異種族(強)とニンゲン(弱)と学園もの。   作:naoki810

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オラッ!連勤!夜勤!連勤!からの初投稿です


登校にて

入学式より翌日・通学路

 

 ああ、空がこんなにも青い。四月の温かな風が背中を押し、通学路を征けと急かす。人生の半分を生きた自分が学生として道を歩いている。共学へ入学したのは外圧による強制的な流れではあった。巣を追われ、学生たちを置き去りにした後悔もあった。

 

 しかし、こうも気分が良く学び舎へ足を進められている。これから学んでいく、新しい知識と技術に心惹かれているのであろう。いや、顔合わせ一日目で新しい友人・知人が作れたというのも、活気になっているのかもしれない。

 

 さて、本日は少々早めに家を出てしまった。講義の前に共学の中を歩いてみないか?と新しい友人に誘われたのだ。校舎前広場で待ち合わせと携帯アプリに連絡があった時、Malinの承認方がわからず直接部屋に聞きに行ったのは多少恥ずかしかった。今は携帯やPDAではなくスマホ・タブレット呼びが一般的なのだろう。アプリも勉強しなくてはならないなぁ。

 

 色々考えながら歩き、広場の目印である大樹が見えてきた。大樹下にあるベンチに新しくできた友人が三人並び座って談笑しているのが見える。

 

「皆さん、お早うございます」

 

 此方の挨拶に三人の顔が向けられる。

 

「おっすおっす」

 

「おはようございます、朝早く申し訳ないです」

 

「おはようございまーす!」

 

 若い三人からは声からもエネルギーを感じる。ああ、あと一〇年も若ければと泣きたくなる。いや、こちらも負けてはいられない。老木には老木の強さがあるというのを見せなければ。

 

「いえ、朝早いのは慣れてますから」

 

「ほんと申し訳ないです。思い付きで、すぐ行動する輩なもので……反省して?」

 

「サーセン」

 

 自分より二廻り以上年下の同級生である友人同士がじゃれ合っている姿が微笑ましい。話を聞くと生まれた時からの縁であるとか。傍から見ると兄弟のようにも見える。

 

「褐色元気っ子とガッシリ筋肉男子の絡み。あぁ~、尊いんじゃァ~。朝から燃料アリガトナス!」

 

「やめてくれよ(絶望)」

 

「申し訳ないが生ものはNG」

 

 じゃれ合っている二人を慈愛の目で見ている女性も新しくできた友人の一人。男性や異種族にも垣根無く話せる優しい方である。昨日の蛇族?の方とも素早く打ち解けていたのは彼女の気質でしょう。

 

「元気なのは良い事ですよ」

 

「抑え役は大変なんですよぉ……」

 

「しっかりしてどうぞ」

 

「はぁ~(糞デカ溜息)、もう本題に入ってどうぞ」

 

「おかのした」

 

 そうでした、朝早く集合したのは何やら相談がある様子。人生の先達としては何かしら良い施策が浮かべばよいのですが。

 

「じゃ、本題ね。ポイントを稼ぎたいんだよね、ポイント」

 

「YPの事かな?正直、衣食住ほぼ共学側で賄ってくれてるからお姉さんには使いどころがね……?」

 

「ふむ、ポイントの稼ぎ方ですか。」

 

 貢献ポイント、共学内で使える電子通貨。月額で三万YPチャージ。共学では住居・電気水道・通信費は無料、食事は学食であれば無料、衣類関係もジャージや学生服の十分な配布があり、着たきり雀の私にとってはとても楽でありがたい環境。私服もスーツとシャツぐらいですから、あまりポイントの使い所が見えないのです。

 

 共学備え付けのコンビニや衣料品店はありますが、共学への輸入の影響か物価として多少割高なっている様子。ですが品物の値段としては一円=一YP換算で使える感覚でいいでしょう。現金のYP変換は変換率が悪いので、変換して使うと大赤字になるので現金変換の利用はあまりいないと考えます。

 

 しかし、若者では新しい服が欲しかったり遊びに行く等出費は増えるでしょう。若いころは散財したものです。ですが、稼ぐとなるとどうしたらいいものか。異種族の方が欲しがっているものは現状分かりませんし、そもそも許可がいるのでは……?

