笑ってはいけないウマ娘 有馬記念前夜祭 作:いつか帰るところ
笑ってはいけない有馬記念後夜祭2
スペシャルウィーク達は笑いの刺客からの攻撃だけでなく、互いに牽制する状態となり笑ってはいけない有馬記念後夜祭は過酷さを増していく
扉 ガラガラ
タマ「ボインわぁ~お父ちゃんの為にあるんやないんやでぇ~」
スペ「なんの歌なんですか?」
スズカ「ありませんよね?」
タマ「スズカ、声に出とるで?おい、コンドル、時間や着替えにいくで」
エル「はいぃ・・・」
グラス「もう10分経ったのですか」
タマ「そういうこっちゃ」
エルコンドルパサー、タマモクロスに連れられて待機部屋から出ていく
スペ「エルちゃん、お尻真っ赤になってましたねぇ」
グラス「流石に少し可哀想でした」
キング「少し?」
グラス「調子に乗るエルがいけないのです」
扉 カラカラ
エル「うう・・・戻りましたぁ・・・」
タマモクロスと共に待機部屋に戻ってくるトレセンジャージ姿のエルコンドルパサー
スペ「エルちゃん、大変だったね」
エル「うぅ、お尻がヒリヒリしまァス、しばらくは大人しくしてます」
スズカ「何も無いといいのだけれど・・・」
エル「スズカ・・・もう勘弁してください」
タマ「そろそろ晩メシやな、お前らみたいなんでも腹はいっちょ前に減るらしいな、食堂いくで」
スズカ「・・・タマモクロスさん」
タマ「なんや?」
サイレンススズカ、不意にタマモクロスを呼び止める
スズカ「ねぇ、お魚とかが水槽に集められて見て回れる施設のことを何と言うのかしら?」
タマ「?、すいぞっかん(水族館)や」
スズカ「すいぞくかん(水族館)よ?」
タマ「・・・・・・」
スズカ「服とかを洗ったりする機械のことを何と言ったかしら」
タマ「せんたっき(洗濯機)やな」
スズカ「せんたくき(洗濯機)よ?」
タマ「・・・・・・」
スズカ、タマにケースを見せる
スズカ「これの材質は?」
タマ「プラッチック(プラスチック)」
スズカ「プラスチックよ?」
タマ「・・・・・・」
スペ「・・・っ、・・・っ」
キング「・・・・ふぅっ・・・・っ」
エル「・・・・・っく!」
スズカ「あたし達が走る競技を何と言う?」
タマ「けぇば(競馬・競バ)や!」
スズカ「けいば(競馬・競バ)よ?」
タマ「・・・・・・」
スズカ「この犬はチャウチャウ種とは違うのではないでしょうか?」
タマ「チャウチャウちゃうんちゃう?」 メッチャ早口
スペ&キング&エル「「ぶぁははははっ!!」」
デデーン!
スペ、キング、エル、アウトー
スペ「なんで即席タッグ組むんですかぁ?!、いたぃっ!」スパーン!
キング「・・・いたっ!」スパーン!
エル「今は痛い、今は痛い・・・んぐっ!」スパーン
グラス「どうして急にあんなやり取りが出来るのか不思議です」
タマ「は!アンタらとは年期が違うわ・・・スズカ、ウチをネタ相手に使うなや、メシ行くで」
スズカ(あわよくばタマモクロスさんを笑わせてケツバットさせたかったのだけど・・・手強いわ)
タマモクロスに連れられたスペシャルウィーク一行は食堂に向けて廊下を進む、そこに何やら揉めている一団と遭遇する
キング「誰かいますわ」
ジャーン!
