函館の冬はとても早い。10月、函館の街は紅葉でいっぱいだった。そんななか、
「1,2,3,4,2,2,3,4」
と、乃亜、智、紅奈、ともにスクールアイドルの練習を行っていた。ラブライブ!地区予選突破に向けてである。6月のPWとの対決のときみたいにおぼつかなかった。ダンスも練習のおかげでふつうにできるようになっていた。ただ、それは練習に限っての話である。本番ではまだまだだった。ただ、その練習中にも少し異変が起きていた。それに気づいたのは車椅子の乃亜だった。
「乃亜はこっちに移動して。智はあっちに・・・」
と先生である花樹が乃亜たちに支持を出していた。
その最中、乃亜は紅奈を見てみる。すると、
「・・・」
とある一方を見ながら紅奈が止まってしまうのであった。いや、なにかよそよそしい雰囲気を紅奈は出していた。これには、乃亜、
(いったいどうしたのだろう?)
と紅奈のことが心配になってしまった。そのためか、乃亜は紅奈のほうをずっと見ていたのである。
そして、
「今日の練習は終わり!!」
というもう一人の先生である桜花の言葉とともに練習が終わった。その直後、乃亜は紅奈に対しあることを聞いた。
「紅奈、いったいどうしたの?練習に身が入っていない感じがしたよ」
すると、紅奈はこうこう答えた。
「えっ、それは・・・、えっと・・・」
言葉に窮してしまう紅奈。これには、乃亜、こう言ってしまう。
「なんかずっと智の方を見ていたよね。智となにかあったの?」
そう、紅奈は、練習中、ずっと智の方を見ていたのである。いや、智の方をずっと見てはもぞもぞしていたのである。これには、紅奈、
「それは・・・、それは・・・」
とまたもや言葉に窮してしまう。なにか言えないようなことだったのだろう。
そんな乃亜と紅奈を見てか、あの2人も中に入ってきた。
「いったいどうしたの?」(花樹)
「そういえば紅奈の様子がとてもおかしかったもんな」(桜花)
花樹と桜花だった。どうやら2人も紅奈の異変を感じていたようであった。
すると、紅奈、3人の気迫に観念したのかこんなことを言ってきたのである。
「それは・・・、なんかドキドキが止まらないのです」
これには、乃亜、
「でも、なんでドキドキしているの?なにか焦っているの?」
と紅奈に尋ねると、紅奈、
「いや、なにも焦っていないよ」
と答えた。これには、花樹、桜花、ともに、
「じゃ、どうしてドキドキしてしまうのだろうか?」(花樹)
「なぞですね・・・」(桜花)
と頭の上にはてなマークがつくくらい考えてしまっていた。
そんな紅奈であるが、ある方向を、智がいる方向を見ると、突然、
ドキドキ
という音がするくらい心臓が破裂しそうになってしまった。むろん、それにより、紅奈自身、
「・・・」
と顔が真っ赤になるくらいになってしまっていた。
そんな紅奈を見た乃亜、ないかを感じたのか、
「はぁ~」
という声を出すとともに、
(もしかするともしかして・・・)
と思ったのか、こんなことを紅奈に言ったのである。
「紅奈、もしかして・・・」
これには、紅奈、
「・・・」
と無言になると乃亜はついにあることを言ってしまったのである。
「もしかして、紅奈、智に、「恋」、しているでしょ!!)
