異種族(強)とニンゲン(弱)と学園もの。   作:naoki810

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 異種族同士だとにんっしんっ!しにくいのだけなので、異種族同士の番は少なからず存在します。
夜勤2連続はきつかったので初投稿です。


その姿はひときわ目を引いた

 

 神が、いた。襖で隔てられていた神の気配が無様な姿に直で当てられている。

関節ではない、細胞が硬直してしまっている感覚。拙い、不味い。早く平伏せねば。

 

「貴方、流石にやりすぎですよ。ニンゲンは脆いのですから、優しくしなくてはなりません」

 

「これはすまぬ、久々の渡界で浮かれていたかもしれぬ。許せよ」

 

 巌しくも包容力のある声が聞こえると体が浮く。先の大戦で似たような経験がある。

異国の者との衝突時、先陣を切って声を上げた突貫した際に感じとれた声と高揚感に似ている。

優しき浮遊感、神の包容力にオギャリかけた。これではいかぬ。

神の対面には規律を守り対応しなければならない。丸まっていた体に渇を入れ平伏する。

 

「あ~ん、もっとオギャっていいのよ?」

 

「その態度、殊勝である」

 

 お褒めの言葉に、身が浮きそうになる。しかしすでに無様、無礼を働いている。身が再度、硬直する。

辛うじて息はできる。畳の匂いが鼻を突く。

 

「貴方、ニンゲンが辛そうですよ」

 

「うーむ、魔の流出はこれでも抑えているのだが。まだ術の習熟が足らぬか。」

 

「劔ばかり振っているからそうなのです」

 

「そちらも、拘束で補助しておるではないか。どっこいどっこいよ」

 

 何を聞かされているのか、皆目見当がつかない。畳の目を数えながらひたすらに息を整える。

イチャイチャしやがって、こちとら月初めから禊で一人の身。神由来の甘々成分直摂取が、体に毒なのは確定的に明らか。

 

「おっと、何時までも顔を伏せられていては話が進まぬ」

 

「そうですわね。あまりこの様な言い方は好みませんが、しきたりですので仕方ないですね。ニンゲンよ拝面・直答を許しますよ」

 

 イラッとしたのが伝わってしまったのか、神の意識が此方へ向く。

まさか、現界しお言葉を頂けるにならず。対面での直答を許可いただけるとは、

 

「御声を拝し奉り光栄の極み。御前に侍りまするは当代捧身将軍。名は禊にて廃しました故、ご容赦を」

 

 大戦にて加護を受け、終戦の後に平民より取り立てられた。神に侍り声を聴き饗応する大役に、この身を捧げたのだ。

しかし役を拝しての数十年、この身は声を聞けず神事を進めるだけのモノとなっていた。大社の老人たちは「そんなものだ」と

慰めとも諦めとも取れる言葉を投げかけた。期待はされておらず箔だけのこの身を不甲斐ないと呪い続けた。

 

「ハハハ、そう畏まらなくてよいぞ。面をあげよ」

 

「そうです、俯いてはお話はできませんよ」

 

 優しく促される、身に余る光栄。しかし、恐れ多くも神からの思し召し従わないわけにはいかない。

意を決する。首を、上げる。

 

「ご尊顔を拝謁し……マ゙ッ!!!!ファッ! クゥーン……」

 

 神は、いた。視認してしまった。だが、理解はできなかった。意識が曇る。いや、寝かせてくれ。

 古ゆかしい耳の横に角髪を結わえた偉丈夫がいた。伝承に残る尊武の神。古代より残されている姿絵では朱銅の大鎧、腰に太刀を佩いていた。

 隣の女神は偉丈夫との会話から夫婦神に当たる。産方の神であろう。小麦色の垂髪に切れ長の目からは手弱女振りはなく気の強い女傑、といった感じを受ける。

肉置きは非常に良い。尊武の神との相図が多くあり、肢体を強調する青苧の薄衣を纏っただけの姿から性愛の神とも言われる。

 

「えっ、貴方。白目をむいてしまいましたよ!?」

 

「これはいかぬ!魔の調整をしくじったか?!」

 

 目前にいる神は大慌てで此方へ駆け寄る。体が拒否する。いやだ、来ないでくれ。

 

