翌日、さっそく紅奈は智に対してこんなことを言った。
「放課後、学校裏にやってきて」
これには、智、
(いったいなにをするんだろうか、紅奈は?)
と不思議そうになるもすぐに、
「わかった」
と承諾をしたのである。一方、紅奈の方はというと、
(必ず決めてやる!!じゃないと、私は・・・)
となにかを決意していたような雰囲気を出していた。
そして、放課後、学校裏には紅奈がただ一人立ちつくしていた。こう思いながら・・・。
(私は絶対に決めてやる!!決めるったら決める!!)
そんななか、智が現れた、こう思いながら・・・。
(いったいなにをするんだろうか?でも、一人でいるのだからなにか大事なことだろうな)
智からすれば紅奈に呼ばれる理由がわからないものだった。だが、それでも重要なことに間違いない、こう智は思えたのである。
その後、紅奈のところに智が近づくと紅奈はこんなことを言った。
「智、私、あなたに言いたいことがあるの」
これには、智、
「いったいどんなことなんだ」
と紅奈に言うと紅奈はついに智に対して一世一代の大勝負をかけてきた。
「智、私、あなたのことが大好きです!!付き合ってください!!」
その瞬間、智、
どきっ
という心踊るような感じがするとともに、
(紅奈が僕のことが好きなんだ。とてもうれしい)
という思いがいっぱいとなった・・・のだが、一瞬、こんなことを思ってしまった。
(でも、それってどっちの自分なのかな?どっちの自分が好きなのかな?)
そう、これは智にとってとても重要なことだった。だって・・・、智は・・・、
「僕もうれしいよ。でもね・・・、
紅奈はどっちの自分が好きなのかな?男としての自分?それとも女としての自分?」
そう、これは智だからこその問題であった。智は生理上は女ではあるが智自身は男として自分をみているのである。その意味でも紅奈はどっちの自分を好きになったのかが気にしても仕方がないことだった。
そんな智の突然の問いに紅奈は戸惑いをみせる、この思いながら・・・。
(たしかに智は男だけど、でも、それを抜きにすると智は女でもある。そう考えると、私、どうしたらいいの・・・)
紅奈は智のことを男だと思っている。だって、智は自分のことを男だと思っており紅奈もそれを尊重してきたのである。だが、生理的には女子であるため、そう考えると紅奈も智のことを女子としてみてしまうところもあったりする。例えば、トイレもその一つだったりする。智は自分のことを男だと思っているため、男子トイレを使いたくなる。だが、見た目は女子であるため、智は仕方なく女子用トイレで我慢するしかなかった。その意味でも智は生理的にも女子である以上、紅奈には智をそう扱わざるをえなかったのである。そんなこともあり、頭のなかでは智のことを男だと思ている紅奈にしても女子としてみてしまったりするものである。
そんなこともあり、紅奈は智に対して、
「それは・・・、それは・・・」
と言葉に窮してしまうことになってしまった。
そんな紅奈をみてか、智はこう考えてしまった。
(やっぱり、紅奈は僕のどこが好きなのかわからないんだな。それじゃ話にならないよ)
とあきれてしまっていた。智からすれば紅奈が智のどこが好きなのかわからない以上、紅奈は智に対しこたえることができなかったのである。そのため、智は紅奈に対しもう一度同じ同じ質問をした。
「紅奈、僕を男として好きなのか、それとも、女として好きなのか、どっちなの?」
むろん、この智の問いに紅奈はただ、
(私にとってどっちの智が好きなの?男としての智?それとも女としての智?どっちなの?)
と頭の中がパニックになってしまった。やっぱり紅奈にしてもこの智からの問いには予想だにもしていなかったのかもしれなかった。
そして、智はそんな紅奈に対しある思いをもってしまう。
(たしかに紅奈の告白はうれしかった。でも、どっちの自分が好きなのかわからなければどうすることもできない。それなら仕方がないことだよね)
その思いとともに智は紅奈に対しこんなことを言った。
「ごめん。紅奈の告白を受け入れることはできない・・・」
これには、紅奈、
(えっ、それってどうして・・・)
という思いとともに、
「うぅ、なんでなんだよう・・・。とても悲しいよ・・・」
と泣き出してしまった。
一方、智はそんな紅奈に対し、
「紅奈、すまない・・・」
という言葉とともにその場をあとにした。だが、智はこんな思いになってしまっていた。
(紅奈からの告白はうれしかった。でも、どうして、僕、紅奈に対してそんなことを言ってしまったのだろうか。どうして・・・、どうして・・・)
智自身、紅奈の告白で心動くものがあった。だが、智は抜本的なことを聞いたことにより紅奈のことを傷つけてしまった、そのことに智は悔いを感じていたのである・・・。
翌日・・・、
「ねぇ、紅奈、どうなったの?」
と練習前に紅奈に尋ねる乃亜。すると、紅奈はこんなことを言った。
「なんのこと?」
これには、乃亜、さらにこう答える。
「告白のことだよ!!」
すると、紅奈、こう答えた。
「玉砕してしまった!!」
これには、乃亜、
「えっ、どうして?」
と聞き返すと、紅奈、
「さぁね、わからない」
と軽く返していた。
そのあと、智と合わせての練習をすることに。
「1,2,3,4,2,2,3,4」
とラブライブ!地区予選に向けたフォーメンションの練習をしている最中、乃亜はふと智と紅奈の方を見た、こう思いながら。
(昨日の今日のことだから気まずくないかな・・・)
ところが、そんなことはなかった。それよりも、
「智、少し遅れているよ!!」
と紅奈が智に注意すると智も、
「あっ、ごめん」
と謝っていた。これには、乃亜、
(ふ~、これなら大丈夫だね)
と安心の様子。
そんな紅奈であるが心のなかではこう思っていた。
(失恋したんだしちょっと悲しいかな。でも、昔は昔、今は今。今を頑張ろう)
と失恋を乗り越え気丈にふるまおうとしていた。
一方、智はというと、
(昨日、紅奈のことをふったけど今は同じグループの一員だ。そのことのみ考えることにしよう)
と昨日のことすら忘れ同じグループの一員として頑張ることを決意したようである。こうして昨日のことすら抜きにしてまい進する3人。この日のフォーメーションはこれまで以上の出来を示すものであった。
こうして、3人は練習を続けて迎えたラブライブ!地区予選、完璧に仕上げてきた3人はここで本領を発揮し、無事に地区予選を突破することができたのである。