ラブライブ!STAR PEACE   作:la55

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東京編 第3話 その1

「くそっ!!なんで逃げ帰らないといけなかったんだ!!」

函館から帰ってくるなり悪鬼は怒っていた。たしかに函館の聖女のスクールアイドル乃亜たちとの戦いに勝った、だが、観客たちから多くのブーイングを受けたことにより勝ったのに逃げ帰ってきた次第である。これにはさすがの鶴見たちも応えたらしく、

「勝ったのに・・・、勝ったのに・・・」(鶴見)

「こんな最後ってみたことないぞ・・・。これも悪鬼様の計画が・・・」(かほ)

「完璧だったはず・・・。でも、この仕打ち・・・」(美月)

と放心状態に陥っていた。そんな3人をみてか、悪鬼、

(しかし、まさかこんな結果になるなんて考えもしなかった。そのために鶴見たちのダメージは大きい。このままじゃ鶴見たちの体がもたないかもしれない・・・)

と鶴見たち3人の心配をしていた。

 

 それから数日間、心に大きな深手を受けた鶴見たち3人を休ませるとともにあの戦いの翌日、悪鬼は勝どき学園の近くにある池へと向かっていた、こう思いながら・・・。

(あの人と会うのは久しぶりであるがいつ会うにしても緊張するな・・・)

 そして、行けのふちに悪鬼が到着するとそこには・・・、

「お久しぶりです・・・」

と、悪鬼、そこにいる初老のおじさんに挨拶をした。そう、悪鬼が会おうとしていたのはそこにいる初老のおじさんであった。

 その初老のおじさんは悪鬼に対し、

「あぁ、久しぶりだな・・・」

と言うと続けて、

「お前、たしか逃げ帰ってきたらしいな」

ときつく悪鬼に対し言ってきた。これには、悪鬼、

(まさかあのときの情報がここまで流れているなんて・・・)

とあまりの情報の早さに驚くとともにその初老のおじさんに対して苦しそうな表情をしながら、

「は、はい・・・」

とうなずいていた。

 そんな悪鬼に対し初老のおじさんはこんなことを言ってきた。

「とはいえ、勝ってきたのだろうな」

これには、悪鬼、

「はい、勝ってきました・・・」

と答えていた。ただ、このときの悪鬼は、

(たしかに勝ってきたが逃げ帰ってきたのは事実。どう弁解すれば・・・)

と必死に言い訳を考えていた。

 ただ、そんな悪鬼に対し鐘楼のおじさんはこう答えてくれた、優しく・・・。

「そこまで気にしなくてもいいことをあいつらに伝えてくれ。勝ったとしてもブーイングがあることは仕方がないことだ。それが敵地であってもな!!それを気にすること以上に勝ち続けることが大事にせよ!!」

これには、悪鬼、

(たしかにそうだな!!敵地だったこそブーイングが起きたのだと割り切ればいいだな!!)

と発想の転換をするとともにその初老のおじさんに対し、

「はい、わかりました!!」

と元気よく答えたのである。

 そんな悪鬼に対し初老のおじさんは続けてこう答えてくれた。

「それに、今さっきの私の言葉をあいつらに伝えてくれ。そうすればあいらも立ち直ることができるはずだ」

これには、悪鬼、

「はい、わかりました!!」

と言うとその初老のおじさんに対し、

「今日はいろいろと助けて頂きありがとうございます。それでは失礼いたします」

とお礼を言うとともにお別れの挨拶をしてその場をあとにした。

 その後、初老のおじさんは、

(もうそろそろ潮時かもな・・・)

と思うとともにまわりの側近を呼ぶとこう言い出した、小声で・・・。

「いいか、あの計画を進めるぞ。AIにスクールアイドルのあれをラーニングさせよ、いいな・・・」

 

 そして、亜秋はすぐに鶴見たちを呼ぶとこんなことを言い出してきた。

「いいか、お前たち、あの方は言っていた、「敵地のブーイングなんて気にするな。それ以上に勝ち続けろ」とな!!」

すると、鶴見たち3人、

(あのおじさんがそう言っているんだよな)(鶴見)

