頭文字D プリティーステージ   作:サラダ味

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渋川榛名の秘密

実は、トレーナー試験は超ギリギリの合格


第八十八話 敗北の匂い

第2コーナーをに入ってそろそろ2本目も終盤。客席から見てわかるくらいチケットの動きが怪しい。1本目でバカみたいに飛ばしてたからそれもそうか。

 

アタシだったらまだ脚を溜めてギリギリで差し切れるタイミングを狙う。トレノもそれを分かってるのか仕掛ける様子は今のところない。

 

ハヤヒデも動かないのを見ると、トレノが仕掛けるタイミングを待ってるのか。

 

それにしても、1本目脱落か。アタシは持久戦は向いてないけどせめて2本目まで持つと思ったんだけど。

 

「…クソッ。」

 

 

「ハァ…ハァ…全力ぅぅぅ…!!」

 

脚に力が入らない…!でもまだまだ…全力でぇ!

 

「根性…だぁぁぁーー!」

 

もう一回脚に力を入れてスパートを仕掛ける!ハヤヒデにも、トレノにも負けない!

 

それに合わせるようにハヤヒデもスパートを掛けてくる。それに追いつこうとするようにトレノも仕掛ける。

 

もっと加速したいのに!全力なのに…脚が前に進まない!

 

ハヤヒデが横に来たと思った時には既にアタシの前に出ていた。そしてトレノもすぐ後ろにいる。負けるもんかぁー!

 

「だぁぁぁー!」

 

…抜かれた。完全に抜かれちゃった。追い付こうとしてもやっぱり脚が動かない。…負けちゃったな。

 

 

「ぐやじぃぃィィィィィィッ!!」

 

「疲れてるんですか、ホントに。」

 

「チケットの根性には驚かされるよ。まさかスパートを掛ける体力がまだ残ってたとは。」

 

「お疲れ。ここからは先行は後追いをちぎれば勝ち。後追いは先行を抜けば勝ちの時間無制限のサドンデスだ。それじゃ、先行トレノちゃんで3本目行くぞ!」

 

「2人とも、応援してるよ!」

 

チケットさんが客席に戻っていってスタートの準備をする。正直疲労は溜まりまくりだ。でもギブアップなんてしない。決着がつくまで何本でも走ってやる!

 

「3…2…1…GO!!」

 

 

「タイジイィィィん!ぐやじいよぉぉ!」

 

「いつまでも泣いてんな。あれだけ飛ばしてたらバテるに決まってんじゃん。」

 

「でもでも、すっごい楽しかった!ダービーみたいに3人で全力をぶつけ合った時みたいにとっても楽しかったよ!タイシンは!?」

 

「うるさい、レースに集中しろ。…まぁ、悪くなかったけどさ。」

 

 

「さて、ここからは持久戦になる。どう転ぶかな?」

 

「どう転ぶったって、3本目でハヤヒデが追い抜いて勝ったって不思議じゃねえだろ。いくら本格化したってトレノがハヤヒデを先行してちぎれるとは思えねぇ。」

 

「いや、確実にもつれるね。俺みたいな感覚派は大概いけるタイミングでいくけど、ハヤヒデちゃんは理論派。確実に勝てるタイミングを狙うはず。シャカールもそうなんじゃない?」

 

「…チッ、まあな。」

 

そう言ってそっぽを向いてしまった。レースは第1コーナーに入ろうとしている。

 

「随分と不機嫌だねぇシャカール君。何かあったのかい?」

 

「そうだぜ、ストレスを溜め込むのは良くないからな。何か相談の乗ろうか?」

 

「お前らは自分の胸に聞いてみろ。あとレースに集中しろ。」

 

 

柵が破壊された第1コーナーを抜けて第2コーナーに入る。先程はチケットの想定外のスパートにスタミナを多少使ってしまった。誤差の範囲を超えてしまっているがトレノ君の消耗もかなりのものだろう。

 

…いや、勢いの衰えがあまり感じられない?2本目ではあまりスタミナを使わなかったという事か。計算をやり直す必要がある。

 

今はそれだけの事だ。3本目で強引に勝負を決める必要はない。合理的に、確実に勝てるタイミングを狙って行こう。

 

第3コーナー、トレノ君が突き放すために柵走りを使い始める。1バ身簡単に開き、改めて舌を巻く。これほどの技なのか。見様見真似では出来ないだろうな。

 

だが、それでも1バ身。ちぎられたわけではない。それにこれ位なら…

 

「想定内だよッ、トレノ君!」

 

ペースを上げるようなことはしない。このルールで急激にスタミナを使う行為はあまりに危険だ。チケットもそれで負けたのだからな。

 

まだ3バ身、詰められない距離じゃない!

