ついにスクールアイドル部の部員は2人になった。これには、花樹、
「これでパフォーマンスのレパートリーが増える!!」
と喜んでいた。
そんななか、紅奈は新人である乃亜に対し、
「スクールアイドルとはね・・・」
とスクールアイドルとしての心構えを説いていた。これには、乃亜、
「うんうん」
とうなずきながら聞いていた。乃亜にとってこれが初めての・・・、
(へぇ~、これがスクールアイドルっものなんだね!!)(乃亜)
スクールアイドルとして初めての作業というものであり目をキラキラさせていた。
だが、ここで1つ問題が・・・、避けて通れない問題がでてきた。それは・・・。
「それじゃ、まずは合わせるから適当に踊ってみて」(桜花)
と乃亜と紅奈に対して適当に踊るように桜花が指示を出した。というもの、こうなったのも花樹のある一言が原因だった。紅奈が乃亜に対してスクールアイドルとしての心が絵を説いている最中、花樹はあることを考えていた。それは、
(う~ん、車椅子のメンバーを入れてのダンスってできるのかな・・・)
そう、車椅子のメンバーを入れてのダンスができるのか不安になっていたのである。そこで、花樹、桜花を呼び、
「ところで、桜花、車椅子のメンバーを入れてのダンスをちょっとやってみて」
と言ったら、桜花、
「わかった」
と言っては乃亜と紅奈に対して適当に踊るように指示したのである。
そして、適当に踊る乃亜と紅奈。すると、案の定、予想していたことが起こった。それが・・・、
ガチャ ドチャ
「あっ、紅奈さん、ごめんなさい」(乃亜)
「ううん、いいのよ」(紅奈)
ドカッ バタッ キャー!!
「う~ん」(紅奈)
「紅奈さん、ごめんなさい!!」(紅奈)
なんと、車椅子を一生懸命操作しながら踊る乃亜と普通に踊っている紅奈がぶつかってしまったのだ。というのも、乃亜はただ手だけで踊るだけでなく車椅子を動かしながら自分なりに踊っていたのだがそうとは知らずに踊るので精一杯の紅奈も動いて踊っている、というわけで2人はぶかってしまった、というわけである。で、しまいには紅奈が乃亜の車椅子にぶつかって尻もちをするまでに・・・。これには、花樹、
「想像まではしたがここまでひどいことになるなんて・・・」
と呆れてしまっていた。むろん、桜花も、
「ハハハ・・・」
と苦笑いするしかなかった・・・。
第3話 僕は男だ!!
というわけで、聖女のスクールアイドル部に新たなる問題が浮上してしまったのだが、これは花樹たちにとって死活問題となっていた。というのも・・・、
「このままじゃラブライブ!どころじゃない・・・」(花樹)
「たしかにそうだね・・・。ダンスができないスクールアイドルじゃな・・・」(桜花)
そう、このままじゃ乃亜たちはダンスせずにただ歌うだけのスクールアイドルグループになってしまうのである。スクールアイドルは歌って踊るのが基本・・・なのでこのままだと乃亜たちはただの歌うだけのスクールアイドルグループになってしまうのである。まぁ、リトグリみたいに乃亜と紅奈が歌うことに特化したグループもありはありなのだが・・・、現状、リトグリみたいに乃亜と紅奈は歌が特にうまい・・・というわけでないのでそれはできないこと・・・といってもいいのかもしれなかった・・・。
そんなわけで・・・、
(う~ん、どうしたらいいのだろうか・・・)
と花樹が相当悩むくらい困っていた・・・。と、ここで、桜花、
(あっ、そうだ!!)
