頭文字D プリティーステージ   作:サラダ味

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第六十二話 トラブルまみれの感謝祭

「フジキセキさーん!お久しぶりでーす!」

 

「やあナナちゃん、久しぶりだね!毎年来てくれてありがとうね。」

 

「いえいえ、むしろ私たちが開くお茶会に来てくれて本当に感謝ですよ!」

 

「応援してくれてるポニーちゃんの為だったらいくらでも参加するよ。…ところでこの麻婆の匂いは何かな?」

 

「「聞かないで下さい。」」

 

そう言うとフジキセキさんは半笑いで強引に納得してくれた。

 

「毎年来てくれてるからね。ナナちゃんにこれを。(パチン!)ポケットを見てごらん?」

 

「あ、ブレスレットだ!いつの間に?」

 

「ちょっとしたマジックさ。私のお手製で申し訳ないけど、気に入ってくれたかい?」

 

「フジキセキさんの…お手製?」

 

瞬間、ナナが固まった。試しに揺すってみても反応が無い。

 

「ナナー?」

 

「うぐわはぁ!」

 

「ナナが自分から後ろの壁に吹っ飛んだ!?」

 

「だ、大丈夫かいナナちゃん!?」

 

「フジキセキさんお手製のブレスレット…私にとっては…一撃必殺だよ…ガクッ。」

 

そう言って気絶してしまった。まさか自分から吹っ飛ぶとは。

 

「とりあえず、保健室には私が連れていくので。それでは~。」

 

「ゴメンね。ナナちゃんが起きたら謝ってたって言っておいてくれるかい?直接言いたいけど、私も行くと本当に死んじゃうかもしれないから。」

 

「否定しきれないのが恐ろしいですね。伝えておきますね。」

 

 

 

ナナを保健室に運んで中庭のベンチでゆっくりしている。午前の内容が濃かっただけに疲れで眠くなってきた。

 

「ふぁーっ…トレーナー室にお邪魔して少し寝ようかな?」

 

「あ、あの!トレノさん…ですか?」

 

欠伸して思い切り気を抜いていると、知らない2人組が声を掛けてきた。

 

「あ、はい。そうですけど。」

 

「やっぱり!先週の皐月賞見ました!あの、握手してください!」

 

「…うぇえ!?私とですか?いいですけど…。」

 

これは…ファンって事でいいのかな?今まで当たり前のように出来たこと無いから情けない声出して驚いたけど握手に応じる。なんか、むず痒いな。

 

「トレノさんのコーナーを駆ける姿、カッコよかったです!ダービーも応援しますから!」

 

「ありがとうございます。期待に応えられるように頑張ります。」

 

定型文100%の当たり障りのない返事をして対応する。ファンと話すって大変だなぁ。テレビとかでワー、キャーされてる俳優とかはもっと大変なんだろうな。

 

「でも、嬉しいな。応援してくれてるんだから。」

 

「トレノさん!ファンですサインください!」

 

「え、まだいたの?てか、え?サイン?」

 

さっきの2人組を引き金にファン集まっている。いや集まるほどいるんだ。普通に驚いてまだいたのなんて言ってしまった。ただ問題はそっちじゃない。ファンの人が差し出している色紙だ。

 

「サイン…サイン…。…?」

 

何も浮かばない。それどころかサインの定義があやふやになりかける。サインっていうのはさっと書けて尚且つ…何だろう、可愛らしいアレだよね?じゃだめだ。そんなの考えたこと唯の一度たりともない。頑張れ、頑張れ私!無い知恵を振り絞るんだ!

 

「こっこれで…大丈夫ですか…?」

 

その結果何のひねりも無くTRUENOと書くだけに終わってしまった。ごめんなさい、サインなんて書いたこと無いんです。次までには何かいい感じのサイン考えておくので勘弁してください。

 

「カッコいい…!ありがとうございます!」

 

ありがとうと言いたいのはこっちです。こんな苦し紛れをカッコいいと言ってくれるなんて。

 

 

いやー朝から推しが尊いですねぇ。朝からエアグルーヴさんのお世話になってしまったのは申し訳無かったですけど、今日が感謝祭なのがいけませんよね!

 

「おや?あちらの人だかりは何でしょう?中心にいるのは…ほえ!?トレノさん!?」

 

トレノさんが少しおどおどしながらファンの方々に丁寧に対応していらっしゃる!困惑している様子もありつつその顔には嬉しさが溢れている!

 

「はうあっ!」

 

目の前が暗くなって…いや、光に包まれていく。これが天からのお迎えなんですね…。このデジタル、尊さに包まれながら死ねるなら本望!

