こうして、最終日、
「はい、ありがとうございます」
と先生であるひろ子が前のグループをほめていた。初めて作曲するグループもいれば作曲を担当するメンバーのいるグループもいる。そのため、ちょっとつたないものもあればよりいいものを作り上げたグループもいた。ひろ子はそれを区別することなくほめていたのである。
そして、ついに乃亜たちのグループの番となった。これが最後のグループであるが・・・。ひろ子は乃亜たちに対してこんなことを言った。
「さぁ、乃亜さんたち、初めてください」
すると、乃亜はこんなことを大声で言った。
「私たちは合宿の課題をすることができませんでした」
これにはまわりのグループから、
「それって大丈夫なの・・・」
「どうしたのかしら・・・」
といった声が上がっていた。
だが、それでも乃亜は言った。
「そのかわり、まわりにいるこの島の人たちにこの歌をプレゼントしたいと思います」
この乃亜の言葉とともに乃亜たち9人はまわりを見る。そこには先生であるひろ子を始め、町長の多恵、校長の星子や副校長の氷、合宿の補助に来ていたたい子、めい、小明、さらに、合宿所の寮母となてちた春がいた。そして、双葉たち3人の先生である九がいた。その9人を見て双葉はこう言った。
「この曲はここにいる先生たち9人にとってとても思い出のある曲です。それを九先生たちに伝えたいと思います」
さらに、鶴見はこう言った、照れくさそうにしながら・・・。
「これはこの1週間教えてくれた先生たちに対する恩返しでもあります」
そして、9人はそれぞれのポジションにつくとこう言って踊り始めた。
「それでは始めます。「アイランドスターズ」」
九龍島編挿入歌「アイランドスターズ」
すすみつづける あしたの方へ
明日へとすすむ わたしたち
帆をあげて 前進していく
わたしたちは いつでもどこでも
永遠の チャレンジャー
まわりにいるグループは驚いた。
「これが昔のスクールアイドルの曲なの・・・」
「今とそんなに変わらない・・・」
そう、昔のスクールアイドルの曲なのだが今の感じに仕上がっていたのである。これには、多恵、大きく胸を打つ。
「そりゃそうだもん。私のアレンジなんだから」
というのも、乃亜たちは多恵にお願いをしてこの曲を今風にアレンジしてもらっていたのである。そのため、昔の曲ながらも今風の感じになっていたのである。
とはいえ、まだ、一メロ目のままである。まだまだ続くのであった。
たとえ迷って しまっても
心の中に 地図は持っている
だからこそ 前にすすむ
私たちは 絶対に
あきらめるものか!!
乃亜たちは9人の思いは多恵をはじめとするこの島のスクールアイドルだった人たちの心に刺さろうとしていた。
(これが私たちの曲・・・。とてもいいですね・・・)(星子)
(ほかの人から聞くのは初めてだけどやっぱりいい曲だなぁ)(めい)
(今、ここでこの曲が聞けるなんてとてもうれしい限りです)(たい子)
九を除く8人はとても目に涙を浮かべていた。まさかここで自分たちのこれまでの曲を聞くことができるとは思ってもいなかったから。むろん、この曲を事前にアレンジしていた多恵さえも、
(今、ここでこの曲を聞くことができるとは、アレンジした自分からしても本当にうれしい限りです)
と喜んでいた。
一方、乃亜たちにも心の変化があった。乃亜は一生懸命車椅子を動かしていた、こう思いながら。
「課題とは違うけど9にんでやるなんて楽しい!!もっとこの時間が続いてほしい!!)
