ナザリックに愛された社会不適合者   作:社会不適合者

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4話目

 

 

 

「〜〜〜っ!」

「なぜ逃げるのです!初代様!」

 

ヤバいヤバいヤバい。無理、無理ですはい。

 

シャルティア戦が始まった(キラン)とか言ったけど無理よ。怖いわ。戦えません。ナナシは戦えません。

 

シャルティアがいつもの鎧と武器をその身に宿してこちらに突貫してくるのに合わせて自分も回れ右をして逃亡を開始。ふ、ステータスの低い人間だけどもね、敏捷にステータスを振りまくってたからね。逃げ足だけは早いのさ(ガクブル)

 

それにしたって、シャルティアにすら嫌われてるとか俺はどうしましょう。この様子だったらアルベドやデミウルゴス、姉弟やコキュートスやプレアデス面々もこんな感じなのか?思い入れがある分傷がでけぇよ。

 

「それにしても、だ」

 

追いかけてくるシャルティアを尻目に見る。

……やはり違和感がすごい。心ここにあらずというかなんというか。

何かあったのか。今ナザリックの状況はどうなってる。

てか、ギルメンをそんなに襲いに来ないでよ。

教えはどうなってるんだ教えは!

 

とりあえずスキルを発動、鑑定眼にてシャルティアを調べてみる。

 

「……っ」

 

異常状態(バットステータス):精神支配?

どういうことだ?シャルティアって精神操作に対して完全耐性を持ってたはずだろ。なんで精神支配の状態異常にかかってる?

 

「……世界級アイテムか」

 

なるほどそれは納得だ。

世界級のアイテムを使用すれば確かに完全耐性持ちに状態異常をかけられてもおかしくは無い。

なーんてこったい。つまり今シャルティアは仲間を敵とみなす状態になってるわけか。

 

……ん?それはつまり?俺を敵と認識してるということは……通常時は俺を味方と認識してた説が微レ存?……な、なーんだよそれならそうと早くそう言ってくれよー、デヘヘー。

 

いやいや、認識反転じゃなくて目に映る全てを敵対者と見なすタイプのあれかもしれんしな。うん、期待はしない。

 

にしても精神支配とな……それを知ってからシャルティアの元からトンズラするのはさすがに良心が痛む。

治すにしても世界級アイテムの効果なら同じく世界級アイテムを使うとかしか方法は無いが、なんにせよ沈静化させることは不可欠。つまりシャルティアをぶっ倒さなきゃいけない。

 

ただシャルティアって個の戦力で見た時ガチの最強NPCなんだよな。まあルベドや8階層のあいつらという例外を除いた場合だけども。

 

タイマンでシャルティアに勝てるやつなんて限られてるし。ギルメンで言えばたっちさんとか、後はシャルティア作ったペロさんとかあの辺くらいじゃないか?

この前見かけたモモさんとかはガチで相性が悪い。悪すぎる。

 

もし、もしだ。この異世界転移したのが俺とモモさんのみでほかのギルメンがいなかったら、俺が逃げた場合シャルティアの対処はモモさんがすることになる。ただ、さっきも言ったようにモモさんはシャルティアと相性が最悪と言っていいほどに悪い。

 

守護者全員で袋叩きにすれば勝ち確だが、そんな光景見たくないだろ。友達同士が喧嘩してたら心が痛むでしょ?それだよ。

 

となれば、

 

「……おっかないけど、俺がやるのが最適解なのかもしれないか」

「…?立ち止まってどうかされましたか、初代様?もしや逃げるのを諦めたのでしょうか?」

「違うよ。諦めたんじゃなくて、やめただけ」

 

なんなら逃げたい気分。

 

「あー、一応聞いとくけどさ、大人しく投降して俺の治療受ける気とか、ない…?」

「うふふふ!初代様!あなたを殺します!」

「やっべー会話成り立ってねーよこれ」

 

飛び込んで来るシャルティアを視界に収めながら俺は軽く右手を上げた。

その瞬間俺の背後から数十にも及ぶ波紋が出現。各々の波紋の中心から光を反射する刃がぬるりと顔をのぞかせた。

剣に始まり、槍、斧…その他もろもろの様々な武器の切っ先がシャルティアに向いた。

 

「……っ」

「野蛮だけど、これも戦い方の1種さ」

 

その言葉と共に右手を振り下ろした瞬間、波紋の武器はシャルティアに向かって次々に飛び出していく。

立ち止まった彼女はそれらを打ち払い、避け、受け止める形で捌いていった。

 

「ふむ…」

 

シャルティアの防具は伝説級だったか。それなら聖遺産級の武器たちだと鎧は貫けないか。なら、

 

「もう少し、贅沢にいこう」

「っ!?」

 

休む間を与えずにまたもや一斉斉射。

今度は空へ飛び、逃げ回る形で避けるシャルティア。

 

受けるのを避けたか。やっぱり伝説級以上で攻めていくのが有効か。……神器級はやめておこう。殺したいわけじゃないし。

そんなことを思いながら息切れを起こしている彼女と目を合わせながら口を開いた。

 

「仕置きはゲンコツひとつじゃ済まないよ」

「……っ、さすがですね、初代様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナナシ君、なのか…!?」

 

骸骨の見た目のアバターしたモモンガ。

彼は森の中からナナシとシャルティアの戦いを見ていた。

 

シャルティアの尻拭い、そのためにこの場にやってきていた彼だがそこで思わぬ再開をした。

 

初代ギルド長、ナナシ。

もう会えないと思っていたギルメンの1人。

そんな彼が今、シャルティアと戦っている。

 

見間違い?なわけない。あんな戦い方をするのは後にも先にも彼だけだ。ギルドのみんなで考えた戦い方。とある金ピカ王様の戦い方を参考にした戦闘スタイル。そんなのは彼以外考えられなかった。

 

「……また、会えて嬉しいよ。ナナシ君」

 

いつもの魔王ムーブはどこへやら。モモンガではなく、一人の人間、鈴木悟としての本音がこぼれた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか初代様!?」

 

シャルティアとナナシの映る鏡に食いかかるのは1人の麗しき女性アルベド。

そんな彼女の肩に手を起きながらなだめるように隣に座るデミウルゴスは声をかけた。

 

「……あの戦闘方法は紛れもなく我らが初代様でしょう。なぜあの場におられるのか疑問は残りますが。ひとまず落ち着きましょう」

 

その言葉に未だに戸惑うアルベドであったが無理やり自身を落ち着かせるように椅子へと座り直した。

 

「シカシ、初代様ガアノ場ニ現レテクダサッタノナラモウ何モ心配スルコトハナクナッタナ」

 

そう声を出したのはコキュートス。

その顔は表情など読み取れるものでは無いが、心做しか声に嬉しさを感じるものだった。

 

「心配することはありましょう。初代様が怪我をなされるかもしれない」

「……初代様は先程まで逃げていた。しかし立ち止まりご自身の意思でシャルティアの件を対処しようとしています。あなた達も知っているでしょう。自身で1度やると決めたことは完璧にこなすのが初代様なのです」

 

アルベドのそんな言葉に他の2人も映像に映るナナシらしきフードを被った人物に視線を送る。

 

「刮目しましょう。我らが初代様の御威光を…」




次回、オリ主の能力説明会。
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