 隣室より必死の形相で迫る、角髪にサングラスをかけ焼けた肌にオイルを添加し黒い帷子とブーメランパンツを履いただけの筋骨隆々の男。

その後方からは夏を魅了するような肩と臍以外も出ている皮ベルトボンテージに胸を腰を腿を任せ盛大に揺らしながら女神が走っていた。

 

「「だいじょうぶかー!!!」」

 

 噎せ返るようなオイルの臭いと極上の皮クッションに包まれた瞬間、意識を手放した。

 

-閑話-

 

 

 尊武の神、古代秋津洲より化外の者達を力をもって海へ追放したといわれている男神。強きものに武と守護の加護を授ける。

 産方の神、尊武の神と共に秋津洲の祖となる人を生み出したといわれる女神。美と安産の加護を齎す。

 と、されている。

 

 

-休題-

 

「ハッ!」

 

 良い……、いや悪夢であった。禊前、戯れにインターネットを利用し動画サイトにて享楽へ耽った罰であろうか。ミームを笑う時またミームに

汚染されているのだという古来よりの言い伝えを忘れていたようだ。朦朧とした頭でここは寝所であることを確認する。

 

「やあ (´・ω・`)、ようこそ、バーボンハウスへ。

 この母乳はサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい」

 

 寝所ではなかった、夢でもなかった。自分は椅子に座っている。布団と畳の影はなく何処か知れない。雰囲気は小洒落たバーのような場所であった。

カウンター越しに出されたグラスには白乳色の液体が注がれている。

 

「うん、「また」なんだ。済まない。仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない」

 

 神じゃろがい!と大声で叫びたかった。こんな、特大の「また」は希望してはいない。

 

「でも、この私達を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない、「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う」

 

 驚きでときめきが口より虹色で飛び出しそう、勘弁してください。産方様。

 

「殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい。そう思って、この場所に降臨したんだ」

 

 殺伐としてるのはこっちの認識と意識だよぉ!

 

「あらいらっしゃい!ご無沙汰じゃないですか」

 

 連れてこられたんだよなぁ!あんた達になぁ!そのオイルでテッカテカな手で給仕して異物混入の恐れはないのかな?

破れかぶれにグラスを呷る。

 

「オギャッ……」

 

 薄い甘みとほのかな乳臭さが喉を通る。バブみが喉より噎せ返る。

 

「あら良い飲みっぷり、背中トントンしてあげなきゃ」

 

 満面の笑みのボンテージ女神より突き出される手をさっと身を寄せることで躱す。

 

「あらいけず~。遠慮しなくていいのよぉ~?」

 

「すでに成人しておりますれば」

 

「良き身のこなし、鍛錬を欠かしてはいないようだ良きかな良きかな」

 

 アミアミ男神が闊達に笑っていた。肌の動きに合わせ綺羅ギラとした光が反射し目に射し込む。

 

「お聞きします、二柱様は何故降臨なさったのですか」

 

 腹は決まった。いかに奇抜な服装の神であろうと、神は神。その御意思を確認するのだ。

 

「それよ、ちょいと頼みごとがあってな」

 

「頼み事、でございますか」

 

 神代の頃より、この二柱より供物や合力の要求はなかった。神の世に何かが起きているのか。

何故、今なのだ。なぜ当代によりによって……。昨今、化外のモノよりの被害は少なかったのはこのためか?

目的は民草の命?ただでさえ病魔や資源不足により出生率が落ち込んでいる今この時に……?

 

「あっ、勘違いしては困りますよ。贄を差し出せとか血を捧げよとかではありません」

 

顔に出てしまったのであろうか。

 

「贄、ではないと」

 

「贄なぞ貰っても、さほどうれしくはないからな。」

 

「では何を捧げればよいのでしょうか?この身はすでに神にささげたモノ。お好きなように為さられては」

 

 この身一片で民草の安寧が買えるのなら、どれほど安いか。

 

「その身を欲しがる輩は星ほどいようが、寝取りはだめだからな。角が怒る」

 

「そうですよ、番から引き離すなどもってのほかです」

 

 角……?隠喩かな?

