だが、このグループは1つ問題があった。それは呉越同舟的なものだったのである。それが現れたのは最終日の前日の朝のことだった。乃亜、紅奈、鶴見は海岸にいた。
「こう動けばいいと思うよ」と双葉が振付をよくする案を出すと鶴見はこう言い返してた。
「いや、こちらの方がいいはず」
これには、乃亜、
「どっちもいいと思うけど・・・」
と言ってしまう。乃亜としてらどちらでもいいと思っていたのである。
だが、ここにきて鶴見は焦りを感じていた。というのも、このとき、鶴見はこんなことを考えていたのである。
(こんなものじゃダメだ!!もっと強いものを!!もっと勝てるものを!!)
そんな焦りが伝播しているのか、双葉にも焦りを感じていた。というのも、
(もっといいものを作りたい!!楽しくスクールアイドルをやっている、そんなところをみせたい!!)
と双葉は考えていたのである。そのためか、2人とも妥協することができなかった。
そんな2人に対し乃亜はこんなことを2人に尋ねる。
「ちょっとしたところなのにどうしてもめたりするの?」
これには、2人とも、
「「・・・」」
と黙ってしまう。
そんなわけで微調整という作業が途中で止まってしまった。これには、乃亜、
「いったいどうしたの?」
と双葉と鶴見にもう一度尋ねるも2人とも、
「「・・・」」
と黙ったままだった。
そんな2人を見てか、乃亜、こう思ってしまう。
(2人ともなにかを考えているんだ。もしかすると2人の考えの相違?)
そんな思いとともに乃亜は双葉と鶴見の2人にあることを聞いてみた。
「2人とも考えていることが違っているんじゃ・・・」
その乃亜の言葉を聞いてか、2人とも、
(こうなったら、私、自分の思いをさらけ出してやる!!)(双葉)
(私の意地をみせないと!!)(鶴見)
となにか吹っ切れたのか、自分の思いをそれぞれ口にした。
「ここにいるほかのグループより勝つものを作らないといけないんだ!!」(鶴見)
「いや、この曲を通じて楽しむことが大事なんだ!!」(双葉)
2人ともそれは自分の信念からによるものだった。鶴見からみた場合、
(スクールアイドルは勝利こそすべてなんだ!!だからこそ勝つためのものを作るんだ!!)
という思いが強く、双葉の場合、
(スクールアイドルは楽しむことがすべてなんだ!!だから、楽しむものを作らないといけないんだ!!)
と2人とも自分の信念がバラバラなために自分の考えを曲げずにやったものだった。
そんな2人をみてか、乃亜はこんなことを考えるようになった。
(私たちにとってスクールアイドルは楽しむことがすべてであると考えていた。だけど、鶴見の言う通り、勝利というものも少しは考えるものがある。私は一体どうすれば・・・)
と2人の思いに右往左往していた。乃亜はこの前のPWの戦いにおいてスクールアイドルは楽しむことがすべてであることを知った。だが、鶴見の考えも考える余地はあった。そのため、乃亜は少し戸惑いを感じてしまったのである。
そんな乃亜の対し、双葉、鶴見、ともにヒートアップする。
(勝つことこそすべてなんだ!!負けてなにも残らないんだから!!)(鶴見)
(楽しむことこそすべてなんだ!!じゃないとスクールアイドルをする意味がない!!)(双葉)
そのため、双葉、鶴見、ともに乃亜に対し強く主張する。
「勝つことのみを考えるべきなんだ!!じゃないとやる意味がないんだ!!」(鶴見)
「楽しむことを考えるべきなんだ!!じゃないとスクールアイドルをする意味がないんだ!!」(双葉)
この2人の言葉に、乃亜、
「2人とも落ち着いて!!話し合いましょう!!」
と言うもヒートアップした2人からは、
「指図しないで!!」(鶴見)
「黙ってて」(双葉)
と取り合ってもらえない様子。それどころか、
「それよりも、乃亜は私の方が正しいと思うでしょ!!」(鶴見)
「いや、私のほうが合っているでしょ!!」(双葉)
と自分が正しいことを乃亜に承認してもらおうとしていた。
だが、ここで終わらないのがこの物語である。そこに偶然通りかかった人たちによってさらにヒートアップしたのである。その人たちとは・・・、それぞれの先生たちであった。
まず気が付いたのは鶴見の先生、悪鬼だった。悪鬼は、朝、海岸を散歩しているなかで鶴見と双葉が言い争っているのが聞こえてきたのである。これには、悪鬼、
(おお、ここで言い争うなんて聞捨てなりませんね。鶴見の言う通り、勝つことがすべてなのです)
ということで悪鬼が参戦してきた。突然、双葉と鶴見の喧嘩に悪鬼が参戦してはこう言ってきたのである。
「鶴見の言う通り、勝つことこそすべてなのです。だかここそほかのグループに勝つことだけを考えればいのです」
この悪鬼の言葉に、鶴見、
「悪鬼先生・・・」
と喜びに満ちた言葉を言った。
一方、いきなりの悪鬼の乱入に双葉は、
「それはちょっと・・・」
と少しおじけづいたような感じがした。
だが、そんな双葉にも頼もしい援軍が来てくれた。それは・・・、
「いいえ、楽しむことがすべてなのです!!」
という女性の高々強い声が。これには、双葉、
「あっ、雪穂先生!!」
と喜ぶ。そう、双葉の助太刀に入ってきたのは雪穂だった。この雪穂の行動に双葉は少し不思議がる。
(でも、どうしていつもはおとなしい雪穂先生がここにきてこんな風になったの?)
