そして、お祭り前日となった。この日は対バンで戦う相手との初めての顔合わせをすることになっていた。
「雪穂先生、始めまして。私はPWを引率している悪鬼です。よろしくお願いいたします」
とPWの先生にあたる悪鬼がそう言うと雪穂も、
「始めました、悪鬼先生。お話は聞いております」
と雪穂がそう言うとともに、雪穂、こう思ってしまう。
(双葉たち、大丈夫だろうか。このまま潰されるなんてことは・・・)
雪穂は心配していた、相手はスクールアイドル潰しで有名なPWである。そんなPWに双葉たちが大丈夫なのか心配していたのである。
そんな雪穂の想像通りなのか、PWのメンバーの面々からこんな声が聞こえてきた。
「勝つことこそすべてのチーム、PW、だから、今回も勝つ!!」(かほ)
「完璧な、勝利、やってやる!!」(美月)
「そうです。私たちはPW、完璧な勝利、それを今回もやるのです!!」(鶴見)
PWの3人とも今回も勝つことを念頭にやる気に満ち溢れていた。
むろん、こちらも負けていない。メアリーとソフィアはそんなPWの3人を見てこう行ってしまう。
「それはどうかで~す!!私たちがWINとなるので~す!!」(メアリー)
「WIN、こちらも、やる!!」(ソフィア)
2人とも自分たちのことを見下したPWの3人に対してメラメラとなっていたのである。
ただ、双葉はほかの2人とは違っていた。というのも、
(PWか・・・。果たして今の自分たちで勝てるのかな・・・)
とちょっと心配になっていたのである。これまで一度も合わせたことがない自分たちが全戦全勝のPWに勝てるのか今の今までずっと心配していたからだった。
ただ、それでも一部の望みはあった。というのも・・・、
(でも、そのために私はこれまで考えてきたんだ。それをやってみる価値はあるはずだ)
双葉はこれまでメアリーとソフィアの練習をこっそりと見ていたのである。そのなかで自分なりに考えていたものがあった、それを、今、ここで果たすべきだと考えていたのである。
その後、双葉は雪穂に対しある提案をした。
「雪穂先生、ここで一度通しで合させてください」
そう、一度ここで通しでやってみるように天案したのである。これには、双葉、
(いきなり本番でやってみるのは危険すぎる。それに・・・)
という思いがあった。これまでは個別でやってきた、それもメアリーやソフィアの反論すら聞かずに。それなのにいきなり本番というのはとても危険すぎる、と双葉はそう思ったのである。それに、双葉にはなにかある奇策があるかのようだった。
とはいえ、この双葉の提案に、雪穂、
(確かに双葉のいう通りかもしれない・・・)
と考えたのか双葉に対し、
「わかったわ。それじゃやってみなさい」
とGOサインをだした。ただ、このとき、雪穂や双葉の近くである音がした、ガサゴソという音が。ただ、その音は双葉たちには聞こえていなかった・・・。
とはいえ、一度通しでやることに。これには、メアリー、ソフィア、ともに、
(ここで私が№1であることを示すので~す!!)(メアリー)
(私、こそ、№1!!)(ソフィア)
とかなりバチバチの様子。それでも、双葉、その2人に対して、
「メアリーにソフィア、合わせるよ!!頑張って!!」
と励ましの言葉を送った。
そして、曲が始まった。その瞬間、
(うそでしょ!!なんかすべてのピースが埋まっていく感じ!!)
と双葉が思えるくらいちゃんとぶつからずに動くことができていた。それ以上に1つの曲として成立しているかのようだった。でも、それでもちゃんとポジションなども守っている、動きもちゃんとこれまで雪穂や九が教えた通りにやっている、ただそれだけでぶつかることなくちゃんとできている、1つの曲として成立している、そんな感じであった。言っておくがこれまでこの3人でちゃんと合わせることなんてなかった、いわば、初めて3人で合わせたのである。それなのにぶつからずにやれていることはある意味凄いの一言であった。
むろん、それは、メアリー、ソフィア、ともに同じことがいえた。2人とも、
(WHAT!!ぶつかることなくやれるので~す!!)(メアリー)
(はじめて、のはず。でも、ぶつからない・・・。なぜ?)(ソフィア)
と驚きの様子。それもこれも雪穂と九がみっちりと教え込まれたからであった。それでも初めてとしては上出来ともいえた。
そして、終わるなり、
「凄いね、私たち!!ちゃんとできるなんて!!」
と双葉が喜ぶくらいの出来に満足していた。むろん、メアリー、ソフィア、ともに、
「これが私たちのダンスで~す!!凄いで~す!!」(メアリー)
「最初、なのに、これ、凄い・・・」(ソフィア)
驚いていた。
ただ、それでも雪穂は3人に対しこう言った。
「たしかに上出来だと思います。ですがまだまだ精度を上げないといけないのでもう一回練習をしましょう、通しで」
そんなわけでもう1回通しで練習することになった。
だが、2回目の練習のときに3人の思いは違うものとなった。というのも、
(でも、これって、私たち、雪穂先生たちにやらされているだけだよね・・・)(双葉)
(私たちのオリジナリティがないので~す!!なにか競っていないので~す!!)(メアリー)
(これは、私たちじゃ、ない。雪穂先生の、もの・・・)(ソフィア)