 

「では何をこの身にお望みでございましょう」

 

「うむ、学び舎を立てたいのよ」

 

「学び舎、でございますか」

 

「そうそう、ニンゲンに興味があるのがたくさんいてね」

 

 学び舎とは……。人の世を学びたいと酔狂を神が?いや、当代の状態を見て憐れんでくださったのか?

学びこの世を救っていただくために……?

 

「……人の世を述学するというのであれば、如何様にも。いくらでも講師を出しましょう。

 しかし、神代から人は幼子のように導かれるモノでは、」

 

 無礼を、魂消ることになっても。もう人は自立しているのだと神に知っていただかなければ。

 

「お前は物事をあせりすぎる」

 

 男神様が拒絶の言葉を遮るように此方を見る。救うためでもない?では一体?

 

「色々あるが簡単に言うなら共栄のためだ」

 

「共栄?神と人が?」

 

 神と人では生きる尺度が、月日が、何もかも違う。わからない。

 

「なぜ……?」

 

「その説明をする前に今の世界の状況を理解する必要がある。少し長くなるぞ」

 

 その日、私は世界を知った。その一部に過ぎないが。

 

-閑話-

 

 異界へ通じる道は無数にあります。それは何処に繋がるか不安定なもの、一方通行のもの、何時でも行き来が可能なもの。

偶発的に開くもの、個人所有のもの、派閥単位で管理しているものと色々な繋ぎ方や開き方があります。

 

 

-休題-

 

「神や化外のモノは発生は同じであり、生活や繁殖は人に近いというのですか……?」

 

 根源より出でて発生し集を作り営みを行い増える。人と変わらぬ、力を持っただけの存在……?

 

「ヒトと神との違いが力だけならば。我らとニンゲンは共栄できると思わぬか?」

 

 できる、のだあろう。そう確信し目の前の二柱様は提案しているのだ。人知を超える存在として。

 

「できる、とは思います。ですが目的は?いったい目的は何なのですか!?」

 

 導く存在が幼子に何を求めようというのか。

 

「うむ、単純よ」

 

「そう困ったことにね」

 

「お聞きしましょう」

 

 超常の存在が困難といえる問題を、我らが解決できるのか……?聞くのが恐ろしい。

意を決する。

 

「「少子化対策だ(よ)」」

 

「はっ!?えぇ……?」

 

 は……?いやまて。さっき言っていたではないか。超常も営み繁殖するのだ。少子化問題があってもおかしくない。

おかしくないよね?

 

「お、お恥ずかしながら。昨今、この国でも少子化問題が上がっておりまして。学べるかどうか」

 

「いやなに、此方も藁をも掴む思いでなぁ。」

 

 先の説明で超常の存在同士での交合では孕み辛いとの説明であった。一〇年一人で万々歳とは……。確かに超常と比べヒトは孕みやすいのか。

 

「分かり申した。早速、生物学者・医者等関わりあるものを呼び寄せましょうぞ」

 

「あっ、ちょっとまってまって」

 

「お前は物事をあせりすぎる(X刹那振り2回目)」

 

「如何様にも希望をおっしゃってください、この身の許す限り努力いたします」

 

 二柱様より焦りが見える、何かが足りないのか……?

 

「ニンゲンも共に通えるようにしてほしいのよ!」

 

「うむ、二輪となり学べば先も早く見えようぞ」

 

 人と一緒に学ぶ。いったい何を……?あっ、ふーん……(察し)

 なるほど、実地での見学(意味浅)を御所望とのことか……。

 

「御所望のままに、吉波羅や船津等の盛り場からも人を募りましょう」

 

「お前は物事をあせりすぎる(Xレス振り3回目)」

 

「あのっ、ちょっとちがうっていうか。シロウトさんがいいかなって」

 

 頭サム8男神とキョドキョド女神より焦りが見える。素人……?学生……?

あっ、ふーん……(察し)

 

「いかに万物を見通す目をお持ちと云えど、ピーピングはNGですぞ」

 

「拙者、目が見えん」

 

「なぜ?バグか……」

 

 何故じゃねぇよぉ!頭ハッピーセットかよ!そうだったわ超常の存在だったわ。

人に対する知識が神代から刷新できていないんだわ!

 

「人の営みの中から学びたいっていうかね?」

 

「えげつねーな…悟るヒマも無しかよ」

 

 神に悟りは必要ないのでは……?