 

「異種族の方に関する理解がまだ足りませんから、難しいですね」

 

「自分も料理は作れるのですが、好みがわからなくて……」

 

「原稿はお時間をいただけるなら……」

 

「進捗どうですか?(煽り)」

 

「シンチョクダメデス」

 

 索引・コピーだらけの論文、ウッアタマガ。うーん、三者共々うなり声を上げるしかない、これは困った。

 

「あのぉ~、イトハですけどぉ~。まーだ、時間かかりそうですかねぇ~」

 

「お前も考えんだよ!」

 

「私によい考えがある、ゴアンシンヲ」

 

「聞かせていただけますか?」

 

「ハイ!取り敢えず、異種族は何に引かれるかをリサーチしたいと思うんですよ!」

 

「ふむ、嗜好の種類を収集するという事ですかな?」

 

「ジャンル統一じゃなくフリーフェスをするってコト!?」

 

「そうだよ(鷹揚)」

 

「どうやって方向性?を調べるんすかね?」

 

「方向性っていうか好みって感じだから、ここに四人とも違うタイプのヒト種がいるわけじゃない?」

 

「確かにそうですな」

 

 若い二人にしても標準体型、筋肉質体型ではありますし。私も高齢の男性サンプルとなれるでしょう。女性は言わずもがなですが。

 

「まず、何を売るって言っても売り物は異種族さんからも未知なわけだから、客引きに使える人選っていうのを調べたいんだわ」

 

「ああ、出店で顔が良いスタッフのほうが売り上げ良いっていう」

 

「表紙とサンプルページだけ気合入れて描いておく手法かな?」

 

「ゲスト兄貴姉貴で集客するのはやめよ?」

 

 何やら嫌な思い出があるのか、三人とも頭を抱えてしまいましたね。確かに何を売るにしてもコストはかかりますし客寄せとしてではあっても、私たちが受け入れられているかというのを図るのは良いかもしれませんね。

 

「それで、どのように調べるのですか?」

 

「TVみたいにフリップもって好感度シールでも貼ってもらうん?」

 

「ブロマイド販売とかどう?」

 

「モチヤ姉貴いい線いってますねぇ!だけど準備がね?」

 

「あっそっかぁ」

 

「そもそも何も準備してないんだが?」

 

「俺が準備はしてきたからさ、安心しろよ~」

 

「相談でなく、準備してたのですね?」

 

「あっ……(サーッ)」

 

 相談というより、協力者が欲しかったようですね。強引な誘い方が若者らしい。そういえば彼が持っている鞄、異様に膨らんでいますねぇ。

 

「まま、安心してよ!チャチャチャっと準備してオワリッ!」

 

「ホントかなァ?」

 

「ははは、乗り掛かった舟ですし乗りましょうか」

 

「しょうがないにゃぁ」

 

「アリガトナス!じゃこれに着てどうぞ」

 

 彼から渡されたのは白いTシャツ。ああ、だからジャージで集合だったのですね。

 んん?それは旗ですか?あっ、二つ折りの立て看板も。これは入念に準備していた様子。然しその鞄には入らない量の物品が出てきましたね?おお、空間拡張の魔術搭載の鞄ですか。コンビニで二十万YP?今月のチャージ額では足りないような?あっ、今までのお年玉等の貯金が溶けて素寒貧と……。もう少し考えて使いましょうね?

 

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開発班謹製 空間拡張・重量軽減機能搭載の鞄、GABAG!

二十万YPにて販売中!ハンドバッグの大きさに三㎥の積載空間!

もちろん重さは感じさせません!

上位機種もご用意していますのでお気軽に魔源研究所までお電話ください!

