ミシリス社長の兄ですが、何故か戦場スタッフです 作:シロクロ団子
だけど・・・新年そうそう、何故太っちょ副司令官の顔を見なくてはいけないのだろうか・・・!
ミシリスから異動通知が出され、現地スタッフとして配属されたが、当たり前のように指定された部屋には誰もいない。
無駄に広い部屋にはディスク一式と観葉植物が一つがぽつんと置かれていただけで、業務に関する資料はなかった。
とりあえず持ってきた荷物を机に放り出し、椅子に座るとポケットから棒つきの飴玉を取り出し、口にいれた。
なぜこうなったのかと言うと、妹が行う経営を支持する連中達が俺を陥れたからだ。
妹はラプチャーと戦うニケを道具として扱う方針をとっていたが、俺はニケ一人一人を大事に扱う方針をとっていた為、双方に食い違いが生まれた。
それにともない当然のように派閥が生まれ、対立を余儀なくされたのだが・・・社長だった父による鶴の一声で決着がついたわけだ。
そして、存在を問題視された俺は今に至る。ため息をついてから、持ってきた書類と資料を見ると俺が担当するニケは五人いて、三人が少し前に製造され、そのうち二人が新たに作られたニケだそうだ。
ただ・・・ミシリスのニケは個性的すぎるので新人がどんな奴なのか、不安でしょうがないがやるしかないわけで。
そう思っているとドアの向こうからノックする音が聞こえたので、体勢を整えてから入るよう促す。
「やぁ、ベビー。異動になったんだって?マクスウェルお姉ちゃんが慰めに来たよ!」
「よし、冷やかしなら帰れ!」
両手を広げて勢いよく入ってきた彼女の頭を片手で掴んで、体を触らせないようにする。それでも抱き締めたいのか、両手を何度も交差するが届くことはなかった。
「酷いなぁ。これから一緒に地上に行く仲なんだから、仲良くしようよ」
「お前さぁ・・・開発部担当部長が嘆いてたぞ。只でさえ、人手不足と能力不足に頭抱えてたのに、まともな奴がお前のところに行ったぞって涙目で言われる身になってみろ。こっちが気まずくなるわ!」
「そんなの、私が知ったことじゃないよ。ベビーの実地試験が出来るのは地上に上がらないと出来ないし、それに憎可愛のベビーと一緒にいられるなら本望だよ」
「そう言って俺をモルモットにするつもりだろ!B級映画みたいに!B級映画みたいに!」
「うん!」
「即答すんな!」
ぐぐっと頭に力を掛ける彼女を抑えきれずに足がずらされていく。
しかし、ドアの向こうからノックが聞こえると瞬時に彼女の頭から手を離し、勢いついている彼女の体を受け流すと彼女の顔は壁とキスをした。
「どうぞ!」
「入る「ヒーロー推参!!」」バキャ!
ドアがぶっ飛び、デスクの上に不時着する光景を唖然としながら俺は見ていた。
「な・・・、なにしてくれんだ!このガキィ!?」
「ぐぇ!?」
そして直ぐ様ハッとなり、ドアをぶっ飛ばした金髪にラリアットをかますと、金髪はその勢いにより空中で一回転し、地面にもろに落ちた。
「おぉ、相変わらず凄いパワーだね」
「凄いぞ、人間!ニケを吹っ飛ばせるとは!私はお前を尊敬する!」
「はぁ、はぁ・・・。やべ、やっちまった」
我に返り、金髪を見ると目を回していた。一つため息をつくと倒れている金髪を肩に担ぎ、タワー内の演習場に向かった。