そして、3日目、各組ともに黙ったままであった。
「・・・」(乃亜、智、紅奈)
「・・・」(双葉、メアリー、ソフィア)
「・・・」(鶴見、かほ、美月)
各組ともそれぞれ集まっているもののお互いに干渉することはなかった。これには合宿のクラスを受け持っている先生のひろ子でさえも、
「ほかのところはすでに作曲が始まっているのにこのままじゃどうすることもできないじゃない・・・」
と悩んでしまう。
とはいえ、各組ともにただ黙っていたわけではなかった。乃亜たちはこんなことを考えていた。それは・・・、
「(乃亜、こう動けばいいんじゃないかな?)」(智)
「(これだと少し遅くなるんじゃないのかな)」(紅奈)
「(たしかにその通りだけど・・・)」(乃亜)
乃亜たちは乃亜たちで車椅子の乃亜が踊れるようなダンスのフォーメーションを考えていたのである。
一方、双葉たちもほかのことを考えていた。
「(こんなソングならいいと思います)」(メアリー)
「(でも、ここ、ちょっと、キー、高い)」(ソフィア)
「(なら、もう少しキーを抑えようか)」(双葉)
と双葉たちは作曲をやろうとしていた。双葉たちは作曲の経験がない。だが、それでも少しでも頑張ろうとしていた。
また、鶴見たちもこんなことをやろうとしていた。
「(こんな詩ならいいんじゃないかな)」(かほ)
「(完璧・・・、その言葉を入れよう)」(美月)
「(それはどうだろうか・・・)」(鶴見)
なんと歌詞を考えていたのである。鶴見たちだってなにもしていないわけではない。少しでも課題をこなすために歌詞に挑戦していたのである。
こうして、3日目は各組ともに自分たちができることをやっていたのである。とはいえ、このときはまだこれから起きることを誰もが予測できていなかったのである。
その転機が起きたのは4日目の朝だった。この日は珍しく美月は早起きしていたのである、こんなことを考えながら・・・。
(う~、なんか歌いたい・・・)
美月は歌が得意であった。そのため、PWのときは美月が歌のリードを取ることが多かった。そんな美月からすれば歌はいつも完璧であると思っていた。だから歌を歌わなくてもいつも大丈夫であった。だが、この日はなぜか外で歌いたい気分に美月はなっていたのである。もしかするとこれこそ南国九龍島のパワーなのかもしれない。
そして、起きた美月は海岸の岸辺に座ると、
♪~
と歌いだした。歌っている曲はスクールアイドルなら誰でも知っている曲であった。そんな美月の歌声にひかれたのかある少女がこんな思いで美月に近づく。
(歌、うまい。とても、いい)
その少女は美月のそばに行くと、美月、それに気づいたのか、歌うのをやめて、
「誰?」
とまわりを見渡す。すると、美月に近づいた少女はこんなことを言った。
「歌、うまい。もっと、聞かせて」
これには、美月、こんなことを言う、近づいてきた少女に向かって・・・。
「お前はソフィア!!なにかよう」
そう、美月に近づいた症状とはソフィアであった。そのソフィアはこんなことを言った。
「歌、うまい、もっと、聞かせて」
すると、美月、気分をよくしたのか、こんなことをソフィアに言った。
「わかった。もっと歌う」
その美月の言葉のあと、美月はもっと歌った。
♪~
すると、ソフィア、その美月の歌う声を聞いてか、すぐに、
♪♪~
と美月に重ねるように歌いだした。ソフィアの歌声も美月に負けず劣らずのものだった。これには、美月、
(私と同じ。完璧)
と太鼓判を押すようなものだった。
だが、そこに、
♪♪♪~
と三度重ねたような歌声が聞こえてきた。これには、美月、ソフィア、ともに、
(す、すごい・・・。これこそ完璧なる三重奏!!)(美月)
(とても、美しい。これこそ、三重奏)(ソフィア)
と驚くくらい、それくらい美しい三重奏であった。
そして、歌い終わると、美月とソフィアは一緒にまわりを見渡した。すると、そこにはお姉さんのような少女が立っていた。その少女はこんなことを2人に言った。
「なんか面白いこと、やっているじゃない。私も混ぜて」
これには2人とも驚く。なぜなら、
「聖女の紅奈!?」(美月)
「美月!!」(ソフィア)
そう、紅奈であった。なぜかそのばに紅奈も現れたのである。
その紅奈からこんなこと言ってきた。
「もう一度一緒に歌わない?」
紅奈は乃亜たち聖女のスクールアイドル部のなかでは歌が得意であった。その紅奈が一緒に歌おうと誘ってきたのである。ただ、普通の美月の性格なら断るものなのだが、今の美月は、
(歌うのがとてもいい!!ならいいかも)
と機嫌よく、
「わかった。一緒に歌おう」
と了承してしまった。
こうして、紅奈、ソフィア、美月の3人は仲良く、
♪♪♪~
と一緒に歌ったのだが、そこに、
「あれっ、どうして3人ともに一緒に歌っているの?」
と乃亜と智が、
「とてもいい歌声だね」
と双葉とメアリーが、
「美月、なにやっているわけ?」
と鶴見と果歩が同時に現れた。これには、紅奈、
「一体どうしてここにいるの?」
と驚きながら言うと乃亜はこんなことを言い出した。
「だって、起きたら紅奈がいなかったんだもん。だから、美月を探していたら海岸から美しい歌声が聞こえてきたんだもん!!だかからここまで来たんだよ」
すると、双葉、鶴見も、
「私も同じく・・・」(双葉)
「私も・・・」(鶴見)
と乃亜と同じことを言った。
そんな、乃亜、双葉、鶴見を見てか、美月、こんなことを言った。
「私たちは歌でつながった。いろいろとつながった。だから、面白いもの、作れるかも」
美月をはじめ、鶴見やかほは普段なら人とつながることはやらない。だが、その美月が、今、ほかの人とつながろうとしていた。これには、鶴見、かほ、ともに、
「美月・・・」(鶴見)
「完璧を追い求めるあの美月が・・・」(かほ)
と驚きの表情をみせる。
そんな美月の表情を見てか、乃亜、こんなことを言い出した。
「美月がこう言うのであれば今回だけ今までのわだかまりを忘れてなにか1ついいものを作ってみませんか?」
この乃亜の提案に、智、紅奈、ともに、
「たしかにその通りかも」(智)
「乃亜の言うことも一理あるな」(紅奈)
と賛成の意思をみせるとともに、双葉、メアリー、ソフィアも、
「賛成!!」(双葉)
「イエス!!」(メアリー)
「賛成、しか、ない」(ソフィア)
と賛成の意思をみせる。一方、鶴見、かほは、
「でもな・・・」(鶴見)
「ん~」(かほ)
と少し躊躇してしまうも美月から、
「一緒にやる。それがいい」
という声をあげたこともあり、
(あの美月がそういうのであれば・・・)
と鶴見はそう考える。そのこともあり、
「それなら今だけは・・・」(鶴見)
「美月の言う通りにする」(かほ)
と美月の言う通りに乃亜たちや双葉たちと一緒に出された課題をこなすことを決めた。
こうして、乃亜たち聖女スクールアイドル部、双葉たち福外スクールアイドル、そして、鶴見たちPWの合同グループが作られることになったのである。