頭文字D プリティーステージ   作:サラダ味

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アンケートご協力ありがとうございました。
今まで道理でいいとのことなのでマイペースにやっていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。

それでは本編どうぞ!


第十五話 帰路

「急に話が戻りましたね。それになんでそう言い切れるんですか。」

 

「君にとっていい刺激になると思ったからだ。」

 

「そうですか。でもさっき言ったように私は受ける気はありません。受ける理由がありません。」

 

「理由ならさっきタマモクロスが言ってただろう。」

 

「”ウマ娘だから”ですか。悪いですけど私にはわかりません。」

 

ウマ娘だから。そんな理由は理由にならないと思う。するしないはその人の意思で決めることだと思ってるから。

 

「…そうか、分かった。悪かったな、拉致った上にここまで引き止めちまって。」

 

「本当ですよ、それじゃあ私たちはこれで。…ナナ、名残惜しそうにしない。」

 

「えーいいじゃんもう少しくらい。当初の目的の9割しか達成してないよぉ。」

 

「ほとんど達成してるじゃん。ほら、時間も時間だしそろそろ帰らないと。」

 

まだ何か言ってるけど引きずって帰るとしよう。

 

「待ってくれ。最後にもう一つだけ。」

 

まだ何かあるのかと呆れながら振り返る。

 

「何ですか。帰るので手短にお願いします。」

 

「俺の名刺だ。もしレースを受けるようならここに電話をくれ。車くらいは出す。」

 

「結構です。受ける気もないですから。」

 

そう言ってトレセン学園を後にした。全くひどい目に会った。一回レースに出ただけでなんでこんな目に。そんなことを思っていた帰り道…。

 

「…ごめんねトレちゃん。私が軽い気持ちでレースに出てなんて言ったから。」

 

こんなに落ち込んでいるナナを見たのは初めてかもしれない。

 

「気にしないでいいよ。誰もこうなるなんて思わないんだから。」

 

「うん…だけどね、渋川さんやスピカのトレーナーさんがトレちゃんに注目してる理由も分かるし、私もトレちゃんにトレセンに入ってほしい。」

 

「ナナ…。さっきも言ったでしょ。入る気はないって。」

 

ナナまでこんなことを言い出すとは。想像以上に面倒くさいことになったかもしれない。…さっきは恐ろしくメンドかった。

 

「そ、そうだよね。うん…今日はもうこの話止めようか。」

 

「うん…ありがとうね、気を使ってもらっちゃって。」

 

そこから会話はなかった。いや、あったにはあったけどそのどれもが3,4回キャッチボールしただけで途切れてしまうようなものばかり。雰囲気的には全国大会に負けたようなムードが漂っていたと思う。そんなことより不思議だったのはタマモクロスさんの言葉が頭から離れないことだった。

 

(ウチらになんぼ嘘ついてもええ!せやけど自分の気持ちに嘘つくなや!)(本当は走るのが好きなはずなんや!)

 

自分の心に嘘をつくな?本当は走るのが好き?今思っても随分勝手なことを言ってくれる。私の心は変わらない。走るのなんかめんどくさくてたまらない。

 

「…頭痛い。」

 

「ん?トレちゃん何か言った?」

 

「…いや、何でもないよ。」

 

止めよう。もうトレセンの事も、レースの事も考えるのも。…だけど、考えないようにするほどレースの事が頭にこびりついて離れなかった。

 

 

 

 

 

「トレーナーさん。トレノさん、来てくれますかね。」

 

「彼女の口から行かないって言ってるからな。どうにかしてタマモクロスを説得して模擬レースを無かったことにするしかないだろう。」

 

まさか話がここまでこじれるとは思わなかった。それもこれも渋川のアホのおかげだな。

 

「だけどよぉ、タマモクロス先輩のあの様子。簡単にはいかなさそうだぜ?」

 

「ああ、小宮山トレーナーにも頼んでみる。皆、分かってると思うがこの事は誰にも話すな。話が漏れると取り返しがつかないことになる。」

 