そう、双葉の雪穂に対するイメージは物静かでそうでいて尊厳に満ちた姿であった。それくらい大声を出すこと自体雪穂にとってまれだったのである。
だが、このときの雪穂は熱くなる理由があった。それは今の雪穂の思いでによるものだった。
(「勝つことがすべて」という考えは間違っているのです。そこを正さないとこの生徒たちはその考えに染まっていくのです!!)
雪穂にとって今の状態はあまりに危機的なものとなっていた。雪穂はこれまで「スクールアイドルは楽しむことがすべて」という考えのもとでやってきた。それは今も昔も変わらなかった。だが、今、そこにいるのは「スクールアイドルは勝利こそすべて」という考えに染まっていた悪鬼であった。その悪鬼の魔の手から生徒たちを救い出す、いや、そう染まるのを阻止したい、そんな思いからだったのである。
そんな白熱する言い争いのため、乃亜はただ、
(これってどうすればいいの・・・)
とかなり悩んでしまっていた。そのためか、悪鬼、鶴見から、
「私たちの方が正しい。勝つことこそすべてなのだ」
と言われると同時に、雪穂、双葉から、
「いや、私たちが正しい。楽しむことがすべてなんだ」
と言われ、互いに攻められると、乃亜、
「そ、それは・・・」
となにも言えない状況になってしまった。
と、ここである人物がこの言い争いを止めに入ってきたのである。それは・・・、
「ちょっと待って、4人とも。ここは静かにして!!」
これには、双葉、鶴見、悪鬼、雪穂、ともに、
「「「「!!」」」」
と口どもってしまった。
そんな突然のことで乃亜は言い争いを止めに入ってきた人物をみてこう口にした。
「花樹先生!!」
そう、止めに入ってきたのは花樹だった。花樹は、双葉、雪穂と鶴見、悪鬼にこんなことを言った。
「4人とも言いたいことはよくわかりました。ですが、今は合宿の期間中です。その張り合いはしないでください」
これには、鶴見、
「でも、しかし・・・」
と言おうとするも、花樹、
「それは合宿が終わったあとで行ってください!!」
と言うと鶴見も、
「はい・・・」
と逆に黙ってしまった。
一方、悪鬼は花樹に対しこんなことを言った。
「ふんっ!!わが娘ながらそんなことを言えるようになったな」
と起こりながら言うと、花樹、そんな父親である悪鬼に対し、
「あなたと言い争いをする暇なんてないのです。今は、乃亜、双葉、鶴見とともに合宿をしている最中なのです。そこで言い争いをするなんて合宿の趣旨から離れてしまいます。今は合宿で1つの課題に取り組むのが先決です」
と今の状況を話してくれた。たしかに今は合宿の課題を取り組むのが先決であった。それをしないとはちょっとおかしいことであった。これには、悪鬼、そのことを思い出したのか、
「た、たしかにそうだが・・・」
とまずそうに話してしまう。
そして、花樹は悪鬼と雪穂に対してこんなことを言ったのである。
「私は鶴見と双葉、乃亜に話がありますのでお二人は帰ってください」
この言葉に、悪鬼、雪穂、ともに、
「ちっ、わかったよ!!」(悪鬼)
「それじゃ3人をお願いします」(雪穂)
と言ってはどっかに行ってしまった。
その後、花樹は乃亜たち3人に対してこんなことを言った。
「今は合宿中だから合宿のことだけを考えてください」
すると、鶴見、こんなことを言った、怒りながら・・・。
「言っておくが私は意見を変える気なんてないからね!!」
これには、双葉、
「私だって自分の意見を変える気なんてないよ!!」
とこちらも譲る気なんてなかった。
そのためか、乃亜、困惑しながらこんなことを言った。
「これじゃ先に進めないよ・・・」
そう、もとはといえば課題に対する振付について双方でもめていたのが原因だった。
すると、花樹は乃亜にあることを聞いた。
「ところで、合宿の課題の曲ってどこまでできていたの?」
これには、乃亜、花樹に対してこう答えたのである。
「ちょっとした微調整をすれば完璧になるのです」
そう、今もめているところを微調整すれば完璧なものができあがるあと一歩だったのである。ただ、今はその部分でもめていたのである。そのため、完璧なところまであともう少しというところで躓いていたのである。
そんな3人の様子を見てか、花樹、こんなことを言ってきたのである。
