ラブライブ!STAR PEACE   作:la55

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函館編 第1話 後編

翌日・・・、

「桜花、ちゃんと準備はできたのか?」

と花樹が桜花に尋ねると、桜花、

「あぁ、すべて準備はできている!!」

と自信よく返事をした。今日は新入生に向けた部活動のプレゼンテーションの日である。聖女のすべての部活が一同にかいし新入生に向けた部活動のプレゼンを行うのである。この日の良し悪しにより各部活の新入生の入りが決まるといっても過言ではなかった。そのため、昨日は花樹と桜花の2人は紅奈の練習につきっきりでみていたのである。ちなみに、理亜は2人に紅奈を紹介したあと、すぐにラブライブ!運営事務局の北海道支部へと向かってしまった。

 その昨日の練習の最中、花樹はこんなことを考えていた。

(桜花の言っている通り、たしかに紅奈のパフォーマンスをみていると、「心ここにあらず」のようにみえてしまう・・・)

実は、花樹、紅奈の自己紹介のあと、桜花から紅奈の第一印象について語っていたのである。そして、紅奈のパフォーマンスを見てそれを確信していたのである。ただ、花樹はこんなことを考えていた。

(でも、それでも普通の人がみる限りでは完璧なパフォーマンスにみえてしまう。紅奈の実力は折り紙付きだな)

そう、スクールアイドルを数多く育ててきた花樹からすれば紅奈のパフォーマンスは心がこもっていないように感じるもスクールアイドルにあまり接していない一般の人から見れば完璧なパフォーマンスに見えてしまうのである。これは紅奈のスクールアイドルとしての実力は一流である証でもあった。それくらい紅奈のパフォーマンスは完璧だったのである。

 そんなことで今日を迎えたのだが、紅奈はプレゼンのまえの練習でも完璧に仕上げていた。ただ、このときも紅奈は心をこめてパフォーマンスをしていなかった、完璧なパフォーマンスをしながらも・・・。

 

 そして、ついにスクールアイドル部のプレゼンの時が来た。紅奈がステージに上がると、

「今からスクールアイドル部のプレゼンを始めます。よろしくお願いします」

とステージの前にいる新入生たちにお辞儀をしパフォーマンスを始めた。歌う曲は「Go to tha TOP!!」この曲は今や先生となった、理亜、花樹、そして、ここにはいないあつこがラブライブ!で優勝したときに歌っていた曲である。その曲を圧倒的なパフォーマンスでもってやり切ろうとする紅奈。これには新入生から、

「すごい!!」「やっぱりスクールアイドル部だね!!」

という言葉を失うほどの感嘆の声が聞こえてきた。これには、花樹、

(やっぱり紅奈のパフォーマンスはすごいものがある!!)

と感心するもやっぱりというか紅奈のパフォーマンスには・・・、

(やっぱり心がこもっていない。ただ機械的にパフォーマンスをしているみたいだ・・・)(花樹)

やっぱり紅奈のパフォーマンスには心がこもっていなかったのである。紅奈は機械的にパフォーマンスしている、いや、機械みたいに完璧にパフォーマンスをしている、そんな感じがしていたのだ。むろん、これには花樹だけでなく花樹の隣にいた桜花からも、

(心がこもっていない。これだと機械的にパフォーマンスしているようにみえてしまう・・・)

と紅奈のパフォーマンスを見て心配そうにしていたのである。

 そんな2人はそれを受けてある疑問にたどり着く。それは・・・、

((でも、なんで紅奈は心を込めずにパフォーマンスをしているんだ?))(花樹・桜花)