また、智、紅奈もこう思っていた。
(これが9人で踊ることなんだ!!とても楽しい!!)(智)
(3人じゃ味わえない感覚だ!!これは凄いぞ!!)(紅奈)
その思いからか、3人の心は、
(((だからこそ)))(3人)
(心がつながるんだ!!)(乃亜)
3人の心はつながった・・・、その瞬間、
(あのときみたいに心がつながった・・・)(智)
(そう、私たち3人は一心同体!!)(紅奈)
それくらい3人の心は強くなったのである。
また、双葉たちも乃亜たちと同じ思いだった。
(これまでとは違う感じだ。もっとやってやる!!)(双葉)
(これこそナインパワーなのです!!なんかパワーアップするので~す!!)(メアリー)
(凄い、力、入る!!この、思い、みんな、届け!!)(ソフィア)
この思いにより3人は・・・、
(あのときみたいに・・・)(双葉)
((ココロ、コネクト!!))(メアリー・ソフィア)
3人の心はつながった。その瞬間、
(私たちのココロ、コネクトしました!!もう百人力で~す!!)(メアリー)
(私たち、やれる!!)(ソフィア)
(これこそ私たちの思いの結束だね!!)(双葉)
と3人の思いは1つにまとまった。
となると、2つの強い思いは一緒に・・・、
(なんかあっちに強い思いを感じる・・・)(乃亜)
(なんか強い思い・・・。これなら・・・)(双葉)
2つの強い思いはついに・・・、
(あともう少しで・・・)(智)
(コネクトするので~す!!)(メアリー)
ついに・・・、
(ほんの少し・・・)(紅奈)
(コネクト・・・)(ソフィア)
ついに・・・、
バタン!!
2つの強い思いはつながるところまできていた。だが、お互いを結びつける思いが弱かったせいか少しのヒビが入るだけで終わってしまった。
だが、そのヒビから互いの思いは漏れていた。その思いを感じとったのか、
(でも、相手たちの強い思い、少しでも感じとれるよ)(乃亜)
(このあついパッション、私、好き!!もっと楽しみたい!!)(双葉)
乃亜、双葉、ともに互いの熱い思いを感じとっていた。
そして、乃亜はこう思った。
(今度やるときはこの9人と心をつなげていきたい!!)
その思いは強きものだった。
だが、その思いとは裏腹に鶴見たちの思いはバラバラだった。
(勝つことだけを考えろ!!ここでは私たちが一番なんだ!!)(かほ)
(完璧にする!!完璧こそすべて!!)(美月)
一方、鶴見は別の思いをしていた。それは・・・、
(勝利こそすべてだ!!だけど、今は9人とやっているのが楽しい!!私、一体どうしたの?)
3人の思いにより心も体もバラバラだった。だが、その違いには差異あるものには感じることはなかった。それぞれの技量により3人は、いや、9人はまとまっていた。その結果、9人の動きはよりいいものになっていたのかもしれなかった。ただ、この違いはこの3人にしか、いや、鶴見しか感じ取っていなかったのかもしれなかった・・・。
そんな9人だったが双葉たちは九の方を向いてこう思ったのである。
(九先生、見ていてください。これからですよ!!)
こうしてサビへとつながっていた・・・。
絶対に見つかる 私たちの宝
それは(それは) 私たちの(私たちの)
キズナという 1つだけの宝
どんなことでも あきらない
私たちの宝は 永遠に光つづける
絶対に見つかる 私たちの宝
それは(それは) 私たちの(私たちの)
キズナという 1つだけの宝
どんなことでも あきらない
私たちの宝は 永遠に光つづける
私たちの心は 永遠に光りつづける
そして、曲は終わった。その瞬間、
ウォー ぱちぱち
というまわりからものすごい歓声や拍手が湧きあがった。これには、乃亜、
(やっぱりスクールアイドルはやるこそ意味があるんだ!!)
とやり切った表情をしていた。むろん、ほかの8人の同じような思いだった。
そして、双葉は九の方を見た、こう思いながら・・・。
(九先生、どうでしたか?)
すると九はとてもうれしそうな表情でこう言った。
「双葉たち、ありがとう。私たちにとっていい思い出になったよ」
そう、これまで九は多恵たちと離れて雪穂と一緒にスクールアイドルを教える活動をしてきた。それが今となって形となって現れたのである。それこそがこの合宿における最大の成果となったのである。
ただ、鶴見にもある変化があった。それは・・・、
(たしかに勝つことがすべてなんだ。だけど、今回のダンスは9人でやり遂げた。それはとてもうれしい。とても楽しかった。でも、それは果たしてどうなのだろうか。なんか苦しむ・・・)
鶴見にとって今回の出来事について少し考えることが起こったようである・・・。