「それじゃ、今の課題をやめてほかのをやる?」
これには、乃亜、びっくりする。
「えっ、あともう少しで完璧なものができるのにこの曲をやめてしまうのですか?」
むろん、これには、双葉、鶴見、ともに、
「そ、それって・・・」(双葉)
「や、やめるなんて・・・」(鶴見)
と頭が真っ白になる。やめるときいてびっくりした、というかこれまでの苦労が水の泡とかすことを意味していたのだから・・・。むろん、乃亜からも、
「私はやめたくないです」
と意見を出す。
だが、それに対して花樹はこんなことを言ってきたのである。
「たしかにあともう少しで完璧なものができるけど、どちらとも一歩をひかないじゃない。なら、それをとりやめるのも大事な一歩だよ」
これには、乃亜、
「たしかにその通りだけど・・・」
とあまり納得がいかない感じに・・・。
とはいえ、どちらともひかないのであればそれはあり得る話のため、
(このままじゃどうすることもできないし、それしかないんじゃ・・・)(双葉)
(ここは仕方がないかもしれないです・・・)(鶴見)
と思ってか、
「それじゃ仕方がないね」(双葉)
「花樹先生のいうことを聞くことにしましょう」(鶴見)
とあまり納得してないものの花樹の言うことを聞くことにした。むろん、これには、乃亜、
「2人がそういうのなら・・・」
とこちらも納得していないもののその通りにするしかなかった。
そんな3人に対し花樹はこう言った。
「この課題はこれからの3グループの課題といえると思うよ」
これには、乃亜、
「これからの課題・・・」
と花樹の意味深な発言にちょっと気になってしまった。ただ、このときの花樹の発言がのちに大きな意味を持つようになるのはこのときの3人には知る由もなかった・・・。
とはいえ、合宿の課題に変わるものをしないといけない、これには、乃亜、
「でも、これからどうすれば・・・」
と悩んでしまう。
すると、花樹はある提案をしてきた。
「それだったらすでにある曲をやるのはどうかな。例えば、この島にかかわりのある・・・」
これを聞いた双葉、あることを思い出す。
「この島といえば九先生!!」
そう、九はこの九龍島の出身であった。それを思い出した双葉はあることを提案してきた。
「ならばね・・・」
その双葉の提案に乃亜も、
「たしかにその通りかも!!」
と双葉の提案に賛成の意をあげた。ただ、これには、鶴見、
(ん~、このままじゃ私の意思が廃る気がする。しかし、このままじゃ・・・)
と思ったのか、仕方なく、
「私もそれでいい・・・」
と言ってきたのである
こうして、これまでしてきた合宿の課題は将来への宿題になっただけでなくそれに変わるものをするようになったのである。
その後、乃亜は花樹に対してあることを尋ねた。
「双葉の言った通り、「スクールアイドルは楽しむことがすべて」であると私は思っていますが鶴見の言う通り「勝利こそすべて」も正しいことなのかな?」
すると、花樹は乃亜に対してこう言ってきたのである。
「たしかに乃亜の言う通り「スクールアイドルは楽しむことがすべて」が正しい考えだと思うけど、一部の人たちからは「勝つことこそすべて」が正しいと思う人もいる。その違いからこんなズレが起きてしまったんだ」
そして、花樹はこんなことを乃亜に言った。
「私もかつて「勝利こそすべて」という考えを持っていた。だけど、それによって大きな失敗をしたことがあるんだ。だからこそ、今は「楽しむことがすべて」だと思えるようになったんだ」
そう、花樹もかつては「スクールアイドルは勝つことこそすべて」だと思っていた時期があった。だが、それにより花樹は大きな失敗をしたことがあったのである。それはラブライブ!の決勝で相手である桜花率いるスクールアイドルグループに敗れたというものであった。その後、紆余曲折を経て花樹は「楽しむことがすべて」であると思えるようになったのである。
そんな花樹の言葉に乃亜はこう思ってしまう。
(花樹先生も自分の間違いをもとに今の考えになったんだ。だったら、私は「楽しむことがすべて」を大事にしていた方がいいのかも・・・)
そのためか、乃亜、花樹に対しこんなことを言ったのである。
「わかりました、花樹先生」
こうして乃亜は自分の考えを確立させたのであった。