頭文字D プリティーステージ   作:サラダ味

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第十三話 質疑

「待機ッ!君たちはそこで待っていてくれ!私も彼女に話があるからな!」

 

「いえ理事長!用事があるなら俺のほうから行きます!って切れてる。」

 

俺が知らないうちに面倒くさいことになってやがる。目の前のこいつらはトレノスプリンターと…その友達を拉致っちまうし。

 

「まあ安心しろよ。アタシたち悪いウマ娘じゃねーからよ。」

 

そうゴルシが言う。椅子に縛り付けてスタンドライトとかつ丼用意しておいて何が悪いウマ娘じゃないだよ。

 

「あの、貴方達何がしたいんですか?これ普通に犯罪ですよね?これ指示したの貴方ですか?」

 

そう言うとトレノスプリンターが俺を睨みつけてくる。まあ怒りの理由についてはご尤もだわな。

 

「待ってくれ誤解だ。俺は何一つ指示していない。ゴルシが勝手にやったことだ。まあ監督不行き届きと言われればそれまでだが。」

 

「え?お前がトレセンに編入させたいって言ってなかったっけ。」

 

「確かにそうだが本人が嫌だって言ってんだろうが。」

 

ゴルシとの話を終わらせるとトレノスプリンターとその友達に体を向ける。

 

「すまなかった。うちの担当のせいで不快な思いさせちまって。」

 

「そう思うなら早くこの縄解いてくれませんか?」

 

まあそりゃそうだろうな。椅子に縛り付けられてる状態を良しとするわけないよな。ただ今から理事長が来る。それまでの間はここにいてもらわないと。

 

「分かった。お前ら、解いてやってくれ。」

 

「はい…すいませんトレノさん。悪気はなかったんですが…。」

 

「はいはいそうですか。」

 

 

 

拉致ったウマ娘のトレーナーってことでかなり警戒してたけど案外すんなり縄は解かれた。恐らく周りにいるウマ娘よりは話は通じそうだ。縄を解くとき、拉致した犯人たちも謝ってきた。

 

「何で私たちを攫ったんですか。」

 

まずは率直な疑問をぶつけてみる。私だって警察沙汰にはしたくないけど、返事次第ではそのまま警察に直行するつもりだ。

 

「それに関しては重ねてになってしまうが申し訳ない。俺とおハナさん…東条トレーナーと君について話していてな、盗み聞きしてたうちの担当、ゴールドシップが君達を攫ってしまったんだ。」

 

「貴方の担当であるなら未然に防げたんじゃないんですか?」

 

「ゴールドシップの行動は俺どころかこの学園にいる全員が予測できない。言い訳にもならないが俺もゴールドシップの犯行を知った時にはもう既に手遅れだった。」

 

何故学園はそんなウマ娘を野放しにしているんだろうか。大丈夫なの?この学園の治安。百歩譲って私だけならまだいい。私としてはナナが巻き込まれたほうが許せない。

 

「じゃあゴールドシップさんに聞きますけどなんでナナも巻き込んだんですか。」

 

「まあ一緒にいたからな。どうせついてくると思ったからついでにな。」

 

「攫うなら私一人でよかったじゃないですか!いくらウマ娘が好きなナナでもこんなことをされたら」

 

「いや、心配してるところ悪いけどそのお友達、目ぇキラッキラしてるぞ。」

 

「はぁ?そんなわけ…。」

 

「うわあ…!マックイーンさんにテイオーさん!スペシャルウィークさんにサイレンススズカさんも!」

 

本当だった。今まで見たことも無いくらいキラキラしてる。なんでこの状況でそんなにお気楽なのか。

 

「あの!この色紙にサインしてもらっていいですか!?」

 

自分の友達ながらここまでくるとさすがに引く。でも悲しんでるとかそういう風にはなっていないので安心する。

 

「…釈然としませんけど貴方が嘘をついているようには見えません。ただ、気になることがあるんです。」

 

「何だ?俺の話せることなら話すが。」

 

「何で貴方と東条さんが私の事を話し合っていたんですか?さっき私を編入させたいとか言ってましたね。」

 

「ああ、さっき君を追い回してた渋川って奴いただろ。俺もレースをこの目で見たけどよ、あいつカメラ持参してきてたんだ。その映像について色々とな。」

 

「私の走りですか。そんなに面白いものじゃないと思いますけどね。」

 

また私の走り。そんなに見られると嬉しい通り越して気持ち悪いとすら思える。

 