「分かった、分かったぞぉー--!」

 

「ゴルシ!!」

 

思った通りゴルシが動いた。さっきは不意打ちを食らってトレノ君に迷惑をかけてしまった。これ以上彼女に迷惑をかけるわけにはいかない。

 

「…分かってるって。アタシだって悪いと思ってる。」

 

「ああ、大いに反省してくれ。さあ皆も解散してくれ。………さてと。」

 

 

 

 

 

「………んぁ、!?」

 

目が覚めると見慣れた天井だったので飛び起きる。なんでトレーナー寮にいるんだろう。確か私は理事長に3週間の謹慎を言い渡されて、それから…。

 

「うーん、思い出せない。…あれ?」

 

机の上に書置きがあった。これって、たづなさんから?

 

『渋川さんへ 謹慎期間という事ですが最初の1週間は休暇扱いにしていきます。最近働き詰めでしたしご実家に帰省してみてはいかがですか?』

 

「たづなさぁん…。」

 

この人はなぜここまで気が回るのだろうか。どれほど人間が出来ればこれほどの聖人が完成するんだろう。

 

『過労等であのような奇行に走ったことにすればこちらとしても処理しやすいので。』

 

ふぐぅ。心にエルボーが突き刺さった気がする。とは言えたづなさんの心遣いに感謝しかない。かと言って直ぐに帰るのもなんだかなぁだよ。あれ、続きがある。

 

『分かってるとは思いますけど反省文を提出してもらいますからね。』

 

ですよね。私だって何でああなったのか分からないくらいなんだから。とおるるるるるるるるるん

 

「はい、渋川です。」

 

「よう渋川。その様子だと問題なさそうだな?」

 

「問題しかないですよ。全面的に私が悪いので反省しかないんですけど。」

 

「ははーん。さては謹慎食らったか。」

 

「ははーんじゃないですよ。こっちとしては死活問題なんですから。たづなさんは実家に帰ってもいいとは言ってくれましたけど。」

 

帰ったところで特に何をするでもなく何だよね。しいて言えば反省文書くくらいだし。いや、最優先事項だこれ。

 

「ふーん、いいじゃねえか。いいリフレッシュになるんじゃねえか?」

 

沖野さんもこう言ってるし、せっかくだし帰ってみよう。しかし随分帰ってないなぁ。お母さん元気かな。

 

「そうですかねぇ。まあせっかくの厚意ですからお言葉に甘えてみます。」

 

「おう、じゃなくてだな。お前、理事長にトレノ君のこと話したろ。俺の部室に乗り込んできたぞ?」

 

「はい、ってえ?沖野さんの部室に?」

 

「そうだよ。俺とおハナさんでトレノ君のレースを見てたらゴルシに盗み聞きされてな。それでトレノ君が拉致られた。かなりご立腹だったぞ。」

 

「そうだったんですか。すいません、沖野さんにも東条さんにも迷惑をかけてしまったみたいで。」

 

まさかそこまで大事になっていたとは。沖野さんや東条さんもそうだけど何よりトレノちゃんのことが心配だ。この騒動の元凶だからこそ、会って謝りたい。

 

「分かってるとは思うが、トレノ君に会えたらちゃんと謝るんだ。いいな?」

 

「分かってます。いくらあんなことやらかす私でも常識くらいは知ってるつもりです。」

 

「ホントかよ…じゃあ切るぜ。」

 

「はい、心配してくれてありがとうございます。」

 

明日の朝出発しよう。さてと、色々準備しておこう。着替えとかノートパソコンとかいろいろ。なんかドキドキするなぁ。変わってないといいなぁ、”伊勢崎”の街並み。

 




クリークと拓海がバトルする夢をついこの間見ました(実話)。
確か最終コーナーでクリークを抜き去って勝ったっていう感じでした。なんでだろう。
なんでクリークロードスターに乗ってたのか?すべて謎です。

不思議だね(石〇D感)
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