教師 メジロアルダン
生徒1 メジロドーベル
生徒2 メジロライアン
生徒3 メジロパーマー
アル「あなた逹、最近メジロとして少しタルんではいませんか?」
ドーベル「うぅ、すみません・・・」
アル「どうして今日の練習に遅れたの?」
ドーベル「昨日遅くまで同人誌を書いていたので寝過ごしました」
アル「睡眠は大事よ?まぁいいわ行きなさい」
ドーベル「はい」 タタタタタ
アル「ライアンは?どうして練習に遅れたの?」
ライアン「なんかやる気がでなくて・・・」
アル「まあ・・・少し休憩を考えた方がいいのかしら、分かったわ、行きなさい」
ライアン「はい」 タタタタタ
アル「あなたは?」
パーマー「花壇当番の仕事をしてたら遅れてしまいました」 バチン!(アルダンビンタ)
スペ「え?!」
スズカ「・・・・っん!」
グラス「・・・くふ」
アル「トレーニングルームの掃除も終わってなかったわよ?」
パーマー「え、あたしの当番じゃないから」 バチン!(アルダンビンタ)
キング「これは酷いわ・・・」
スペ「・・・・・っく、く!」
スズカ「・・・ふわ・・・ふぁ」
グラス「・・・っ!」
アル「そう言えば昨日パーマーの部屋の電気が遅くまで点いていましたよ?」
パーマー「宿題していました」 バチン!(アルダンビンタ)
アルダン「まったく!あなたという子は!来なさい!」
パーマー「うえぇーん」 ズルズル アルダンに引きずられて行く
スペ「あはははは!な、なして?あはは!」
スズカ「くふふふっ!マズいネタよ!?ふふふふっ!」
グラス「あっははは!ネタですよね!これネタですよね、あはははは!」
デデーン!
スペ、スズカ、グラス、アウトー
スパーン!スパーン!スパーン!
キング「これは笑えないわぁ」
エル「はい、今時ビンタはマズいです」
キング「・・・・・・」←カレンチャンに思いっきりビンタされた悲しき過去
エル「・・・・・・っく、キング、こっちを見ないで・・・」
キング「・・・・・・」←エイシンフラッシュに思いっきりタイキックされた悲しき過去
エル「・・・ぶふぅっ!ぶぁははははーっ!」
デデーン!
エル、アウトー!
エル「もっと酷い事されてた人がいましたぁ・・・んぐっ!」スパーン!
タマ「もうええか?いくで」
タマモクロスに案内されたスペシャルウィーク達は食堂へと到着する
広大なフロアにテーブルがズラリと並べられ、キッチンカウンターには所狭しと数々の料理がビュッフェ形式で並べられている
スペ「うわぁ、うわあ!」
スズカ「スペちゃん、嬉しそうね」
エル「そう言えばまともにご飯食べれてないデェス」
キング「朝から散々だったわ!」
グラス「それでは食事をしましょう」
並ぶ豪華な食事に嬉しそうなスペシャルウィーク逹、流石にこの時ばかりはアウトコールは流れなかった。
タマ「まあ、ゆっくりメシくって体休めとき」
と、不意に食堂にある大型モニターが点いて以前スペシャルウィーク達が受けた取材場面が流され始める
スズカ「・・・また何か始まったわ」
グラス「なんでしょうか?」
エル「これは以前エル達が受けた取材の番組ですか?」
テロップ
【ウマ娘に聞く今年の有馬記念有力ウマ娘は?】
スペシャルウィーク
はい、あたしはやっぱり投票人気の高かったタイトルホルダーさんが有力だと思います!
あのハナを取って、自分のペースで他のウマ娘を引き回してスタミナを削り取る!そしてそのままゴール!強いですよあのウマ娘は。
グラスワンダー
エフフォーリアかと、昨年の有馬記念の覇者ですし連覇を期待します。大阪、宝塚とイマイチだったかも知れませんが、復調の気配も感じられますし、復活のラン、期待して良いと思います。
キングヘイロー
ジェラルディーナさんですわ!有馬記念親子制覇・・・夢がありますでしょ?
実力も申し分ありませんしオールカマー、エリザベスに続く勢いで有馬記念も決まりますわ!