「いや、断言する。他のトレーナー、ウマ娘に君の走りを見せても確実にトレセン編入を勧めるだろうな。君の走りはそれほどのものだ。」

 

「あの、トレーナーさん。トレノさんの走りってそんなに凄いんですか?」

 

「ああ、凄いなんてもんじゃない。映像貰って来たから見てみろ。」

 

そう言うとスピカのトレーナーが紫の耳飾りをつけてるウマ娘スマホを渡す。他6人もスマホに群がる。

 

「ちょっとマックイーン押さないでよ。」「「押すなよ!」」「貴方こそ押してるんじゃありませんの?」「スズカさん、見えますか?」「大丈夫よスぺちゃん。」「フ…このゴルシ様が査定してやるぜ…!」

 

動画が再生されたのか皆黙る。時々おーなどのリアクションもあるけどそんなに面白いのかな。動画が進んでいくと何故かスピカメンバーが一斉に目を見開いた。それから少し経った後、今度は私のほうを見る。

 

「な…何ですか、急にジロジロと。」

 

「…質問よろしいでしょうか。トレノさん。」

 

「いいですけど…えっと…。」

 

「メジロマックイーンですわ。貴方、過去にレース教室に通われたことがあるんですか?」

 

急に面接が始まった。面接なんて受けたこと無いけどこれが圧迫面接かと感じながら答える。

 

「いえ、習い事は特にはしてませんけど。」

 

「じゃあ次はボクだね!ボクはトウカイテイオー!それでさ、トレノちゃんって休みの日ってトレーニングしてるの?」

 

「いえ…家の豆腐屋手伝ってます。と言ってもあんまりお客来ませんけど。趣味もないので基本暇なんですよね。」

 

「ふ、ふーん。そうなんだぁ…。」

 

テイオーさんは思ったのと違うみたいな反応をしながら下がっていく。

 

「アタシはダイワスカーレット、アナタの「次はオレだろ!?」アンタは黙ってなさい!…ゴホン、アナタのレース中の走り方って意識してやってるの?」

 

この二人さっきも揉めてたな。レース中の走り?何かおかしなところでもあったかな。普通に走っただけだけど。

 

「意識は特にしてなかったと思います。ただ”いつも通り”走ってただけですけど。」

 

そういった瞬間、皆の顔が変わった。何か解せないような顔をしている。

 

「あの、トレノさん。それっておかしくないですか。」

 

「え?」

 

「急にごめんなさい、私はサイレンススズカ。貴方の話を聞いてたら気になっちゃって。」

 

「はぁ。何か変なところでもありましたか?」

 

特に当たり障りが無いように答えているつもりだけど。何が引っかかったんだろう。

 

「トレノさんはレース教室に通っていない普通の中学生なのよね。それで基本暇って言ってたわよね。」

 

「はい、そう言いましたけど。」

 

「”いつも通り”走ったって言ったけど一体”いつ”走ってるのかなって。」

 

「確かに!私、トレちゃんの走ってるところ体育祭で見ましたけどあんな走り方じゃありませんでした。もっと普通な走り方でした。」

 

あー。確かに新聞配達は毎日やってたから私のいつも道理に入っていた。言うつもりなかったけどまあ新聞配達くらいなら大丈夫か。ちょっとは誤魔化すけど。

 

「言ってなかったですね。私、一年前くらいから新聞配達のバイトやってるんですよ。」

 

「ほー、一年前からか。」

 

後ろから急に声が聞こえた。振り返ってみるとさっきグラウンドまで案内してくれたウマ娘がいた。

 

「よう嬢ちゃん、さっきぶりやな。ってうちの名前知らんか。タマモクロスって言うんや。よろしくな。」

 

タマモクロスさんが握手を求めてきた。さっきの恩もあるのできちんと応じる。

 

「あ、トレノスプリンターです。さっきは本当にありがとうございました。」

 

「かまへん、それよりもトレノ…。」

 

急に黙り込んでしまった。心なしか握手している手に力が籠って来ている。…痛いですタマモクロスさん。

 

「どうしたんですか?タマモクロスさん。」

 

「嘘は良くないんとちゃうか?」

 

タマモクロスさんが圧とともに私を睨みつけてくる。噓、まさか見透かされた?

 

 




やーと書き終わった。時間が無いっす。
アンケート取った直後にこれですか。何という体たらく。
この段階までで拉致に関する感想がかなり(誇張表現)来ていたので断言します。
この世界の警察は機能しません。というか機能させるとめんどいので機能させません。
そうならないように調整していきますがどうしてもの時はご都合主義でどうにか。
はい反感買った。

また次回!
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