ミシリス社長の兄ですが、何故か戦場スタッフです 作:シロクロ団子
戦場スタッフ就任○○日目
今日も二人の任務に同行。相変わらず妹は、ラプチャーの変異体を飽きもせずに探している。確かに捕獲できれば、ミシリスはアークに貢献、そしてそれにともない技術の発展に繋がるが、量産型の彼女達を連れずに、二人と監視兼、荷物持ちが一人。
正直、二人の足を引っ張っている自覚はある。
「ミハラ、ユニ。そっちはどう?何か見つかった?」
「いいえ、何もないわ。ユニは?」
「こっちも何もなかった」
「三人とも成果なし。じゃあ、帰ろっか」
「あら、いいの?」
「今回は正確な目撃情報じゃないからね。なにより三人で勝てるような相手じゃないし・・・。うちの最強達連れてこないと勝てない相手をどう対処しろって話だから。それに二人とも、度重なる出撃のせいでまともにメンテナンスしてないでしょ」
「そんなことはないわよ。一週間前にやって」
「ユニ、スカートからボディの亀裂が見えてる」
そう言うとユニは慌ててスカートを抑える。
「え!?綺麗に処理したのに」
「嘘だよ。だけど、間抜けは見つかった」
「あっ!・・・ごめんなさい」
「あのね。メンテナンスをさせないのは、妹のわがままだって事なのはわかるでしょ。そんな命令聞かなくていいから、二人ともちゃんとメンテ受けなさい。わかった?」
「はぁい(わかったわ)」
「じゃあ、帰ろ」
三人は野営地に置いていた荷物を取りに行った後、アークに帰還した。
エレベーターでアークに帰還すると入口先で担当の者が荷物の検査を始めた。そして何かに気づいたのか、目を白黒させながら私の顔を見る。私は両手を合わし、謝るジェスチャーをとるとその者は落胆し、通るよう指示を出した。
ミハラとユニをミシリスのメンテナンス工場に送り届けてから、妹がいる本社に向かった。
「戻った」
そう告げてから、社長室の高そうなソファーに怠そうに座る。
「ん?まだ一週間しか経ってないわよ」
「一週間もあれば十分でしょ。周辺にそれらしき跡なし、今回も見間違いだったって話」
「またデマ・・・全く何時になれば現れるのかしらね」
「知らないよ。それこそ、三人でどうにかなる相手かもわからないし。あのさ、うちの愉快痛快三人組も編成に加えるか。それか、ドレイクだけでも貸して」
「嫌よ。あの三人が欠けたら誰がラプチャー退治するのよ」
「んなもん、量産型の彼女達に哨戒任務だけやらせればメンツは保たれるでしょ。無理して駆使した結果、三人とも再起不能になったら大損害なの間違いないし」
「嫌よ。量産型は替えがあるから量産型って言われるの。うちの特別が活躍するのと量産型の活躍する、人々がミシリスに対する評価の取り方は雲泥の差なのよ」
「死んだら特別じゃなくなるでしょうが、馬鹿なの?」
「・・・喧嘩、売ってるの?」
「売っちゃ悪いかい?このペチャパイ」
「おーい、シュエンの嬢ちゃんや。成果報告に」パリーン!
ドアの前に立っていたリターの真横のガラスが、社長がいる部屋から飛んできた椅子によって破壊された。何事かと思い、ドアを開けると兄妹が取っ組み合いの喧嘩をしていた。
「兄貴の癖に私の経営方針に口出すんじゃないわよ!」
「あぁ!?お前の勝手な行動で他社の連中に迷惑かけてるし、新人指揮官がお前に使われた後、やめる奴が多いんだよ!何が極秘作戦だ。都合が悪くなったら、切り捨てやがって!。だからミサイルスって言われるんだよ!」
「私が気にしていることばっかり言いやがりやがって!そんなんだから、人の友達が出来ないのよ!」
「うるせー!人間よりまだニケの方が信用できるわ!」
わぁわぁ、ぎゃーぎゃーとヒートアップしていく二人を見て、リターはため息をつく。
「・・・また喧嘩しとったのか、この兄妹は・・・おや?」
リターはリュックに入っていたものを見て、再びため息をした。リュックに入っていたのは果物だった。今は食べることさえ、稀な貴重な物がリュックの一部を占領していた。
「全く・・・素直じゃないのぉ」
そう言いつつ、リュックの中身(果物)を勝手に食すリターだった。(一個ならバレないと思っていたらしい)