これには、花樹、桜花、ともに、
「えっ、それ、本当!!」(花樹)
「本当に本当!?」(桜花)
と紅奈に真実を尋ねた。
すると、紅奈、こんなことを言ってしまう。
「私、なんか、智の方を見てしまうとドキドキしてしまうの」
これには、乃亜、こんなことを言う。
「それこそ、「恋」、だと私は思うよ」
これには、紅奈、
「これが恋・・・」
と言うと桜花がこんなことを言った。
「まさか紅奈が智に恋しているなんて・・・。これって百合なのかな、それとも男女の恋なのかな?」
これには、花樹、
「それはどっちかわからない。だって、智は生理的には女でも心理的には男だからな」
と言ってしまう。そう、智は(忘れているかもしれないが)生理上では女性なのでが心理的には自分のことを男だと智は思っているのである。なので、こんな心配も起きてしまったのである。
とはいえ、紅奈はこんなことを言った。
「私が智に恋している・・・」
その言葉を介してか乃亜はこんなことを紅奈に尋ねたのである。
「でも、どうして紅奈は智を見てドキドキしていたのかな?」
これには、紅奈、その成り行きを話すことにした。
「最初はPWとの戦いのときに言った智の一言だったの」
そう、PWの戦いのときに自分の殻に閉じこもった紅奈に対し智は、
「紅奈、僕が紅奈の分までその責任を負ってあげる。絶対に紅奈のことを幸せにしてみせる!!」
の言葉により紅奈は自分の殻から飛び出すことができるようになったのだが、それを同時に智のことを恋愛対象みたいにみえてしまったのである。その証拠に、このとき、紅奈は「どきっ」という思いしたのである。
そんな智の言葉を胸に紅奈はこんなことを言った。
「九龍島のときはいろんなことがあってそんな思いはなかったけど、九龍島から戻ってきたときから自分もそう思えるようになってきたわけ」
たしかに九龍島のときは、双葉たち、鶴見たちPWとともにいろんなことをしていた。そのため、自分の智に対する思いはそこまでなかった。だが、それが過ぎると紅奈の智に対する思いは日に日に強くなってきたのである。
そんな紅奈の思いに対し乃亜はこんなことを言ってしまう。
「でも、紅奈が智に恋するなんてとても凄いことだと思うよ」
これには、紅奈、
「それってどうして?」
と乃亜に尋ねると乃亜はこう答えた。
「だって、2人ともとても合っていると思うからだよ」
まぁ、たしかにその通りかもしれなかった。自分の信念を曲げることがない智に対し紅奈はまわりのフォローをするとことが得意であった。そう考えると智と紅奈はベストカップルといってもよかったのである。
そんな乃亜の一言に紅奈はこう考えてしまう。
(まさか自分が智とベストカップルになるなんて・・・)
どうやらまんざらでもない様子であった。そのためか、紅奈、少し照れてしまう。
そんな紅奈に対し乃亜はこんなことを言ってしまう。
「それだったら智に告白したらどうかな?」
智に告白!?その言葉に紅奈はこう言ってしまう、照れながら・・・。
「それってちょっと恥ずかしい・・・」
その言葉に、花樹、桜花はこんなことを言ってしまう。
「告白とは大胆な・・・」(花樹)
「告白自体ありなのかな・・・」(桜花)
2人からしても告白というのは躊躇してしまうようである。特に智にとってみれば・・・。
だが、乃亜は違った。
(このままじゃ紅奈の思いが叶わななくなっちゃう)
乃亜からすれば紅奈の思いを無下にしたくない思いが強かった。智も紅奈も同じグループのメンバーである。そんな大事なメンバーの思いを絶対に叶えてほしい、そんな思いで乃亜はいっぱいであった。
そのためか、乃亜、紅奈に対しこう叫んだ。
「絶対に智に告白すべきだよ!!じゃないと、紅奈、きっと後悔するよ!!」
この乃亜の言葉に、紅奈、
(たしかにその通りかもしれない。自分の思いに正直にならないと・・・)
と思ったのか、
「たしかにその通りだね。早いうちに智に告白するね」
と自分の決意をあらわにした。ただ、このときの花樹と桜花はこんな思いをしていた。
(でも、本当に大丈夫なのかな?そう簡単なことじゃないと思うけどなぁ~)(花樹)
(なにか問題が起きてもおかしくないと思う。だって、智は・・・)(桜花)