とあることを思いつくと花樹に対しこう提案してきた。
「だったら2人をソロとして活躍してみたらどうかな?」
たしかに現状としてはいい案である。ニジガクみたいにソロで活躍すれば2人で合わせる必要がないのである。そうすればこんなに悩む必要はないしぶつかる心配もない。
ところが、花樹、それに対してこう言い返す。
「たしかにいい案だけど、それで乃亜と紅奈が納得するのかな?」
そう、まずスクールアイドルである乃亜と紅奈の意見を聞くべき、というのである。たしかに花樹たち先生が勝手にそのことを決めてはとうのスクールアイドルである乃亜と紅奈の2人の意見を無視したことになる。それだと乃亜たち2人のとって納得がいかない、というものである。
そんなわけで、花樹、乃亜と紅奈の2人にそれについて尋ねてみた。
「ふたりとも、ソロで活躍してみたらどうかな?」
すると乃亜と紅奈2人とも首を横に振るとともに花樹と桜花に対しこう反論した。
「私としたらソロよりも紅奈さんと一緒にやってみたいです!!」(乃亜)
「ソロでやるよりグループでした方がいいのでは・・・」(紅奈)
乃亜からすれば、
(このままたった1人でやったらこれまでと同じ!!それよりも紅奈さんと2人でやった方が楽しそうだもん!!まえみたいにたった1人だったら寂しいもん!!)
とこちらは1人よりも2人でやったほうが楽しいと思っている模様。というのも、乃亜はこれまでいろんな大会で優勝してきたものの、いつもたった1人でやっていたため、ちょっと寂しい思いでしてきたのである。だが、スクールアイドルとしてやる以上、紅奈と2人でやった方が楽しい、そう乃亜が思ったのである。
一方、紅奈からすれば・・・、
(私はただの道具・・・。ただ、ソロでやるよりかはグループでやったほうがいいかも・・・)
こちらはいつもの通り・・・なのだが、スクールアイドルといえばソロよりもグループというイメージが強いせいかこちらとしてもグループとして活動したほうがいいと思っているようだった。
そんなわけで、2人から反対意見が出たため、桜花、
「まぁ、2人がそう言うのだったら仕方がないね・・・」
と自分の案をひっこめてしまった・・・。
とはいえ、このままだとどうすることもできない、というわけで、4人は考えることに・・・。「こうすればいいんじゃないかな」(桜花)
「たしかにそうだけど・・・」(花樹)
「やってみるしかないですよ!!」(乃亜)
「私もそう思う・・・」(紅奈)
そう言っては考えついたものをかたっぱしにやってみることに。でも・・・、
ガチャ ドウァ~ン
「痛い・・・」(紅奈)
「紅奈さん、ごめんなさい・・・」(乃亜)
と車椅子の車輪の部分が紅奈の足を踏みつけるなど、いくら試行錯誤を繰り返してもいつも失敗してしまう・・・、そんなことが続いていた・・・。
そんな失敗もあり花樹はネットで車椅子のアイドルとしてのパフォーマンスがないか調べることに・・・。でも・・・、
「う~ん、なかなかいい動画がない・・・」(花樹)
そう、車椅子のアイドルがダンスをする動画などがあまりなかったのである。たしかに車椅子のアイドルは少なからずいるのだがそのアイドルの動画はあまりあがっていなかったのだ。そのため、どうすれば車椅子の乃亜もパフォーマンスができるのか悩んでしまう4人。
「う~ん、どうすればいいんだ・・・」(桜花)
「打つ手なしか・・・」(花樹)
「私が車椅子じゃなければ・・・」(乃亜)
「乃亜さん・・・」(紅奈)
ついには乃亜が泣き出す始末・・・。
そんな4人をこっそりと見る人がいた。それは・・・、
(ふ~ん、栄光と実績のあるスクールアイドル部といったけど、所詮、こんなもんなんだ・・・)(?)