エルコンドルパサー
ボルドグフーシュでぇす!菊花賞は勝ちきれませんでした誤差の範囲デス、それにあそこのトレーナーさんは引退を表明してるのできっとボルドはトレーナーさんに最後の有馬を取らせるハズでぇす、ウマ娘の思いは強いのデス!
サイレンススズカ
そうですね・・・人気、実力からイクイノックスとタイトルホルダーの軸固定が手堅いのかも知れませんがそれではあまりに夢(儲け)が低くなってしまいますので、実力がありながらも人気薄のボルド、ジャスティン、ディープ辺りを2着3着の枝に持ってきておくのも面白いかと、ドカンと1発狙うならアカイイト、ポタジェを3着固定で買い広げるのも旨味がジワッと出てきますよね、・・・エフフォーリアは、うーん、頑張って欲しいとは思いますが掲示板がやっとってところではないでしょうか?今回は外させてもらいます、ごめんなさい、・・・買い目としては三連単フォーメーションの、『おい、あいつ止めろ』『ストップストップ!』あ、ちょっとやめて下さいまだ買い目を発表『マズいぞ、やめろ、やめろ』『カットカット!』
ブツン
スペ「・・・スズカさん」
グラス「スズカさんだけ違う番組出てません?」
エル「スズカ何をやっているのですか?」
スズカ「結局私のは放送されなかったわ」
キング「でしょうね」
スペ「そう言えば有馬記念、とっくに終わってますよね、結果はどうなったのでしょうか?」
キング「こんなことさせられているから、何も分からないわ」
エル「有馬記念は見せて貰えないのですか?」
その時、モニターからナレーションと文字が放送され始める
【有馬記念・・・】
【年末最後のグランプリレース】
【その前哨戦としてウマ娘達が笑ってはいけない有馬記念前夜祭を開催している】
【彼女逹は言う、このウマ娘が有馬記念を制すると(一部ウマ娘を除く)】
【よろしいならば勝負だ】
【今、彼女逹の夕食を掛けた有馬記念が始まる】
【豪華ディナーを食べる事の出来るウマ娘は有馬記念を制したウマ娘を推した者のみ】
【刮目せよ!】
エル「コレは・・・」
スペ「あたし達が選んだウマ娘が勝てばご飯を食べれるってことですか?」
グラス「それって食べれるのは1人だけ?!」
スズカ「有馬記念、見れるのね?」
キング「始まるわ!」
今年のトップウマ娘達が集結する有馬記念が今始まる!
ガコン!
ゲートが開かれると外枠側からタイトルホルダーがハナを主張、内に被せるようにしてあっという間に先頭に立つ
中山競馬場観客席からはおおーっというどよめきにも似た歓声、やっぱり強い逃げウマ娘がハナを取らないと面白くない!
スペ「よしタイトルホルダー、いつものパターンです!あなたは先頭が似合います」
スズカ「やはりタイトルホルダーがハナですか・・・ディープとジャスティンもちゃんと追っていますね」
グラス「エフフォーリアは・・・いた!良い位置にいます!そこをキープ、集中力を切らさないで」
エル「ボルドは?!・・・うんうん少し後方、あなたが爆発するのはゴール前・・・今はそのまま耐えマショウ」
キング「ヴェラアズールもジェラルディーナも少し後方ね、・・・ジェラ、あなたの母に続きなさいよ・・・」
ウマ娘群はタイトルホルダーを先頭にやや縦長の一団となって正面スタンド前を駆け抜けていく
盛り上がる観客からの拍手と歓声を受けてウマ娘逹は第1コーナーへと向かっていく
スペ「タイトルホルダー、それほどリード出来ていませんね・・・」
スズカ「先頭は取れているから良いと思う、下手にスピードを上げてもディープやジャスティン辺りが競って来るわ」
グラス「そうなると必用以上にスタミナを使わされて、最終でエフ、イクイ、ヴェラ、ジェラ、それにボルド、末脚のキツいウマ娘逹に楽に差される・・・」
エル「ペースは?」
キング「ミドル・・・少しスローかも」
スペ「向こう正面に来ましたよ!」
先頭タイトルホルダーのままウマ娘逹はスタンド向こう正面に入る
先頭は代わらず、しかしそれほどリードは無い、一団となり追走するウマ娘逹、誰がどう仕掛けてもおかしくない状況
向こう正面でウマ娘達がハッキリと見えたのとこれからの最終コーナーで繰り広げられるであろう駆け引きの予感に観客逹の期待と興奮は高まり一際歓声が大きくなっていく!