 

 

 

「4本目! 3…2…1…GO!!」

 

これで4本目。流石に疲れが来てる。脚にはまだ手ごたえはあるけど、この状態でハヤヒデさんを追い抜くのは流石に無理がある。

 

4コーナーから3コーナーへ。差が開く訳ではない。だったら今は焦らないで足を溜めることに集中しよう。

 

…やっぱり凄い速い。前の状態なら絶対についていけていない。ここまで本格化の恩恵を最大限受け取っている。

 

ただ、とんでもない落とし穴を見落としてる気がする。…止めだ、ネガティブな事を考えるのは。今は目の前の事に集中しよう。

 

コーナーを抜けてそのまま直線に入る。ハヤヒデさんはこの場面では仕掛けないとは思うけど、マージンは取っておきたい。第2コーナー入ったら柵走りでほんの少しでも差を埋めるか。

 

出来たら立ち上がり重視でいきたかったけど、第1コーナーの柵は破壊神のせいで見るも悲しい姿に変えられてしまっている。だから突っ込み重視で行く。

 

コーナーに向けて少しずつペースを上げる。そこッ…! …!?

 

「やばッ…!?」

 

柵が離れていく。どんどんと外に膨らんでいってるんだ。インに戻ろうとしても意思に反してアウトに行ってしまう。このままじゃ取り返せないくらいに離れてしまう。踏ん張れ、踏ん張れ!

 

「…チッ!」

 

コーナーを直線的に加速して何とか立て直す。でもこれでかなり差が開いてしまった。こんな差を取り返せるのかな。

 

まだコーナーには余裕がある。柵走りを入れて、この後に影響が出ないくらいにペースを上げないと。…いや、ハヤヒデさんがペースを上げたら一巻の終わりだ。もっと一気にペースを上げないと!

 

というか私、疲れてるのかな。明らかに集中できてない。さっきからラインがブレる。走りたいと思った所を走れてない。このまま負けるのか?

 

…おかしい。ペースを上げてはいるけど私の体感ではそんなに上げられていない。それなのに思ったより差が開いていない。ハヤヒデさんがペースを上げるとなると少し先だけど、私のミスを見落としたとも思えない。

 

まさか…いや、多分きっとそうだ!ハヤヒデさんも、私と同じことが起きている!

 

 

「3…2…1…GO!!」

 

トレノ君、多分君は気が付いただろう。私にもかなり疲れが来ていることを。そのせいでレース全体のペースが落ち込んでいることも。

 

だが君の認識は間違いだ。先程君がミスした時私は仕掛けられなかったんじゃない。あえて仕掛けなかったんだ。あそこでちぎろうと思えばそれも出来たが、あえて見過ごしたんだ。

 

君は追いつこうと必死になってペースを上げただろう。そこに私の勝機がある。

 

この5本目で終わらせようか。仕掛けるのは、第1コーナー半ば。さらにその少し手前、破壊された柵を目印にする。

 

 

 

ハヤヒデさんからビリビリとした感じがする。この感じ、何か来る?警戒しておかないと。アウトからくる感じはしない。そうなるとイン側か。第1コーナーをインギリギリで攻めて強引にでも抜かせない!

 

…クッ!思ったラインに乗れない!ほんの少しだけど、離れてく。

 

「そこだ!」

 

その瞬間に仕掛けてくる。こっちはラインの修正で手いっぱいの時に!ここで抜かれると、負けてしまう。だったら前に出させない!

 

…だめだっ、脚に力が入らない。踏ん張りが効かないからイン側に戻れない。でも最大限詰めているはずだ。じゃあ、どうやって抜いてくるんだ?

 

横目でハヤヒデさんを見る。すると信じられないことが起きていた。

 

 

片脚、その半分ほどが壊された柵の内側、つまりダートに入っていた。

 

 

そんな抜き方が!?レースでこんな事なんか絶対に起こらないから想像なんかできなかった。もう既に横に並ばれてしまった。躱される!

 

 

 

「ハヤヒデらしいというか、計画しきってたみたいに鮮やかやったな。」

 

「ああ、壊された柵のエリアを利用するとは…。だが彼女にとっても走りづらかっただろうな。」

 

「芝を走るウマ娘には、基本ダートの適性は無いからな。その逆も同じや。トレノが本格化でいつものような走り方をしてスタミナを使い過ぎたのをハヤヒデはしっかりと分かっとったわけや。

 

第2コーナーでのミスも効いとるやろうな。」

 

「これで終わりだろうな。私でもここからどうにかするのはかなり難しいと思う。だが、トレノも良くやっただろう。」

 

「…せやな。ゴールしたら、労ってやろうや。」

 

 




ハイヤバいですあと2分しかないです。

こんな所で後書き書いてる暇もない位です。

そんなこんなであと1分になりそうです。このまま少し待って予約なしでぴったしで投稿しましょうかね。

まだだ…あと少し…そこだ!

ぽちっとな!
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