と思いながら見るズボン姿の生徒。その視線を感じたのか、花樹、
(あれっ、誰かに見られていたような気が・・・)
とその視線のもとをこっそりとたどっていく。すると、花樹、そのズボン姿の生徒を見てこう叫んだ。
「君、もしかして、スクールアイドル部入部希望?」
すると、そのズボン姿の生徒はすぐに、
「そ、そんなわけないだろうが!!そんな女性がやるようなこと、僕がするかよ!!」
と叫んではすぐにその場から去ってしまった。これには、花樹、
「あの生徒って誰だろう?」
と不思議に思ったのかすぐにそのズボン姿の生徒を追うことにしたものの・・・、
「く~、どっかに行ってしまった・・・」
と悔し顔に。どうやら追いつくことができずにいたようだった。
だが、花樹はすぐにこう考えることにした。
(こんな狭い学校のなかだ。すぐに見つけることができるはずだ・・・)
このときの花樹は獲物を狙うような目をしていた・・・
その翌日・・・、
「え~と、ここは温暖気候になっていて・・・」
と花樹は2年のある教室で地理の授業をしていた。花樹と桜花は忙しい理亜に代わってスクールアイドル部の講師・・・というかコーチとして聖女にやってきた。ただ、外部委託ではなく本当の先生・・・というかクラスの担任を持たない、つまり、講師としての位置づけとして聖女に勤めていたのである。というのも、このご時世、学校の先生の労働時間が問題となっており、聖女の部活も顧問の先生以外に外部委託というかたちでコーチをつけることが多くなったのでスクールアイドル部も外部委託でコーチをつけることもできたのだが、花樹と桜花はこれでも教師の資格を持つもの、なので、外部委託となれば資格の持ち腐れ、ということで、理亜の計らいもあり、花樹は地理の、桜花は音楽の講師として教鞭に立っている、というわけである。まぁ、桜花の場合、小さいときから音楽のセンスを磨くために音楽教室に通っていたこともあり、また、高校、大学、そして、今も音楽を学び続けていることもあり、音楽の講師、というのもありなのだが、逆に、花樹の場合、なぜ地理かというと、もとから地理が好きだった・・・というわけ、でもなく、高校の時、スクールアイドルとして全国各地へと飛び回っていたからだった。SNOW CRYSTALとしてラブライブ!で優勝した花樹、その後、全国各地の祭りに呼ばれるようになったのだが、そのときに全国各地の名所や名物などを見ては食べたりしたのである、花樹が・・・。そんな全国各地のものを見ていくなかで花樹はそれを多く広めたい、ということで地理の先生を目指すようになった・・・というわけである。そのためか、花樹の授業の最中にも、花樹、
「たしか・・・、ここの名物は八つ橋だったはず・・・」
と逐一その地方の名物を言っては生徒たちから、
「あれっ、また食べ物の話ですか~」
とからかわれることが多かった。
そんななか、花樹はある生徒に目をひく。ほかの生徒がスカートなのに1人だけズボン姿だったのだ。これには、花樹、
(あの子って、たしか、昨日、スクールアイドル部をこっそり見ていた娘だよな・・・)
とその子が昨日の子であるとわかったのである。
そして、花樹はその子に対して、
「それでは・・・、ズボン姿の・・・」
と言ったとたんに、
キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン
と授業が終わるベルがなってしまった。そのため、花樹、
「それでは今日はここまで。絶対に復習と予習をしてくるように」
と言っては授業を終わらせた。
その後、花樹はそのクラスにもう1度見に行くとズボン姿の生徒のところに人だかりができていた。そんなズボン姿の生徒はまわりに対し、
「そこはたしかこうすれ解けるはず」
「う~ん、たしか、僕からすればこうすればいいはず」
といろいろとアドバイスを送っていた。それどころか、
「ね~、今日、おかし作ったけどどうかな」
と2年の女子生徒から言われるとそのズボン姿の生徒は、
「うん、ありがとう。あとでおいしく食べておくからな」
とお礼を言ってはその2年の生徒はすぐに、
「うわ~、王子様からお褒めの言葉を頂いたよ!!」
と嬉しい悲鳴をあげていた。
