さて、さっさと執筆しちゃいますか。見てくれてる人もいる訳ですし。
ピンポーン
おっと出前が来たようだ。はーい今開けまーす。
おや?どちら様でしょう…うわ何をする止め
「さて、ホープフルまでまだ半年あるけど、それに向けてトレーニングしていこうか。」
「半年って聞くと結構長く感じますね。」
「多分、そんなに長くないよ。ホープフルに向けて仕上げてくる子も結構いるし、最初の関門になるんじゃないかな。」
「そうなるとかなり短い感じですか?」
「そうなるかな。色々とやりたいこともあるし。でも、レース攻略のカギは掴んでるんじゃない?」
確かに、あのトレーニングで得られたものはレースに反映するには十分すぎた。
「デビュー戦ではコースの攻略、この前のトレーニングで相手の走りを研究するのが大事だと思いました。」
「はい私から教えること無くなりましたー。それじゃトレーニング行きましょー。」
「そんなこと言わずに、やる気出してくださいよ。」
何というかこの人はまともな時は凄いまともなんだけど拗ねると一瞬で子供っぽくなる。
「冗談はさておいて、トレノちゃんにピッタリかも知れないメニュー作って来たよ。はいこれ。」
「待ってました。専用メニューってそれっぽいですね。、結構キツそうですね。」
中身はダートだったり坂路だったり脚を鍛えるものが中心で、たまにペンチプレスだったりが入っていた。
「目標がG1だからね。それなりにはなっちゃうね。イケそうだったら強度上げる感じで行くからお願いね。」
「はい。所で、この【ガムテープで何かできるかも?】っていうのは何ですか?」
「それは消し忘れだね。いい案が浮かんだんだけどどうにもなって思ってボツにしたから気にしなくていいよ。」
「いや見ちゃったからには気になっちゃいます。そのいい案で何しようとしたんですか?」
正直聞いても嫌な予感しかしないし、絶対良からぬ事を考えてるに違いない。
「トレノちゃんの脚をガチガチに固めようかなって。」
「なんて事してくれようとするんですか。というか何でそんなこと思いついちゃったんですか。」
ボツになって本当に良かった。そんなことされたらまともに走れなくなる。
「私がたまに峠で走りこむ時にやるトレーニングをトレノちゃんに応用できないかなって。でも流石にガムテープはなぁ。」
「逆に普段からそんなことやってるんですか?というかそれどういう状態なんですか?」
「右手はハンドルで左手はシフトノブに置きっぱなしにしてるんだ。ガムテープは最初の矯正用にね。無駄なものを落とせるからいいと思ったけど、肌荒れが凄いからボツかな。」
要するに片手運転か。そしてボツの理由があまりにもショボい。
「さ!茶番はこれくらいにしてトレーニング行こうか!まずは普通にランニングから!」
「茶番って…。ランニングですね、行きます!」
ホープフルに向けてトレーニングを始めて早4ヶ月。タイムも着実に縮まってテクニック面でも申し分ない仕上がりになった。
「トレノちゃーん!そろそろ休憩!」
トレーニングの強度も最初に比べれば格段に上がった。
「やっぱり坂路…キツいですね。」
それでも上り坂が苦手なのは相変わらずだけど。それでもかなり良くなってきた。
「タイム自体は良くなってるよ。本数もこなせるようになってるし。良い感じだよ。」
「ありがとうございます。成長した実感ってなかなか湧かなくて。」
「分かる。私も走りこんでる時なんかスランプなんじゃないかって時が何回もあったし。」
あの時の苦い思い出にしみじみしていると、スピカが目に入る。
「やっぱりすごいなぁ。…うぅぇ!?トレノちゃん!あれ見てよ!」
キタちゃんがトレーニングに参加している。それも結構本気で走ってる。いつの間に?
「あれって、スピカのトレーニングですよね。キタちゃんも頑張ってるなぁ。」
「え、ひょっとして何か知ってるの?」
「はい、2ヶ月前からジョギングに参加して、1ヵ月前には普通にトレーニングしてますね。やっとトレーニングできるってキタちゃん喜んでました。」
「ワタシナニモシラナインダケド?」
二ヶ月も前からトレーニングしてたの?だとしたら今までなぜ気付かなかった私。なぜ沖野さんは言ってくれないのか。
「すいません、てっきり知ってるものだと思ってました。」
「そ、そうだ!東条さんは!?まだ知らなかったりして!」
「そう言えばこの前沖野さん、東条さんに自慢げに話してましたね。『キタサン復活だ!』って。」
「酷いや酷いや、私だけ除け者なんて酷いや。」
まさか私だけ知らないなんて。沖野さんも東条さんも顔合わせる機会何度かあったんだから教えてくれても良かったじゃないですかぁ!
