく相手、それを堪能できる強者である俺たち。あぁ、懐かしい気がする。相手がどんどん潰れていく、それでいてどんどん強くなっていく鶴見たちPW、これこそが俺が追い求めていたものだ!!)
慣れとは怖いものである。なんと、悪鬼、昔のことを、今の鶴見たちPWが勝ち続けていることを重ねてしまったのか、相手グループがどんどん潰れていくことに快感を覚えてしまったようである。前述の通り、悪鬼は、昔、ビジネスの世界に身を置いていた。それもとても生存競争が激しい投資の世界にである。なので、弱者はどんどん潰れていくのがその世界の日常だった。そんな世界に身を置いていた悪鬼にとって今の状況はそれに近いものだった。そのためか、悪鬼は次第に相手を潰すことに快感を覚えてしまったのである。まぁ、国立勝どき学園での戦いにおいえてでも同じことを悪鬼はしていたのでこうなってっしまったのも仕方がない・・・、というか、旅を始めた当初、悪鬼、冷静でいられたのが不思議としかいえないのですがね・・・。
とはいえ、全国各地をまわっては悪鬼と鶴見たちPWは全国にいるラブライブ!優勝候補といわれるスクールアイドルグループたちに対して戦い続けては全戦全勝、そのグループたちをことごとく潰していったのである・・・。