「ふぁあ~」
眠い目をこすりながら制服に着替える。こうして朝が弱いとボタンのかけ間違いが多発する。
でも眠いものは眠いので仕方ない。そう自分に言い聞かせる。
着替え終え、朝ごはんを食べる為に下へ降りる。
「起きたか、もう少しで出来るから顔洗ってこい。」
「は~い。」
そういいながら、洗面台に行き顔を洗う。
「ふぁあ~」
だからといってあくびが鳴りを潜めるかといえばそうでもない。
あー眠い。
「出来たぞ。ほらさっさと食え。」
「はいはい、いただきます。」
「ふんふんふーん♪」
ついに明日が感謝祭!楽しみだなあ。ワクワクするなあ。
フジキセキさん、今年はどんなことするのかなあ。うへへへよだれが止まらない。
「じゃあ行ってきまーす!」
こうして私は明日への期待を胸に家を出た。
それにしてもどうやってトレちゃんにレースに出てもらうかなぁ。
いくつか方法はあるけど、うーん。
一番手っ取り早いのもあるけどなんだかなぁ。
正直この方法は気乗りしないんだよなあ。特に金銭的に。
まあトレちゃんが嫌がったら頼るとしますか。
…おっ。
眠い。どうして眠気というのがはこう引きずるのか。
そう思いつつ学校に向かっていると後ろから誰かが走ってくる。
どうせナナだろうと振り返ってみ
「おっはよートレちゃん!」
「痛った!?」
「いやあいつも寝ぼけた顔してるからさ。目覚めの挨拶ってことでね?」
「にしては結構痛かったけど?」
「えへへ~ごめんごめん。」
でも確かに睡魔は撃退された。
だからと言ってラリアットはないと思うな。
「トレちゃん、いよいよ明日だね!」
「んん?何かあったっけ?」
「嘘ぉ~約束したじゃん。土曜日にトレセン学園に行くって。」
「あーそうだったね。」
「そうだったねって…当日すっぽかさないでよ?」
「分かってるよ。そう心配しないでよ。」
とは言え8時集合かあ。まあいつも通り起きれば問題ないか。
「トレちゃん、ちょっとお願いがあるんだけど。」
「うん?何?」
「実は今回の感謝祭、レースに出られる企画があるんだけどさ。トレちゃん、それに出てみない!?」
「やだ。」
「即答!?もうちょっと考えてみてもいいんじゃない!?」
「やだよ面倒くさい。だいたいなんでレースに出ないといけないの?」
なぜこのタイミングでナナはこの話を出してきたんだろう。
まさかまた何か企んでいるのかな。
「いいじゃん!トレちゃんウマ娘なんだし!物は試しに走ってみてよ!」
「だいたいなんでそんなに必死なの?トレセン学園ってウマ娘いっぱいいるんでしょ?だったら私走る必要なくない?」
「それはそれ!これはこれ!いいから走ってよ~!」
ナナが泣きついてきた。ここまで必死なのも珍しい。
それでも、正直走る気にならない。特に理由はないけどどうしても走る気にならない。
「電車代!」
「…え?」
「電車代おごるからさ!ね!トレちゃんお願い!」
「え!?あぁ…うん…。」
「勝ったら帰りの電車代も出すから!」
「ぐぐぐ…。」
参ったな。この条件はめちゃめちゃ揺らぐ。何なら今すぐにOKしてしまいそうだ。
「…ちょっと考えさせて。帰りまでには…いや明日までには答えだすからさ。」
「分かった!いい返事期待してるよ!じゃあまたあとでね!」
「あ!ちょっと!?」
引き留めようとするが、気づいたら学校についていた。
まあ放課後くらいには返事できるように考えよう。
考えすぎてその日の授業を全く覚えてなかったけど。
「駄目かぁ~これで何連敗だろぉ~。」
そんな嘆きを漏らしつつ私は、缶コーヒー片手に学園内にあるベンチに腰かける。
ここまで担当が決まらないのは別に珍しいことじゃないらしいけどいざ現実と向き合うと中々こう…精神に来る。
焦っても仕方がないんだけどねえ。同期が次々と担当を決めているのも焦りに拍車をかける。
あっ…自己紹介がまだだったね。私は渋川榛名!期待に胸躍らせる新人トレーナー!…なんか虚しくなってきたよぉ…
「その様子だと相変わらずみたいね、榛名。」
「うううぅぅ~~東条さぁ~ん。」
「コラ、そうやって泣きついてきても助けてあげないわよ。」
「だぁってだぁってぇ~担当全然決まらないしぃ~。」
そうやって駄々をこねていると、東条さんがため息をつきながらこう言った。
「何というか、貴方の担当が決まらない理由が分かるわ。」
「何ですか!?その理由って!?教えてくださいよぉ~。」
「はぁ…。貴方って覇気がないのよ。」
「覇気?」
「そうね、例えるならこの人は頼りがいがありそうだとか信頼できそうだなとか、あとはカリスマ性とか。貴方には今言ったものが感じられないのよね。」
「ガーン!」
こうやって面と向かって言われるとクるものがある。半泣き通り越しそうなんですけど?
「…まあ、それが貴方らしさではあるけどね。」
「そうですかぁー!えへへ~よーし明日からも頑張っちゃうぞぉー!」
「ちょろい…」
東条さんから元気をもらったことだし、こんな所でめげずに頑張ろう!
まだまだ出会いはいっぱいあるわけだし!
「あっそうだ東条さん」
「あら、どうしたの?」
「そういえば体験入部の企画、リギルでもやるんですか?」
「一応ね。理事長からも期待されてるみたいだし。」
「それ、私も見に行っていいですか?」
「いいけど。やることはいつもと変わらないから貴方にとっては変わり映えしないわよ?」
「いやあなんというか、出会いがあるような気がしちゃって。」
こういうのは直感に頼るのが一番だと思う。
ほら、誰かも言ってたし。考えるな感じろって。
「まあ好きにしたらいいんじゃないかしら。」
「ありがとうございます!じゃあまた明日!」
東条さんにお礼を言い、私はトレーナー寮に帰ることにした。
神様、どうか私に出会いを!
第四話ご覧いただきありがとうございます。
書いてて思ったんですがこの後書き欄って読んでる人いるんですかね?
なんか僕のボヤキ図鑑になってそうですが。そうだボヤキ図鑑にしよう。
まあ好き勝手に書いていくとします。
それでは!