 

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 くっ……、この魔族上位種たる吸血鬼のワタクシが徒歩通学。入学のため数々の冥家を蹴落とし、数多の挑戦者を塵屑として排してきたこのワタクシが……。あの処女厨角四足精獣め、緊急時以外の飛行やワープを禁止するとはなんという不届き者。優雅に空を飛行する姿をヒトオスくんに見てもらって、華麗な姿に見惚れている所を勢いで娶りまで行ってしまおうという偉大な作戦が台無しですわ。(秒速五キロメートル)

 

 しかし、抜かりはありませんわ。一つの策がダメになったのなら二つ目の策を練ればいいのです。持ち得るすべてを使いヒトオスくんの目を奪う作戦を立てましょう。このメリハリ!ぱーふぇくと!ボディ!をもって!

 

 残念なのは実家で着ていた衣服は持ち込めなかったこと。しかし、流石に研究所謹製というだけあって機能は元より、デザインも羽や尻尾、高貴な胸とお尻を引き立てるものになっていて良いものですわ。

 

 お付きを実家から呼ぶのが許可されなかったため着替えに手間取りましたが、之も経験。庶民の生活も経験しませんことには夫婦生活に罅が入ってしまいますものね。価値観のズレは不和を呼び不幸を引き付けると御母様は語っておられました。

 

 ああ、願わくば共学での生活の内に、この身と心を満たして頂ける様な方と出会いたいものです。

 

 って、喧噪を避けヒトオスくんの観察のために始業よりかなり早めに部屋を出ましたのになんですの?このガヤ打ちは?!広場大樹前からですわね?

 

 ワタクシの大事な大事な思索の時間を台無しにされては困りますわ!諫めて差し上げません…、と……?

 

「な、何をしていらっしゃるのでしょうか?」

 

「おっ?デッッッッ!!!キョウテキトウジョウダナ?」

 

 ワタクシの問い掛けで大樹前より真っ赤なメガホンで大声を出していたニンゲン四人が、此方に視線を向けていただけました。

 

「何をしてるかって?ほらミロヨミロヨ?」

 

 此方に真っ先に反応した日に焼け健康的な肌のヒトオスくんが指さした先には白いノボリが架かっており、そこに「FREE FUGS!」の文字がデカデカと描かれていました。

 

「ふ、ふりーはぐ?ですの!?」

 

「そうだよ(皇帝)、これからの異種族親愛の思いを込めて♡」

 

 あ、あ~いいですわね~。って言えたらどれだけ幸福だったでしょう?これは罠?いいえ、このヒトオスくんからは魔術の匂いはありません。

 

 と、いうか着ているTシャツにも「FREE FUGS!!」って書いてありますわ!え?E?これは据え膳というやつなのでしょうか?

 

「ほら、やっぱり困惑してるじゃないかよ」

 

「無謀が過ぎたのでは?」

 

「ワタシから行こうか?同性っぽいし?」

 

 壮年のヒトオスくん、筋肉ムキムキのヒトオスくん、横に並ぶヒトメスさんのささやかな胸に押される「FREE FUGS!!」も確認ができました。何が起こっているんですの?初日ですわよ?風営法はどうなっているんですの?風営法は!?

 

「よ、四人はどういう関係ですの?」

 

 そうですわ、ニンゲンの技術に対面での衝撃的な出会いから洗脳すると言うのがあると聞きました。これはひどい、ワタクシ負けませんわよ!

 

「アメフトォ……じゃなくて、気の合いそうな人に声かけただけなんだよなぁ」

 

「そういえば、出会って二日目ですねぇ」

 

「なんかホントすいません、巻き込んじゃって」

 

「いーの、いーの!ワタシは楽しいよ?」

 

 くっ……、四人で尊みが四倍どころか。1+1+1+1で四万ぐらいになっていますわ!一〇倍ですわよ!一〇倍!(意味不明)

 

「で、お姉さんどうする?ハグしていく?」

 

「まだ勧めるのか(呆れ)」

 

「無理意地は良くありませんよ?」

 

 筋肉クンと壮年クンが呆れながら日焼けクンに詰める姿もタマラナイ、アーイイ……。

 

「さぁどうですお客さん!この新入生のB、百九十㎝でバッチリの筋肉質ですよ!硬い感じはしますが抱き心地は良いかもしれませんよ!」

 

