「俺が…」
「お前には王となる素質がある。全ての仮面ライダーを倒し、王となる未来が…ある。」
そう言っていたのは帽子を被った謎の男。そいつは、俺に懐中時計のような物を渡して…そこで記憶が途切れた。
気づいた時には、俺は一人になっていた。
「行ってきます。」
それから、少年…兵藤一誠は高校生になった。死んでしまった両親の写真に挨拶をして駒王学園へと向かう。
「あ、忘れるとこだった!」
一誠は思い出したかのように自分の部屋へと戻って、白と黒の懐中時計を持っていく。自分が最後に持っていた時計…何だか大事にしないと行けないなと思い、この時計ら捨てずにずっと持っているのだ。
「(何でだろ…こいつだけは、ずっと持ってなきゃ行けない気がする。)」
だが正直なところ、学校に行くのは乗り気ではない。最近は物騒な事件が増えている。
この前なんか、赤と青の二色を持った化物が出てきたって話だし…。
「はぁ…「随分と乗り気じゃないね、兵藤。」…モア。」
俺のため息に反応したのはモアという男で、両親が居なくなった俺を引き取ってくれた人。優しい人何だろうけど…時折、こういう風に出てくるのは辞めて欲しい。
「朝作った卵焼きが気にくわなかったかい?なら今度は砂糖多めで…」
「止めてくれ。」
モアの作る朝御飯は美味しい…美味しいけど、謎の卵焼きに対してのこだわりをどうにかして欲しい。この前なんて鶏を飼育しようとしたから、全力で阻止した。
「…そう言うのじゃないよ。ただ…」
「君の持つ時計の事…だろう?」
「……」
「安心したまえ。あれは存外悪いものじゃないし、何よりも…」
「何よりも…?」
何か含みのあるような言葉を使うが教えてくれるわけがないだろう。絶対はぐらかされる。
「まぁ、何か困ったことが有れば私に相談したまえ。」
そう言ってモアは消えてしまった。これだけは本当に慣れない。
「はぁ…」
2度目のため息だがいつまでもそんな事をしては居られない。事実、そろそろ学校に遅刻しそうなのだ。
「間に合った…。」
何とか学校に到着した。と言うか、ここまで凄く時間がかかった気がする…ような。
だが特に何かある訳でもなく、俺はいつも通りの日常を過ごしていた。
「暇だな…」
特になにかをするわけでも無し。俺は放課後になり、帰ろうとしたのだが…そんな兵藤に話し掛けてくる者が。
「おい、屑。」
「……またかよ。今度はなに?」
「俺様に向かってその口の聞き方は何だ!…チッ、これだから屑は…」
さっきから俺を屑って罵ってくるのは板東 健治。この学校では俺に向かって罵ってくる他に犯罪まがいな事までする始末。
だが、こいつは異様なまでに頭が悪い。なのでこの学校じゃダントツで馬鹿だ。なのにこいつは色んな奴に突っかかってくるから…正直めっちゃイライラする。
でもその代わり、好感度を犠牲にしてるようなのでこいつの言うことは誰も信じない。
「じゃあな、板東。俺は用事があるから。」
後ろで何かごちゃごちゃ言ってる板東を無視して外に出た。
「どいつもこいつも馬鹿にしやがって!特に兵藤…!アイツは俺の平和を汚そうとしてきやがる…!
あの屑は…邪魔だ!」
板東は一頻りしゃべった後、黒い懐中時計を取り出す。兵藤一誠が持つ時計とは違い…何処かとても禍々しい雰囲気を漂わせていた。
「ぶっ殺してやる…!」
【BUILD…!】
悪魔の声が聞こえる。悪意を持った存在が、一人の少年に牙を剥こうとしていた。