感想はなるべく返す事を心掛けております。感想あれば、どぞ。
( ´ー`)y-~~
「君は僕と契約したという事だよ。ああ……あのポンコツ女神から、君は自由になったという事だね。僕が、君を助けたって事になるのだけど……それについては、まあ気にしなくてもいいよ」
美貌の少年が、ニコリと微笑む。輝く様な金髪に白磁の肌。整った目鼻立ち。
それら以上に目を引いたのは、深紅に染まる赤き瞳だ。
白を基調とした、貴族風な服装を身に纏っている少年が、パァンと手を叩くと同時に、一人の男性が姿を現した。
執事然とした装いの男性。燃える様な真っ赤な髪の色と、その髪の間から短い角が覗いていた。
高身長のがっしりとした体格。男性が手にしていた盆の上には二つのティーカップとティーポットが乗っていた。
男性は手早く丁寧にティーカップを少年と俺の前に配置し、丁寧に茶を注ぐ。
少年は、ゆっくりとした優雅な手付きでティーカップを摘まみ取り、促す様に俺を見る。慌ててカップを取り、ゆっくり啜る……紅茶に似た香りと味わいが、ほんわりと身に染みた。
「さてと、改めて君の名前を聞いておこうかな。いや、前世の名前じゃないよ?
カップから口を離さず、上目遣いに聞いてくる少年……俺はカップを置き、何故かきっぱりと答えていた──
「クレイドル。俺の名はクレイドル、です」
あっはっはっはっ、と少年は笑った。
「はっきりと!僕の前で、自分の名を名乗ったな!その名の意味はどうでもいい!今、君は僕の加護を受けた!今日をもって、君は僕の息子になった!」
畳み掛けるように、高笑いをする少年……邪神を前に、俺は何故クレイドルという名を名乗ったかは分からない。
だが、第二の人生が今、始まったという実感を痛いほど感じた……高笑いする美貌の少年、いや邪神に俺は質問をしなければならない。
「あの……加護、とは?」
邪神は未だ笑いを含みながら、答える。
「さあね。僕の加護がどういうものかは、ふふっ、自分でも分からないね……ふふっ」
ここで初めて、この邪神に対して微かな苛立ちを感じた。
「んふふっ……まあ、はっきり言える事は、ふふっ、君のこれからの人生は、波乱だね。波乱の混沌に舞う、ふふっ……人生を送る事に、なる、だろうね……ふっ、んふふっ!」
呆然と少年、いや、邪神を見る。ふと視線を感じた。邪神の執事?が俺を痛ましい目付きで見ていた。
執事と目が合うと、彼は静かに頭を下げた。その仕草から、何か謝罪めいたものを感じ、俺も頭を下げる……邪神は今だ笑っている。
あのポンコツ女神から救ってもらった、という感謝が急激に薄れていくのを俺は強く実感していた。
とりあえず、こんなとこでしょうかね。縁があれば、また。