(あのおじさんが言っているなら大丈夫だな!!)(かほ)

(絶対、正しい、あのおじさんの言うことは!!)(美月)

と思ってはこんなことを言い出した、元気よく・・・。

「あの方ってあのおじさんですよね。たしかにあのおじさんの言う通りだ!!」(鶴見)

「たしかにその通り!!私たちは負けたわけじゃない!!勝ったんだ!!ただそれだけなんだ!!」(かほ)

「私たちは勝った、実際に・・・」(美月)

鶴見たちにとってあの初老のおじさんは心の支えのようなものだったようである。あの初老のおじさんの言うことを聞き入れたことで鶴見たちは一瞬のうちに立ち直ったのである。それくらい鶴見たちにとって初老のおじさんの言うことは絶大だったようである。

 こうして、鶴見たち3人は初老のおじさんの言葉によって立ち直ることができたのである。

 

 ところが、この日を境に鶴見たちPWの勝ちパターンが崩れ始めようとしていた。週末、鶴見たちPWはどこかに行っては他校のスクールアイドルたちと戦いをしたのだが、

「勝者、勝どき学園、PW!!」

といつもの通り鶴見たちPWが勝った。これには、鶴見、

「よしゃ、勝ったぞ!!」

と喜んでいた。

 だが、ここからが違った。いつもなら圧倒的な力を前に絶望する他校のスクールアイドルなのだが、今回は・・・、

「負けちゃったね。でも、今度こそリベンジしてやるぞ!!」

と絶望どころか次回へのリベンジに燃えるようになってしまったのである。これには、かほ、

「私たちが勝ったんだ!!絶望しなさい!!」

と言っても他校のスクールアイドルはただ、

「負けたけど次回のために頑張るんだもんね!!」

と元気よく答えていたののである。そのためか、美月、

(これは一体・・・一体・・・どうした・・・)

と唖然となるしかなかった・・・。

 そのためか、鶴見たちはこんな思いが強くなっていった。

(なんで絶望しないわけ?ちょっとおかしいじゃないの?)(鶴見)

(私たちは勝った。勝ったのに絶望しない。なんで、あのときと同じなんだ・・・)(かほ)

(完璧だったから絶望する・・・はず・・・)(美月)

ただ、それは初回に始まったことではなかった。これが次の週もこの次の週にも起きてしまったのである。これまでは勝利することで相手は絶望することが当たり前であったのだが今となっては絶望すらしなくなったのである。これにはさすがの鶴見たちも困惑するばかりであった。

 そんな鶴見たちに対し悪鬼はこう言って鎮めようとしていた。

「これはたまたまだ。お前たちの絶大なる力によって相手は絶望してきた。だが、ときたまそれをバネにして頑張ろうとする人たちもいる。その類に会ったからだよ」

 とはいえ、悪鬼も鶴見たちと同じことを考えていた。

(たしかに相手と私たちPWの力の差は歴然だった。それなのにこれに屈しないとはなぜなんだ!!どうしてだ・・・)

ただ、その理由ははっきりとしなかった、それが悪鬼のそれに対する答えであった。

 だが、その理由は簡単だった。この前の聖女の乃亜たちとの戦いによるものが大きかった。というのも、初心者の乃亜たちが絶望もせずに最後までやり切り、負けたとはいえ鶴見たちPWを逃げ帰らせるといった偉業を成し遂げたからだった。これによりたとえ負けたとしても絶望せずにやり遂げることができる、もしくは、たとえ負けたとしても絶望することなくそれを次に活かそうとすることができる、そのことを全国のスクールアイドルたちが知ったからである。それくらい乃亜たちの戦いは1つのターニングポイントになったのである。

 そんなこともあり、鶴見たちPWと戦ったスクールアイドルたちが絶望しなくなったことで鶴見たちPWはどんどん困惑していくこととなった。ただ、それでも勝ち続けていたこともあり、次第には、鶴見たち、

(そうだ。勝ち続けていけばいいんだ!!勝ち続ければいいんだ!!)(鶴見)

(勝ち続けることこそ正義!!勝ち続けてやる!!そして、いつの日か絶望させてやる!!)(かほ)

と勝ち続けていることだけをバネに考えを改めようとしていた。特に美月においては、

(完璧に勝ち続ける!!完璧、完璧、完璧!!)