「…ハァ。元気出してくださいよ。渋川トレーナー。」
「いよぉ~~し!張り切っていこぉ~!」
「悲しい位にちょろい…。」
これだけの事でくよくよしてても仕方ないし!ホープフルも弥生賞もあるし、前向いてこー!
「あ、話変わるけどダイヤちゃんとロータリーちゃんのデビュー戦、11月、12月だけど応援に行く?」
「それは知ってるんですね。観に行こうかなと思ってますけど。」
「オッケー。車は私が出すからその日は校門集合でいい?」
「分かりました。キタちゃんが何時か分かりませんけどその時もお願いします。」
「うん、それじゃ、トレーニング始めようか。」
「デビュー戦だね、ダイヤちゃん。」
「頑張ってね、ダイヤちゃん!」
「わざわざ応援に来てくれてありがとうございます。キタちゃんもありがとう。」
遂にデビュー戦を向かえた。トレノさんもキタちゃんも応援に来てくれた。ロータリーさんは来月にデビューを控えているから学園で応援してくれるみたい。
「そんなに易々と勝たせてくれないかもしれないよ。一人要注意な子がいるよ。」
「はい、トレーナーさんから聞きました。エジプトウイングさんですよね。」
「うん。と言っても私から何か言うのはお節介だと思うし…頑張って来てね。」
『1枠1番、エジプトウィング。良い仕上がりですね。』
『2番人気ではありますが、実力は十分です。』
「一番人気は譲っちゃったけど、対策はバッチシだからね。」
2番人気であの仕上がりかぁ。ダイヤちゃんはデビュー戦から凄いのに当たったなぁ。
『さあいよいよ登場します。6番、サトノダイヤモンド。堂々の1番人気です。』
『リラックスしていますね。良いレースを期待します。』
さっき見たけどダイヤちゃんも良い仕上がりだなぁ。さあこのレース、どうなるかな。
「いよいよスタート前ですね、こっち側もこっち側で緊張しますね。」
「勝って欲しい子がいると尚更そうなるよね。」
「勝てぇぇぇ~勝てぇぇぇ~!」
「キタちゃんそれ何してるの?」
何やらかめ〇め波のような手の形でダイヤちゃんに何かを送っているように見える。
「ダイヤちゃんが勝てるように念を送っているんです。ほらトレノさんも渋川さんも!」
「う、うん。こうかな?」
「勝てぇぇぇ!」
渋川さんの念の送り方も何か違う気がするけど届いているならいいかな。
『各バゲートに収まりました。………スタートしました!』
『サトノダイヤモンド、いいスタートですね。2番手の位置に着きました。』
『その内にエジプトウィングが付けています。しっかりとマークしていますね。』
貴方の動きはここからならよく見える。貴方が仕掛けた時が仕掛け所だってトレーナーさんが言ってた。ならそれまでは後ろで様子を見る!
『単独2番手はサトノダイヤモンド、その内に変わらずエジプトウィング。暫くは動かなさそうな展開です。』
『エジプトウィングはバ群に飲まれなければいいんですか。』
『レースは淀みなく進んでいきます。これから3コーナーに入ります。後方から追い上げてくるぞ!先頭が入れ替わる!』
まだ、サトノはまだ仕掛けてない。焦っちゃダメ。
『さあ残り400メートルです。各ウマ娘一斉にスパートを掛けるサトノダイヤモンドは…』
「ハァァァ!」
やっぱりここだった!読み通りだよ、末脚なら負けないから!
『仕掛けてきた!サトノダイヤモンドも仕掛けていった!その後ろにエジプトウィングが追走する!』
やっぱり仕掛けてきた。でもここまでで脚は十分にためられた。後は残ったスタミナを全部使って勝つ!
『さあ先頭に変わったぞサトノダイヤモンド!3バ身ほどエジプトウィングは追いつけるのか!?』
何で、追いつけないの!?差が縮まらない、全力で走ってるのに!
「ハァァァァァァァ!」
『サトノダイヤモンド、ゴールイン!リードは3バ身でデビュー戦を制しました!』
「ダイヤもデビューして来月は俺か。今の俺の標的はアイツ等だ。デビュー如きで躓けないな。…まだ時間あるな。ニュースでも見てるか。」
『続いてのニュースです。今日午後3時頃、都内に住む男性が何者かにより暴行を受けた模様です。』
「暴行ねぇ。」
『被害者男性から通報があり、二人での犯行とのことで警察が現場付近を調査したところ、付近で推定20代の全身青タイツの男性が死亡しているのが見つかりました。』
「うわあ、可哀そうにな。…全身青タイツってなんだ?」
『警察は二つの事件の関連性について調べを進めています。次のニュースです。』
「おっともうこんな時間か。もう行かねえとな。うお、何だこれ?」
作者が入院したため〆の一言オナシャス。
「ふーん、まあ自業自得って事か。また次回な。」