そんなズボン姿の生徒を見ては、花樹、その生徒のことをこう感じていた。
(あのズボン姿の生徒ってまわりの人たちに対して優しいんだな・・・)
花樹はその子がとても優しい子だであると思ったようである。たしかにそのズボン姿の生からはその優しさが伝わっていた。いろんなな生徒たちに対して優しく接しており、そこから悪意のあるようにはみえなかったのである。
そんなわけで、花樹、意を決してそのズボン姿の生徒に声をかけることに。花樹、そのまま教室に入るなりズボン姿の生徒に対して、
「ちょっといいかな?」
と声をかけた。これにはまわりの生徒たちから、
「うわ~、もしかして、花樹先生、あの子のことが・・・」
「うんうん、そうかも・・・」
と黄色い悲鳴をあげる。というのも、花樹、生徒たちから「かっこいい先生」と言われていたのである。花樹はいつもシャツにスラックスといったまるで男のような恰好をていたのだ。そんため、まわりからは「聖女で一番かっこいい先生」とまで言われるようになっていたのである。そんな花樹がそのズボン姿の生徒に個人的に声をかけた・・・、ということはまさかのあっち系にいくのでは・・・という淡い期待があったのである。
だが、そのズボン姿の生徒はすぐさま花樹に対しこんなことを言ってしまう。
「先生、どっかいってくれ!!もう聞きたくないんだ、「女らしくしろ!!」って!!いやなら僕がどっかいく!!」
これには、花樹、
「えっ・・・」
と言ったもののそのズボン姿の生徒はその言葉を置き土産としてそのままどっかに行ってしまった。これには、花樹、
(えっ、これってどういうことなんだ・・・。それに「女らしくしろ」って・・・。なんなんだ・・・)
そんな花樹に対しまわりにいた生徒たちからは、
「花樹先生、どんまい!!」
「いつも智ってこんな感じなんだよね、先生たちに対しては。だから落ち込まないでね」
と励ましていた。
だが、ここで、花樹、その生徒たちの言葉であることを知る。それは・・・、
(えっ、その(ズボン姿の)生徒っていつも先生にはそんな対応をとるなんて・・・)
そう、そのズボン姿の生徒はいつも先生たちにはそっけない態度をとっていたのである。これには、花樹、
(きっと、あの子(ズボン姿の生徒)、先生たちに対してそっけない態度をとるにはなにか理由があるはずだ。それに「女らしく」って・・・。俺、その子のことをもっと知りたい!!)
と思ったのか、まわりの生徒たちに対してあることを尋ねてみた。
「ところで、君たち、あの子のことで聞きたいことがあるのだけど・・・」
放課後・・・、
「なんで私にすべてを押し付けるわけ!!」(桜花)
と桜花に今日の部活のことをすべて押し付けた花樹はそのまま聖女の裏庭に行くことに。すると・・・、
「やっぱりここにいたんだね、2年の千歳智くん・・・」
と、花樹、そこにいる生徒に声をかける。その生徒は昼と同じくズボン姿・・・。つまり、この子は、昨日、花樹から逃げたズボン姿の生徒であった。そして、その生徒はなぜか1人でダンスの練習をしていたのである。
そのズボン姿の生徒に対し花樹はこう話す。
「なんかダンスの練習をしていたね。とてもかっこよかったよ」
花樹、なぜか女言葉で話す。ただ、それは花樹の普通のことではなかった。花樹は一人称を「俺」というくらい男言葉で話すことが多かった。ただ、その場合、初めての人に花樹みたいな男言葉を使ってしまうとその初めての人は驚いて委縮してしまう、というわけで、花樹、初めて会う人を含めてよそでは女言葉を使うことが多く、身近な人、もしくは学校内では男言葉を使うことが多かった。
とはいえ、花樹はそのズボン姿の生徒のダンスをべた褒めしていた。というのも、花樹、
(う~ん、このダンスはプロ級だ。そんなのほんの少しかじっただけじゃこんなにうまくはない。ずっと長年練習してきたのかもしれない。そのくらいこの生徒のダンスは素晴らしい)
と思えるくらいその生徒のダンスはプロ級の腕前だったのである。
そして、花樹はそんな生徒を見て確信する。
(この生徒がスクールアイドル部に入ればダンスのレパートリーが増えるし今の現状を打破できるかもしれない!!そうだ、この子をスクールアイドル部に入れよう!!)
