ナザリックに愛された社会不適合者   作:社会不適合者

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アインズ様の見せ場横取りマン。


3話目

 

 

 

「あー……」

 

ベッドに横になり呻き声をあげる。

 

もう動きたくねぇ。

まさかまさかの予想的中だったとは。

 

あの日ナーベの言葉を聞いてから俺の体はボドボドだァ。

精神的に参っております。こういう打たれ弱いところがダメなところなんだなぁと遠い目をしながら思った。

 

殺されるにしても、守護者たちの顔くらい見たかったが──

 

『下等生物が』

『ゴミめ』

『寄るな雑種』

 

あ、ダメですねこれ。想像だけで涙が出ますよこれ。

殺されるよりもこういう言葉の方がダメージでかいですねはい。

いやその界隈の方々にとっちゃご褒美なんでしょうけど俺かしたらトラウマ蘇りの呪文なんだよ。

 

「あーもうどうしよう…」

 

頭が痛くなってくる。

俺はお家にすら帰れないということなのか。

やはりもうあのギルドからキッパリと去って冒険者生活に本腰を入れるべきなのか。

 

「……いやここは本職の"鍛冶師"として……、でもなぁ、あいつら以外の武器とか作りたくないしなぁ」

 

そんなことを思っていたら窓の外、夜の闇が広がる空。ここから離れた場所に一筋の光が走った。

あの魔法はナーベの魔法?何かしてるのか?気にはなるが会いに行ったらあの魔法を俺がくらいかねん。

 

あの二人はどこかで活躍してるんだろうか。

それに比べて俺と来たら。

あ、みっともなくて目からしょっぱいジュースが。

 

「はぁぁぁ……」

 

バカでかいため息しか吐けん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、未だ落ち込む気分を晴らすために簡単なクエストを受け草原へやってきていた。

クエスト内容はスライムを数体ポコポコすること。

 

「はぁあ…」

 

ぽよぽよボディが弾む様を見てため息しか出てこない。

ヘロさんだったらどうするかとか、ほかの人たちは何してるんだろうとか、ずっとそんなことばかりが頭を巡る。

 

「人間やめとけばよかったなぁ…」

 

そんな後悔が口から出るがそんなタラレバなんの意味もないことは理解してる。

それにこんな俺だから今までの出会いがあったわけでもしかしたら異形種のアバターではじめてたら逆にこんな出会いはなかったかもしれない。

 

「……でも有ると無しだったら、無しだった方が傷はなかったのかな」

 

ガックリとうなだれる。

ここ数日ずっとこうだ。メンヘラチックみがあって我ながらキショいと思う。

 

何かきっかけが欲しい。

何かないか。

 

「……帰ろ」

 

考えても何も思いつかない。クエストもちょうど終わった。

帰ってベッドにくるまりめそめそしよう。

 

そうして踵を返し歩き出した。

 

「……」

「……」

「……」

「……」

「……?」(チラッ)

「……」

「……ッ!?」(ハクシンノニドミ)

「……」

 

と思ったらなんか知り合いがいた。

 

開けた場所でぼーっと突っ立ってるThe・お嬢様のような出で立ちの女の子。

 

シャルティアやんけ。何しとんこんなとこで。

……え?生きてるよね?なんでそんなぼーっとしてんの?生気のない顔ね。どしたん?話聞こか?

 

さすがに心配だ。少し近寄って観察してみる。

……うん、シャルティアだ。どの角度から見ても紛れもなくシャルティアだ。

 

しかし、こちらとの距離はすでにおよそ3mちょい。それでも反応無しはどうしたのだろう。

俺の事を覚えてようが覚えてなかろうが、好きだろうが嫌いだろうが何も反応無しなのはさすがにおかしい。

 

……こちらから声をかけてみようか。

俺は意を決して口を開いた。

 

「……あー、し、シャル…?」

「……」

 

反応無し。どないせっちゅーねん。

とりあえず1歩、また1歩と近づいていく。その度に流れ落ちる汗が鬱陶しい。

 

そして、もはや手が届く距離。俺はシャルティアの肩に手を置き少し揺すりながら声をかけた。

 

「シャル!おい、シャル!」

「……っ」

 

顔が上がるシャルティアと目が合う。

やがてその目は見開かれていき、彼女の口が開いた。

 

「しょ、だい、様?」

 

思わず俺はずっこけそうになった。

シャルティアァァア!キシャマもその呼び方をするのかー!

 

俺がモモさんとギルド長交代してからギルメンに言われ続けた通称がまさかシャルティアにまで影響してるとは…!

もしかしたら守護者全員…!?やめて欲しい。胃が痛くなるからやめて。

 

いじめかな?いじめじゃないよ。イジメだよ。

 

「初代様…!初代様でありんすよね!」

「うぇ?あ、え?」

「あぁ、こんな嬉しい初代様とのせっかくの再会でありんすがこの手で初代様を殺さなくてはならないなんて!」

「……」

 

……ん?

唐突な殺害予告に頭に宇宙猫が浮かんだ。

やっぱり嫌われてんのかよ!

 

「えーと……ん?殺す?俺を?……ナンデ?」

「なぜって……」

 

そう言ってシャルティアは浮かべていた笑みを消し顎に手を当て首を傾げた。

 

「はて?なぜでしょう?そもそも初代様は何故ここに?」

 

そうしてブツブツとなにやら呟くシャルティア。

……なんかおかしい。支離滅裂というか、なんというか。若干の違和感を感じる。

 

「まあ、よく分かりませんが、立ち塞がるなら初代様を滅ぼす必要がありますね!」

 

……(必要は)ないです。

まじかよ、RPGのラスボス戦だったのかよ。話しかけたらバトルが始まるあれね。

ここはテンガン山の頂上だった?

 

……おいおいおい、死んだわ俺。

 

「行きますわよ、初代様!」

 

そうして唐突なシャルティア戦が今始まった。




シャルティアって……可愛いよね!
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