スズカ「イクイノックスが外から来たわ」
グラス「まだ全力じゃないわよ、それでもジリジリ上がってきてるわ」
サイレンススズカ逹の言う通り、イクイノックスは第4コーナーで前との差を詰めると我慢して溜め込んできた力を一気に解き放ちタイトルホルダーに並ぶ!
キング「イクイノックスが来たっ!」
スペ「タイホに並んだ!」
グラス「突き抜けるの?」
エル「ボルド!どうしたのですか!ここですよっ!」
さあ!有馬記念ラストスパート!
観客席からの大歓声、拍手、足踏みの大音量に包まれたウマ娘達が更にスピードを上げていく
先頭に躍り出たイクイノックス、更に後続を引き離そうと歯を食い縛りグングン、グングンスピードを上げていく
エル「来たぁっ!ボルドグフーシュ!」
グラス「エフフォーリアもいます!頑張れ!」
突き抜けようとするイクイノックスの更に大外から必死の形相のボルドグフーシュが上がってくる!他の先頭集団のウマ娘逹も必死に食らいついていく、誰も諦めるウマ娘はいない
更に歓声が盛り上がり中山競馬場スタンドが地響きに包まれる。
うあああっ!というウマ娘逹の必死の叫び声が画面から響きスペシャルウィーク逹は拳を握り締める!
キング「ジェラルディーナっ!頑張って!頑張って!」
エル「ボルド行け!トレーナーに最後の有馬を取らせろっ!差し切れ!」
スペ「タイホ・・・頑張って・・・」
スズカ「イクイノックスとの差が縮まらないわ」
グラス「みんな頑張れ!行け!」
様々な思いが入り交じる中、更に前傾姿勢を深めて圧巻の末脚を炸裂させたイクイノックスが迫るボルドグフーシュを追いつかせずゴール板を雄叫びと共に駆け抜ける!ボルドグフーシュ届かず!
観客の熱狂は最高潮となり勝者イクイノックスや走りきった有馬記念ウマ娘逹に惜しみ無い称賛の拍手と歓声が上がる
ゴールの瞬間をスペシャルウィーク逹は息を詰めて見つめており、ウマ娘逹のゴールを見届けてから、はあぁと息を吐く
スズカ「イクイノックス・・・結果圧巻でした」
スペ「あの末脚はなかなか凄いですね」
エル「ボルドも頑張りマシタ、最後よくあそこまで詰め寄ったと思いマス」
グラス「最後まで食らいついていましたね、エフも掲示板ですか、よく頑張っていました」
キング「3着、ジェラルディーナ、いい走りでしたわ・・・」
スペ「タイトルホルダーはレースを盛り上げてくれましたね」
スズカ「もう少しペースを上げれたら違った結果になっていたかもしれませんが」
グラス「このメンバーではハイペースで逃げて一息入れるのは難しいでしょう」
スズカ「・・・・・・」
エル「スズカ、血が騒いでいマスネ」
キング「この有馬を見て血が騒がないウマ娘なんていないでしょ?」
スペシャルウィーク逹は豪華ディナーを賭けた勝負ではあったが有馬記念を戦うウマ娘逹の前ではそんなことは消し飛んでしまっていた。
スペ「というわけで、待機部屋でコンビニおにぎりですか・・・」モソモソ
グラス「見事に全員外れましたね」
エル「まぁ良いものを見れたのでヨシとします」
スズカ「あたし、イクイノックスをフォーメーション軸って予想してたのに」
キング「やめましょうスズカさん」