そう、花樹、その生徒がスクールアイドル部に入ればきっとうまくいく、と考えたのかスカウトする気満々だったのである。花樹はこうみえてもスクールアイドル部のコーチである。なので、ダンスの知識はある、いや、見る目はあった。そして、このズボン姿の生徒のダンスは天下一品、そのダンスの技術や知識をスクールアイドル部に活かせたらきっとすべてがうまくいく、そう花樹は考えていたのである。
だが、花樹から智と言われていたズボン姿の生徒は花樹に対しこう言い返す、怒りながら・・・。
「そんなことなんて言わなくてけっこう!!褒めなくてもいいんだ!!ほっといてくれ!!」
これには、花樹、こう言い返した、女言葉で・・・。
「別におちょくっているわけじゃないんだよ。ただの本心なんだよ・・・」
ところが、そのズボン姿の生徒、どうやら頭にきているらしく、花樹に対して暴言を吐く。
「そんなの関係ない!!僕は先生たちのことが大嫌いなんだ!!」
この言葉に花樹はその生徒にあることを尋ねた。
「えっ、それってどういうことなの?」
すると、その生徒は怒りながら花樹に対してこう言った。
「いつも「女らしくしろ!!」って言ってくる!!お前もその部類の1人なんだろ!!」
これには、花樹、
「それは別に・・・」
と言おうとすると、そのズボン姿の生徒、花樹に対し、
「「女らしくしろ」て言われるなんてもういこりごりなんだ!!お前がどっかに行かないなら僕がどっかにいくからな!!」
と言い放つとどっかに行こうとしていた。
だが、ここで花樹はそのズボン姿の生徒をほっとくことはなかった。花樹、
(もう我慢できない!!これは使いたくなかったがここは俺のやり方で通してもらう!!)
と思ったのか、いきなり、その生徒に対し、
「こらっ、少しは俺の言うことを聞きやがれ、この青二才が!!」
と怒鳴ってしまう。どうやら、花樹、この生徒の態度に腹が立ったようである。もしくは、ついに花樹の堪忍袋の緒が切れたのかもしれない。もちろん、これには、その生徒、
「えっ!!」
とぽかんとなってしまうも、花樹、かんぱちをいれずにさらにその生徒に対し追撃をかける。
「少しは他人の言うことを聞きやがれ!!言いたいことが言えないだろうが!!」
これにはその生徒に対して痛烈な一発・・・にならずその生徒は花樹に対してこう言い返した。
「そんなの関係ない!!僕は先生たちや親からの戯言なんて聞きたくないんだ!!」
戯言・・・、そんな言葉が飛び出してきた。これには、花樹、
(これが戯言だって・・・。戯言じゃない!!)
と思ったのか、さらに反論!!
「戯言だなんて言うな!!これは戯言じゃないんだから聞け!!」
ところが、ズボン姿の生徒、花樹にさらにくってかかる!!
「大人の言うことはただの戯言なんだ!それを言うのだったらどっかに行け!!」
この言葉に聞いて花樹はあることを確信した。それは・・・、
(あの子、相当の負けず嫌いなのかもしれない。だから、俺のことを張り倒そうとしているんだ)
そう、その生徒は相当の負けず嫌いなのである。って、そんなの関係ない・・・というわけではなかった。どうやら、その生徒、花樹との口論に負けたくない、自分の意思を押し通そうとしている、そう花樹には感じたのである。
と、ここで、花樹、こう考えることにした。
(このままじゃどちらかが折れない限りこの口論は続いてしまう。なら、ここは押しにいくのではなく引くことにしよう)
どうやら、花樹、このままいけば埒が明かない、なら、押してダメなら引いてみよう、作戦でいくようである。
というわけで、花樹、その生徒に対しこんなことを言い出してきた。
「ところで、君、なんで大人の言うことを戯言だって言うんだ?」
すると、その生徒、すぐにこんな反応をした。
「いつもいつも先生や親から同じことを言われているんだ!!それは僕にとってみればただの戯言なんだ!!だから、お前もその人たちと同じことを言うんだろ!!」
この言葉に、花樹、あることを悟った。
(もしかして、この子が言いたいことは「女らしくしろ」と関係があるんだね。ということは、その子のまわりにいた友達が言っていたこととがっちり合うな!!)
どうやら、花樹、その生徒が抱えているもの、それを先生と親からとがめられていることがわかった・・・、というよりもそのこととその生徒のまわりにいた友達たちの言っていたことが合っている、そう考えたのだろう。
そして、花樹はあることを決意した。それは・・・、
(もしかするとこの言葉を言えば、あの子、智はなにか反応してくれるはず!!ならば、あのことを言おう)
そう、ある言葉を言うことを決意したのである。そのためか、花樹、その生徒の目をかっつりとみつめるとその生徒は花樹に対して、
「ど、どうしたんだよ・・・」
と動揺してしまう。あまりにも真剣なまなざしの花樹の姿にその生徒は驚いたのかもしれない。
そんな生徒に対し、ついに、ついに、花樹はあることを言った。
「千歳智くん、君、・・・男・・・なんだよね・・・」