「ま、多少はね?(サイドチェスト)」

 

「メッチャ乗り気じゃない、草ですわゾ(ホモ嬢)」

 

 筋肉クン、ピチッとした白のTシャツが筋肉に張り付りついていい色だしてますわね。胸筋の張りも中々でしてよ、ワタクシの指で突き倒して差し上げたいですわ。力自慢のヒトオスくんを絶対力で勝てないと分からせたときの表情はたまりませんわ。

 最初は抵抗するヒトオスくんを片手でベッドへ押し込み続けて段々と弱まる抵抗と是から起こるであろう終末に絶望する表情は格別ですわ。

 

「次は新入生のK!一見細身ですが月日により、無駄なものが削ぎ落され収斂したこの体!バックからもちろん、横からもできるかもしれませんよ!」

 

 壮年クン、体の筋のラインがパキッと出ていますわ。皴でなく彫りと表現いたしましょうか。Vネックから覗く鎖骨のライン、その窪みを杯代わりにしたく存じますけどいかがでしょう?

 そして、筋肉クンには無い穏やかさ、包容力。どんなエッチなお願いも笑って付き合って頂ける様な優しさを感じます。二リットルぐらい吸血しても許していただけそう。

 

「最後に新入生のM!可愛い顔してる割りには結構ハードな(薄い本)書きますよ!ほうら、このピチピチしたコミッションに!(要望を)ぶち込んで楽しんでやってくださいよ!」

 

「細かく指定いただければイメージが付きやすいので出来るだけ詳細にお願いします」

 

 ヒトメスさん、お胸やお尻はささやかに過ぎますね(異種族対比)。しかし、体の奥底から湧き上がっている淫気。横のヒトオスくんどころかワタクシにまで喰らい付きそうなほどの圧力!舐めてはいけませんね。ニンゲンの力強さというものは。

 

「どうです?お客さん?誰にいたしましょうか?」

 

「ん?イトハくん自身の紹介しないのですか?」

 

「あー、いや。日焼けと百六十㎝位の男性ってだけですからねぇ」

 

「ちゃんと修練してるけど、筋肉は薄っすらしかつかないんだよな?」

 

「体質が憎いッピ!太りもしないけど」

 

「それはそれで女性に取っては羨ましいですゾ~」

 

 日焼けクンはイトハクンというのですね。一番小さくて抱きやすそう。ワタクシのブラストバレーへ押し込まれて定住しません事?しますわよね?しよ?

 

「さぁ!どうですお客さん?」

 

 うっ……。据え膳食わぬは貴族の恥とも言いますし仕方がないですわね。(言わない)

 

「こうなったら、全員でお願いしますわ!」

 

「あいよっ!フル一丁!」

 

 ああ、早起きは三文の得と言いますのは本当ですのね。カチカチ、シットリ、ムギュムギュ、ワシワシと多種多様の抱き心地とグッドスメルを感じながら至福の時を過ごせました。ああ、今日は良き日になりそうです。(始業一時間前)

 

「あっ。チェキが一枚千YPになるんだけど、どう?」

 

「おっす、おねがいしまーす。ですわ!」

 

「かしこまり!」

 

 一人千YP、全員で一枚と計五千YPが吹き飛びましたが。満足感には代えられない!吸血に次ぐ幸福感が身に沁みます。

 

 次の開催はいつ頃ですの?えっ、不定期?い、いえ確かにニンゲンさん達を集めるのは大変ですものね。一応好評なら、掲示板で次回開催を掲示すると、ぜひお願いしたいですわ!次は新しいニンゲンさんをひらってくる?それはそれは、良き情報ですの。チェキ以外にブロマイドの販売などは?あー、呪い関係で対策ができないとダメと。

 

 ん?後ろ?あっ、こんなにも行列が……。くっ、もっとお話したいですが流石に独り占めしたらリンチにあってしまいます。仕方ないですの、デきる貴族はクールに去りますわ!

 

 次は授業でお会い出来たら嬉しいですわ!

 




ブロマイドとかチェキとか死語じゃない……?ない?(不安)
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