ミシリス社長の兄ですが、何故か戦場スタッフです   作:シロクロ団子

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本当にありがとう




指揮官は人間じゃないかもしれないpart3

「いますぐバードボーイを助けにいくべきだ!」

 

そう言ってテーブルを揺らすラプラス。それを見て私はため息をつく

 

「ラプラス、さっきシュエンに言われたでしょ。今は待機しなさいって」

 

「素直に命令に従うのは、愚か者がすることだ!」

 

今度はドレイクが大声を出した。

 

「じゃあ、今すぐシュエンに交渉してきて」

 

「・・・シュエンは怖い」

 

そう言われて、再び私はため息をつく。この部隊をまとめるのはベビーがやること。だから、いないと必然的にまともな私がその役につかなければならないのだ

 

「ラプラス。探しにいくとしてもベビーが何処にいるかわからないんだよ?」

 

「そんな事、ヒーローパワーでどうにかなる!」

 

「うん。パワーでどうにかならないから」

 

「なら、ヴィランの力で!」

 

「うん、ドレイクも無理だし、あなたの力は人間の指揮官相手だと無力でしょ」

 

「・・・それもそうか」

 

この二人を制するのは一生苦労するだろう。お願いだから早く帰って来て欲しいと願うしかなかった

 

ちなみに私はベビーに対して1mmも心配していない。だってあの人は公にされてはいないけれど、最強のニケと言われていたリリーバイスと同等の力をもっていると噂されているのだから

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

「これ以上やっても無駄だ。おとなしく、その刀を渡せ」

 

「悪いが、それはできない・・・な」

 

こやつ。私の不意を突いただけではなく、太刀筋も読ませぬとは

 

「そうか。なら、少し手荒な方法をとらせてもらう」

 

くる。だが、ただではやられん

 

 

だが勝負は一瞬だった。奴の攻撃に対する返し手でもあった私の突きの一撃は奴の腹部を貫通する

 

しかし、奴は手前にある花無十日紅の刃を片手で握り、もう片方の手で

 

「グレ、くっ!」

 

ピンを外された手榴弾を持っていたため自滅覚悟の特攻と思い、衝撃と飛び散る破片に対して身構えたが、破裂音と共に体を襲ってきたのは煙だった

 

すぐに視界を切り替えようとしたが、刀を握っていた手首から鋭い痛みを感じ、握る力を緩めたと同時に奴の足払いをくらってしまい、体勢を崩されてしまった。

 

だが、バク転の要領で立て直すと同時にそこから弾みをつけ、奴の頭部目掛けて手刀を繰り出す

 

しかし、繰り出された手刀は煙を切り裂き、視界を晴らしたが肝心の奴の姿は何処にも見当たらなかった。レーダーを確認しても探知できず、その場には奴が流した血だまりが残っていた

 

 

 

 

 

 

「・・・い、いってぇえええ!!」

 

あの場から逃走し、離れた空き家に隠れた俺は、あまりの痛みに悲鳴をあげた。奴を切り刻むと心に誓ったが、交えたことでわかった

 

今の俺では絶対に勝てない。性能は圧倒的に俺が上・・・だと思うが、刀を扱う技はあいつが何倍も勝っている。あのまま最後まで続けていたら、僅かな隙でも俺の命を絶つ技を繰り出すだろう

 

しかし刀を取り返すだけなら、勇気と我慢があれば事足りる。それに刺し傷程度なら左手に深く刺さっているスモークグレネードの破片で治るはずだ

 

ちなみに今回使ったスモークグレネードは即時撤退を迅速に行えるようミシリスの研究員達を脅h、お願いして作り出された品。普通のグレネードと同じように炸裂し、半径50mを瞬時に煙で隠す

 

奴の足元に投げてもよかったのだが破裂した際、飛んだ破片が奴に刺さることを考えたら罪悪感を感じたので、手の中で爆発させた。お陰で俺の手はボドボドダ!

 

 

俺は深呼吸してから腹部に刺さっている刀を思いっきり抜く。傷からは大量の血が流れ、刺さっている時以上の痛みが走り、痛い痛い痛い痛い!!

 

 

刀を放り投げ、床に倒れてくの字になる。余計な血を出さないよう傷を押さえるが出る血が多い。前でこれなら押さえられない後ろは酷いことになっているだろう

 

だけどこれは流石にまずい。逃げている時も血を流し過ぎていると思っていたのに今の出血が続けば確実に致死量に到達する

 

 

視界がぼやけて、思考が変にぽわぽわしてきた。ああ・・・ネギ味噌を乗せたご飯の匂いが急に・・・ってアカーン!

 

 

緩みきっていた思考をぶっ飛ばし、健全だった肉体の状態を思いだしながら、数秒待つと痛みが引いていき、刺されていたところと左手は固まった血の上に少し血がついているだけで、傷口は完全に塞がっていた

 

「危ない危ない。全くこういう時、ニケが羨ましく感じるよ」

 

なんて付属高校の奴らに言ったら、ドン引きされるだろうな。お前が言うな、てな。

 

・・・とりあえず、血で染まった服は近くの川で洗うか。血、とれるかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助けてもらってすまないね」

 

「別にかまわない。武器がないなら尚更だ」

 

「でも、紅蓮が武器を奪われるなんて今でも信じられません」

 

月一度の集会が近づき、三人で決めた場所の周辺で探索していた時、紅蓮から助けがいるというメッセージが送られてきた。すぐに紅蓮の元に駆けつけるとそこには負傷した紅蓮と紅蓮を襲っていたラプチャーを倒していたスノーホワイトの姿があった

 

紅蓮の体を治しながら事情を聞くと刀は何者かに奪われたと言われ、私とスノーは驚きを隠せなかった。

 

「私もそうさ。言い訳に聞こえるかも知れんが、奴から発する殺気に騙されてしまった。まさか、倒して奪うのではなく自身を犠牲にして奪うなど・・・私でも越えられないことを奴は平然と越えてきた。あれは相当手強い相手になる」

 

「・・・まさかだと思うが戦う気か?」

 

「ああ、そうだとも。君たちも知っているだろう、あの刀は私の命よりも大切な物だと」

 

そう語る紅蓮の目に私は見覚えがあった。彼女がゴッデス部隊の頃によく見せていた獲物を見る目、そのものだった。もし、このまま彼女を止めずに向かわせれば、どちらかが死ぬまで戦うかもしれない。それは避けなければ

 

「紅蓮。気持ちはわかりますが、意思疎通ができるのであれば力で解決するのは得策ではありません。なので、私が刀を返してくれるよう説得してきます」

「私はかまわないのだが・・・大丈夫なのかい?奴は私と同じ戦闘型だ。もし友好的ではなかったら」

 

紅蓮の言うことはわかる。支援型である私はあまり戦闘を得意としない。しかし、相手が人であるならば話し合いで解決したい

 

「大丈夫です。それにお話は得意ですから」

 

 








「社長。先程からなにを焦っているのですか?」

「は?これが焦らずにいられると思う?メティス初のお披露目がよりによって兄貴がいなくなったのよ。痕跡でもいいから見つけないと大変なことに」

「そのことですが社長」

「なに?」

「もう手遅れです。先程から色々殺到してきています」

「(゜ロ゜)・・・アカン」
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