と自分の信条である完璧さを追い求めようとしていた。

 そんな鶴見たちを見てか、悪鬼、

(うぅ、なんとか鶴見たちも持ち直すことができているようだな)

と安心したのか、次のステップを考えようとしていた。

(ならば、次のステップに進もう。あの計画を・・・)

そう、あのとき、乃亜たちとの戦いが終わったあとに考えていた計画、あの地域のスクールアイドルを潰していくあの計画を始めようとしていた。その計画とは・・・。

(そう、あの計画を、アイドルの宝庫、福岡、そのスクールアイドルたちを潰していくあの計画を!!)

 

 そして、ついに悪鬼の作戦が始まった。その名も「福岡アイドル殲滅作戦」。その内容はいたってシンプルだった。それは・・・、

(鶴見たちPWの力をみせつけて福岡のスクールアイドルたちを殲滅してやるんだ!!)(悪鬼)

そう、鶴見たちPWの力をみせつけることで福岡にいるスクールアイドルたちを殲滅するものだったのである。むろん、それには硝酸があった。鶴見たちPWは相手のやる気を削ぐくらいの実力はある、いや、絶望させるくらいの実力があった。それを福岡のスクールアイドルたちにもくらわせることができる、そう悪鬼は思っていたのである。また、そんなことができなくても鶴見たちPWの実力をみせつけることで少しでも福岡のスクールアイドルたちにトラウマを植え付けることができればそれで御の字ともいえた。それくらい悪鬼からすれば鶴見たちPWの実力は福岡のスクールアイドルたちよりかなり上だとみていたのである。

 そして、悪鬼の最初のターゲットに選んだのが・・・、

「福岡外国語大学付属・・・、福外か・・・」

なんと双葉たちがいる福外だったのである。というのも・・・、

(あそこはスクールアイドル部ができてまもないと聞く。なら、最初の露払いにはちょうどいい・・・)(悪鬼)

そう、福外のスクールアイドル部はできてまもないということもあり最初から勢いをつけるにはとてもよかったのである。さらに・・・、

(それにあの雪穂という伝説の先生がいるところと聞く。その教え子を倒せば箔がつくってもんよ)(悪鬼)

そう、雪穂という伝説の先生が教えているところも選んだ理由の一つだった。高坂雪穂、ラブライブ!において生徒と先生の両方で優勝したことがあるレジェンドスクールアイドルであった。その先生が福外で教えているスクールアイドルグループを倒すことで鶴見たちPWに箔がつくと悪鬼は考えたのである。まぁ、たしかに箔がつくのだがはたしてそうなるかは謎ではあるが・・・。とはいえ、悪鬼は最初の標的を福外と定めたのである。

 その後、そのことを鶴見たちに伝えることに・・・。

「今度の福岡遠征の最初の目的地は福外とする。お前たちの実力を福岡のスクールアイドルたちにみせつけてやるんだ!!」

これには、鶴見、かほ、ともに、

「よっしゃ!!福岡のスクールアイドルたちを絶望させてやろう!!」(鶴見)

「勝ち続けるためにもここは絶対に勝つ!!勝つことこそ正義なんだ!!」(かほ)

と勝利と絶望を望もうとしていた。むろん、美月も、

「完璧だから勝つ!!完璧だから絶望・・・」

とやる気をみせていた。むろん、これには美月のなかで、

(いつも完璧!!完璧じゃないとダメ!!完璧こそ正義!!)

と完璧を追い求めているいつもの姿があった・・・。

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