だが、こんなときだからこそ最悪の事態になりえてしまうものである。というのも智に告白しようと決めた紅奈に大変なことが起きたのである。そのことを決めた日の夜、唯奈の父親からこんな話が切り出されたのである。
「紅奈、お前には私が決めた相手と結婚してもらう」
これには、紅奈、こんなことを言う。
「えっ、なんでそうなるの?」
そんな紅奈に対し紅奈の父親はこんなことを言った。
「お前はあの人の息子さんと結婚したもらう。そうすることで私たちホテルグループとしての基盤をより強固にすることができるのである」
どうやらその人の息子と政略結婚することで自分たちホテルグループの基盤をより強固にしたいみたいである。むろん、これには、紅奈、
「私にはなにも聞かないの?そんな結婚、いやなんですけど・・・」
と反論する。そんな紅奈に対し紅奈の父親はこんなことを言い返す。
「言っておくがお前は私たちにとてただの道具にしか見えていないのだ。その道具をどう使おうと私たちの勝手である。そのことを忘れるなよ」
だが、それでも紅奈は自分の父親に反抗した。
「私はただの道具ではない。紅奈というちゃんとした名前だってあるんだ。なのに、どうして道具としか扱ってくれないの?」
そんな紅奈の反抗はむなしく紅奈の父親はこんなことを言ってきた。
「言っておくがお前に結婚させるのはただの男ではない。あの小原財閥の総帥の息子なんだからな!!」
これには、紅奈、驚いてしまう。というのも・・・、
(あの小原財閥の総帥の息子!?それって私の父親からみたら喉から欲しい人じゃない・・・)
と思ってしまうくらいだから。まぁ、この物語群を知っている人たちならもうお気づきであろう。紅奈の言う小原財閥というのはあの小原財閥のことである。小原財閥、世界的な財閥である。そして、あのAqoursの小原鞠莉が今の総帥になっていたのである。その小原鞠莉の息子と結婚することになればたしかに紅奈の父率いるホテルグループの基盤はより強固になるのである。いや、それ以上にさらなる発展が期待されているものである。それくらい紅奈とその小原財閥の総帥の息子との結婚は紅奈の父親からすれば喉から手が出るくらいとてもほしいものだったりするのである。
ただ、紅奈も昔のただの紅奈の、自分のことをただの道具としかみていなかったひと昔の紅奈とは違っていた。今は一個人として確立している紅奈がいるのである。そんな紅奈ということもあり紅奈はすぐさま反抗に転じた。
「たとえ小原財閥の総帥の息子さんと結婚させようとしても私としてはいやである。私はただの道具ではありません。私には船見紅奈というちゃんとした一個人なのです。それをただの道具としかみずにまったく知らない人と結婚させるなんてどうにかしているだけです」
だが、そんな紅奈の反抗むなしく紅奈の父親の考えは変わるものではなかった。むしろ、
「言っておくがこれは私たちにとってホテルグループの発展という命題のもとで動いているんだ。お前一人の考えなんてたかが知れている。それよりも私たちの道具として活用させてもらうだけだ!!」
どうやら、紅奈の父親はやる気のようである。どう紅奈が反抗しようにも紅奈の父親は紅奈を小原財閥の総帥の息子と結婚させようとしているのである。
そんな父親のやる気をみて紅奈はわらにもすがる思いで自分の母親にお願いした。
「母さん、どうか父親を止めてください。母さんなら私の言うこともわかるでしょ・・・」
だが、紅奈の母親も情け容赦ない言葉を言ってくる。
「紅奈、お前は私と同じように決められた相手と結婚するべきなのです。だって私もあなたと同じ道具なのですから・・・)
どうやら紅奈の母親も紅奈と同じく政略結婚により嫁いできたようである。それは自分のことを道具としてみてこなかった、というところもあった。だが、それにより今の自分たちみたいに北海道におけるホテルグループのより強固な基盤を作った、いや、発展させてきたという経験則が成り立つという思いによるものだった。そう、紅奈の母親はただの道具として紅奈の父親に嫁いだことにより今の地位までに上りつめたといっておかしくなかったのだ。
そんなこともあり紅奈はただ一人あがいていた。だって・・・、
(母さんもあてにならない。ならば、明日、私は決めてやる。決めてやるなら決めてやる!!)
となにかを決めたような感じになっていたのだから。それは紅奈にとって今唯一自分を救える手だてだったのだから・・・。