そう、なんで紅奈は心を込めずにパフォーマンスをしているんか、ということである。それは紅奈の今のパフォーマンスだけの話じゃない。昨日、今日の紅奈のパフォーマンスを見てそう思ったのである。普通ならどんなスクールアイドルだって心を込めてパフォーマンスをするものである、一部を除いては・・・。勝ちたい、そう思うのであれば勝ちたい気持ちでパフォーマンスをする、楽しみたいなら楽しむ気持ちを込めてパフォーマンスをする。それなのに、紅奈はなにも心を込めずにパフォーマンスをしているのである。その理由を花樹と桜花は知りたいのである。それがわかればなにか打つ手があるというものである。だが、このときの2人はそれを知る由もなかった。そのためか、2人とも、

((でも、今はその理由がわからない。お手上げだ・・・))

と思うしかなかった・・・。

 

 一方、紅奈はというと完璧なパフォーマンスをしていた、こう思いながら・・・。

(私は道具、ただの道具でしかない・・・)

自分は道具、そんな思いでパフォーマンスを、機械的なパフォーマンスをしていたのである。ただ、それ以外にも紅奈はこんな思いももっていた。それは・・・、

(私は道具、栄光あるこの部の唯一の部員として、この部を続けさせるたまにも私は道具としてやるしかない・・・)

そう、この部を続けるために、栄光ある部を存続させるためにも完璧なパフォーマンスを繰り広げていたのである。聖女のスクールアイドル部は理亜と花樹が部員であったときにラブライブ!で優勝するくらい栄光と実績のある部である。それを今は唯一の部員である紅奈がこの部を存続させるためにも新入部員を集めるたまにも完璧なパフォーマンスをしようとしていたのである。そのため、紅奈、形だけだが、

にこっ

と笑顔になりながらパフォーマンスをする。これにはステージ前にいた新入生から、

「すごい!!」「かっこいい!!」

という声援が聞こえてきたのである。これには、紅奈、

(私はただの道具。この声援をもっと大きくしていかないといけない・・・)

と思うとさらににこりとスマイルを・・・さらに作られたスマイルをすることに。これには新入生たちからは、

「キャー!!」

という声援を紅奈に送るのであった。

 だが、このとき、紅奈はある生徒の顔を見た。それは・・・、

(あれっ、遠くにいる車椅子の新入生、なんか悲しそうな顔をしている・・・)

 

 その車椅子の新入生の顔は桜花の方でも確認できた、そう、桜花はこう思いながら・・・。

(なんか車椅子の新入生、悲しそうにしている・・・。声援を送っている新入生のなかでぽつんと悲しそうにしているのわかってしまう・・・)

悲しそうな顔をしている、それは歓声をあげているほかの新入生たちのなかでたった1人だけしかその表情をしていないのでかなり目立ってしまう。その新入生が車椅子ならなおさらである。そのためか、車椅子の新入生を見て桜花はこう思ってしまう。

(でも、なんで悲しい表情をしているんだ?)

桜花としてもとても気になってしまうものだった・・・。

 

 その車椅子の新入生であるが、このとき、その新入生はこう考えていた。

(私もあのステージに立ちたい!!でも、この今の私の姿じゃ、車椅子のままならできない・・・。もう諦めるしかないのかな・・・)

その車椅子の新入生は紅奈の完璧なパフォーマンスを見て悲しむしかできなかった・・・。

 

OP1番のみ

 

 そして、紅奈のパフォーマンスが終わった。その瞬間、

「キャー!!」「すごい!!」

という歓声が新入生からあがった。これには、紅奈、

(道具としての役割は果たしたかな・・・)

と自分が果たした責務を・・・、道具としての責務を果たした、そう感じていた。そのためか、紅奈、

「みんな、ありがとう!!」

とここ1番の笑顔を、作られた笑顔をしていた。

 ただ、このとき、紅奈は知らなかった、建物の奥で1人のズボン姿の生徒がこっそり紅奈のパフォーマンスを見ていたことを・・・。そのズボン姿の生徒はこう考えていた。

(なんか、あの部員、自分のことをなにかとしかみていないような気がする・・・)

そのズボン姿の生徒はこう考えながらその場をあとにするのであった・・・。

 

つづく・・・

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