一誠は帰り道…両親のお墓参りに来ていた。年に一度、これだけは欠かせない。
「…………」
あの事故から数日後に目覚めた俺は新聞で『奇跡の子』として掲載された。連日、報道機関とかが来て病院の人に迷惑をかけてしまったなと思い出していた。
「確か…あの後だったかな?モアが引き取りに来たのって…」
両親が居なくなった俺は孤児院に送られる話になっていたのだが、退院したらモアが引き取りに来てくれていた。
最初は誰だか分からなかったが、知り合いだと言われてから少しだけ納得した。
「親父、お袋、俺は元気だよ。」
挨拶を済ませた俺は両親の墓から去っていく。その帰り道で、再びモアが現れた。
『やあ、兵藤君。』
「モア。」
『お墓参りの帰り道で悪いけど君に悲報だ。……君を殺そうとする怪物が現れる。』
「…え?」
モアがそう言ってある場所へ視線を促す。其処に居たのは…逃げ惑い、悲鳴を上げる人達。
そして人を襲う赤と青の怪物。その怪物はこっちを向いたと思えば…猛スピードで走ってきた。
「えええぇぇ!?」
「殺してやる!一誠ぃぃぃぃ!!」
怪物に一瞬で近付かれ蹴りを受けて後ろへ転がる。確かな悪意を持った怪物が、一誠の命を狙っていることは素直に想像が付いた。
「な、何なんだよ!」
『アナザーライダー…しかし、こうも直ぐに現れるとは予想しなかったね。
兵藤、今こそ君のウォッチの出番だよ。』
「え…?」
『このドライバーを君に授ける。そして、あのアナザーライダーを退けるんだ。』
アナザーライダー、ベルト…何が何だか分からない様子ではあったが一誠は《ジクウドライバー》をモアから受け取って腰に装着する。
「ど、どうすんだこれ…!」
『まずはウォッチを回すんだ。』
《ウェイクベゼル》を回してライダーの顔を出現させると、《ライドオンスターター》を押す。
【ジオウ!】
『次に左側のスロットにウォッチをセットするんだ。』
ジクウドライバーのスロット《D9スロット》にセットすると、一誠の後ろに時間を示す時計が現れる。
『さぁ、ドライバーを回してたまえ。』
「へ…変身。」
反時計回りに360°回すことで時計が10時10分を指し、文字盤に《ライダー》の文字が現れると、ジオウの鎧が一誠の体を覆う。
【仮面ライダー!ジオウ!】
複眼に【ライダー】の文字がジオウの顔にセットされる。まるで時計をあしらったような姿をしたジオウに、一誠は困惑した。
「な…何これ!?」
『君は今、仮面ライダージオウとなった。それがあの怪物を倒す為の1つ目の力さ。』
「……よ、よし!」
何がよしなのかは分からないが、一誠は怪物…アナザーライダーへ立ち向かっていく。喧嘩なんて経験はさっぱりと言って良いほどないのだが、それでも立ち向かっていく。
「うおおぉぉぉ!!」
やる気は十分…なのだが、実力が見合っていない。でもあのアナザーライダーなら良い勝負が出来るだろう。
対してアナザーライダーは、ジャンプして左足による蹴りを放つ。強化された脚力から繰り出されるキックは簡単にジオウを吹っ飛ばした。
「うわぁぁぁぁ!?」
地面に背中を強く打ったジオウは痛みに声を上げそうになるが、追撃が止まらない。
「死ね!死ねぇぇ!」
「うぐっ…!」
憎悪に任せた攻撃に防戦一方になるジオウ。戦い慣れていないジオウからすれば、強敵以外の何者でもないないだろう。
しかし、ジオウは何とか立ち上がって取っ組み合う。その際、有るものが見えた。
【BUILD】
「ビ…ビルド…?」
かろうじて読めた文字は右胸に刻まれている。もしかして…この名前に関係があるのか?
だが文字を読んでいた為に、反応に遅れてしまう。
「くたばれぇ!」
「(しまっ…!)」
【Ready GO!ボルテックフィニッシュ!】
その瞬間、横から飛んできた何者かの攻撃によってアナザーライダーが吹っ飛ばされた。
「……え?」
ジオウの目の前に居たのは赤と青の人型の怪物と同じような見た目をしている仮面の戦士。
「お前か、ビルドの偽物ってのは?」
「誰だお前ぇ!邪魔すんなぁ!」
其処に居たのは……
「俺は仮面ライダービルド。創る、形成するって意味のビルドだ。
以後、お見知りおきを。」