 

 

バタッっと人だかりの向こうから音が聞こえる。気になって覗いてみるとデジタルさんが倒れていた。

 

「ちょ!?すいません、失礼します!デジタルさん、大丈夫です…ね。穏やかな寝顔だ…。」

 

倒れていたので少し心配したけど死に際とは思えないほどの笑顔で倒れていたし、何より息してるからまあさほど問題ないかな。

 

「また保健室に行くとは…皆さん、この通りなので失礼します。それと、応援ありがとうございます。」

 

 

 

「あ、エアグルーヴさん。ちょうどよかったです。これ、お届け物です。」

 

「デジタル、またデジタルなのか!?どうなっているんだ今年の感謝祭は!怪我人があまりにも多すぎる!石鹸はどこにあるのかなどと意味の分からん質問に顏ハメパネルの長時間使用、オペラの無断開催、挙句死人が出る始末だ!」

 

「死人!?」

 

「ああ、アロハシャツの男性なんだが。だが不思議なことに突然息を吹き返して礼だけ言って去っていったんだ。…意味は分からんがな。」

 

分かってたまるか。この耳で死者蘇生が現実になった事を聞くとは思わなかった。

 

「エアグルーヴさん!カフェテリアで有り得ないほど辛い麻婆しか出なくて困ってると苦情が!」「こっちではアロハシャツの男性が倒れていると!」

 

「「………。」」

 

アロハの人、また倒れたの?なんと言う不幸体質。ふと見るとエアグルーヴさんは頭を抱えている。

 

「…トレノ、すまないがデジタルをそのまま保健室に連れて行ってやってくれ。私はあちらの方を担当する。」

 

「副会長!こっちでパスタがグラスに刺さる事案が!」「こっちでは黒蜜団子をいくら説明しても前歯で噛む人がいてそこらじゅうが黒蜜まみれです!」

 

「じゃ、じゃあ私はこれで…っ頑張ってくださいね。」

 

「ああ、デジタルを頼んだぞ…!」

 

こ、怖~

 

 

「順に対応していくから待っていてくれ。」

 

「はい!なるべくは抑え込んでおきます!」

 

予定が変わった。“元凶”を始末するッ 確実にッ

 

 

 

 

 

「長かったような短かったような一日だったよ…。」

 

「ゴメンねートレちゃん。保健室まで運んでもらっちゃって。」

 

太陽も傾いて、一般人も少なくなってきて感謝祭の終わりをひしひしと感じている。

 

「来年はもう少し平和だといいなぁ。」

 

「でも私は楽しかったよ。トレちゃんと久しぶりに遊べたし。」

 

「そういえば、こうやって遊んでたのも1年前なんだね。時の流れは早いね。」

 

「ホントだよ。…もうこんな時間だ。そろそろ行かないと。トレちゃん、今日はありがとう!楽しかったよ!」

 

「私も。今日は来てくれてありがとうね。」

 

歩いていくナナに手を振る。ふとナナが歩くのを止めて私に振り向く。

 

「ダービー!応援してるから!頑張ってね!」

 

「ありがとう!私、全力で走るから!」

 

最後に大きく手を振ってそのまま駅の方向に歩いていく。なんだか気合が入った感じがする。ダービーまであと1か月。それまでにもっと速くならないと!

 




く…口の中が焼け爛れたみたいだ…。これでは後書きをどうすることも…喋んないから影響ないな。

という事で悲しいですがこれにてギャグ回は終了です。次のギャグはいつになる事やら。次回からは平常運転で書いていくのでよろしくお願いします。

またじか

「何を終わろうとしているのだ貴様!」

え、エアグルーヴさん!?どうやってここに入って来たんです!?

「フェーズティアで虚空に入っただけだ。それよりもだ!よくも感謝祭をめちゃくちゃにしてくれたな!」

い、いや、あのですね、僕は盛り上がるかなーって善意でして…

「こっちに言わせれば迷惑極まりなかったぞ!後始末をするこっちの身にもなれ!」

でもそんなに被害は出ないようにしたんですけどね。

「貴様は舞台裏で起こった事を知らないからそんなことを言えるのだ!無断オペラで人だかりができた結果、周辺露店が人の密集で使えない被害が出て、顏ハメパネルに至っては目撃した子供が顔が怖すぎると言って泣き出してしまう始末だ!」

そんなことがあったんすねw

「笑って済む問題ではない!とにかく、ここまで私の手を煩わせたんだ。それ相応の覚悟は出来ているんだろうな?」

はい?それ相応の覚悟とは…?

「これで貴様を刺す。」

そ、それはゲイボルク!なぜそれを!?

「アロハシャツの御仁から借りたものだ。事情を話したら快く貸してくれたぞ?」

流石に殺しすぎたか…。だがあなたではそれを使いこなせないはずだ!逃げるんだよ~!

「逃がさんぞ!刺し穿つ死棘の槍(ゲイボルク)!」

グフッ ば…馬鹿な…どうしてあなたが……宝具を?

バタッ

「全く。作者だからと言って好き勝手されては困る。だがこれで少しは学園も落ち着くだろう。作者が死んだからここは私が締めよう。また次回。」
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