 

「それに問題もあるのです、間接的に贄となってしまう場合があります」

 

「「いひょえっ!」」

 

 うーん、この神ムーブ。自己が学ぶことしか考えていないのかな?

 

「な、何か問題があるのかなぁ?」

 

「お前もいずれ分かる時が来よう」

 

「いやあなた方から聞いてきたんでしょ」

 

 あっ、やばい素が出てしまった。が、二柱様はこちらを見るのみ。

絶望の淵に立たされたような顔を見る。これは問題点をあげていく他なし。

 

「まず国の制定にて6-15歳まで算術や文字等、基礎的な教育を行います、これはほぼ国税にて実施しています」

 

「なるほど」

 

「15歳からは就職や専門校への進学等 生活基盤を立てるための技術を教え学ぶ場所となります。

 そう、後世を育み増やすために学ぶのです。決して、何も考えられない贄を育てる場所であってはならないのです」

 

「ス……」

 

「さて、神々・超常の方々が望む学び舎は何を学ぶために行くものですか?」

 

 自立のために学び、栄えるために育む。その知識の学び舎がどの方向性にあるのか。

巷ではぽっと出専門のなんだかわからない横文字だらけのコースや科に飛びつき、学びたいことも学べずということもあるらしい。

その後の道が閉ざされる事態は避けたいのだ。

 

「えっ、あの、その」

 

「己の師にくわしく聞くといい」

 

 目の前に心の師と崇めていたものだったらいます。

 

「御舎に入学するメリットをお教えください」

 

「えっはい、えっと。異種族と魔の技術に対する理解度を深められます!」

 

「そのスキルは弊国では求めてませんが?いつ使いどころがありますか?」

 

「コレカラァ……」

 

「専攻している分野が将来の目標と違うのでは?」

 

「ハイ……」

 

「慢心し過ぎではありませんか?」

 

「 [勇]を失ったな」

 

 失ってるのは知だろぉ!何も考えてないじゃないか!やっぱ超常の存在(の認識)はダメだな!

これじゃ、ただのニート製造所だよぉ!しかし、此方も無理と突っぱねるのは心情的につらくもある。(一つまみの同情)

せや!

 

「二柱様残念ではありますが、当国では魔の技術?と言われても知識も技術も、まして扱えるものもおりません」

 

 正確には居るには居るのだが鬼であったり、狐、森人等の化外のモノとされている部族である。

 

「そ、そうなのか?では与えようぞ!そうすれば働く場所も増えよう!」

 

「あわせて作物や書の販促も行いましょう!」

 

 おっ、いいぞ~これ。新技術GETのチャンスだ!(為政者の貫禄)

 

「なるほど先に広め、扱い手が必要な場所を作るとのことですか、ご慧眼流石でございまする」

 

「勿論だ、やっとらしくなってきたな」

 

「ここで来たか!」

 

 ちょっとチョロすぎ品?何か怖いぞ。でも新技術は捨てがたい……。

うーん、またポンコツされても困るし念押しとかなきゃ!

 

「では学び舎の方向性としては”人が扱える”程度での魔の技術の普及を目指す+超常の者との共存でよろしいですかな?」

 

「「いいぞ~これ」」

 

「ではそのように、共に栄えましょうぞ」

 

 キャッキャ状態の二柱様といつの間にか手元にあった愛用の大刀で金打し約束の締結とする。

学び舎をいつ作るか……?技術って有用じゃないとあまり広がらないのよね。でも忙しくなることは確かだ。

わが身朽ち果てるまで邁進せん!

 

 

---

 

 

「ところで、だれがニンゲン用の技術を開発するんですの?」

 

「魔の一派に頼めばヨシ!(尊猫)」

 

 

やめて!ざこざこニンゲン程度の能力で、魔動力炉を稼働させられたら、魔で地脈と繋がってる地球のコアまで燃え尽きちゃう!

 

お願い、死なないで魔源研究所 研究員!あんたが今ここで倒れたら、全異種族との約束はどうなっちゃうの? ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、ニンゲンとセッ!!できるんだから!

 

次回、「死は労働をやめる理由にはならん」。デュエルスタンバイ!




ノリと勢いで書いたので、無推敲です(迫真)
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