そう、メアリーのいう通り、自分たちなりのオリジナリティがなかったのである。どれもこれも雪穂や九に指示された通りにやらされているものだった。これまで個別にやってきのだが、それはパズルのように1つ1つの動きを雪穂と九の指導通りに教え込まれたものだった。それを双葉やメアリー、ソフィアはやっていたのである。なので、そこには双葉たちのオリジナリティなんてなかったのである。
とはいえ、2回目もちゃんとぶつからずに1回目以上に精度を上げることができた。ただ、そこには・・・、
(なんか達成感がない・・・)(双葉)
と1回目の達成感ほどのものはなかった・・・。
そんなときだった。突然、双葉たちに文句を言う者が出た。
「まったく完璧じゃない!!完璧こそ正義!!完璧じゃないから悪い!!」
これには、雪穂と九、その声をする方を見た、そこには・・・、
「PWの美月・・・」
そう、そこにいたのはPWの1年、美月であった。その美月に続けとばかりに美月の隣にいたPWのメンバーからも文句がきた。
「あんたたちがやっているのはただの操り人形みたいなものだ!!それでいて私たちの相手になるなんて片腹痛いですわ!!」(鶴見)
「たしかに完璧そうにみえて完璧じゃない。どうしてでしょうね」(かほ)
これには、九、こう言い放った。
「これでも初めてなんだ!!完璧じゃなくても仕方がない!!」
ただ、これには、完璧ガールこと美月はこう言い表す。
「私たちはいつも完璧!!完璧だからこそ№1!!PerfectWinnerになれる!!対して、お前たちは完璧じゃない。完璧じゃないから負ける!!」
これには、九、
「でも、それでも・・・」
と言葉の窮してしまう。たしかに初めて一度通してぶつからずに合わせることなんて凄いことである。だが、だたそれだけであった。鶴見の言う通り、雪穂と九の指示に従っていただけであった。そこいは双葉たちなりのオリジナリティなんてなかったのかもしれない、そこをPWに指摘されていたのかもしれなかった。
ただ、この美月の言葉に双葉はこう思った。
(たしかに今の私たちじゃ完璧じゃない。対してPWのパフォーマンスは完璧かもしれない。でも、完璧ってあるのかな?)
実は双葉は対バンと聞いてからPWのパフォーマンス映像を見ていたのである。むろん、どれもこれも完璧ともいえるパフォーマンスであった。ただ、そのパフォーマンスであっても本当に完璧なものがあるのか双葉には疑問であった。だって・・・。
とはいえ、美月の言葉は続く。
「完璧じゃないから負ける。それは決定事項!!だから、さっさと辞めろ!!」
この言葉に、メアリー、ソフィア、ともに、
(なんかバカにされたので~す!!そんなの嫌です!!)(メアリー)
(バカ、しすぎ!!だからこそ、言い返す!!)(ソフィア)
と思ったのか、こんな言葉が出てしまう。
「辞めろなんてヤダです!!Youたちなんて負けてしまうのです!!」(メアリー)
「あなたたち、言い過ぎ!!あなたたち、こそ、辞めろ!!」(ソフィア)
ただ、この言葉に美月たちPWは怯えるどころか、むしろ、
「辞めることなんてしないのです!!PWの完璧な勝利!!これしかないのです!!」(鶴見)
「勝つのは私たちのみ!!あとは敗者なのです!!」(かほ)
「完璧なものが勝つ!!ただそれだけ!!」(美月)
と逆に火に油を注ぐような事態に・・・。さらに極めつけは・・・、
「これじゃたたのお遊戯ですね。それならいっそうスクールアイドルを辞めてはどうですかな?」
となぜか悪鬼すらも現れてはこんなことを言われる始末。これには、雪穂、
「それはちょっと言い過ぎです、悪鬼先生!!言葉を訂正してください!!」
と言うも、悪鬼、
「私はただ言いたいことを言っただけです!!訂正なんかしません!!」
ときっぱりと拒絶をした。
そして、鶴見たちはこんなことを言って去っていった。
「まぁ、これで負けることは確定したのですからさっさと辞めることですね」(鶴見)
これには、メアリー、ソフィア、ともに、
「それはこっちのセリフで~す!!」(メアリー)
「負ける、なんて、しない!!」(ソフィア)
と言い返していた・・・。
だが、そんなメアリーとソフィアに対し雪穂こう言ってしまう。
「たしかに勝負も大事だけどそれ以上に大事なことはあるわ」
これには、メアリーとソフィア、こう言う。
「それってなにで~す?」(メアリー)
「勝つこと、より、大事、なこと?」(ソフィア)
これには、雪穂、こう言う。
「それは・・・」
そんなときだった。
キーンコーンカーンコーン
という帰宅時刻を告げる音が聞こえてきた。そのためか、雪穂、
「それは明日教えることにしましょう」
と言っては切り上げてしまった。
この後、雪穂は九に、
「やっぱりもう少し精度を・・・」
と言うと、九、双葉を見てこう思った。
(なにかやるかもしれないね、双葉はね・・・)
このとき、双葉はこう考えていた。
(だったこうしたら、ああしたら・・・)
なにか双葉に策があるかのようだった。それを九は感じたのかもしれない。
そんな双葉を見てか、九、雪穂に対し、
「まずは明日の本番に向けて英気を養うことが大切です。さぁ、帰りましょう、雪穂さん」
と言っては無理やり雪穂を連れて帰ってしまった。このとき、九はこう心のなかで言っては双葉のことを励ましたのである。
(双葉、これまでの特訓をここで発揮してね)